第一條 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。但し、第二條及び第十一條の規定は、政令で定める日から、第一條中特別法人税法第十四條乃至第十六條の改正規定、第三條中登録税法第十九條第四号ノ二乃至第六号及び第十九條ノ七乃至第十九條ノ十三の改正規定、第八條中織物消費税法第九條第三項乃至第六項の改正規定、第十六條中國税徴收法第三章ノ二の改正規定、第十七條中納税施設法第一章、第二章、第四章及び第五章の改正規定並びに第十八條乃至第二十一條の規定は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。
第二條 第一條(同條中特別法人税法第十四條乃至第十六條の改正規定を除く。)の規定は、特別の法人の各事業年度の剩余金に対する特別法人税については、昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度分から、清算剩余金に対する特別法人税については、同日以後の解散又は合併に因る分から、これを適用する。
特別の法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した各事業年度の剩余金に対する特別法人税及び同日以前の解散又は合併に因る清算剩余金に対する特別法人税については、なお從前の特別法人税法の例による。但し、改正前の同法第十五條第一項の規定により、剩余金額は決定すべき場合においては、同項の規定にかかわらず、昭和二十二年の所得税法を改正する法律による改正前の所得税法の所得審査委員会の決議によることなく、政府において、その剩余金額を決定する。
第三條 第三條中登録税法第十九條第五号の改正規定施行の際、現に町内会部落会に属する財產の整理のため、当該財產が市町村その他政令で指定する者に移轉された場合において、当該市町村その他政令で指定する者の権利の取得の登記又は登録で当該規定施行後六箇月以内になすものに対しては、登録税を課さない。
第四條 第四條の規定施行前に課した又は課すべきであつた酒税については、なお從前の例による。
第四條の規定施行の際、製造場又は保税地域以外の場所で、酒類の製造者又は販賣業者が各種類を通じて合計四斗以上の酒類を所持する場合及びその所持する酒類が合計四斗に満たない場合でも命令で定める酒類が合計一斗以上である場合においては、その場所を製造場、その所持者を製造者とみなして、その所持する酒類に対し酒税を課する。この場合においては、同條の規定施行の日に、その酒類を製造場から移出したものとみなし、改正後の酒税法第二十七條、第二十七條ノ二又は第八十三條の規定により算出した税額と從前の規定により算出した税額との差額をその税額として、命令の定めるところにより徴收する。
前項の製造者又は販賣業者が酒場、料理店その他酒類を自己の営業場において飮料に供することを業とする者であるときは、その業務の用に供するため所持する麦酒については一石につき一万千四百円、雜酒については一石につき五万円、その他の酒類については一石につき二万円の割合により算出した金額を、前項の酒税額に加算する。
第二項の製造者又は販賣業者は、その所持する酒類の種類、級別及びアルコール分の異なるごとに数量、價格及び貯藏の場所並びに前項の規定に該当するときはその旨を、第四條の規定施行後一箇月以内に、政府に申告しなければならない。
第四條の規定施行の際、製造場に現存する酒類で、戻入又は移入したものについては、酒税法第三十八條第一項の規定にかかわらず、これを移出した時に酒税を徴收する。この場合においては、第二項後段に定める税額を、その税額とする。
第五條 第六條の規定施行前に課した又は課すべきであつた清涼飮料税については、なお從前の例による。
第六條の規定施行の際、製造場以外の場所で、同一人が第一種又は第二種を通じて合計一石以上の清涼飮料を所持する場合においては、その場所を製造場、その所持者を製造者とみなして、清涼飮料税を課する。この場合においては、同條の規定施行の日に、その清涼飮料を製造場外に移出したものとみなし、第一種の清涼飮料については一石につき九百八十円、第二種の清涼飮料については一石につき千七百五十円の割合により算出した金額をその税額として、命令の定めるところにより徴收する。
前項の清涼飮料の所持者は、その所持する清涼飮料の種別、数量及び貯藏の場所を、第六條の規定施行後一箇月以内に、政府に申告しなければならない。
第六條 第七條の規定施行前に課した又は課すべきであつた砂糖消費税については、なお從前の例による。
第七條の規定施行後一箇月以内に輸出した菓子、糖果その他命令で定める物品に対する砂糖消費税法第十二條ノ二の規定による交付金については、なお從前の例による。
從前の砂糖消費税法第三條の税率により消費税を課せられた砂糖、糖蜜又は糖水を原料として製造した砂糖(第三種の砂糖を除く。)、糖蜜又は糖水で、第七條の規定施行後製造場から引き取られるものについては、同法第十二條の規定にかかわらず、消費税を徴收する。この場合においては、改正後の同法第三條の税率により算出した金額と從前の同條の税率により算出した金額との差額を、その税額とする。
從前の砂糖消費税法第三條の税率により消費税を課せられた第二種乙の砂糖を以て製造した第三種の砂糖で、第七條の規定施行後製造場から引き取られるものについては、改正後の同法第三條中「三百二十五圓」とあるのは「千二十五圓」、「三百六十圓」とあるのは「千八十圓」と読み替えるものとする。
第七條の規定施行の際、製造場又は保税地域以外の場所で、同一人が各種類を通じて合計二百斤以上の砂糖、糖蜜又は糖水を所持する場合においては、その者が、同條の規定施行の日に、これを製造場から引き取つたものとみなして、消費税を課する。この場合においては、改正後の砂糖消費税法第三條の税率により算出した金額と從前の同條の税率により算出した金額との差額(第三種の砂糖については、氷砂糖は百斤につき九百四十円、その他のものは百斤につき九百六十円の割合により算出した金額)をその税額として、命令の定めるところにより徴收する。
前項の砂糖、糖蜜又は糖水の所持者は、その所持する砂糖、糖蜜又は糖水の種別、数量及び貯藏の場所を、第七條の規定施行後一箇月以内に、政府に申告しなければならない。
第七條 第九條の規定施行前に課した又は課すべきであつた物品税については、なお從前の例による。
第九條の規定施行後一箇月以内に輸出した菓子、糖果その他命令で定める物品に対する物品税法第十四條の規定による交付金については、なお從前の例による。
第九條の規定施行の際、製造場又は保税地域以外の場所で、改正後の物品税法第一條に掲げる第二種の物品の製造者若しくは販賣者又は命令で定める者が左の各号の一に該当する物品を所持する場合においては、その場所を製造場、その所持者を製造者とみなして、物品税を課する。この場合においては、同條の規定施行の日に、その物品を製造場外に移出したものとみなし、改正後の物品税法第二條の税率により算出した金額と從前の同條の税率により算出した金額との差額をその税額として、命令の定めるところにより徴收する。
前項の製造者若しくは販賣者又は命令で定める者は、その所持する物品の品名ごとに数量及び貯藏の場所を、第九條の規定施行後一箇月以内に、政府に申告しなければならない。
第八條 第十二條の規定施行前に課した又は課すべきであつた骨牌税については、なお從前の例による。
第十二條の規定施行の際、骨牌の製造又は販賣をなす者の所持する骨牌については、製造又は販賣をなす者が、改正後の骨牌税法第四條の規定による税額と從前の規定による税額との差額に相当する金額を税額として、骨牌税を納めなければならない。
第九條 第十四條の規定施行の日から昭和二十三年四月十五日までに狩猟の免許を受ける者については、昭和二十一年分の綜合所得税又は増加所得税を納める者及びその家族を以て狩猟法第八條第一項に規定する一等に該当する者、分類所得税年額百五十円以上を納める者及びその家族を以て同項に規定する二等に該当する者、これらの者以外の者を以て同項に規定する三等に該当する者とみなす。
前項の分類所得税年額の算定について必要な事項は、命令でこれを定める。
第十條 昭和二十一年分以前の甲種及び乙種の事業所得、山林の所得及び個人の総所得に対する所得税、増加所得税、個人の昭和二十一年分以前の営業税、法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税及び純益に対する営業税、法人の同日以前の解散又は合併に因る清算所得に対する法人税及び清算純益に対する営業税又は特別の法人の同日以前に終了した各事業年度の剩余金に対する特別法人税及び同日以前の解散又は合併に因る清算剩余金に対する特別法人税の軽減又は免除並びにこれらの租税の課税標準の計算、徴收又は納税積立金若しくは納税準備預金の特例に関しては、なお從前の租税特別措置法の例による。
第十一條 第十六條(同條中國税徴收法第三章ノ二の改正規定を除く。)の規定施行前に市町村のなした納税の告知に係る國税の徴收及び税金送付に関する市町村の責任並びに徴收の費用として市町村に対し交付すべき交付金については、なお從前の例による。
第十二條 第十七條中納税施設法第一章、第二章、第四章及び第五章の改正規定の施行前納税團体たる町内会部落会が管理していた納税資金又は納税團体たる町内会部落会に対し國税その他の租税公課の納付を委託して交付した金銭等が当該規定施行前に亡失したため被害を受けた團体員に対する國税の軽減又は免除及びこの場合における町内会部落会の役員、使用人等の賠償の責任については、なお從前の例による。
法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した事業年度分に係る從前の納税施設法第七條第一項に規定する租税に関する納税積立金については、なお從前の例による。
第十三條 第十八條及び第十九條の規定施行の際、從前の間接國税犯則者処分法第一條又は從前の関税法第九十條第一項の規定による差押中の物件がある場合において、收税官吏又は税関官吏がその差押につき第十八條及び第十九條の規定施行後十日以内にその所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けたときは、当該差押は、これを改正後の間接國税犯則者処分法第二條第一項又は改正後の関税法第八十六條ノ二第一項の規定による差押とみなす。
前項の規定は、第十八條及び第十九條の規定施行の際、從前の間接國税犯則者処分法第一條又は從前の関税法第九十條第一項の規定を準用する他の法律による差押中の物件がある場合について、これを準用する。
改正後の間接國税犯則者処分法第二條第三項及び第四項又は改正後の関税法第八十六條ノ二第三項及び第四項の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により裁判官の許可を受ける場合に、これを準用する。
第十四條 第二十三條の規定施行の際現に從前の耕地整理法による耕地整理減租年期、耕地整理開拓免租年期又は耕地整理埋立免租年期を有する土地は、その残年期間に限り(その残年期間が昭和四十四年までに満了しないものについては、同年までは)、改正後の同法による耕地整理年期を有するものとみなす。
第二十三條の規定施行の際現に從前の耕地整理法による耕地整理開墾減租年期若しくは耕地整理地目変換減租年期を有する土地又は從前の同法第十四條第一項の規定により賃貸價格を修正し、第二十三條の規定施行の際まだ從前の同法第十四條第二項に規定する年期を許可されていなかつた土地に関しては、改正後の同法第十三條第二項の規定による現賃貸價格の計算については、從前の同法第十四條第一項の規定による賃貸價格の修正がなかつたものとみなす。
第二十三條の規定施行の際現に從前の耕地整理法第十六條の規定により配当金を有する土地があるときは、その賃貸價格については、同條の年期の残年期間の満了するまで(その残年期間が昭和四十四年までに満了しない場合においては、同年まで)は、その期間中に当該土地の異動に因り賃貸價格を修正することとなつた場合を除く外、なお從前の同法の例による。
前項の土地の賃貸價格は、同項の期間が満了した年の翌年において、これを修正する。この場合においては、その期間が満了した時における賃貸價格に從前の耕地整理法第十六條の規定による配当金を加えたものを以て、その土地の賃貸價格とする。
第十五條 第二十九條第一号乃至第四号の規定は、法人の各事業年度の純益に対する営業税については、昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度分から、清算純益に対する営業税については、同日以後における解散又は合併に因る分から、個人の営業税並びに地租及び家屋税については、昭和二十二年分から、鉱区税については、昭和二十三年分から、それぞれこれを適用する。
法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した各事業年度の純益又は同日以前の解散若しくは合併に因る清算純益に対する営業税、昭和二十一年分以前の個人の営業税、地租及び家屋税並びに昭和二十二年分以前の鉱区税については、なお從前の地租法、家屋税法、営業税法又は鉱区税法の例による。但し、從前の営業税法第十七條第二項又は第二十二條第一項の規定により純益金額を決定すべき場合においては、これらの規定にかかわらず、昭和二十二年の所得税法を改正する法律による改正前の所得税法の所得調査委員会又は所得審査委員会の調査又は決議によることなく、政府において、その純益金額を決定する。
第二十九條第三号の規定施行の際、他の法令(地方税法及び地方分與税法並びにこれらに基く命令を除く。)中「営業税法」とあるのは「地方税法」、「営業税」又は「営業收益税」とあるのは「地方税法による営業税」、「営業税法による純益」とあるのは「地方税法による営業の純益」、「営業税の附加税」とあるのは「地方税法による営業税、営業税附加税及び営業税割」と読み替えるものとする。
第十六條 附則第十四條及び第十五條に規定するものの外、第二十三條乃至第二十七條並びに第二十九條第一号、第六号及び第七号の規定の施行に関し必要な事項は、勅令でこれを定める。
第十七條 改正後の税務代理士法第一條の規定中「訴訟」とあるのは、日本國憲法施行の日までは、「行政訴訟」と読み替えるものとする。
第十八條 第二條、第三條(同條中登録税法第十九條第四号ノ二乃至第六号及び第十九條ノ七乃至第十九條ノ十三の改正規定を除く。)第八條(同條中織物消費税法第九條第三項乃至第六項の改正規定を除く。)、第十條、第十一條、第十三條及び第二十九條第五号の規定施行前に課した又は課すべきであつた有價証券移轉税、登録税、織物消費税、入場税、特別入場税、取引所税、印紙税及び遊興飮食税については、なお從前の例による。
第十九條 第三條中登録税法第十九條ノ七乃至第十九條ノ十三の改正規定、第八條中織物消費税法第九條第三項乃至第六項の改正規定及び第十九條の規定施行の際、從前の登録税法第十九條ノ七第一項、從前の織物消費税法第九條第三項又は從前の関税法第六十一條の規定により、課税標準の評價の請求又は織物の評定價格若しくは関税の賦課に関する異議の申立中であるときは、当該評價の請求又は異議の申立は、これを改正後の國税徴收法第三十一條ノ二第一項又は改正後の関税法第六十一條の規定による審査の請求とみなす。
第二十條 この法律による他の法律の廃止又は改正前になした行爲に関する罰則の適用については、なお從前の例による。