狩猟法
法令番号: 法律第三十二號
公布年月日: 大正7年4月4日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル狩獵法改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年四月二日
內閣總理大臣 伯爵 寺內正毅
農商務大臣 仲小路廉
大藏大臣 勝田主計
法律第三十二號
狩獵法
第一條 狩獵鳥獸以外ノ鳥獸ハ之ヲ捕獲スルコトヲ得ス
狩獵鳥獸ノ種類ハ主務大臣之ヲ定ム
主務大臣ハ特殊ノ狩獵鳥獸ノ保護蕃殖ノ爲必要ト認ムルトキハ區域ヲ定メ其ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第二條 狩獵鳥類ノ雛及鳥類ノ卵ハ主務大臣ノ定ムルモノヲ除クノ外之ヲ捕獲又ハ採取スルコトヲ得ス
第三條 狩獵鳥獸ハ狩獵免許ヲ受クルニ非サレハ主務大臣ノ定ムル銃器、網、黐繩、擌、鉤又ハ罠ヲ使用シテ之ヲ捕獲スルコトヲ得ス但シ欄、栅其ノ他ノ圍障アル邸宅地域內ニ於テ銃器ヲ使用セスシテ捕獲スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第四條 地方長官必要ト認ムルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ前條ノ規定ニ依ル獵具ノ使用以外ノ方法ヲ以テスル狩獵鳥獸ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第五條 狩獵免許ハ甲乙ノ二種トシ狩獵免狀ヲ下付ス
甲種狩獵免狀ハ銃器ノ使用以外ノ方法ヲ以テ狩獵ヲ爲ス者ニ、乙種狩獵免狀ハ銃器ヲ使用シテ狩獵ヲ爲ス者ニ之ヲ下付ス
狩獵免狀ノ有效期間ハ十月十五日ヨリ翌年四月十五日迄トス但シ北海道ニ於テハ九月十五日ヨリ翌年四月十五日迄トス
主務大臣ハ特殊ノ狩獵鳥獸ノ保護蕃殖ノ爲必要ト認ムルトキハ前項ノ期間內ニ於テ特ニ其ノ狩獵ノ期間ヲ限定スルコトヲ得
前二項ノ期間內ニ非サレハ狩獵ヲ爲スコトヲ得ス
第六條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ罰金ニ處セラレタル者ハ一年ヲ經過スルニ非サレハ狩獵免許ヲ受クルコトヲ得ス
第七條 未成年者、白痴者又ハ瘋癲者ハ乙種狩獵免許ヲ受クルコトヲ得ス
乙種狩獵免許ヲ受ケタル者白痴者又ハ瘋癲者ト爲リタルトキハ地方長官ハ其ノ免許ヲ取消スヘシ
第八條 狩獵免許ヲ受クル者ハ甲乙各種ニ付左ノ區別ニ從ヒ免許稅ヲ納ムヘシ
一等 地租五百圓以上、營業稅百五十圓以上若ハ所得稅百圓以上ヲ納ムル者又ハ其ノ家族 四十五圓
二等 地租三十圓以上、營業稅二十圓以上若ハ所得稅ヲ納ムル者又ハ其ノ家族 二十圓
三等 一等及二等以外ノ者 五圓
前項ノ免許稅ハ收入印紙ヲ以テ之ヲ納ムヘシ
第九條 主務大臣又ハ地方長官ハ鳥獸ノ保護蕃殖ノ爲又ハ土地所有者ノ出願其ノ他ノ事由ニ因リ必要ト認ムル場合ニ於テハ十年以內ノ期間ヲ定メ禁獵區ヲ設クルコトヲ得
第十條 地方長官ハ危險豫防ノ爲其ノ他必要ト認ムルトキハ銃獵禁止區域ヲ設クルコトヲ得
第十一條 左ニ揭クル場所ニ於テハ狩獵ヲ爲スコトヲ得ス
一 御獵場
二 禁獵區
三 公道
四 公園
五 社寺境內
六 墓地
第十二條 學術硏究又ハ有害鳥獸驅除ノ爲其ノ他特別ノ事由ニ因リ主務大臣又ハ地方長官ノ許可ヲ受ケタル場合ニ於テハ前數條ノ規定ニ拘ラス鳥獸ヲ捕獲シ又ハ鳥類ノ卵ヲ採取スルコトヲ得
主務大臣又ハ地方長官前項ノ許可ヲ爲シタルトキハ許可證ヲ下付ス
第十三條 前條第一項ノ規定ニ依リ捕獲シタル鳥獸又ハ採取シタル鳥類ノ卵ハ之ヲ讓渡シ又ハ讓受クルコトヲ得ス但シ警察官署ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 國、道府縣、郡又ハ市町村ハ命令ノ定ムル所ニ依リ獵區ヲ設定スルコトヲ得
第十五條 爆發物、劇藥、毒藥、据銃又ハ危險ナル罠若ハ陷穽ヲ使用シテ鳥獸ヲ捕獲スルコトヲ得ス
第十六條 日出前若ハ日沒後、市街其ノ他人家稠密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所ニ於テ又ハ銃丸ノ達スヘキ虞アル人畜、建物、汽車、電車若ハ艦船ニ向テ銃獵ヲ爲スコトヲ得ス
第十七條 欄栅其ノ他ノ圍障又ハ作物アル土地ニ於テハ占有者、共同狩獵地ニ於テハ免許ヲ受ケタル者ノ承諾ヲ得ルニ非サレハ狩獵又ハ第十二條第一項ノ規定ニ依ル鳥獸ノ捕獲ヲ爲スコトヲ得ス
第十八條 獵區ニ於テハ獵區設定者ノ承認ヲ得ルニ非サレハ狩獵又ハ第十二條第一項ノ規定ニ依ル鳥獸ノ捕獲ヲ爲スコトヲ得ス
第十九條 狩獵免許ヲ受ケタル者又ハ第十二條第一項ノ許可ヲ受ケタル者鳥獸ヲ捕獲シ又ハ鳥類ノ卵ヲ採取セムトスルトキハ狩獵免狀又ハ許可證ヲ携帶スヘシ
警察官吏、憲兵、森林官吏又ハ市町村長ハ前項ノ規定ニ依リ携帶スヘキ狩獵免狀若ハ許可證又ハ捕獲シタル鳥獸若ハ採取シタル鳥類ノ卵ヲ檢査スルコトヲ得
第二十條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シテ捕獲シタル鳥獸又ハ採取シタル鳥類ノ卵ハ之ヲ讓渡シ又ハ讓受クルコトヲ得ス
第二十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第三條、第十一條、第十五條又ハ第十六條ノ規定ニ違反シタル者
二 詐欺ノ行爲ヲ以テ狩獵免許又ハ第十二條第一項ノ許可ヲ受ケタル者
第三條又ハ第十五條ノ規定ニ違反スル犯罪ノ用ニ供シタル物件及其ノ犯罪ニ因リテ得タル獵獲物ニシテ犯人ノ所有シ又ハ所持スルモノハ之ヲ沒收ス
第二十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス但シ第十七條ノ規定ニ違反シタル罪ハ占有者又ハ共同狩獵地ノ免許ヲ受ケタル者ノ吿訴ヲ待テ之ヲ論ス
一 第一條第一項、第二條、第五條第五項、第十三條、第十七條、第十八條又ハ第二十條ノ規定ニ違反シタル者
二 第一條第三項ノ規定ニ依ル禁止又ハ制限ニ違反シタル者
三 銃獵禁止區域ニ於テ銃獵ヲ爲シタル者
四 正當ノ事由ナクシテ第十九條第二項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミタル者
五 狩獵免狀又ハ第十二條第二項ノ許可證ヲ他人ニ使用セシメタル者
第二十三條 御獵場、禁獵區、銃獵禁止區域、獵區又ハ共同狩獵地ノ標識ヲ移轉、汚損、毀壞又ハ除却シタル者ハ五十圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第二十四條 狩獵免許又ハ第十二條第一項ノ許可ヲ受ケタル者本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ罰金ニ處セラレタルトキハ其ノ狩獵免許又ハ許可ハ效力ヲ失フ
第二十五條 第十九條第一項ノ規定ニ違反シタル者ハ科料ニ處ス
第二十六條 本法中地方長官トアルハ東京府ニ於テハ警視總監トス
本法中市町村又ハ市町村長トアルハ市制又ハ町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ之ニ準スヘキモノトス
附 則
第二十七條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條 明治三十年法律第七號ハ之ヲ廢止ス
第二十九條 舊法ニ依リ爲シタル許可ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
舊法ニ依リ設ケタル禁獵區又ハ銃獵禁止ノ區域ハ之ヲ本法ニ依リ設ケタル禁獵區又ハ銃獵禁止區域ト看做ス
第三十條 本法施行前爲シタル共同狩獵地ノ免許ハ仍其ノ效力ヲ有ス
前項免許ノ期間ハ申請ニ因リ之ヲ更新スルコトヲ得
第三十一條 狩獵免許ヲ受ケタル者舊法第二十一條乃至第二十三條ノ規定ニ依リ處罰セラレタルトキハ其ノ狩獵免許ハ效力ヲ失フ此ノ場合ニ於テハ一年ヲ經過スルニ非サレハ狩獵免許ヲ受クルコトヲ得ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル狩猟法改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年四月二日
内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅
農商務大臣 仲小路廉
大蔵大臣 勝田主計
法律第三十二号
狩猟法
第一条 狩猟鳥獣以外ノ鳥獣ハ之ヲ捕獲スルコトヲ得ス
狩猟鳥獣ノ種類ハ主務大臣之ヲ定ム
主務大臣ハ特殊ノ狩猟鳥獣ノ保護蕃殖ノ為必要ト認ムルトキハ区域ヲ定メ其ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第二条 狩猟鳥類ノ雛及鳥類ノ卵ハ主務大臣ノ定ムルモノヲ除クノ外之ヲ捕獲又ハ採取スルコトヲ得ス
第三条 狩猟鳥獣ハ狩猟免許ヲ受クルニ非サレハ主務大臣ノ定ムル銃器、網、黐縄、擌、鉤又ハ罠ヲ使用シテ之ヲ捕獲スルコトヲ得ス但シ欄、栅其ノ他ノ囲障アル邸宅地域内ニ於テ銃器ヲ使用セスシテ捕獲スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第四条 地方長官必要ト認ムルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ前条ノ規定ニ依ル猟具ノ使用以外ノ方法ヲ以テスル狩猟鳥獣ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第五条 狩猟免許ハ甲乙ノ二種トシ狩猟免状ヲ下付ス
甲種狩猟免状ハ銃器ノ使用以外ノ方法ヲ以テ狩猟ヲ為ス者ニ、乙種狩猟免状ハ銃器ヲ使用シテ狩猟ヲ為ス者ニ之ヲ下付ス
狩猟免状ノ有効期間ハ十月十五日ヨリ翌年四月十五日迄トス但シ北海道ニ於テハ九月十五日ヨリ翌年四月十五日迄トス
主務大臣ハ特殊ノ狩猟鳥獣ノ保護蕃殖ノ為必要ト認ムルトキハ前項ノ期間内ニ於テ特ニ其ノ狩猟ノ期間ヲ限定スルコトヲ得
前二項ノ期間内ニ非サレハ狩猟ヲ為スコトヲ得ス
第六条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シ罰金ニ処セラレタル者ハ一年ヲ経過スルニ非サレハ狩猟免許ヲ受クルコトヲ得ス
第七条 未成年者、白痴者又ハ瘋癲者ハ乙種狩猟免許ヲ受クルコトヲ得ス
乙種狩猟免許ヲ受ケタル者白痴者又ハ瘋癲者ト為リタルトキハ地方長官ハ其ノ免許ヲ取消スヘシ
第八条 狩猟免許ヲ受クル者ハ甲乙各種ニ付左ノ区別ニ従ヒ免許税ヲ納ムヘシ
一等 地租五百円以上、営業税百五十円以上若ハ所得税百円以上ヲ納ムル者又ハ其ノ家族 四十五円
二等 地租三十円以上、営業税二十円以上若ハ所得税ヲ納ムル者又ハ其ノ家族 二十円
三等 一等及二等以外ノ者 五円
前項ノ免許税ハ収入印紙ヲ以テ之ヲ納ムヘシ
第九条 主務大臣又ハ地方長官ハ鳥獣ノ保護蕃殖ノ為又ハ土地所有者ノ出願其ノ他ノ事由ニ因リ必要ト認ムル場合ニ於テハ十年以内ノ期間ヲ定メ禁猟区ヲ設クルコトヲ得
第十条 地方長官ハ危険予防ノ為其ノ他必要ト認ムルトキハ銃猟禁止区域ヲ設クルコトヲ得
第十一条 左ニ掲クル場所ニ於テハ狩猟ヲ為スコトヲ得ス
一 御猟場
二 禁猟区
三 公道
四 公園
五 社寺境内
六 墓地
第十二条 学術研究又ハ有害鳥獣駆除ノ為其ノ他特別ノ事由ニ因リ主務大臣又ハ地方長官ノ許可ヲ受ケタル場合ニ於テハ前数条ノ規定ニ拘ラス鳥獣ヲ捕獲シ又ハ鳥類ノ卵ヲ採取スルコトヲ得
主務大臣又ハ地方長官前項ノ許可ヲ為シタルトキハ許可証ヲ下付ス
第十三条 前条第一項ノ規定ニ依リ捕獲シタル鳥獣又ハ採取シタル鳥類ノ卵ハ之ヲ譲渡シ又ハ譲受クルコトヲ得ス但シ警察官署ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四条 国、道府県、郡又ハ市町村ハ命令ノ定ムル所ニ依リ猟区ヲ設定スルコトヲ得
第十五条 爆発物、劇薬、毒薬、据銃又ハ危険ナル罠若ハ陥穽ヲ使用シテ鳥獣ヲ捕獲スルコトヲ得ス
第十六条 日出前若ハ日没後、市街其ノ他人家稠密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所ニ於テ又ハ銃丸ノ達スヘキ虞アル人畜、建物、汽車、電車若ハ艦船ニ向テ銃猟ヲ為スコトヲ得ス
第十七条 欄栅其ノ他ノ囲障又ハ作物アル土地ニ於テハ占有者、共同狩猟地ニ於テハ免許ヲ受ケタル者ノ承諾ヲ得ルニ非サレハ狩猟又ハ第十二条第一項ノ規定ニ依ル鳥獣ノ捕獲ヲ為スコトヲ得ス
第十八条 猟区ニ於テハ猟区設定者ノ承認ヲ得ルニ非サレハ狩猟又ハ第十二条第一項ノ規定ニ依ル鳥獣ノ捕獲ヲ為スコトヲ得ス
第十九条 狩猟免許ヲ受ケタル者又ハ第十二条第一項ノ許可ヲ受ケタル者鳥獣ヲ捕獲シ又ハ鳥類ノ卵ヲ採取セムトスルトキハ狩猟免状又ハ許可証ヲ携帯スヘシ
警察官吏、憲兵、森林官吏又ハ市町村長ハ前項ノ規定ニ依リ携帯スヘキ狩猟免状若ハ許可証又ハ捕獲シタル鳥獣若ハ採取シタル鳥類ノ卵ヲ検査スルコトヲ得
第二十条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シテ捕獲シタル鳥獣又ハ採取シタル鳥類ノ卵ハ之ヲ譲渡シ又ハ譲受クルコトヲ得ス
第二十一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第三条、第十一条、第十五条又ハ第十六条ノ規定ニ違反シタル者
二 詐欺ノ行為ヲ以テ狩猟免許又ハ第十二条第一項ノ許可ヲ受ケタル者
第三条又ハ第十五条ノ規定ニ違反スル犯罪ノ用ニ供シタル物件及其ノ犯罪ニ因リテ得タル猟獲物ニシテ犯人ノ所有シ又ハ所持スルモノハ之ヲ没収ス
第二十二条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス但シ第十七条ノ規定ニ違反シタル罪ハ占有者又ハ共同狩猟地ノ免許ヲ受ケタル者ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス
一 第一条第一項、第二条、第五条第五項、第十三条、第十七条、第十八条又ハ第二十条ノ規定ニ違反シタル者
二 第一条第三項ノ規定ニ依ル禁止又ハ制限ニ違反シタル者
三 銃猟禁止区域ニ於テ銃猟ヲ為シタル者
四 正当ノ事由ナクシテ第十九条第二項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミタル者
五 狩猟免状又ハ第十二条第二項ノ許可証ヲ他人ニ使用セシメタル者
第二十三条 御猟場、禁猟区、銃猟禁止区域、猟区又ハ共同狩猟地ノ標識ヲ移転、汚損、毀壊又ハ除却シタル者ハ五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
第二十四条 狩猟免許又ハ第十二条第一項ノ許可ヲ受ケタル者本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シ罰金ニ処セラレタルトキハ其ノ狩猟免許又ハ許可ハ効力ヲ失フ
第二十五条 第十九条第一項ノ規定ニ違反シタル者ハ科料ニ処ス
第二十六条 本法中地方長官トアルハ東京府ニ於テハ警視総監トス
本法中市町村又ハ市町村長トアルハ市制又ハ町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ之ニ準スヘキモノトス
附 則
第二十七条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八条 明治三十年法律第七号ハ之ヲ廃止ス
第二十九条 旧法ニ依リ為シタル許可ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
旧法ニ依リ設ケタル禁猟区又ハ銃猟禁止ノ区域ハ之ヲ本法ニ依リ設ケタル禁猟区又ハ銃猟禁止区域ト看做ス
第三十条 本法施行前為シタル共同狩猟地ノ免許ハ仍其ノ効力ヲ有ス
前項免許ノ期間ハ申請ニ因リ之ヲ更新スルコトヲ得
第三十一条 狩猟免許ヲ受ケタル者旧法第二十一条乃至第二十三条ノ規定ニ依リ処罰セラレタルトキハ其ノ狩猟免許ハ効力ヲ失フ此ノ場合ニ於テハ一年ヲ経過スルニ非サレハ狩猟免許ヲ受クルコトヲ得ス