第一條 本法施行地ニ本店、支店其ノ他ノ營業場ヲ有スル營利法人ニハ本法ニ依リ營業稅ヲ課ス
第二條 本法施行地ニ營業場ヲ有シ左ニ揭グル營業ヲ爲ス個人ニハ本法ニ依リ營業稅ヲ課ス
一 物品販賣業(動植物其ノ他普通ニ物品ト稱セザルモノノ販賣ヲ含ム)
三 物品貸付業(動植物其ノ他普通ニ物品ト稱セザルモノノ貸付ヲ含ム)
四 製造業(瓦斯電氣ノ供給、物品ノ加工修理ヲ含ム)
第四條 法人ノ各事業年度ノ純益ハ各事業年度ノ總益金ヨリ總損金ヲ控除シタル金額ニ依ル
法人ガ各事業年度ニ於テ納付シタル又ハ納付スベキ法人稅及臨時利得稅竝ニ當該事業年度ニ於テ納付シタル分類所得稅ニシテ法人稅法第十六條ノ規定ニ依リ其ノ額ヲ法人稅額ヨリ控除スベキモノハ前項ノ純益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
法人ノ各事業年度開始ノ日前三年以內ニ開始シタル事業年度ニ於テ生ジタル損金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ第一項ノ純益ノ計算上之ヲ損金ニ算入ス
第五條 法人ガ事業年度中ニ解散シ又ハ合併ニ因リテ消滅シタル場合ニ於テハ其ノ事業年度ノ始ヨリ解散又ハ合併ニ至ル迄ノ期間ヲ以テ一事業年度ト看做ス
第六條 所得稅法第六條及第七條ノ規定ハ營業稅ノ賦課ニ付之ヲ準用ス
信託會社ノ各事業年度ノ純益ノ計算ニ付テハ合同運用信託ニ因ル收入及支出ハ其ノ總益金及總損金ヨリ各之ヲ控除ス
第七條 法人解散シタル場合ニ於テ其ノ殘餘財產ノ價額ガ解散當時ノ拂込株式金額又ハ出資金額及積立金額ノ合計金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過金額ヲ以テ法人ノ淸算純益トス
法人合併ヲ爲シタル場合ニ於テ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ株主又ハ社員ガ合併後存續スル法人若ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ヨリ合併ニ因リテ取得スル株式ノ拂込濟金額又ハ出資金額及金錢ノ總額ガ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ合併當時ノ拂込株式金額又ハ出資金額及積立金額ノ合計金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過金額ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ淸算純益ト看做ス
法人ノ淸算期間中ニ生ジ又ハ合併ニ因リ生ジタル純益ニシテ本法其ノ他ノ法律ニ依リ營業稅ヲ課セラレザルモノノ金額ハ淸算純益金額ヨリ之ヲ控除ス
第一項又ハ第二項ニ於テ積立金額トハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ各事業年度ノ純益中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
法人稅及臨時利得稅トシテ納付スベキ金額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ之ヲ算入セズ
第八條 合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ純益ニ付營業稅ヲ納ムル義務アルモノトス
第九條 法人ノ各事業年度分ノ臨時利得稅額ハ當該事業年度ノ純益金額ヨリ之ヲ控除ス
營業稅ヲ課スベキ純益ト其ノ他ノ純益トヲ有スル法人ノ純益金額ヨリ控除スベキ臨時利得稅額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第十條 個人ノ純益ハ前年中ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費(收入ヲ得ルニ必要ナル負債ノ利子ヲ含ム以下同ジ)ヲ控除シタル金額ニ依ル
所得稅及臨時利得稅ハ前項ノ必要ノ經費ニ之ヲ算入セズ
營業利得ニ對スル臨時利得稅額ハ當該臨時利得稅ヲ課セラルベキ年分ノ純益金額ヨリ之ヲ控除ス
前條第二項ノ規定ハ營業稅ヲ課スベキ純益ト其ノ他ノ純益トヲ有スル個人ノ純益金額ヨリ前項ノ規定ニ依リ控除スベキ臨時利得稅額ノ計算ニ付之ヲ準用ス
相續シタル營業ニ付テハ相續人ガ引續キ之ヲ爲シタルモノト看做シテ其ノ純益ヲ計算ス
第十二條 命令ヲ以テ指定スル重要物產ノ製造、採掘又ハ採取ヲ業トスル者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ製造、採掘又ハ採取ノ事業ヲ開始シタル年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ營業ヨリ生ズル純益ニ付營業稅ヲ免除ス
第十三條 個人ノ純益金額四百圓ニ滿タザルトキハ營業稅ヲ課セズ
法人ガ各事業年度ニ於テ納付シタル地租額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該事業年度ノ營業稅額ヨリ之ヲ控除ス
個人ガ其ノ營業用ノ土地ニ付納付シタル地租額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ營業稅額ヨリ之ヲ控除ス
前二項ノ場合ニ於テ控除スベキ地租ハ純益計算上之ヲ損金又ハ必要經費ニ算入セズ
第二項及第四項ノ規定ハ法人ノ淸算純益ニ對スル營業稅ニ付之ヲ準用ス
第十五條 納稅義務アル法人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ純益金額ヲ政府ニ申吿スベシ
第十六條 納稅義務アル個人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每年三月十五日迄ニ純益金額ヲ政府ニ申吿スベシ
第十七條 法人ノ純益金額ハ第十五條ノ申吿ニ依リ、申吿ナキトキ又ハ申吿ヲ不相當ト認ムルトキハ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定シ個人ノ純益金額ハ所得稅法ノ所得調査委員會ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
所得調査委員會閉會後個人ノ純益金額ノ決定ニ付脫漏アルコトヲ發見シタルトキハ其ノ決定ヲ爲スベカリシ年ノ翌年ヨリ三年間ハ仍所得調査委員會ノ調査ニ依リ政府ニ於テ其ノ純益金額ヲ決定スルコトヲ得
所得調査委員會閉會後個人ノ營業ニ付納稅義務アルコトヲ申出デ又ハ純益金額ノ增加アルコトヲ申出デタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラズ政府ニ於テ其ノ純益金額ヲ決定ス
納稅義務者營業ヲ讓渡シ又ハ廢止シタル後納稅管理人ノ申吿ヲ爲サズシテ本法施行地ニ住所又ハ居所ヲ有セザルニ至ルトキハ第一項ノ規定ニ拘ラズ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ其ノ純益金額ヲ決定スルコトヲ得
第十八條 稅務署長ハ每年個人ノ營業ニ付納稅義務アリト認ムル者ノ純益金額ヲ調査シ其ノ調査書ヲ所得調査委員會ニ送付スベシ
第十九條 所得稅法第三十七條、第三十八條及第六十三條ノ規定ハ純益金額ノ決議及決定ニ付之ヲ準用ス
第二十條 第十七條又ハ前條ノ規定ニ依リ純益金額ヲ決定シタルトキハ政府ハ之ヲ納稅義務者ニ通知スベシ
本法施行地ニ住所及居所ヲ有セザル納稅義務者營業ヲ讓渡又ハ廢止シタル後納稅管理人ノ申吿ヲ爲サザルトキハ前項ノ通知ハ公吿ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テ公吿ノ初日ヨリ七日ヲ經過シタルトキハ其ノ通知アリタルモノト看做ス
第二十一條 納稅義務者前條ノ規定ニ依リ政府ノ通知シタル純益金額ニ對シ異議アルトキハ通知ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ不服ノ事由ヲ具シ政府ニ審査ノ請求ヲ爲スコトヲ得
前項ノ請求アリタル場合ト雖モ政府ハ稅金ノ徵收ヲ猶豫セズ
第二十二條 前條第一項ノ請求アリタルトキハ所得稅法ノ所得審査委員會ノ決議ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
所得稅法第三十八條及第六十八條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第二十三條 所得稅法第七十五條及第七十六條ノ規定ハ營業稅ニ付之ヲ準用ス
第二十四條 納稅義務者第二十二條ノ決定ニ對シ不服アルトキハ訴願ヲ爲シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第二十五條 法人ノ營業稅ハ事業年度每ニ之ヲ徵收ス但シ淸算純益ニ對スル營業稅ハ淸算又ハ合併ノ際之ヲ徵收ス
個人ノ營業稅ハ年額ヲ二分シ左ノ二期ニ於テ之ヲ徵收ス但シ納稅義務者營業ヲ讓渡シ又ハ廢止シタル後納稅管理人ノ申吿ヲ爲サズシテ本法施行地ニ住所及居所ヲ有セザルニ至ルトキハ直ニ其ノ營業稅ヲ徵收スルコトヲ得
第二十六條 法人解散シタル場合ニ於テ各事業年度ノ純益ニ對スル營業稅又ハ淸算純益ニ對スル營業稅ヲ納付セズシテ殘餘財產ヲ分配シタルトキハ其ノ稅金ニ付淸算人連帶シテ納稅ノ義務アルモノトス
第二十七條 個人ノ營業稅ハ納稅義務者ノ住所地、住所ナキトキハ主タル營業場ノ所在地ヲ以テ納稅地トス但シ所得稅法ノ甲種ノ事業所得ニ付所得稅ヲ納ムル者ニ在リテハ所得稅ノ納稅地ヲ以テ營業稅ノ納稅地トス
第二十八條 納稅義務者營業ヲ讓渡シ又ハ廢止シタル後納稅地ニ現住セザルトキハ其ノ純益ノ申吿、納稅其ノ他營業稅ニ關スル一切ノ事項ヲ處理セシムル爲其ノ地ニ於テ納稅管理人ヲ定メ政府ニ申吿スベシ營業ヲ讓渡シ又ハ廢止シタル後本法施行地外ニ住所又ハ居所ヲ移サントスルトキ亦同ジ
第二十九條 稅務署長又ハ其ノ代理官ハ調査上必要アルトキハ納稅義務者又ハ納稅義務アリト認ムル者ニ質問ヲ爲シ又ハ其ノ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
第三十條 稅務署長又ハ其ノ代理官ハ調査上必要アルトキハ納稅義務者若ハ納稅義務アリト認ムル者ニ金錢若ハ物品ヲ支拂フノ義務ヲ有スト認ムル者ニ對シ又ハ納稅義務者若ハ納稅義務アリト認ムル者ヨリ金錢若ハ物品ノ支拂ヲ受クルノ權利ヲ有スト認ムル者ニ對シ其ノ金額、數量、價格、支拂期日等ニ付質問スルコトヲ得
第三十一條 政府ハ營業者ノ組織スル團體ニ對シ營業稅ニ關スル事項ヲ諮問スルコトヲ得
前項ノ諮問ヲ受ケタル團體ハ命令ノ定ムル所ニ依リ調書ヲ提出スベシ
第三十二條 法人稅法第二十八條及所得稅法第八十六條ノ規定ハ純益金額ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第三十三條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ營業稅ヲ逋脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處ス但シ自首シ又ハ稅務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
前項ノ場合ニ於テ個人ノ營業ニ付營業稅ヲ逋脫シタル者ノ純益金額ハ第十七條第二項ノ規定ニ拘ラズ政府ニ於テ之ヲ決定シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス
第三十四條 第二十九條ノ規定ニ依ル帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ虛僞ノ記載ヲ爲シタル帳簿書類ヲ呈示シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十五條 純益ノ調査又ハ審査ノ事務ニ從事シ又ハ從事シタル者其ノ調査又ハ審査ニ關シ知得タル祕密ヲ正當ノ事由ナクシテ漏洩シタルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十六條 第三十三條第一項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セズ