内航海運業法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第150号
公布年月日: 昭和41年12月26日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

内航海運は国内輸送の重要機関だが、船腹量の過剰と老朽不経済船の多さ、小規模企業の乱立という課題を抱えている。これまで船腹量の最高限度制度により増加抑制を図ってきたが、国民経済の進展に対応するには、老朽船の整理と近代的経済船の建造促進、企業規模の拡大が必要である。そこで、内航海運業を登録制から許可制に改め、特に内航運送業については一定の支配船腹規模を許可基準として設定する。これにより、零細企業が大半を占める現状から、企業規模の適正化を促進し、過当競争を防止することを目指す。

参照した発言:
第51回国会 衆議院 運輸委員会 第38号

審議経過

第51回国会

衆議院
(昭和41年6月1日)
(昭和41年6月10日)
(昭和41年6月17日)
参議院
(昭和41年6月23日)
衆議院
(昭和41年6月25日)
(昭和41年6月25日)
参議院
(昭和41年6月27日)

第52回国会

参議院
(昭和41年7月29日)

第53回国会

衆議院
(昭和41年12月20日)
(昭和41年12月20日)
参議院
(昭和41年12月20日)
(昭和41年12月20日)
(昭和41年12月20日)
内航海運業法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十一年十二月二十六日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百五十号
内航海運業法の一部を改正する法律
内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「左に」を「次に」に改める。
第二条第四項中「左に」を「次に」に改め、同項第二号中「内航運送業者」を「内航運送業を営む者」に、「内航運送取扱業者」を「内航運送取扱業を営む者」に改める。
第三条の見出し及び同条第一項中「登録」を「許可」に改める。
第四条の見出し中「登録」を「許可」に改め、同条第一項中「登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)」を「許可を受けようとする者」に、「左に」を「次に」に改め、第三号を削り、同項第四号中「使用する船舶」を「営業所の名称及び位置、使用する船舶」に改め、同号を同項第三号とし、同項第五号を同項第四号とする。
第五条を次のように改める。
(許可の欠格条項)
第五条 次の各号の一に該当する者は、第三条第一項の許可を受けることができない。
一 この法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者
二 第二十三条の規定により内航海運業の許可を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者
三 法人で、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
第六条の見出しを「(許可の基準)」に改め、同条第一項を次のように改める。
運輸大臣は、第三条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 当該事業の開始が一般の需要に適合するものであること。
二 内航運送業にあつては、当該事業の用に供する船舶の船腹量が運輸省令で定める船腹量をこえるものであること。
三 当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
四 当該事業を適確に遂行するに足りる能力を有するものであること。
第六条第二項中「登録」を「許可」に、「拒否しなければならない」を「してはならない」に改め、同条第三項を削る。
第七条を削り、第六条の二第一項中「内航海運業者」を「第三条第一項の許可を受けた者(以下「内航海運業者」という。)」に改め、同条第二項中「第三条第一項の登録を受けた」を削り、「、その登録の日」を「その許可を受けた日」に、「当該登録」を「当該許可」に改め、同条を第七条とする。
第八条を次のように改める。
(事業計画等の変更)
第八条 内航海運業者は、事業計画を変更しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。ただし、営業所の名称その他運輸省令で定める軽微な事項に係る変更については、この限りでない。
2 第六条の規定は、前項の認可について準用する。
3 内航海運業者は、第一項ただし書の事項について事業計画を変更したときは、その日から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
4 第三条第二項の届出をした者は、その届出をした事項を変更したときは、その日から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
第九条第一項中「内航運送取扱業者」を「第三条第一項の規定による内航運送取扱業の許可を受けた者(以下「内航運送取扱業者」という。)」に改める。
第十四条を次のように改める。
(事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併)
第十四条 第三条第一項に規定する内航海運業の譲渡し及び譲受けは、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内航海運業者である法人の合併は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、内航海運業者である法人と内航海運業者でない法人が合併する場合において、内航海運業者である法人が存続するときは、この限りでない。
3 第五条及び第六条の規定は、前二項の認可について準用する。
4 第一項の認可を受けて第三条第一項に規定する内航海運業を譲り受けた者又は第二項の認可を受けて内航海運業者である法人が他の法人と合併した場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、許可に基づく権利義務を承継する。
第十四条の次に次の一条を加える。
(相続)
第十四条の二 内航海運業者が死亡した場合において、相続人が被相続人の営んでいた第三条第一項に規定する内航海運業を引き続き営もうとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
2 相続人は、前項の規定により被相続人の死亡後六十日以内に認可の申請をした場合においては、その認可をした旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、第三条第一項の規定にかかわらず、当該事業を営むことができる。
3 第五条及び第六条の規定は、第一項の認可について準用する。
4 第一項の認可を受けた相続人は、被相続人に係る許可に基づく権利義務を承継する。
第十五条中「内航海運業の登録を受けた者」を「内航海運業者」に改める。
第二十条中「内航運送業者」を「第三条第一項の規定による内航運送業の許可を受けた者(以下「内航運送業者」という。)又は同条第二項の規定による内航運送業の届出をした者」に改める。
第二十二条を削り、第二十一条の見出し中「休止等」を「休止及び廃止」に改め、同条第一項中「内航海運業者」の下に「又は第三条第二項の届出をした者」を、「休止し」の下に「、又は廃止し」を加え、同条第二項を削り、同条を第二十二条とし、第二十条の二中「第三条第一項の登録を受けた」を削り、「内航船舶貸渡業者」を「第三条第一項の規定による内航船舶貸渡業の許可を受けた者」に改め、同条を第二十一条とする。
第二十三条の見出し中「登録の取消」を「許可の取消し」に改め、同条第一項中「第三条第一項の登録を受けた」を削り、「左の」を「次の」に、「内航海運業の登録」を「内航海運業の許可」に改め、同項第一号中「又はこの法律の規定に基く処分」を「若しくはこの法律の規定に基づく処分又は許可若しくは認可に附した条件」に改め、同項第二号中「第六条第一項」を「第五条」に改め、同条第二項から第五項までを削る。
第二十四条第一項中「登録のまつ消」を「廃止の届出をしたとき、又は前条の規定による許可の取消し」に改める。
第二十五条中「内航海運業者」の下に「又は第三条第二項の届出をした者」を加える。
第二十五条の三の次に次の一条を加える。
(許可等の条件)
第二十五条の四 許可又は認可には、条件を附し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該内航海運業者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
第二十六条第一項中「、内航海運業者」の下に「若しくは第三条第二項の届出をした者」を、「に内航海運業者」の下に「若しくは同項の届出をした者」を加える。
第二十八条中「第三条第一項の登録を受けた者」を「内航海運業者」に、「同条」を「第三条」に改める。
第二十九条の次に次の一条を加える。
(聴聞)
第二十九条の二 海運局長は、その権限に属する次に掲げる事項について、必要があると認めるときは、利害関係人又は参考人の出頭を求めて聴聞することができる。
一 内航海運業の許可
二 内航海運業の事業の停止及び許可の取消し
2 海運局長は、その権限に属する前項各号に掲げる事項について利害関係人の申請があつたときは、利害関係人又は参考人の出頭を求めて聴聞しなければならない。
3 前二項の聴聞に際しては、利害関係人に対し、意見を述べ、及び証拠を提出する機会が与えられなければならない。
4 第一項及び第二項の聴聞に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
第三十条中「左の」を「次の」に、「五万円」を「十万円」に改め、同条第三号中「第二十三条第一項」を「第二十三条」に改める。
第三十一条中「左の」を「次の」に改め、同条第一号中「変更登録」を「認可」に、「第四条第一項第三号又は第四号に掲げる事項」を「事業計画」に改める。
第三十三条中「左の」を「次の」に改め、同条第一号中「第二十一条」を「第二十二条」に改め、同条第二号中「第二十条の二」を「第二十一条」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和四十二年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の際現に改正前の内航海運業法(以下「旧法」という。)第三条第一項(旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航海運業の登録を受けている者で、引き続き当該事業を営んでいるもの(改正後の内航海運業法(以下「新法」という。)第三条第一項(新法第二十七条において準用する場合を含む。)の許可を受けた者を除く。以下「登録内航海運業者」という。)については、昭和四十四年九月三十日までは、旧法(第十四条(第二十七条において準用する場合を含む。)を除く。)の規定は、なおその効力を有する。
3 登録内航海運業者が昭和四十四年十月一日以後引き続き当該事業を営もうとするときは、昭和四十四年三月一日から同月三十一日までに新法第四条(新法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による許可の申請の手続をするものとする。
4 前項の規定により新法第三条第一項(新法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航運送取扱業の許可を申請した者が、その許可を受けたときは、その際現に供託している営業保証金は、その許可を受けた内航運送取扱業について、新法第九条第一項(新法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により供託したものとみなす。
5 登録内航海運業者(この法律の施行の際現に旧法第三条第一項(旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航運送取扱業の登録を受けているものに限る。)は、昭和四十四年十月一日以後においても、旧法第二十四条(旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の例により、営業保証金を取りもどすことができる。
6 登録内航海運業者について、附則第二項の規定により旧法の規定がなお効力を有する間に相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、登録内航海運業者の地位を承継する。
7 この法律の施行前(登録内航海運業者については、附則第二項の規定により旧法の規定がなお効力を有する期間の経過前)にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(運輸省設置法の一部改正)
8 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十五号の五の次に次の一号を加える。
十五の五の二 内航海運業を許可し、及び内航海運業の業務に関し認可すること。
第六条第一項第八号の三の次に次の一号を加える。
八の四 内航海運業の許可若しくはその取消し又は事業の停止
第二十三条第一項第三号の二の次に次の一号を加える。
三の三 内航海運業の許可又は認可に関すること。
(港湾運送事業法の一部改正)
9 港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
第三十三条の三第一項中「内航海運業法の内航運送業者又は内航運送取扱業者」を「内航海運業法第三条第一項(同法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航運送業若しくは内航運送取扱業の許可を受けた者又は同法第三条第二項(同法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航運送業の届出をした者」に、「いう」を「総称する」に改め、「又は合併し」を削り、「第十四条」を「第十四条の二第二項」に改める。
(港湾運送事業法の一部改正に伴う経過措置)
10 前項の規定による改正後の港湾運送事業法第三十三条の三の規定の適用については、登録内航海運業者(この法律の施行の際現に旧法第三条第一項(旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による内航運送業又は内航運送取扱業の登録を受けているものに限り、附則第六項の規定により当該登録内航海運業者の地位を承継した者を含む。)は、附則第二項の規定により旧法の規定がなお効力を有する間、内航海運業者とみなす。
(船舶整備公団法の一部改正)
11 船舶整備公団法(昭和三十四年法律第四十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第四項及び第五項中「登録」を「許可」に改める。
(船舶整備公団法の一部改正に伴う経過措置)
12 船舶整備公団法第十三条及び第十九条の規定の適用については、登録内航海運業者(この法律の施行の際現に旧法第三条第一項の規定による内航運送業又は内航船舶貸渡業の登録を受けているものに限り、附則第六項の規定により当該登録内航海運業者の地位を承継した者を含む。)は、附則第二項の規定により旧法の規定がなお効力を有する間、海上貨物運送事業者又は貨物船貸渡業者とみなす。
運輸大臣 大橋武夫
内閣総理大臣 佐藤栄作