港湾運送事業法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十七号
公布年月日: 平成12年5月17日
法令の形式: 法律
港湾運送事業法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十二年五月十七日
内閣総理大臣 森喜朗
法律第六十七号
港湾運送事業法の一部を改正する法律
港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
第二条中第五項を第六項とし、第四項の次に次の一項を加える。
5 この法律で「特定港湾」とは、コンテナ貨物の積卸しの用に供する港湾のうち国民経済上特に重要なものとして政令で定めるものをいう。
第四条第一項中「前条第一号」を「特定港湾以外の港湾において前条第一号」に、「港湾運送事業を」を「港湾運送事業(以下「一般港湾運送事業等」という。)を」に改め、ただし書を削り、同項に後段として次のように加える。
この場合において、一般港湾運送事業、はしけ運送事業又はいかだ運送事業の免許を受けた者は、当該免許に係る港湾を起点又は終点とする指定区間においても、当該免許に係る一般港湾運送事業等を営むことができる。
第四条第二項中「前条第一号から第四号までに掲げる港湾運送事業」を「一般港湾運送事業等」に改める。
第六条第一項第二号中「第三条第一号から第四号までに掲げる港湾運送事業」を「一般港湾運送事業等」に改め、同条第二項第一号中「一年以上の懲役又は禁」を「禁以上」に、「二年」を「五年」に改め、同項第二号中「港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第十条第一項又は職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四十四条」を「港湾運送事業に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。第三十一条第七項を除く。)」に改め、「以上」を削り、「二年」を「五年」に改め、同項第三号中「免許」の下に「又は許可」を加え、「二年」を「五年」に改め、「者」の下に「(当該免許又は許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しを受けた法人のその処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現にその法人の業務を執行する役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)として在任した者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)」を加え、同項第五号中「(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)」を削る。
第十二条の見出し中「運賃、料金及び」を「運賃及び料金並びに」に改め、同条中「第九条第一項及び前条第一項の規定により認可を受けた運賃、料金及び」を「運賃及び料金(特定の荷主又は船舶運航事業者に限つて定められたものを除く。)並びに」に、「見易い」を「見やすい」に改める。
第二十二条の五の見出し中「割りもどし」を「割戻し」に改め、同条中「第二十二条の三」を「第二十二条の四」に改め、第二章中同条を第二十二条の六とし、第二十二条の二から第二十二条の四までを一条ずつ繰り下げ、第二十二条の次に次の一条を加える。
(特定港湾における一般港湾運送事業等)
第二十二条の二 特定港湾における一般港湾運送事業等を営もうとする者は、一般港湾運送事業等の種類及び特定港湾ごとに運輸大臣の許可を受けなければならない。この場合において、一般港湾運送事業、はしけ運送事業又はいかだ運送事業の許可を受けた者は、当該許可に係る特定港湾を起点又は終点とする指定区間においても、当該許可に係る一般港湾運送事業等を営むことができる。
2 第五条(第一項第四号に係る部分を除く。)及び第六条(第一項第一号に係る部分を除く。)の規定は、前項の許可について準用する。この場合において、第五条第二項中「事業の収支見積」とあるのは、「資金計画」と読み替えるものとする。
3 特定港湾における一般港湾運送事業等の許可を受けた者(以下「特定港湾一般港湾運送事業者等」という。)は、運輸省令で定めるところにより、運賃及び料金を定め、あらかじめ、運輸大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
4 運輸大臣は、前項の運賃又は料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該特定港湾一般港湾運送事業者等に対し、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命ずることができる。
一 特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
二 他の特定港湾一般港湾運送事業者等との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがあるものであるとき。
5 特定港湾一般港湾運送事業者等は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、運輸省令で定める手続により、休止又は廃止の日の三十日前までに、運輸大臣にその旨を届け出なければならない。
6 第十条、第十二条、第十四条から第十五条の二まで、第十七条、第十七条の二、第十八条第四項から第六項まで(第六項にあつては、第四項に係る部分に限る。)、第十八条の二、第十八条の三、第二十一条及び第二十二条の規定は特定港湾一般港湾運送事業者等について、第十一条、第十三条並びに第十六条第一項、第二項、第五項及び第六項の規定は特定港湾における一般港湾運送事業の許可を受けた者(以下「特定港湾一般港湾運送事業者」という。)について、同条第三項から第六項までの規定は特定港湾における港湾荷役事業等の許可を受けた者について準用する。この場合において、同条第二項から第四項までの規定中「港湾運送事業者」とあるのは「特定港湾一般港湾運送事業者等」と、第十七条第二項及び第十八条第六項中「第六条」とあるのは「第二十二条の二第二項において準用する第六条(第一項第一号に係る部分を除く。)」と、同条第五項中「第四条第一項」とあるのは「第二十二条の二第一項」と、第二十一条第一号中「運賃及び料金又は港湾運送約款」とあるのは「港湾運送約款」と読み替えるものとする。
7 特定港湾における一般港湾運送事業等についての第十八条第三項及び第六項(第一項及び第二項に係る部分に限る。)の規定の適用については、同条第三項中「免許」とあるのは「許可」と、同条第六項中「第六条」とあるのは「第二十二条の二第二項において準用する第六条(第一項第一号に係る部分を除く。)」とする。
8 第二十条第二項の規定は、解散する法人の経営する港湾運送事業が特定港湾(特定港湾を起点又は終点とする指定区間を含む。)における一般港湾運送事業等のみである場合には、適用しない。
第二十三条中「港湾運送事業者(検数事業等の免許を受けた者を除く。以下本章において同じ。)」を「一般港湾運送事業等の免許を受けた者及び特定港湾一般港湾運送事業者等(以下この章において「一般港湾運送事業者等」という。)」に改める。
第二十四条中「左に」を「次に」に、「港湾運送事業者」を「一般港湾運送事業者等」に、「且つ」を「かつ」に、「港湾運送事業」を「一般港湾運送事業等」に改める。
第二十五条及び第二十八条中「港湾運送事業者」を「一般港湾運送事業者等」に改める。
第二十九条第二項中「港湾運送事業者」の下に「(特定港湾一般港湾運送事業者等を含む。以下この章において同じ。)」を加える。
第三十一条中「免許の取消」を「免許若しくは許可の取消し」に、「、港湾運送事業における基本的な」を「又は港湾運送事業における」に改め、「又は公益命令若しくはその補償額の決定」を削り、「はかり」を「諮り」に改め、ただし書を削る。
第三十二条第一項中「第二十一条」の下に「(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)又は第二十二条の二第四項」を加え、同条第二項中「港湾運送事業(検数事業等を除く。)」を「一般港湾運送事業等」に改め、「免許」の下に「若しくは許可」を、「許可」の下に「若しくは届出の受理」を加え、「取消」を「取消し」に改める。
第三十三条の二第一項中「又ははしけ運送事業の免許を受けた者(以下「はしけ運送事業者」という。)」を「、はしけ運送事業の免許を受けた者(以下「はしけ運送事業者」という。)、特定港湾一般港湾運送事業者又は特定港湾におけるはしけ運送事業の許可を受けた者(以下「特定港湾はしけ運送事業者」という。)」に改め、「当該事業の免許」の下に「又は許可」を、「含み、一般港湾運送事業者」の下に「又は特定港湾一般港湾運送事業者」を加え、「又ははしけ運送事業者」を「、はしけ運送事業者、特定港湾一般港湾運送事業者又は特定港湾はしけ運送事業者」に改め、「第十八条第五項」の下に「(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二項中「第九条」を「第九条の規定は一般港湾運送事業者又ははしけ運送事業者が行う前項の運送について、第二十二条の二第三項及び第四項の規定は特定港湾一般港湾運送事業者又は特定港湾はしけ運送事業者が行う前項の運送について、第十条」に、「、前項」を「同項」に、「「第三十三条の二第一項」を「、「第三十三条の二第一項」に改める。
第三十三条の三中「第二条第四項」を「この法律」に改める。
第五章を次のように改める。
第五章 罰則
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四条第一項の規定による免許又は第二十二条の二第一項の規定による許可を受けないで港湾運送事業を営んだ者
二 第四項第二項の規定による業務の範囲の限定に違反して一般港湾運送事業等を営んだ者
三 第十四条(第二十二条の二第六項及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第三十五条 第二十二条(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定による事業の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第七条の規定による登録を受けないで職業として検数等に従事した者
二 第十六条の三第二項の規定による業務の停止の命令に違反した者
第三十七条 第十八条の二第一項(第二十二条の二第六項及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第九条第一項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けないで、又は認可を受けた運賃若しくは料金によらないで、運賃又は料金を収受した者
二 第十条(第二十二条の二第六項、第二十二条の六及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して運賃又は料金の割戻しをした者
三 第十一条第一項(第二十二条の二第六項及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けないで、又は認可を受けた港湾運送約款によらないで、運送契約を締結した者
四 第十五条(第二十二条の二第六項及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)、第十五条の二(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)又は第十六条の二の規定に違反した者
五 第十六条第六項(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)、第十七条の二第二項(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)又は第二十一条(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
六 第十七条第一項(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けないで事業計画を変更した者
七 第二十条第一項の規定による許可を受けないで事業を休止、又は廃止した者
八 第二十二条の二第三項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第二十二条の四の規定による届出をしないで、又は届出をした運賃若しくは料金によらないで、運賃又は料金を収受した者
九 第二十二条の二第四項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第二十二条の五第一項の規定による命令に違反して運賃又は料金を収受した者
十 第三十三条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
十一 第三十三条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第三十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の業務に関して第三十四条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第四十条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
一 第十二条(第二十二条の二第六項、第二十二条の六及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第三十二条の二の規定による掲示若しくは表示をせず、又は虚偽の掲示若しくは表示をした者
二 第十七条第三項(第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)又は第二十二条の三第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第二十二条の二第五項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、事業を休止し、又は廃止した者
四 第二十二条の三第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、港湾運送関連事業を営んだ者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(特定港湾における一般港湾運送事業等に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の港湾運送事業法(以下「旧法」という。)第四条第一項の免許を受けている者であってこの法律による改正後の港湾運送事業法(以下「新法」という。)第二十二条の二第一項に規定する特定港湾における一般港湾運送事業等を営む者に該当する者は、この法律の施行の日に同項の許可を受けたものとみなす。この場合において、旧法の規定による免許に業務の範囲の限定又は条件若しくは期限が付されているときは、当該業務の範囲の限定又は条件若しくは期限は、新法の規定による許可に付されたものとみなす。
第三条 この法律の施行の際現に旧法第九条第一項の認可を受けている運賃及び料金であって新法第二十二条の二第三項の規定が適用される運賃及び料金に該当するものは、同項の規定により届け出た運賃及び料金とみなす。
第四条 前二条に定めるもののほか、旧法又は旧法に基づく命令によりした処分、手続その他の行為で、新法中相当する規定があるものは、運輸省令で定めるところにより、新法によりしたものとみなす。
(事業の停止及び免許又は許可の取消しに関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に旧法第四条第一項の免許を受けている者又は附則第二条の規定により新法第二十二条の二第一項の許可を受けたとみなされる者に対する新法第二十二条(新法第二十二条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定による事業の停止の命令又は免許若しくは許可の取消しの処分に関しては、この法律の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(地方税法の一部改正)
第八条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七百一条の三十四第六項中「港湾運送事業者」の下に「又は同法第二十二条の二第一項の規定による許可を受けた特定港湾一般港湾運送事業者等」を加える。
附則第十五条第三項中「港湾運送事業者」の下に「又は同法第二十二条の二第三項に規定する特定港湾一般港湾運送事業者等」を、「免許」の下に「又は許可」を加える。
(登録免許税法の一部改正)
第九条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第四十号を次のように改める。
四十 港湾運送事業の免許又は許可
 (一) 港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)第四条第一項(免許)の規定による港湾運送事業の免許
  イ 一般港湾運送事業の免許
港湾の数
一港湾につき九万円
  ロ 港湾荷役事業の免許
港湾の数
一港湾につき六万円
  ハ はしけ運送事業の免許又はいかだ運送事業の免許
免許件数及び港湾の数
一件一港湾につき三万円
  ニ 検数事業の免許、鑑定事業の免許又は検量事業の免許
免許件数
一件につき三万円
 (二) 港湾運送事業法第二十二条の二第一項(特定港湾における一般港湾運送事業等)の規定による特定港湾における一般港湾運送事業等の許可
  イ 一般港湾運送事業の許可
港湾の数
一港湾につき九万円
  ロ 港湾荷役事業の認可
港湾の数
一港湾につき六万円
  ハ はしけ運送事業の許可又はいかだ運送事業の許可
許可件数及び港湾の数
一件一港湾につき三万円
(外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律の一部改正)
第十条 外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律(昭和五十六年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二号中「免許」の下に「又は許可」を加える。
(地価税法の一部改正)
第十一条 地価税法(平成三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一第十三号イ中「港湾運送事業者」の下に「又は同法第二十二条の二第三項(特定港湾における一般港湾運送事業等)に規定する特定港湾一般港湾運送事業者等」を加える。
(中央省庁等改革法関係施行法の一部改正)
第十二条 中央省庁等改革法関係施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。
第千六十一条中「「取消」を「取消し」に、」を削り、「はかり」を「諮り」に改め、「、「但し」を「ただし」に」を削る。
運輸大臣 二階俊博
内閣総理大臣 森喜朗