朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル骨牌稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年四月四日
內閣總理大臣 伯爵 桂太郞
大藏大臣 男爵 曾禰荒助
法律第四十四號
骨牌稅法
第一條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲サムトスル者ハ政府ノ免許ヲ受クヘシ
前項ノ免許ハ骨牌ノ製造ヲ爲サムトスル者ニ在リテハ製造所一箇所每ニ骨牌ノ販賣ヲ爲サムトスル者ニシテ販賣所ヲ有スル者ニ在リテハ販賣所一箇所每ニ之ヲ受クヘシ
骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ廢止セムトスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムヘシ
第二條 收稅官廳所在地外ニ於テハ政府ハ骨牌製造ノ免許ヲ與ヘス
第三條 骨牌製造ノ免許ヲ受ケタル者ハ每年製造所一箇所每ニ免許料六十圓ヲ納ムヘシ
免許料納付ノ期限及方法ハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第四條 骨牌ニハ一組每ニ二十錢ノ稅ヲ課ス
第五條 骨牌稅ハ骨牌ノ包裹ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムヘシ
第六條 骨牌ヲ製造シ又ハ輸入シタルトキハ製造後二十四時間內又ハ稅關若ハ保稅倉庫ヨリ引取前ニ於テ一組每ニ包裹ヲ施シ貼用印紙ヲ破毀スルニ非サレハ骨牌ヲ取出スコトヲ得サルノ裝置ヲ爲スヘシ
第七條 貼用印紙ニハ印紙面ヨリ他所ニカケ消印ヲ爲スヘシ
第八條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ハ骨牌ノ出入ニ關シ詳細明暸ニ其ノ事實ヲ帳簿ニ記載スヘシ
第九條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ハ相當印紙ノ貼用ナキ骨牌、第六條ノ裝置ヲ爲ササル骨牌又ハ第七條ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ爲ササル骨牌ヲ所持スルコトヲ得ス
第十條 相當印紙ノ貼用ナキ骨牌、第六條ノ裝置ヲ爲ササル骨牌又ハ第七條ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ爲ササル骨牌ハ稅關又ハ保稅倉庫ヨリ之ヲ引取ルコトヲ得ス
第十一條 收稅官吏ハ骨牌ノ製造所、販賣所又ハ販賣者ニ就キ骨牌ノ製造又ハ販賣上必要ナル檢査ヲ爲スコトヲ得
第十二條 外國ニ輸出スル骨牌及骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ノ見本ニ供スル骨牌ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ骨牌稅ヲ免除ス
前項ノ骨牌ニ付テハ第六條第九條第十條第十五條及第十六條ヲ適用セス
第十三條 骨牌ノ製造ヲ爲ス者免許料ヲ納付セサルトキハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收ス
第十四條 免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ製造ヲ爲シタル者ハ三百圓以上千圓以下ノ罰金ニ處シ免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ販賣ヲ爲シタル者ハ五十圓以上三百圓以下ノ罰金ニ處ス
免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲シタル者ノ所持ニ係ル骨牌ハ之ヲ沒收ス
第十五條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者相當印紙ノ貼用ナキ骨牌ヲ讓渡シタルトキハ脫稅高二十倍ノ罰金ニ處シ其ノ骨牌ヲ沒收ス但シ脫稅高二十倍ノ金額十圓ニ達セサルトキハ十圓ノ罰金ニ處ス
第十六條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者相當印紙ノ貼用ナキ骨牌ヲ所持シタルトキハ五圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ第六條ノ裝置ヲ爲ササル骨牌又ハ第七條ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ爲ササル骨牌ヲ所持シ又ハ之ヲ讓渡シタルトキハ三圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ骨牌ハ之ヲ沒收ス
第十七條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者骨牌ノ出入ニ關シ帳簿ノ記載ヲ怠リ又ハ之ヲ詐リタルトキハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十八條 收稅官吏其ノ職務ヲ執行スルニ當リ其ノ職務執行ヲ拒ミ又ハ之ヲ忌避シ又ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第十九條 本法ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ不論罪及減輕、再犯加重、數罪俱發ノ例ヲ用井ス但シ刑法第七十五條第一項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第二十條 骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法ヲ犯シタルトキハ製造又ハ販賣ヲ爲ス者其ノ責ニ任ス
第二十一條 本法ハ伊呂波加留多、歌加留多及政府ノ認許ヲ得タル骨牌ニ之ヲ適用セス
附 則
第二十二條 本法ハ明治三十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十三條 本法施行一年前ヨリ骨牌ノ製造ヲ爲ス者ニシテ同一ノ場所ニ於テ引續キ骨牌ノ製造ヲ爲ス者ニハ第二條ヲ適用セス
第二十四條 本法施行前ヨリ骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者本法施行ノ日ヨリ七日以內ニ第一條ニ準シ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ヨリ本法ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
前項ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做サレサル者ノ所持ニ係ル骨牌ハ之ヲ廢毀スヘシ
前項ニ違反シタル者ハ三百圓以上千圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ骨牌ハ之ヲ沒收ス
第二十五條 本法施行ノ際骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ノ所持ニ係ル骨牌ハ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ニ於テ第四條第五條ニ依リ相當印紙ヲ貼用シ第六條ノ裝置及第七條ノ消印ヲ爲スヘシ
第二十六條 本法ヲ臺灣ニ施行スル迄又ハ臺灣ニ於テ本法ト同一若ハ之ヨリ重キ課稅ヲ爲ス迄ハ臺灣ヨリ本法施行地ニ骨牌ヲ移入スルコトヲ得ス
前項ニ違犯シタル者ハ三百圓以上千圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ骨牌ハ之ヲ沒收ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル骨牌税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年四月四日
内閣総理大臣 伯爵 桂太郎
大蔵大臣 男爵 曽祢荒助
法律第四十四号
骨牌税法
第一条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為サムトスル者ハ政府ノ免許ヲ受クヘシ
前項ノ免許ハ骨牌ノ製造ヲ為サムトスル者ニ在リテハ製造所一箇所毎ニ骨牌ノ販売ヲ為サムトスル者ニシテ販売所ヲ有スル者ニ在リテハ販売所一箇所毎ニ之ヲ受クヘシ
骨牌ノ製造又ハ販売ヲ廃止セムトスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムヘシ
第二条 収税官庁所在地外ニ於テハ政府ハ骨牌製造ノ免許ヲ与ヘス
第三条 骨牌製造ノ免許ヲ受ケタル者ハ毎年製造所一箇所毎ニ免許料六十円ヲ納ムヘシ
免許料納付ノ期限及方法ハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第四条 骨牌ニハ一組毎ニ二十銭ノ税ヲ課ス
第五条 骨牌税ハ骨牌ノ包裹ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムヘシ
第六条 骨牌ヲ製造シ又ハ輸入シタルトキハ製造後二十四時間内又ハ税関若ハ保税倉庫ヨリ引取前ニ於テ一組毎ニ包裹ヲ施シ貼用印紙ヲ破毀スルニ非サレハ骨牌ヲ取出スコトヲ得サルノ装置ヲ為スヘシ
第七条 貼用印紙ニハ印紙面ヨリ他所ニカケ消印ヲ為スヘシ
第八条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ハ骨牌ノ出入ニ関シ詳細明瞭ニ其ノ事実ヲ帳簿ニ記載スヘシ
第九条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ハ相当印紙ノ貼用ナキ骨牌、第六条ノ装置ヲ為ササル骨牌又ハ第七条ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ為ササル骨牌ヲ所持スルコトヲ得ス
第十条 相当印紙ノ貼用ナキ骨牌、第六条ノ装置ヲ為ササル骨牌又ハ第七条ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ為ササル骨牌ハ税関又ハ保税倉庫ヨリ之ヲ引取ルコトヲ得ス
第十一条 収税官吏ハ骨牌ノ製造所、販売所又ハ販売者ニ就キ骨牌ノ製造又ハ販売上必要ナル検査ヲ為スコトヲ得
第十二条 外国ニ輸出スル骨牌及骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ノ見本ニ供スル骨牌ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ骨牌税ヲ免除ス
前項ノ骨牌ニ付テハ第六条第九条第十条第十五条及第十六条ヲ適用セス
第十三条 骨牌ノ製造ヲ為ス者免許料ヲ納付セサルトキハ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収ス
第十四条 免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ製造ヲ為シタル者ハ三百円以上千円以下ノ罰金ニ処シ免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ販売ヲ為シタル者ハ五十円以上三百円以下ノ罰金ニ処ス
免許ヲ受ケスシテ骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為シタル者ノ所持ニ係ル骨牌ハ之ヲ没収ス
第十五条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者相当印紙ノ貼用ナキ骨牌ヲ譲渡シタルトキハ脱税高二十倍ノ罰金ニ処シ其ノ骨牌ヲ没収ス但シ脱税高二十倍ノ金額十円ニ達セサルトキハ十円ノ罰金ニ処ス
第十六条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者相当印紙ノ貼用ナキ骨牌ヲ所持シタルトキハ五円以上五百円以下ノ罰金ニ処シ第六条ノ装置ヲ為ササル骨牌又ハ第七条ニ依リ貼用印紙ニ消印ヲ為ササル骨牌ヲ所持シ又ハ之ヲ譲渡シタルトキハ三円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ骨牌ハ之ヲ没収ス
第十七条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者骨牌ノ出入ニ関シ帳簿ノ記載ヲ怠リ又ハ之ヲ詐リタルトキハ三円以上三十円以下ノ罰金ニ処ス
第十八条 収税官吏其ノ職務ヲ執行スルニ当リ其ノ職務執行ヲ拒ミ又ハ之ヲ忌避シ又ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三円以上三十円以下ノ罰金ニ処ス其ノ刑法ニ正条アルモノハ刑法ニ依ル
第十九条 本法ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ不論罪及減軽、再犯加重、数罪俱発ノ例ヲ用井ス但シ刑法第七十五条第一項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第二十条 骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ニシテ其ノ業務ニ関シ本法ヲ犯シタルトキハ製造又ハ販売ヲ為ス者其ノ責ニ任ス
第二十一条 本法ハ伊呂波加留多、歌加留多及政府ノ認許ヲ得タル骨牌ニ之ヲ適用セス
附 則
第二十二条 本法ハ明治三十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十三条 本法施行一年前ヨリ骨牌ノ製造ヲ為ス者ニシテ同一ノ場所ニ於テ引続キ骨牌ノ製造ヲ為ス者ニハ第二条ヲ適用セス
第二十四条 本法施行前ヨリ骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者本法施行ノ日ヨリ七日以内ニ第一条ニ準シ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ヨリ本法ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
前項ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做サレサル者ノ所持ニ係ル骨牌ハ之ヲ廃毀スヘシ
前項ニ違反シタル者ハ三百円以上千円以下ノ罰金ニ処シ其ノ骨牌ハ之ヲ没収ス
第二十五条 本法施行ノ際骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ノ所持ニ係ル骨牌ハ製造又ハ販売ヲ為ス者ニ於テ第四条第五条ニ依リ相当印紙ヲ貼用シ第六条ノ装置及第七条ノ消印ヲ為スヘシ
第二十六条 本法ヲ台湾ニ施行スル迄又ハ台湾ニ於テ本法ト同一若ハ之ヨリ重キ課税ヲ為ス迄ハ台湾ヨリ本法施行地ニ骨牌ヲ移入スルコトヲ得ス
前項ニ違犯シタル者ハ三百円以上千円以下ノ罰金ニ処シ其ノ骨牌ハ之ヲ没収ス