(海事代理士でない者の業務の制限)
第十七條 海事代理士でない者は、他人の委託により、対価を得て、業として第一條に規定する行為を行つてはならない。但し、他の法令に別段の定がある場合は、この限りでない。
2 海事代理士でない者は、海事代理士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
(誠実等の義務)
第十八條 海事代理士は、誠実且つ敏速に、みずからその事務を処理しなければならない。
(秘密を守る義務)
第十九條 海事代理士は、法律に別段の定がある場合を除く外、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を他に漏してはならない。海事代理士でなくなつた後も、また同樣とする。
(業務に使用する印章)
第二十條 海事代理士は、その業務を行うにあたつて印章を使用するときは、第九條第一項の規定により登録をうけた印章によらなければならない。
(帳簿)
第二十一條 海事代理士は、運輸省令で定める樣式の帳簿を備え、左の事項を記載しなければならない。
2 前項の帳簿は、当該帳簿に最終の記載をした日から起算して三年間保存しなければならない。
(報酬)
第二十二條 海事代理士は、あらかじめ、その受けようとする報酬の額を定め、海運局長に届け出なければならない。これを変更したときも同樣とする。
2 前項の報酬の額は、適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものでなければならず、また、特定の者に対し、差別的な取扱をするものであつてはならない。
3 委託者、他の海事代理士その他の利害関係人は、第一項の報酬の額が前項の規定に適合しないと認めるときは、その理由を具して海運局長に申し出て、報酬の額の変更を海事代理士に命ずべきことを求めることができる。
4 海運局長は、第一項の規定により届出があつた報酬の額が第二項の規定に適合しないと認めるとき、又は前項の請求に理由があると認めるときは、報酬の額の届出をした海事代理士に、日時及び場所を通知して公開による聽聞をし、その者に、その報酬の額が第二項の規定に適合することを述べる十分な機会を與えた後、その申立に理由がないと認めるときは、海事代理士に対し、理由を示して報酬の額を変更すべきことを命ずることができる。
5 前二項の規定は、海事代理士の受けようとする報酬の額が、事情の著しい変更により第二項の規定に適合しないものとなつた場合に準用する。
第二十三條 海事代理士は、前條第一項の規定により届け出た報酬の額を、その事務所に、公衆の見易いように掲示しなければならない。
第二十四條 海事代理士は、第二十二條第一項の規定により届け出た報酬の額よりも高額又は低額の報酬を受けてはならない。
(懲戒)
第二十五條 海事代理士が、この法律又はこの法律に基く処分に違反したときは、海運局長は、左に掲げる処分をすることができる。
2 海運局長は、前項各号の処分をしようとするときは、公開による聽聞を行わなければならない。
3 海運局長は、前項の聽聞を行う場合には、その処分をしようとする事由並びに聽聞の日時及び場所を、その期日の七日前までに、当該海事代理士に通知しなければならない。
4 聽聞においては、当該海事代理士又はその代理人に、自己又は本人のため意見を述べ、且つ、証拠を提出する十分な機会が與えられなければならない。
(報告)
第二十六條 海運局長は、この法律を実施するため必要があると認めるときは、海事代理士に対し、その業務に関し報告を求めることができる。
2 前項の場合において、海運局長は、当該海事代理士に対して、報告について必要な協力をしなければならない。