第一條 本法ニ於テ稅關貨物取扱人ト稱スルハ貨主ノ爲ニ自己又ハ其ノ貨主ノ名ヲ以テ稅關ニ對シ貨物ニ關スル手續ノ取扱ヲ爲スヲ業トスル者ヲ謂フ
第二條 稅關貨物取扱人タラムト欲スル者ハ其ノ業務ニ從事セムトスル地ヲ管轄スル稅關長ノ免許ヲ受クヘシ
前項ノ免許ヲ受クルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ免許料ヲ納ムヘシ
第三條 左ニ揭クル者ハ稅關貨物取扱人タルコトヲ得ス
第二 身代限ノ處分ヲ受ケ債務ノ辨償ヲ終ヘサル者及家資分產若ハ破產ノ宣吿ヲ受ケ其ノ確定シタルトキヨリ復權ノ決定確定スルニ至ル迄ノ者
第四 重禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者及關稅法第七十四條乃至第七十六條ノ規定ニ違反シ處罰ヲ受ケ滿三箇年ヲ經過セサル者
第四條 稅關貨物取扱人ハ其ノ業務ニ關シテ所轄稅關長ノ監督ヲ受ク
第五條 稅關貨物取扱人ハ大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ身元保證トシテ金錢又ハ有價證券ヲ提供スルコトヲ要ス但シ身元保證金額ハ五千圓以上トス
稅關貨物取扱人ハ前項ノ身元保證物ヲ提供シタル後ニ非サレハ其ノ業務ヲ行フコトヲ得ス
第六條 稅關貨物取扱人稅關ニ納付スヘキ金錢ヲ納付セサルトキハ稅關ハ身元保證物ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
稅關貨物取扱人ノ業務上ノ過失ニ因リ損害ヲ受ケタル貨主ハ其ノ債權ニ付他ノ債權者ニ先チ身元保證物ニ依リ辨濟ヲ受クルノ權利ヲ有ス
第七條 稅關貨物取扱人ハ貨物ノ受取、引渡、保管及運送ニ關シ注意ヲ怠ラサリシコトヲ證明スルニ非サレハ其ノ貨物ノ取扱料ヲ請求スルコトヲ得ス
第八條 稅關貨物取扱人ハ取扱貨物ニ關シ受取ルヘキ取扱料、稅金其ノ他委託者ノ爲ニ爲シタル立替ニ付テノミ其ノ貨物ヲ留置スルコトヲ得
第九條 稅關貨物取扱人ハ取扱料ノ最高額ヲ定メ所轄稅關長ノ認可ヲ受クヘシ其ノ之ヲ變更スルトキ亦同シ
第十條 稅關貨物取扱人其ノ業務ニ關スル法令ニ違反シ又ハ稅關長ノ職權ニ基ケル命令ニ違反シタルトキハ稅關長ハ其ノ營業ヲ停止シ若ハ其ノ營業ノ免許ヲ取消スコトヲ得但シ營業停止ノ期間ハ三箇月以內トス
第十一條 前條ノ處分ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不服ナルトキハ訴願ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ處分ニ因リテ違法ニ權利ヲ傷害セラレタリトスルトキハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十二條 免許ヲ受ケスシテ稅關貨物取扱人ノ業務ヲ行ヒタル者又ハ第五條第二項ニ違反シタル者又ハ第九條ノ認可ヲ受ケス若ハ認可ニ違反シテ取扱料ヲ取得シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十三條 稅關貨物取扱人ノ代理人、雇人其ノ他ノ從業者カ其ノ業務ニ關シ本法ニ違反シタル行爲ハ稅關貨物取扱人ノ行爲ト看做ス