国家公務員等の旅費に関する法律
法令番号: 法律第百十四号
公布年月日: 昭和25年4月30日
法令の形式: 法律
国家公務員等の旅費に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年四月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百十四号
国家公務員等の旅費に関する法律
目次
第一章
総則(第一條―第十五條)
第二章
内国旅行の旅費(第十六條―第三十條)
第三章
外国旅行の旅費(第三十一條―第四十五條)
第四章
雑則(第四十六條―第四十八條)
附則
第一章 総則
(目的)
第一條 この法律は、公務のため旅行する国家公務員等に対し支給する旅費に関し諸般の基準を定め、公務の円滑な運営に資するとともに国費の適正な支出を図ることを目的とする。
2 国が国家公務員(以下「職員」という。)及び職員以外の者に対し支給する旅費並びに法令による公団、国民金融公庫、住宅金融公庫、連合国軍人等住宅公社及び商船管理委員会がその職員に対し支給する旅費に関しては、他の法律に特別の定がある場合を除く外、この法律の定めるところによる。
(用語の意義)
第二條 この法律において、左の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 各庁の長 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務総裁、各省大臣、最高裁判所長官、会計検査院長、人事院総裁、法令による公団の総裁又は理事長、国民金融公庫及び住宅金融公庫の総裁、連合国軍人等住宅公社理事長並びに商船管理委員会理事長をいう。
二 内国旅行 本邦(本州、北海道、四国、九州及び大蔵省令で定めるその附属の島の存する領域をいう。以下同じ。)における旅行をいう。
三 外国旅行 本邦と外国(本邦以外の領域(公海を含む。)をいう。以下同じ。)との間における旅行及び外国における旅行をいう。
四 出張 職員が公務のため一時その在勤官署(常時勤務する在勤官署のない職員については、その住所又は居所)を離れて旅行し、又は職員以外の者が公務のため一時その住所又は居所を離れて旅行することをいう。
五 赴任 新たに採用された職員がその採用に伴う移転のため住所若しくは居所から在勤官署に旅行し、又は転任を命ぜられた職員がその転任に伴う移転のため旧在勤官署から新在勤官署に旅行することをいう。
六 帰住 職員が退職し、又は死亡した場合において、その職員若しくはその扶養親族又はその遺族が生活の根拠地となる地に旅行することをいう。
七 扶養親族 内国旅行にあつては職員の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同樣の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で主として職員の收入によつて生計を維持しているものをいい、外国旅行にあつては職員の配偶者及び子で主として職員の收入によつて生計を維持しているものをいう。
八 遺族 職員の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに職員の死亡当時職員と生計を一にしていた他の親族をいう。
2 この法律において「何級の職務」という場合には、一般職の職員の給與に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第六條第二項第一号に規定する一般俸給表による当該級の職務及び一般俸給表の適用を受けない者について各庁の長が大蔵大臣に協議して定めるこれに相当する職務をいうものとする。
3 この法律において「何々地」という場合には、本邦にあつては市町村の存する地域(都については、特別区の存する全地域)をいい、外国にあつてはこれに準ずる地域をいうものとする。
(旅費の支給)
第三條 職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。
2 職員、その配偶者又はその遺族が左の各号の一に該当する場合には、当該各号に掲げる者に対し、旅費を支給する。
一 職員が出張又は赴任のための内国旅行中に退職、免職(罷免を含む。)、失職又は休職(以下「退職等」という。)となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員
二 職員が出張又は赴任のための内国旅行中に死亡した場合には、当該職員の遺族
三 勤続二年以上の職員が死亡した場合において、当該職員の本邦にある遺族がその死亡の日の翌日から三月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
四 職員が、外国の在勤地において退職等となり、一定の期間内に本邦に帰住し、又は出張若しくは赴任のための外国旅行中に退職等となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員
五 職員が、外国の在勤地において死亡し、又は出張若しくは赴任のための外国旅行中に死亡した場合には、当該職員の遺族
六 職員が死亡した場合において、当該職員の外国にある遺族(配偶者及び子に限る。)がその死亡の日の翌日から三月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
七 外国在勤の職員の配偶者が、当該職員の在勤地において死亡し、又は第三十八條第一項第一号若しくは第二号の規定に該当する外国旅行中に死亡した場合には、当該職員
3 職員が前項第一号又は第四号の規定に該当する場合において、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八條第二号から第五号まで若しくは第八十二條各号に掲げる事由又はこれらに準ずる事由に因り退職等となつた場合には、同項の規定にかかわらず、同項の規定による旅費は、支給しない。
4 職員に採用を予定されている者が呼出に応じ出頭した場合には、その者に対し、旅費を支給する。
5 職員又は職員以外の者が、国の機関の依頼又は要求に応じ、公務の遂行を補助するため、証人、鑑定人、参考人、通訳等として旅行した場合には、その者に対し、旅費を支給する。
6 第一項、第二項、第四項及び前項の規定に該当する場合を除く外、他の法律に特別の定がある場合その他国費を支弁して旅行させる必要がある場合には、旅費を支給する。
7 第一項、第二項及び第四項から前項までの規定により旅費の支給を受けることができる者(その者の扶養親族の旅行について旅費の支給を受けることができる場合には、当該扶養親族を含む。以下本條において同じ。)が、その出発前に第四條第三項の規定により旅行命令等を取り消され、又は死亡した場合において、当該旅行のため既に支出した金額があるときは、当該金額のうちその者の損失となつた金額で大蔵省令で定めるものを旅費として支給することができる。
8 第一項、第二項及び第四項から第六項までの規定により旅費の支給を受けることができる者が、旅行中交通機関の事故に因り概算拂を受けた旅費額(概算拂を受けなかつた場合には、概算拂を受けることができた旅費額に相当する金額)の全部又は一部を喪失した場合には、その喪失した旅費額の範囲内で大蔵省令で定める金額を旅費として支給することができる。
(旅行命令等)
第四條 左の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、各庁の長又はその委任を受けた者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令又は旅行依頼(以下「旅行命令等」という。)によつて行われなければならない。
一 前條第一項の規定に該当する旅行 旅行命令
二 前條第四項又は第五項の規定に該当する旅行 旅行依頼
2 旅行命令権者は、電信、電話、郵便等の通信による連絡手段によつては公務の円滑な遂行を図ることができない場合で、且つ、予算上旅費の支出が可能である場合に限り、旅行命令等を発することができる。
3 旅行命令権者は、既に発した旅行命令等を変更(取消を含む。以下同じ。)する必要があると認める場合で、前項の規定に該当する場合には、自ら又は第五條第一項若しくは第二項の規定による旅行者の申請に基き、これを変更することができる。
4 旅行命令権者は、旅行命令等を発し、又はこれを変更するには、旅行命令書又は旅行依頼書(以下「旅行命令書等」という。)を交付してこれをしなければならない。但し、旅行命令書等を交付するいとまがない場合には、口頭により旅行命令等を発し、又はこれを変更することができる。
5 旅行命令権者は、口頭により旅行命令等を発し、又はこれを変更した場合には、できるだけすみやかに旅行命令書等を当該旅行者に交付しなければならない。
6 旅行命令書等の記載事項及び樣式は、大蔵省令で定める。
(旅行命令等に従わない旅行)
第五條 旅行者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り旅行命令等(前條第三項の規定により変更された旅行命令等を含む。以下本條において同じ。)に従つて旅行することができない場合には、あらかじめ旅行命令権者に旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
2 旅行者は、前項の規定による旅行命令等の変更の申請をするいとまがない場合には、旅行命令等に従わないで旅行した後、できるだけすみやかに旅行命令権者に旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
3 旅行者が、前二項の規定による旅行命令等の変更の申請をせず、又は申請をしたがその変更が認められなかつた場合において、旅行命令等に従わないで旅行したときは、当該旅行者は、旅行命令等に従つた限度の旅行に対する旅費のみの支給を受けることができる。
(旅費の種類)
第六條 旅費の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、日当、宿泊料、食卓料、移転料、着後手当、扶養親族移転料、支度料及び死亡手当とする。
2 鉄道賃は、鉄道旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
3 船賃は、水路旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
4 航空賃は、航空旅行について、路程に応じ旅客運賃により支給する。
5 車賃は、陸路(鉄道を除く。以下同じ。)旅行について、路程に応じ一キロメートル当りの定額又は実費額により支給する。
6 日当は、旅行中の日数に応じ一日当りの定額により支給する。
7 宿泊料は、旅行中の夜数に応じ一夜当りの定額により支給する。
8 食卓料は、水路旅行及び航空旅行中の夜数に応じ一夜当りの定額により支給する。
9 移転料は、赴任に伴う家財の移転について、路程に応じ一定距離当りの定額により支給する。
10 着後手当は、赴任について、定額により支給する。
11 扶養親族移転料は、赴任に伴う扶養親族の移転について、支給する。
12 支度料は、外国への出張又は赴任について、定額により支給する。
13 死亡手当は、第三條第二項第五号又は第七号の規定に該当する場合について、定額等により支給する。
14 内国旅行については、第一項に掲げる旅費に代え、日額旅費を旅費として支給することができる。
15 外国旅行については、第一項に掲げる旅費に代え、旅行手当を旅費として支給することができる。
(旅費の計算)
第七條 旅費は、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算する。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り最も経済的な通常の経路又は方法によつて旅行し難い場合には、その現によつた経路及び方法によつて計算する。
第八條 旅費計算上の旅行日数は、第三項の規定に該当する場合を除く外、旅行のために現に要した日数による。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り要した日数を除く外、鉄道旅行にあつては四百キロメートル、水路旅行にあつては二百キロメートル、陸路旅行にあつては五十キロメートルについて一日の割合をもつて通算した日数をこえることができない。
2 前項但書の規定により通算した日数に一日未満の端数を生じたときは、これを一日とする。
3 第三條第二項第一号から第四号まで及び第六号の規定に該当する場合には、旅費計算上の旅行日数は、第一項但書及び前項の規定により計算した日数による。
第九條 旅行者が同一地域(第二條第三項に規定する地域区分による地域をいう。以下同じ。)に滯在する場合における日当及び宿泊料は、その地域に到着した日の翌日から起算して滯在日数三十日をこえる場合にはそのこえる日数について定額の二割、滯在日数六十日をこえる場合にはそのこえる日数について定額の三割に相当する額をそれぞれの定額から減じた額による。
2 同一地域に滯在中一時他の地に出張した日数は、前項の滯在日数から除算する。
第十條 私事のために在勤地又は出張地以外の地に居住又は滯在する者が、その居住地又は滯在地から直ちに旅行する場合において、居住地又は滯在地から目的地に至る旅費額が在勤地又は出張地から目的地に至る旅費額より多いときは、当該旅行については、在勤地又は出張地から目的地に至る旅費を支給する。
第十一條 一日の旅行において日当又は宿泊料について定額を異にする事由が生じた場合には、額の多い方の定額による日当又は宿泊料を支給する。
第十二條 鉄道旅行、水路旅行、航空旅行又は陸路旅行中における年度の経過、職務の級の変更等のため鉄道賃、船賃、航空賃又は車賃(扶養親族移転料のうちこれらの旅費に相当する部分を含む。)を区分して計算する必要がある場合には、最初の目的地に到着するまでの分及びそれ以後の分に区分して計算する。
(旅費の請求手続)
第十三條 旅費(概算拂に係る旅費を含む。)の支給を受けようとする旅行者及び概算拂に係る旅費の支給を受けた旅行者でその精算をしようとするものは、所定の請求書に必要な書類を添えて、これを当該旅費の支出又は支拂をする者(以下「支出官等」という。)に提出しなければならない。此の場合において、必要な添附書類の全部又は一部を提出しなかつた者は、その請求に係る旅費額のうちその書類を提出しなかつたため、その旅費の必要が明らかにされなかつた部分の金額の支給を受けることができない。
2 概算拂に係る旅費の支給を受けた旅行者は、当該旅行を完了した後所定の期間内に、当該旅行について前項の規定による旅費の精算をしなければならない。
3 支出官等は、前項の規定による精算の結果過拂金があつた場合には、所定の期間内に、当該過拂金を返納させなければならない。
4 支出官等は、その支出し、又は支拂つた概算拂に係る旅費の支給を受けた旅行者が第二項に規定する期間内に旅費の精算をしなかつた場合又は前項に規定する期間内に過拂金を返納しなかつた場合には、当該支出官等がその後においてその者に対し支出し、又は支拂う給與又は旅費の額から当該概算拂に係る旅費額又は当該過拂金に相当する金額を差し引かなければならない。
5 第一項に規定する請求書及び必要な添附書類の種類、記載事項及び樣式、第二項及び第三項に規定する期間並びに前項に規定する給與の種類は、大蔵省令で定める。
(採用予定者の旅費)
第十四條 第三條第四項の規定により支給する旅費は、赴任の例に準じて計算した新職務相当の旅費とする。
(証人等の旅費)
第十五條 第三條第五項又は第六項の規定により支給する旅費は、他の法律に特別の定がある場合を除く外、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める旅費とする。
第二章 内国旅行の旅費
(鉄道賃)
第十六條 鉄道賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(以下本條において「運賃」という。)及び急行料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を三階級に区分する線路による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣、最高裁判所長官、その任免につき天皇の認証を要する職員及び特別職の職員の給與に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)第一條第四号から第十五号までに掲げる職員(以下「内閣総理大臣等」という。)並びに十一級以上の職務にある者については、一等の運賃
ロ 十級以下四級以上の職務にある者については、二等の運賃
ハ 三級以下の職務にある者については、三等の運賃
二 運賃の等級を二階級に区分する線路による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び四級以上の職務にある者については、上級の運賃
ロ 三級以下の職務にある者については、下級の運賃
三 運賃の等級を設けない線路による旅行の場合には、その乘車に要する運賃
四 急行料金を徴する線路による旅行の場合には、前三号に規定する運賃の外、左に規定する急行料金
イ 第一号又は第二号の規定に該当する線路による旅行の場合には、これらの規定による運賃の等級と同一等級の急行料金
ロ 前号の規定に該当する線路による旅行の場合には、その乘車に要する急行料金
2 前項第四号に規定する急行料金は、左の各号の一に該当する場合に限り、支給する。
一 特別急行列車を運行する線路による旅行で片道五百キロメートル以上のもの
二 普通急行列車又は準急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの
(船賃)
第十七條 船賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本條において「運賃」という。)及び寢台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を三階級に区分する船舶による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び八級以上の職務にある者については、一等の運賃
ロ 七級以下四級以上の職務にある者については、二等の運賃
ハ 三級以下の職務にある者については、三等の運賃
二 運賃の等級を二階級に区分する船舶による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び四級以上の職務にある者については、上級の運賃
ロ 三級以下の職務にある者については、下級の運賃
三 運賃の等級を設けない船舶による旅行の場合には、その乘船に要する運賃
四 公務上の必要に因り別に寢台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支拂つた寢台料金
2 前項第一号又は第二号の規定に該当する場合において、同一階級の運賃を更に二以上に区分する船舶による旅行の場合には、当該各号の運賃は、同一階級内の最上級の運賃による。
(航空賃)
第十八條 航空賃の額は、現に支拂つた旅客運賃による。
(車賃)
第十九條 車賃の額は、別表第一の定額による。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り定額の車賃で旅行の実費を支弁することができない場合には、実費額による。
2 車賃は、全路程を通算して計算する。但し、第十二條の規定により区分計算をする場合には、その区分された路程ごとに通算して計算する。
3 前項の規定により通算した路程に一キロメートル未満の端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(日当)
第二十條 日当の額は、別表第一の定額による。
2 鉄道百キロメートル未満、水路五十キロメートル未満又は陸路二十五キロメートル未満の旅行の場合における日当の額は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り宿泊した場合を除く外、前項の規定にかかわらず、同項の定額の二分の一に相当する額による。
3 鉄道、水路又は陸路にわたる旅行については、鉄道四キロメートル、水路二キロメートルをもつてそれぞれ陸路一キロメートルとみなして、前項の規定を適用する。
(宿泊料)
第二十一條 宿泊料の額は、宿泊先の区分に応じた別表第一の定額による。
2 宿泊料は、水路旅行及び航空旅行については、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り上陸又は着陸して宿泊した場合に限り、支給する。
(食卓料)
第二十二條 食卓料の額は、別表第一の定額による。
2 食卓料は、船賃若しくは航空賃の外に別に食費を要する場合又は船賃若しくは航空賃を要しないが食費を要する場合に限り、支給する。
(移転料)
第二十三條 移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を移転する場合には、旧在勤地から新在勤地までの路程に応じた別表第一の定額による額
二 赴任の際扶養親族を移転しない場合には、前号に規定する額の二分の一に相当する額
三 赴任の際扶養親族を移転しないが赴任を命ぜられた日の翌日から一年以内に扶養親族を移転する場合には、前号に規定する額に相当する額(赴任の後扶養親族を移転するまでの間に更に赴任があつた場合には、各赴任について支給することができる前号に規定する額に相当する額の合計額)
2 前項第三号の場合において、扶養親族を移転した際における移転料の定額が職員が赴任した際の移転料の定額と異なるときは、同号の額は、扶養親族を移転した際における移転料の定額を基礎として計算する。
3 旅行命令権者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情がある場合には、第一項第三号に規定する期間を延長することができる。
(着後手当)
第二十四條 着後手当の額は、別表第一の日当定額の五日分及び新在勤地の存する地域の区分に応じた宿泊料定額の五夜分に相当する額による。
(扶養親族移転料)
第二十五條 扶養親族移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴する場合には、赴任を命ぜられた日における扶養親族一人ごとに、その移転の際における年齢に従い、左の各号に規定する額の合計額
イ 十二歳以上の者については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空費及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の二に相当する額
ロ 十二歳未満六歳以上の者については、イに規定する額の二分の一に相当する額
ハ 六歳未満の者については、その移転の際における職員相当の日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の一に相当する額
二 前号の規定に該当する場合を除く外、第二十三條第一項第一号又は第三号の規定に該当する場合には、扶養親族の旧居住地から新居住地までの旅行について前号の規定に準じて計算した額。但し、前号の規定により支給することができる額に相当する額(赴任の後扶養親族を移転するまでの間に更に赴任があつた場合には、各赴任について前号の規定により支給することができる額に相当する額の合計額)をこえることができない。
2 職員が赴任を命ぜられた日において胎兒であつた子をその赴任の後移転する場合においては、扶養親族移転料の額の計算については、その子を赴任を命ぜられた日における扶養親族とみなして、前項の規定を適用する。
(日額旅費)
第二十六條 第六條第十四項の規定により支給する日額旅費の支給を受ける者の範囲、額、支給條件及び支給方法は、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める。但し、その額は、当該日額旅費の性質に応じ、第六條第一項に掲げる旅費の額についてこの法律で定める基準をこえることができない。
(在勤地内旅行の旅費)
第二十七條 在勤地内における旅行については、左の各号の一に該当する場合において、当該各号に規定する額の旅費及び当該旅費を基準とする日額旅費に限り、支給する。
一 旅行が行程八キロメートル以上又は引き続き五時間以上にわたる場合には、別表第一の日当定額の二分の一以内において大蔵省令で定める基準に従い、各庁の長が定める額の日当
二 公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り宿泊する場合には、別表第一の宿泊料定額の範囲内の実費額の宿泊料
三 第二十八條第一項各号の一に該当する場合には、当該各号に規定する額の鉄道賃、船賃、車賃又は移転料
(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
第二十八條 在勤地以外の同一地域内における旅行については、鉄道賃、船賃、車賃、移転料、着後手当及び扶養親族移転料は、支給しない。但し、左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に規定する額の旅費を支給する。
一 鉄道百キロメートル、水路五十キロメートル又は陸路二十五キロメートル以上の旅行の場合には、第十六條、第十七條又は第十九條の規定による額の鉄道賃、船賃又は車賃
二 前号の規定に該当する場合を除く外、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り特に多額の船賃又は車賃を要する場合で、その実費額が当該旅行について支給される日当額の二分の一に相当する額をこえる場合には、そのこえる部分の金額に相当する額の船賃又は車賃
三 赴任を命ぜられた職員が、職員のための国設宿舎に居住し、又はこれを明け渡すことを命ぜられた場合には、別表第一の鉄道百キロメートル未満の場合の移転料定額の三分の一に相当する額の範囲内の実費額の移転料
2 第二十條第三項の規定は、前項第一号の場合について準用する。
(退職者等の旅費)
第二十九條 第三條第二項第一号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 職員が出張中に退職等となつた場合には、左に規定する旅費
イ 退職等となつた日(「以下退職等の日」という。)にいた地から退職等の命令の通達を受け、又はその原因となつた事実の発生を知つた日(以下「退職等を知つた日」という。)にいた地までの前職務相当の旅費
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した退職等を知つた日にいた地から旧在勤地までの前職務相当の旅費
二 職員が赴任中に退職等となつた場合には、赴任の例に準じ、且つ、新在勤地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
2 本邦に出張中の外国在勤の職員が第三條第二項第一号の規定に該当する場合において同号の規定により支給する旅費は、当該職員の本邦への出張における出張地を旧在勤地とみなして前項第一号の規定に準じて計算した旅費の外、第四十四條第一項第三号ロ又は第四号及び第五号並びに第二項の規定に準じて計算した旅費とする。
(遺族の旅費)
第三十條 第三條第二項第二号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 職員が出張中に死亡した場合には、死亡地から旧在勤地までの往復に要する前職務相当の旅費
二 職員が赴任中に死亡した場合には、赴任の例に準じて計算した死亡地から新在勤地までの前職務相当の旅費
2 本邦に出張中の外国在勤の職員が第三條第二項第二号の規定に該当する場合において同号の規定により支給する旅費は、当該職員の本邦への出張における出張地を旧在勤地とみなして前項第一号の規定に準じて計算した旅費とする。
3 遺族が前二項に規定する旅費の支給を受ける順位は、第二條第一項第八号に揚げる順序により、同順位者がある場合には、年長者を先にする。
4 第三條第二項第三号の規定により支給する旅費は、第二十五條第一項第一号の規定に準じて計算した居住地から帰住地(外国に帰住する場合には、本邦における外国への出発地)までの鉄道賃、船賃、車賃及び食卓料とする。この場合において、同号中「赴任を命ぜられた日」とあるのは、「職員が死亡した日」と読み替えるものとする。
第三章 外国旅行の旅費
(本邦通過の場合の旅費)
第三十一條 外国旅行中本邦を通過する場合には、その本邦内の旅行について支給する旅費は、前章に規定するところによる。但し、移転料並びに外国航路の船舶又は航空機により本邦を出発し、又は本邦に到着した場合における船賃又は航空賃及び本邦を出発した日からの日当及び食卓料又は本邦に到着した日までの日当及び食卓料については、本章に規定するところによる。
2 前項本文の場合において、第二十五條第一項の規定の適用については、本邦出発の場合にはその外国への出発地を新在勤地又は新居住地とみなし、本邦到着の場合にはその外国からの到着地を旧在勤地又は旧居住地とみなす。
(鉄道賃)
第三十二條 鉄道賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(以下本條において「運賃」という。)、急行料金及び寢台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を二以上の階級に区分する線路による旅行の場合には、最上級の運賃
二 運賃の等級を設けない線路による旅行の場合には、その乘車に要する運賃
三 内閣総理大臣等又は十一級以上の職務にある者が公務上の必要に因り特別の座席の設備を利用した場合には、前二号に規定する運賃の外、その座席のために現に支拂つた運賃
四 公務上の必要に因り別に急行料金又は寢台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支拂つた急行料金又は寢台料金
(船賃)
第三十三條 船賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本條において「運賃」という。)及び寢台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を二以上の階級に区分する船舶による旅行の場合には、最上級の運賃(最上級の運賃を更に二以上に区分する船舶による旅行の場合には、その階級内の最上級の運賃)
二 運賃の等級を設けない船舶による旅行の場合には、その乘船に要する運賃
三 内閣総理大臣等又は十一級以上の職務にある者が公務上の必要に因りあらかじめ旅行命令権者の許可を受け特別の運賃を必要とする船室を利用した場合には、前二号に規定する運賃の外、その船室のために現に支拂つた運賃
四 公務上の必要に因り別に寢台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支拂つた寢台料金
(航空賃及び車賃)
第三十四條 航空賃の額は、現に支拂つた旅客運賃による。
2 車賃の額は、実費額による。
(日当、宿泊料及び食卓料)
第三十五條 日当及び宿泊料の額は、旅行先の区分に応じた別表第二の定額による。
2 食卓料の額は、別表第二の定額による。
3 第二十條第二項及び第三項、第二十一條第二項並びに第二十二條第二項の規定は、外国旅行の場合の日当、宿泊料及び食卓料について準用する。
(移転料)
第三十六條 移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴する場合には、旧在勤地から新在勤地までの路程に応じた別表第二の定額による額
二 赴任の際扶養親族を随伴しない場合には、前号に規定する額の二分の一に相当する額
三 赴任の際扶養親族を随伴しないが第三十八條第一項第二号の規定に該当し扶養親族を呼び寄せる場合には、前号に規定する額に相当する額
2 第二十三條第二項の規定は、外国旅行の場合の移転料について準用する。
(着後手当)
第三十七條 着後手当の額は、新在勤地の存する地域の区分に応じた別表第二の日当定額の七日分及び宿泊料定額の七夜分に相当する額による。
(扶養親族移転料)
第三十八條 扶養親族移転料は、左の各号の一に該当する場合に支給する。
一 赴任の際各庁の長の許可を受け、扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴するとき。
二 外国に在勤中各庁の長の許可を受け、同一在勤地について一回限り、扶養親族を在勤地に呼び寄せ、又は本邦に帰らせるとき。
三 本邦から外国に赴任後各庁の長の許可を受け、赴任を命ぜられた日の翌日から一年以内に一回限り、扶養親族を赴任を命ぜられた日における居住在から本邦内の他の地に移転するとき。
2 前項第一号又は第二号の規定に該当する場合における扶養親族移転料の額は、赴任を命ぜられた日における扶養親族一人ごとに、その移転の際における年齢に従い、左の各号に規定する額の合計額による。
一 配偶者については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料、着後手当及び支度料の三分の二に相当する額
二 十二歳以上の子については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の二に相当する額
三 十二歳未満の子については、前号に規定する額の二分の一に相当する額
3 第一項第三号の規定に該当する場合における扶養親族移転料の額は、その旧居住地を旧在勤地と、新居住地を新在勤地とみなして第二十五條第一項第一号の規定に準じて計算した額による。
4 第二十五條第二項の規定は、前二項の規定による扶養親族移転料の額の計算について準用する。
(支度料)
第三十九條 支度料の額は、目的地の存する地域の区分及び旅行期間に応じた別表第二の定額による。
2 外国に赴任又は出張を命ぜられた者が過去において支度料の支給を受けたことがある者である場合には、その者に対し支給する支度料の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、その赴任又は出張を命ぜられた日から起算して過去一年以内に支給を受けた支度料の合計額を差し引いた額の範囲内の額による。
(死亡手当)
第四十條 死亡手当の額は、第三條第二項第五号の規定に該当する場合には死亡地の区分に応じた別表第二の定額により、同項第七号の規定に該当する場合にはその定額の二分の一に相当する額による。
2 職員が第三條第二項第五号の規定に該当し、且つ、その死亡地が本邦である場合において同号の規定により支給する死亡手当の額は、前項の規定にかかわらず、左の各号に規定する額による。
一 職員が出張中に死亡した場合には、当該職員の本邦における所属庁(各庁の長の在勤官署をいう。以下同じ。)所在地(所属庁がない場合には、東京都。以下同じ。)を旧在勤地とみなして第三十條第一項第一号の規定に準じて計算した旅費の額
二 職員が赴任中に死亡した場合には、当該職員の本邦における所属庁所在地を新在勤地とみなして第三十條第一項第二号の規定に準じて計算した旅費の額
3 外国在勤の職員の配偶者が第三條第二項第七号の規定に該当し、且つ、その死亡地が本邦である場合において同号の規定により支給する死亡手当の額は、第一項の規定にかかわらず、左の各号に規定する額による。
一 配偶者が第三十八條第一項第一号の規定に該当する旅行中に死亡した場合には、職員が死亡したものとみなして前項第二号の規定に準じて計算した額の二分の一に相当する額
二 配偶者が第三十八條第一項第二号の規定に該当する旅行中に死亡した場合には、職員が死亡したものとみなして前項第一号の規定に準じて計算した額の二分の一に相当する額
4 第三十條第三項の規定は、第三條第二項第五号の規定に該当する場合において第一項又は第二項の規定による死亡手当の支給を受ける遺族の順位について準用する。
(旅行手当)
第四十一條 第六條第十五項の規定により支給する旅行手当の支給を受ける者の範囲、額、支給條件及び支給方法は、そのつど各庁の長が大蔵大臣に協議して定める。但し、その額は、当該旅行手当の性質に応じ、第六條第一項に掲げる旅費の額についてこの法律で定める基準をこえることができない。
(在勤地内旅行の旅費)
第四十二條 第二十七條(日額旅費及び移転料に関する部分を除く。)の規定は、外国の在勤地内における旅行の旅費について準用する。この場合において、同條第一号及び第二号中「別表第一」とあるのは「別表第二」と、同條第三号中「第二十八條第一項各号の一」とあるのは「第四十三條において準用する第二十八條第一項第一号又は第二号の規定」と読み替えるものとする。
(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
第四十三條 第二十八條第一項第一号及び第二号並びに第二項の規定は、外国の在勤地以外の同一地域内における旅行の旅費について準用する。この場合において、同條第一項第一号中「第十六條、第十七條又は第十九條」とあるのは、「第三十二條、、第三十三條又は第三十四條第二項」と読み替えるものとする。
(退職者等の旅費)
第四十四條 第三條第二項第四号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 外国在勤の職員がその在勤地において退職等となつた場合には、左に規定する旅費
イ 退職等の日の翌日から退職等を知つた日までの旧在勤地の存する地域の区分に応じた前職務相当の日当及び宿泊料
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に旧在勤地を出発して本邦に帰住した場合に限り、左に規定する旅費
(一) 退職等を知つた日の翌日からその出発の前日までの旧在勤地の存する地域の区分に応じた前職務相当の日当及び宿泊料。但し、日当については三十日分、宿泊料については三十夜分をこえることができない。
(二) 赴任の例に準じて計算した旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の旅費(着後手当を除く。)
二 職員が外国の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰らないで当該退職等に伴う旅行をしたときは、出張の例に準じ、且つ、出張地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
三 外国在勤の職員が本邦の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰らないで当該退職等に伴う旅行をしたときは、左に規定する旅費
イ 退職等の日の翌日から退職等を知つた日までの出張地の存する地域の区分に応じた第二十條第一項及び第二十一條第一項の規定による前職務相当の日当及び宿泊料
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に出張地を出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した出張地から旧所属庁所在地までの前章の規定による前職務相当の旅費
四 外国在勤の職員が外国又は本邦の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰つた後当該退職等に伴う旅行をしたときは、左に規定する旅費
イ 外国の出張地から旧在勤地に帰る場合には、出張地を旧在勤地とみなして第一号イの規定に準じて計算した日当及び宿泊料
ロ 本邦の出張地から旧在勤地に帰る場合には、前号イの規定に準じて計算した日当及び宿泊料
ハ 退職等を知つた日の翌日から一月以内に出張地を出発して旧在勤地に帰つた場合に限り、イ又はロに規定する旅費の外、左に規定する旅費
(一) 退職等を知つた日の翌日からその出発の前日までの出張地の存する地域の区分に応じた第三十五條第一項又は第二十條第一項及び第二十一條第一項の規定による前職務相当の日当及び宿泊料。但し、日当については十五日分、宿泊料については十五夜分をこえることができない。
(二) 出張の例に準じて計算した出張地から旧在勤地までの前職相当の旅費(支度料を除く。)
(三) 旧在勤地に到着した日の翌日から二月以内に当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、旧在勤地に到着した日を退職等を知つた日とみなして第一号ロの規定に準じて計算した旅費
五 外国在勤の職員が第二号又は第三号の規定に該当する場合において、家財又は扶養親族を旧在勤地から本邦に移転する必要があるときは、当該各号に規定する旅費の外、旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の移転料及び扶養親族移転料(着後手当に相当する部分を除く。)
2 各庁の長は、天災その他やむを得ない事情がある場合には、前項第一号ロ、第三号ロ又は第四号ハに規定する期間を延長することができる。
3 第一項第二号から第四号までの規定に該当する場合を除く外、職員が外国旅行の途中において退職等となつた場合において第三條第二項第四号の規定により支給する旅費は、前二項の規定に準じ大蔵省令で定める。
(遺族の旅費)
第四十五條 第三條第二項第六号の規定により支給する旅費は、職員の旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の移転料及び扶養親族移転料(着後手当に相当する部分を除く。)並びに旧所属庁所在地を居住地とみなして第三十條第四項の規定に準じて計算した旅費とする。
第四章 雑則
(旅費の調整)
第四十六條 各庁の長は、旅行者が公用の交通機関、宿泊施設等を利用して旅行した場合その他この法律又は旅費に関する他の法律の規定による旅費を支給した場合には不当に旅行の実費をこえて旅費を支給することとなる場合においては、その実費をこえることとなる部分の旅費について、旅費の全部又は一部を支給しないことができる。
2 各庁の長は、前項の規定の統一ある適用を図るために、大蔵大臣に協議して同項の規定を適用する場合に関する部内の統一的な基準を作成するものとし、各庁の長が旅費の全部又は一部を支給しないこととする場合には、当該基準によるものとする。
(旅費の特例)
第四十七條 各庁の長は、職員について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五條第三項若しくは第六十八條又は船員法(昭和二十二年法律第百号)第四十七條の規定に当該する事由がある場合において、この法律の規定による旅費の支給ができないとき、又はこの法律の規定により支給する旅費が労働基準法第十五條第三項若しくは第六十八條又は船員法第四十八條の規定による旅費又は費用に満たないときは、当該職員に対しこれらの規定による旅費若しくは費用に相当する金額又はその満たない部分に相当する金額を旅費として支給するものとする。
2 各庁の長は、国家公務員法第五十九條に規定する條件附採用期間中の職員がその條件附採用期間中にその意に反して退職となつた場合において、退職の通達を受けた日から十四日以内に出発して帰住するときは、第三十條第四項の規定に準じて計算した前職務相当の旅費を支給するものとする。
(実施規定)
第四十八條 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、大蔵省令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日以後の旅行から適用する。但し、第四條、第五條及び第十三條の規定は、昭和二十五年五月一日以後出発する旅行から適用し、附則第八項及び第九項の規定は、昭和二十四年度以後に出張又は赴任を命ぜられた者の旅行から適用する。
2 左に掲げる勅令は、廃止する。
内国旅費規則(昭和十八年勅令第六百八十四号)
外国旅費規則(大正十年勅令第四百一号)
南洋群島関東州満洲旅費規則(大正十年勅令第四百二号)
3 昭和二十五年三月三十一日以前の旅行については、附則第八項及び第九項に規定する事項を除く外、なお従前の例による。
4 別表第三に掲げる者に支給する車賃、日当、食卓料、宿泊料、移転料、支度料及び死亡手当の定額は、当分の間、本則の規定にかかわらず、別表第一及び第二の定額に別表第三の割増率を乘じて計算した額による。
5 外国旅行については、入出国税、旅行券の査証手数料、外貨の買入手数料、携帶荷物の運賃等旅行に伴う附随的費用及び旅行中の予測しがたい費用に充てるため、当分の間、第六條に規定する旅費の外、大蔵大臣の定める基準に従い、七万五千六百円の範囲内の金額を旅費として支給する。
6 前項の規定による旅費を支給することができる間は、当該旅費の額の三分の二に相当する額を、第三十八條第二項第一号又は第二号に規定する扶養親族移転料の額に加算する。
7 外国旅行については、特別の調査、通訳の雇用、事務の依頼等公務上の必要に因り特に支出を必要とする特別の費用に充てるため、当分の間、第六條及び前二項の規定による旅費の外、旅行日数一日について千八十円の割合で計算した金額の範囲内で各庁の長が大蔵大臣に協議して定める金額を、旅費として支給することができる。
8 本邦から外国に出張又は赴任を命ぜられた者が、二会計年度にわたつて外国旅行をする場合における旅費は、当分の間、その出張又は赴任を命ぜられた日の属する会計年度の歳出予算から概算で支出することができる。
9 前項の規定により支出して旅費の精算に因つて生ずる返納金又は追給金は、その精算を行つた日の属する会計年度の歳入又は歳出とする。
10 国会閉会中において、外国為替相場の変動、物価の改訂等の事由に因り緊急に旅費の定額を改訂する必要を生じたときは、最近の国会においてこの法律が改正されるまでの間、政令をもつて臨時に旅費の定額を改訂することができる。
11 労働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の応急措置に関する法律(昭和二十二年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
本則第一項中「労働基準法(同法第二十條及び第二十一條を除く。)又は船員法(同法第四十六條を除く。)」を「労働基準法(同法第十五條第三項、第二十條、第二十一條及び第六十八條の規定を除く。)又は船員法(同法第四十六條から第四十八條までの規定を除く。)」に改める。
別表第一 内国旅行の旅費
車賃(一キロメートルにつき)
三円
日当(一日につき)
一六〇円
宿泊料(一夜につき)
甲地方
八〇〇円
乙地方
六四〇円
食卓料(一夜につき)
一六〇円
移転料
鉄道百キロメートル未満      八、〇〇〇円
鉄道百キロメートル以上五百キロメートル未満一〇、五〇〇円
鉄道五百キロメートル以上千キロメートル未満一四、五〇〇円
鉄道千キロメートル以上千五百キロメートル未満一九、〇〇〇円
鉄道千五百キロメートル以上二千キロメートル未満二三、〇〇〇円
鉄道二千キロメートル以上    二九、五〇〇円
備考
一 宿泊料の項中甲地方とは一般職の職員の給與に関する法律第十二條の規定により最高の割合による勤務地手当を支給される地域をいい、乙地方とはその他の地域をいう。固定宿泊施設に宿泊しない場合には、乙地方に宿泊したものとみなす。
二 移転料の項の適用については、水路一キロメートル、陸路四分の一キロメートルをもつてそれぞれ鉄道一キロメートルとみなす。
別表第二 外国旅行の旅費
一 日当及び宿泊料
地域区分
日当(一日につき)
宿泊料(一夜につき)
アメリカ合衆国
九〇〇円
二、七〇〇円
アルゼンチン国
七二〇円
二、一六〇円
ブラジル国
九〇〇円
二、七〇〇円
グレート・ブリテン国
九〇〇円
二、七〇〇円
フランス国
九〇〇円
二、七〇〇円
スイス国
九〇〇円
二、七〇〇円
イタリア国
九〇〇円
二、七〇〇円
インド国
九〇〇円
二、七〇〇円
セイロン
九〇〇円
二、七〇〇円
ビルマ国
九〇〇円
二、七〇〇円
タイ国
七二〇円
二、一六〇円
マレー
九〇〇円
二、七〇〇円
印度支那
九〇〇円
二、七〇〇円
インドネシヤ国
七二〇円
二、一六〇円
フイリツピン国
一、二六〇円
三、七八〇円
香港
九〇〇円
二、七〇〇円
中華民国
九〇〇円
二、七〇〇円
台湾
七二〇円
二、一六〇円
朝鮮
五四〇円
一、六二〇円
その他の地域
前各号に準じ大蔵大臣の定める額
同上
備考 船舶又は航空機による旅行(地域区分の欄に掲げる一の地域内における旅行を除く。)の場合における日当の額は、一日につき九〇〇円とする。
二 食卓料、移転料、支度料及び死亡手当
食卓料(一夜につき)
一、八〇〇円
移転料
鉄道百キロメートル未満        一六、〇〇〇円
鉄道百キロメートル以上五百キロメートル未満二一、〇〇〇円
鉄道五百キロメートル以上千キロメートル未満二九、〇〇〇円
鉄道千キロメートル以上千五百キロメートル未満三八、〇〇〇円
鉄道千五百キロメートル以上二千キロメートル未満四六、〇〇〇円
鉄道二千キロメートル以上       五九、〇〇〇円
支度料
甲地方
旅行期間一月未満      五三、九〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  六五、四五〇円
旅行期間三月以上      七七、〇〇〇円
乙地方
旅行期間一月未満      四五、九〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  五五、七〇〇円
旅行期間三月以上      六五、四五〇円
丙地方
旅行期間一月未満      二一、六〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  二六、二〇〇円
旅行期間三月以上      三〇、八〇〇円
死亡手当
甲地方
二〇〇、〇〇〇円
乙地方
一七〇、〇〇〇円
丙地方
八〇、〇〇〇円
備考
一 支度料及び死亡手当の項中甲地方とは南アメリカ、北アメリカ、ヨーロツパ及びオーストラリヤ、丙地方とは朝鮮、台湾及び樺太、乙地方とは甲地方及び丙地方以外の地域(本邦を除く。)をいう。船舶による旅行中に死亡した場合には、丙地方において死亡したものとみなし、航空機による旅行中に死亡した場合には、目的地の存する地域において死亡したものとみなす。
二 移転料の項の適用については、水路一キロメートル、陸路四分の一キロメートルをもつてそれぞれ鉄道一キロメートルとみなす。
別表第三 旅費定額の割増率
一 内国旅行の旅費定額の割増率
内閣総理大臣等
内閣総理大臣及び最高裁判所長官  一二割
その他の者                 一〇割
十五級の職務にある者
八割
十四級の職務にある者
七割
十三級の職務にある者
六割
十二級の職務にある者
五割
十一級の職務にある者
四割
十級の職務にある者
三割
九級の職務にある者
二割
八級の職務にある者
一割
二 外国旅行の旅費定額の割増率
内閣総理大臣等
三割
十一級から十五級までの職務にある者
一・五割
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 殖田俊吉
外務大臣 吉田茂
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
文部大臣 高瀬莊太郎
厚生大臣 林讓治
農林大臣 森幸太郎
通商産業大臣 高瀬莊太郎
運輸大臣 大屋晋三
郵政大臣 小沢佐重喜
電気通信大臣 小沢佐重喜
労働大臣 鈴木正文
建設大臣 益谷秀次
経済安定本部総裁 吉田茂
国家公務員等の旅費に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年四月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百十四号
国家公務員等の旅費に関する法律
目次
第一章
総則(第一条―第十五条)
第二章
内国旅行の旅費(第十六条―第三十条)
第三章
外国旅行の旅費(第三十一条―第四十五条)
第四章
雑則(第四十六条―第四十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、公務のため旅行する国家公務員等に対し支給する旅費に関し諸般の基準を定め、公務の円滑な運営に資するとともに国費の適正な支出を図ることを目的とする。
2 国が国家公務員(以下「職員」という。)及び職員以外の者に対し支給する旅費並びに法令による公団、国民金融公庫、住宅金融公庫、連合国軍人等住宅公社及び商船管理委員会がその職員に対し支給する旅費に関しては、他の法律に特別の定がある場合を除く外、この法律の定めるところによる。
(用語の意義)
第二条 この法律において、左の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 各庁の長 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務総裁、各省大臣、最高裁判所長官、会計検査院長、人事院総裁、法令による公団の総裁又は理事長、国民金融公庫及び住宅金融公庫の総裁、連合国軍人等住宅公社理事長並びに商船管理委員会理事長をいう。
二 内国旅行 本邦(本州、北海道、四国、九州及び大蔵省令で定めるその附属の島の存する領域をいう。以下同じ。)における旅行をいう。
三 外国旅行 本邦と外国(本邦以外の領域(公海を含む。)をいう。以下同じ。)との間における旅行及び外国における旅行をいう。
四 出張 職員が公務のため一時その在勤官署(常時勤務する在勤官署のない職員については、その住所又は居所)を離れて旅行し、又は職員以外の者が公務のため一時その住所又は居所を離れて旅行することをいう。
五 赴任 新たに採用された職員がその採用に伴う移転のため住所若しくは居所から在勤官署に旅行し、又は転任を命ぜられた職員がその転任に伴う移転のため旧在勤官署から新在勤官署に旅行することをいう。
六 帰住 職員が退職し、又は死亡した場合において、その職員若しくはその扶養親族又はその遺族が生活の根拠地となる地に旅行することをいう。
七 扶養親族 内国旅行にあつては職員の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で主として職員の収入によつて生計を維持しているものをいい、外国旅行にあつては職員の配偶者及び子で主として職員の収入によつて生計を維持しているものをいう。
八 遺族 職員の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに職員の死亡当時職員と生計を一にしていた他の親族をいう。
2 この法律において「何級の職務」という場合には、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第六条第二項第一号に規定する一般俸給表による当該級の職務及び一般俸給表の適用を受けない者について各庁の長が大蔵大臣に協議して定めるこれに相当する職務をいうものとする。
3 この法律において「何々地」という場合には、本邦にあつては市町村の存する地域(都については、特別区の存する全地域)をいい、外国にあつてはこれに準ずる地域をいうものとする。
(旅費の支給)
第三条 職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。
2 職員、その配偶者又はその遺族が左の各号の一に該当する場合には、当該各号に掲げる者に対し、旅費を支給する。
一 職員が出張又は赴任のための内国旅行中に退職、免職(罷免を含む。)、失職又は休職(以下「退職等」という。)となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員
二 職員が出張又は赴任のための内国旅行中に死亡した場合には、当該職員の遺族
三 勤続二年以上の職員が死亡した場合において、当該職員の本邦にある遺族がその死亡の日の翌日から三月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
四 職員が、外国の在勤地において退職等となり、一定の期間内に本邦に帰住し、又は出張若しくは赴任のための外国旅行中に退職等となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員
五 職員が、外国の在勤地において死亡し、又は出張若しくは赴任のための外国旅行中に死亡した場合には、当該職員の遺族
六 職員が死亡した場合において、当該職員の外国にある遺族(配偶者及び子に限る。)がその死亡の日の翌日から三月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
七 外国在勤の職員の配偶者が、当該職員の在勤地において死亡し、又は第三十八条第一項第一号若しくは第二号の規定に該当する外国旅行中に死亡した場合には、当該職員
3 職員が前項第一号又は第四号の規定に該当する場合において、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条第二号から第五号まで若しくは第八十二条各号に掲げる事由又はこれらに準ずる事由に因り退職等となつた場合には、同項の規定にかかわらず、同項の規定による旅費は、支給しない。
4 職員に採用を予定されている者が呼出に応じ出頭した場合には、その者に対し、旅費を支給する。
5 職員又は職員以外の者が、国の機関の依頼又は要求に応じ、公務の遂行を補助するため、証人、鑑定人、参考人、通訳等として旅行した場合には、その者に対し、旅費を支給する。
6 第一項、第二項、第四項及び前項の規定に該当する場合を除く外、他の法律に特別の定がある場合その他国費を支弁して旅行させる必要がある場合には、旅費を支給する。
7 第一項、第二項及び第四項から前項までの規定により旅費の支給を受けることができる者(その者の扶養親族の旅行について旅費の支給を受けることができる場合には、当該扶養親族を含む。以下本条において同じ。)が、その出発前に第四条第三項の規定により旅行命令等を取り消され、又は死亡した場合において、当該旅行のため既に支出した金額があるときは、当該金額のうちその者の損失となつた金額で大蔵省令で定めるものを旅費として支給することができる。
8 第一項、第二項及び第四項から第六項までの規定により旅費の支給を受けることができる者が、旅行中交通機関の事故に因り概算払を受けた旅費額(概算払を受けなかつた場合には、概算払を受けることができた旅費額に相当する金額)の全部又は一部を喪失した場合には、その喪失した旅費額の範囲内で大蔵省令で定める金額を旅費として支給することができる。
(旅行命令等)
第四条 左の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、各庁の長又はその委任を受けた者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令又は旅行依頼(以下「旅行命令等」という。)によつて行われなければならない。
一 前条第一項の規定に該当する旅行 旅行命令
二 前条第四項又は第五項の規定に該当する旅行 旅行依頼
2 旅行命令権者は、電信、電話、郵便等の通信による連絡手段によつては公務の円滑な遂行を図ることができない場合で、且つ、予算上旅費の支出が可能である場合に限り、旅行命令等を発することができる。
3 旅行命令権者は、既に発した旅行命令等を変更(取消を含む。以下同じ。)する必要があると認める場合で、前項の規定に該当する場合には、自ら又は第五条第一項若しくは第二項の規定による旅行者の申請に基き、これを変更することができる。
4 旅行命令権者は、旅行命令等を発し、又はこれを変更するには、旅行命令書又は旅行依頼書(以下「旅行命令書等」という。)を交付してこれをしなければならない。但し、旅行命令書等を交付するいとまがない場合には、口頭により旅行命令等を発し、又はこれを変更することができる。
5 旅行命令権者は、口頭により旅行命令等を発し、又はこれを変更した場合には、できるだけすみやかに旅行命令書等を当該旅行者に交付しなければならない。
6 旅行命令書等の記載事項及び様式は、大蔵省令で定める。
(旅行命令等に従わない旅行)
第五条 旅行者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り旅行命令等(前条第三項の規定により変更された旅行命令等を含む。以下本条において同じ。)に従つて旅行することができない場合には、あらかじめ旅行命令権者に旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
2 旅行者は、前項の規定による旅行命令等の変更の申請をするいとまがない場合には、旅行命令等に従わないで旅行した後、できるだけすみやかに旅行命令権者に旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
3 旅行者が、前二項の規定による旅行命令等の変更の申請をせず、又は申請をしたがその変更が認められなかつた場合において、旅行命令等に従わないで旅行したときは、当該旅行者は、旅行命令等に従つた限度の旅行に対する旅費のみの支給を受けることができる。
(旅費の種類)
第六条 旅費の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、日当、宿泊料、食卓料、移転料、着後手当、扶養親族移転料、支度料及び死亡手当とする。
2 鉄道賃は、鉄道旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
3 船賃は、水路旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
4 航空賃は、航空旅行について、路程に応じ旅客運賃により支給する。
5 車賃は、陸路(鉄道を除く。以下同じ。)旅行について、路程に応じ一キロメートル当りの定額又は実費額により支給する。
6 日当は、旅行中の日数に応じ一日当りの定額により支給する。
7 宿泊料は、旅行中の夜数に応じ一夜当りの定額により支給する。
8 食卓料は、水路旅行及び航空旅行中の夜数に応じ一夜当りの定額により支給する。
9 移転料は、赴任に伴う家財の移転について、路程に応じ一定距離当りの定額により支給する。
10 着後手当は、赴任について、定額により支給する。
11 扶養親族移転料は、赴任に伴う扶養親族の移転について、支給する。
12 支度料は、外国への出張又は赴任について、定額により支給する。
13 死亡手当は、第三条第二項第五号又は第七号の規定に該当する場合について、定額等により支給する。
14 内国旅行については、第一項に掲げる旅費に代え、日額旅費を旅費として支給することができる。
15 外国旅行については、第一項に掲げる旅費に代え、旅行手当を旅費として支給することができる。
(旅費の計算)
第七条 旅費は、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算する。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り最も経済的な通常の経路又は方法によつて旅行し難い場合には、その現によつた経路及び方法によつて計算する。
第八条 旅費計算上の旅行日数は、第三項の規定に該当する場合を除く外、旅行のために現に要した日数による。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り要した日数を除く外、鉄道旅行にあつては四百キロメートル、水路旅行にあつては二百キロメートル、陸路旅行にあつては五十キロメートルについて一日の割合をもつて通算した日数をこえることができない。
2 前項但書の規定により通算した日数に一日未満の端数を生じたときは、これを一日とする。
3 第三条第二項第一号から第四号まで及び第六号の規定に該当する場合には、旅費計算上の旅行日数は、第一項但書及び前項の規定により計算した日数による。
第九条 旅行者が同一地域(第二条第三項に規定する地域区分による地域をいう。以下同じ。)に滞在する場合における日当及び宿泊料は、その地域に到着した日の翌日から起算して滞在日数三十日をこえる場合にはそのこえる日数について定額の二割、滞在日数六十日をこえる場合にはそのこえる日数について定額の三割に相当する額をそれぞれの定額から減じた額による。
2 同一地域に滞在中一時他の地に出張した日数は、前項の滞在日数から除算する。
第十条 私事のために在勤地又は出張地以外の地に居住又は滞在する者が、その居住地又は滞在地から直ちに旅行する場合において、居住地又は滞在地から目的地に至る旅費額が在勤地又は出張地から目的地に至る旅費額より多いときは、当該旅行については、在勤地又は出張地から目的地に至る旅費を支給する。
第十一条 一日の旅行において日当又は宿泊料について定額を異にする事由が生じた場合には、額の多い方の定額による日当又は宿泊料を支給する。
第十二条 鉄道旅行、水路旅行、航空旅行又は陸路旅行中における年度の経過、職務の級の変更等のため鉄道賃、船賃、航空賃又は車賃(扶養親族移転料のうちこれらの旅費に相当する部分を含む。)を区分して計算する必要がある場合には、最初の目的地に到着するまでの分及びそれ以後の分に区分して計算する。
(旅費の請求手続)
第十三条 旅費(概算払に係る旅費を含む。)の支給を受けようとする旅行者及び概算払に係る旅費の支給を受けた旅行者でその精算をしようとするものは、所定の請求書に必要な書類を添えて、これを当該旅費の支出又は支払をする者(以下「支出官等」という。)に提出しなければならない。此の場合において、必要な添附書類の全部又は一部を提出しなかつた者は、その請求に係る旅費額のうちその書類を提出しなかつたため、その旅費の必要が明らかにされなかつた部分の金額の支給を受けることができない。
2 概算払に係る旅費の支給を受けた旅行者は、当該旅行を完了した後所定の期間内に、当該旅行について前項の規定による旅費の精算をしなければならない。
3 支出官等は、前項の規定による精算の結果過払金があつた場合には、所定の期間内に、当該過払金を返納させなければならない。
4 支出官等は、その支出し、又は支払つた概算払に係る旅費の支給を受けた旅行者が第二項に規定する期間内に旅費の精算をしなかつた場合又は前項に規定する期間内に過払金を返納しなかつた場合には、当該支出官等がその後においてその者に対し支出し、又は支払う給与又は旅費の額から当該概算払に係る旅費額又は当該過払金に相当する金額を差し引かなければならない。
5 第一項に規定する請求書及び必要な添附書類の種類、記載事項及び様式、第二項及び第三項に規定する期間並びに前項に規定する給与の種類は、大蔵省令で定める。
(採用予定者の旅費)
第十四条 第三条第四項の規定により支給する旅費は、赴任の例に準じて計算した新職務相当の旅費とする。
(証人等の旅費)
第十五条 第三条第五項又は第六項の規定により支給する旅費は、他の法律に特別の定がある場合を除く外、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める旅費とする。
第二章 内国旅行の旅費
(鉄道賃)
第十六条 鉄道賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(以下本条において「運賃」という。)及び急行料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を三階級に区分する線路による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣、最高裁判所長官、その任免につき天皇の認証を要する職員及び特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)第一条第四号から第十五号までに掲げる職員(以下「内閣総理大臣等」という。)並びに十一級以上の職務にある者については、一等の運賃
ロ 十級以下四級以上の職務にある者については、二等の運賃
ハ 三級以下の職務にある者については、三等の運賃
二 運賃の等級を二階級に区分する線路による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び四級以上の職務にある者については、上級の運賃
ロ 三級以下の職務にある者については、下級の運賃
三 運賃の等級を設けない線路による旅行の場合には、その乗車に要する運賃
四 急行料金を徴する線路による旅行の場合には、前三号に規定する運賃の外、左に規定する急行料金
イ 第一号又は第二号の規定に該当する線路による旅行の場合には、これらの規定による運賃の等級と同一等級の急行料金
ロ 前号の規定に該当する線路による旅行の場合には、その乗車に要する急行料金
2 前項第四号に規定する急行料金は、左の各号の一に該当する場合に限り、支給する。
一 特別急行列車を運行する線路による旅行で片道五百キロメートル以上のもの
二 普通急行列車又は準急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの
(船賃)
第十七条 船賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本条において「運賃」という。)及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を三階級に区分する船舶による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び八級以上の職務にある者については、一等の運賃
ロ 七級以下四級以上の職務にある者については、二等の運賃
ハ 三級以下の職務にある者については、三等の運賃
二 運賃の等級を二階級に区分する船舶による旅行の場合には、左に規定する運賃
イ 内閣総理大臣等及び四級以上の職務にある者については、上級の運賃
ロ 三級以下の職務にある者については、下級の運賃
三 運賃の等級を設けない船舶による旅行の場合には、その乗船に要する運賃
四 公務上の必要に因り別に寝台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支払つた寝台料金
2 前項第一号又は第二号の規定に該当する場合において、同一階級の運賃を更に二以上に区分する船舶による旅行の場合には、当該各号の運賃は、同一階級内の最上級の運賃による。
(航空賃)
第十八条 航空賃の額は、現に支払つた旅客運賃による。
(車賃)
第十九条 車賃の額は、別表第一の定額による。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り定額の車賃で旅行の実費を支弁することができない場合には、実費額による。
2 車賃は、全路程を通算して計算する。但し、第十二条の規定により区分計算をする場合には、その区分された路程ごとに通算して計算する。
3 前項の規定により通算した路程に一キロメートル未満の端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(日当)
第二十条 日当の額は、別表第一の定額による。
2 鉄道百キロメートル未満、水路五十キロメートル未満又は陸路二十五キロメートル未満の旅行の場合における日当の額は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り宿泊した場合を除く外、前項の規定にかかわらず、同項の定額の二分の一に相当する額による。
3 鉄道、水路又は陸路にわたる旅行については、鉄道四キロメートル、水路二キロメートルをもつてそれぞれ陸路一キロメートルとみなして、前項の規定を適用する。
(宿泊料)
第二十一条 宿泊料の額は、宿泊先の区分に応じた別表第一の定額による。
2 宿泊料は、水路旅行及び航空旅行については、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り上陸又は着陸して宿泊した場合に限り、支給する。
(食卓料)
第二十二条 食卓料の額は、別表第一の定額による。
2 食卓料は、船賃若しくは航空賃の外に別に食費を要する場合又は船賃若しくは航空賃を要しないが食費を要する場合に限り、支給する。
(移転料)
第二十三条 移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を移転する場合には、旧在勤地から新在勤地までの路程に応じた別表第一の定額による額
二 赴任の際扶養親族を移転しない場合には、前号に規定する額の二分の一に相当する額
三 赴任の際扶養親族を移転しないが赴任を命ぜられた日の翌日から一年以内に扶養親族を移転する場合には、前号に規定する額に相当する額(赴任の後扶養親族を移転するまでの間に更に赴任があつた場合には、各赴任について支給することができる前号に規定する額に相当する額の合計額)
2 前項第三号の場合において、扶養親族を移転した際における移転料の定額が職員が赴任した際の移転料の定額と異なるときは、同号の額は、扶養親族を移転した際における移転料の定額を基礎として計算する。
3 旅行命令権者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情がある場合には、第一項第三号に規定する期間を延長することができる。
(着後手当)
第二十四条 着後手当の額は、別表第一の日当定額の五日分及び新在勤地の存する地域の区分に応じた宿泊料定額の五夜分に相当する額による。
(扶養親族移転料)
第二十五条 扶養親族移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴する場合には、赴任を命ぜられた日における扶養親族一人ごとに、その移転の際における年齢に従い、左の各号に規定する額の合計額
イ 十二歳以上の者については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空費及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の二に相当する額
ロ 十二歳未満六歳以上の者については、イに規定する額の二分の一に相当する額
ハ 六歳未満の者については、その移転の際における職員相当の日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の一に相当する額
二 前号の規定に該当する場合を除く外、第二十三条第一項第一号又は第三号の規定に該当する場合には、扶養親族の旧居住地から新居住地までの旅行について前号の規定に準じて計算した額。但し、前号の規定により支給することができる額に相当する額(赴任の後扶養親族を移転するまでの間に更に赴任があつた場合には、各赴任について前号の規定により支給することができる額に相当する額の合計額)をこえることができない。
2 職員が赴任を命ぜられた日において胎児であつた子をその赴任の後移転する場合においては、扶養親族移転料の額の計算については、その子を赴任を命ぜられた日における扶養親族とみなして、前項の規定を適用する。
(日額旅費)
第二十六条 第六条第十四項の規定により支給する日額旅費の支給を受ける者の範囲、額、支給条件及び支給方法は、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める。但し、その額は、当該日額旅費の性質に応じ、第六条第一項に掲げる旅費の額についてこの法律で定める基準をこえることができない。
(在勤地内旅行の旅費)
第二十七条 在勤地内における旅行については、左の各号の一に該当する場合において、当該各号に規定する額の旅費及び当該旅費を基準とする日額旅費に限り、支給する。
一 旅行が行程八キロメートル以上又は引き続き五時間以上にわたる場合には、別表第一の日当定額の二分の一以内において大蔵省令で定める基準に従い、各庁の長が定める額の日当
二 公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り宿泊する場合には、別表第一の宿泊料定額の範囲内の実費額の宿泊料
三 第二十八条第一項各号の一に該当する場合には、当該各号に規定する額の鉄道賃、船賃、車賃又は移転料
(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
第二十八条 在勤地以外の同一地域内における旅行については、鉄道賃、船賃、車賃、移転料、着後手当及び扶養親族移転料は、支給しない。但し、左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に規定する額の旅費を支給する。
一 鉄道百キロメートル、水路五十キロメートル又は陸路二十五キロメートル以上の旅行の場合には、第十六条、第十七条又は第十九条の規定による額の鉄道賃、船賃又は車賃
二 前号の規定に該当する場合を除く外、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り特に多額の船賃又は車賃を要する場合で、その実費額が当該旅行について支給される日当額の二分の一に相当する額をこえる場合には、そのこえる部分の金額に相当する額の船賃又は車賃
三 赴任を命ぜられた職員が、職員のための国設宿舎に居住し、又はこれを明け渡すことを命ぜられた場合には、別表第一の鉄道百キロメートル未満の場合の移転料定額の三分の一に相当する額の範囲内の実費額の移転料
2 第二十条第三項の規定は、前項第一号の場合について準用する。
(退職者等の旅費)
第二十九条 第三条第二項第一号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 職員が出張中に退職等となつた場合には、左に規定する旅費
イ 退職等となつた日(「以下退職等の日」という。)にいた地から退職等の命令の通達を受け、又はその原因となつた事実の発生を知つた日(以下「退職等を知つた日」という。)にいた地までの前職務相当の旅費
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した退職等を知つた日にいた地から旧在勤地までの前職務相当の旅費
二 職員が赴任中に退職等となつた場合には、赴任の例に準じ、且つ、新在勤地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
2 本邦に出張中の外国在勤の職員が第三条第二項第一号の規定に該当する場合において同号の規定により支給する旅費は、当該職員の本邦への出張における出張地を旧在勤地とみなして前項第一号の規定に準じて計算した旅費の外、第四十四条第一項第三号ロ又は第四号及び第五号並びに第二項の規定に準じて計算した旅費とする。
(遺族の旅費)
第三十条 第三条第二項第二号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 職員が出張中に死亡した場合には、死亡地から旧在勤地までの往復に要する前職務相当の旅費
二 職員が赴任中に死亡した場合には、赴任の例に準じて計算した死亡地から新在勤地までの前職務相当の旅費
2 本邦に出張中の外国在勤の職員が第三条第二項第二号の規定に該当する場合において同号の規定により支給する旅費は、当該職員の本邦への出張における出張地を旧在勤地とみなして前項第一号の規定に準じて計算した旅費とする。
3 遺族が前二項に規定する旅費の支給を受ける順位は、第二条第一項第八号に揚げる順序により、同順位者がある場合には、年長者を先にする。
4 第三条第二項第三号の規定により支給する旅費は、第二十五条第一項第一号の規定に準じて計算した居住地から帰住地(外国に帰住する場合には、本邦における外国への出発地)までの鉄道賃、船賃、車賃及び食卓料とする。この場合において、同号中「赴任を命ぜられた日」とあるのは、「職員が死亡した日」と読み替えるものとする。
第三章 外国旅行の旅費
(本邦通過の場合の旅費)
第三十一条 外国旅行中本邦を通過する場合には、その本邦内の旅行について支給する旅費は、前章に規定するところによる。但し、移転料並びに外国航路の船舶又は航空機により本邦を出発し、又は本邦に到着した場合における船賃又は航空賃及び本邦を出発した日からの日当及び食卓料又は本邦に到着した日までの日当及び食卓料については、本章に規定するところによる。
2 前項本文の場合において、第二十五条第一項の規定の適用については、本邦出発の場合にはその外国への出発地を新在勤地又は新居住地とみなし、本邦到着の場合にはその外国からの到着地を旧在勤地又は旧居住地とみなす。
(鉄道賃)
第三十二条 鉄道賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(以下本条において「運賃」という。)、急行料金及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を二以上の階級に区分する線路による旅行の場合には、最上級の運賃
二 運賃の等級を設けない線路による旅行の場合には、その乗車に要する運賃
三 内閣総理大臣等又は十一級以上の職務にある者が公務上の必要に因り特別の座席の設備を利用した場合には、前二号に規定する運賃の外、その座席のために現に支払つた運賃
四 公務上の必要に因り別に急行料金又は寝台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支払つた急行料金又は寝台料金
(船賃)
第三十三条 船賃の額は、左の各号に規定する旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本条において「運賃」という。)及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む。)による。
一 運賃の等級を二以上の階級に区分する船舶による旅行の場合には、最上級の運賃(最上級の運賃を更に二以上に区分する船舶による旅行の場合には、その階級内の最上級の運賃)
二 運賃の等級を設けない船舶による旅行の場合には、その乗船に要する運賃
三 内閣総理大臣等又は十一級以上の職務にある者が公務上の必要に因りあらかじめ旅行命令権者の許可を受け特別の運賃を必要とする船室を利用した場合には、前二号に規定する運賃の外、その船室のために現に支払つた運賃
四 公務上の必要に因り別に寝台料金を必要とした場合には、前三号に規定する運賃の外、現に支払つた寝台料金
(航空賃及び車賃)
第三十四条 航空賃の額は、現に支払つた旅客運賃による。
2 車賃の額は、実費額による。
(日当、宿泊料及び食卓料)
第三十五条 日当及び宿泊料の額は、旅行先の区分に応じた別表第二の定額による。
2 食卓料の額は、別表第二の定額による。
3 第二十条第二項及び第三項、第二十一条第二項並びに第二十二条第二項の規定は、外国旅行の場合の日当、宿泊料及び食卓料について準用する。
(移転料)
第三十六条 移転料の額は、左の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴する場合には、旧在勤地から新在勤地までの路程に応じた別表第二の定額による額
二 赴任の際扶養親族を随伴しない場合には、前号に規定する額の二分の一に相当する額
三 赴任の際扶養親族を随伴しないが第三十八条第一項第二号の規定に該当し扶養親族を呼び寄せる場合には、前号に規定する額に相当する額
2 第二十三条第二項の規定は、外国旅行の場合の移転料について準用する。
(着後手当)
第三十七条 着後手当の額は、新在勤地の存する地域の区分に応じた別表第二の日当定額の七日分及び宿泊料定額の七夜分に相当する額による。
(扶養親族移転料)
第三十八条 扶養親族移転料は、左の各号の一に該当する場合に支給する。
一 赴任の際各庁の長の許可を受け、扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで随伴するとき。
二 外国に在勤中各庁の長の許可を受け、同一在勤地について一回限り、扶養親族を在勤地に呼び寄せ、又は本邦に帰らせるとき。
三 本邦から外国に赴任後各庁の長の許可を受け、赴任を命ぜられた日の翌日から一年以内に一回限り、扶養親族を赴任を命ぜられた日における居住在から本邦内の他の地に移転するとき。
2 前項第一号又は第二号の規定に該当する場合における扶養親族移転料の額は、赴任を命ぜられた日における扶養親族一人ごとに、その移転の際における年齢に従い、左の各号に規定する額の合計額による。
一 配偶者については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料、着後手当及び支度料の三分の二に相当する額
二 十二歳以上の子については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額並びに日当、宿泊料、食卓料及び着後手当の三分の二に相当する額
三 十二歳未満の子については、前号に規定する額の二分の一に相当する額
3 第一項第三号の規定に該当する場合における扶養親族移転料の額は、その旧居住地を旧在勤地と、新居住地を新在勤地とみなして第二十五条第一項第一号の規定に準じて計算した額による。
4 第二十五条第二項の規定は、前二項の規定による扶養親族移転料の額の計算について準用する。
(支度料)
第三十九条 支度料の額は、目的地の存する地域の区分及び旅行期間に応じた別表第二の定額による。
2 外国に赴任又は出張を命ぜられた者が過去において支度料の支給を受けたことがある者である場合には、その者に対し支給する支度料の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、その赴任又は出張を命ぜられた日から起算して過去一年以内に支給を受けた支度料の合計額を差し引いた額の範囲内の額による。
(死亡手当)
第四十条 死亡手当の額は、第三条第二項第五号の規定に該当する場合には死亡地の区分に応じた別表第二の定額により、同項第七号の規定に該当する場合にはその定額の二分の一に相当する額による。
2 職員が第三条第二項第五号の規定に該当し、且つ、その死亡地が本邦である場合において同号の規定により支給する死亡手当の額は、前項の規定にかかわらず、左の各号に規定する額による。
一 職員が出張中に死亡した場合には、当該職員の本邦における所属庁(各庁の長の在勤官署をいう。以下同じ。)所在地(所属庁がない場合には、東京都。以下同じ。)を旧在勤地とみなして第三十条第一項第一号の規定に準じて計算した旅費の額
二 職員が赴任中に死亡した場合には、当該職員の本邦における所属庁所在地を新在勤地とみなして第三十条第一項第二号の規定に準じて計算した旅費の額
3 外国在勤の職員の配偶者が第三条第二項第七号の規定に該当し、且つ、その死亡地が本邦である場合において同号の規定により支給する死亡手当の額は、第一項の規定にかかわらず、左の各号に規定する額による。
一 配偶者が第三十八条第一項第一号の規定に該当する旅行中に死亡した場合には、職員が死亡したものとみなして前項第二号の規定に準じて計算した額の二分の一に相当する額
二 配偶者が第三十八条第一項第二号の規定に該当する旅行中に死亡した場合には、職員が死亡したものとみなして前項第一号の規定に準じて計算した額の二分の一に相当する額
4 第三十条第三項の規定は、第三条第二項第五号の規定に該当する場合において第一項又は第二項の規定による死亡手当の支給を受ける遺族の順位について準用する。
(旅行手当)
第四十一条 第六条第十五項の規定により支給する旅行手当の支給を受ける者の範囲、額、支給条件及び支給方法は、そのつど各庁の長が大蔵大臣に協議して定める。但し、その額は、当該旅行手当の性質に応じ、第六条第一項に掲げる旅費の額についてこの法律で定める基準をこえることができない。
(在勤地内旅行の旅費)
第四十二条 第二十七条(日額旅費及び移転料に関する部分を除く。)の規定は、外国の在勤地内における旅行の旅費について準用する。この場合において、同条第一号及び第二号中「別表第一」とあるのは「別表第二」と、同条第三号中「第二十八条第一項各号の一」とあるのは「第四十三条において準用する第二十八条第一項第一号又は第二号の規定」と読み替えるものとする。
(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
第四十三条 第二十八条第一項第一号及び第二号並びに第二項の規定は、外国の在勤地以外の同一地域内における旅行の旅費について準用する。この場合において、同条第一項第一号中「第十六条、第十七条又は第十九条」とあるのは、「第三十二条、、第三十三条又は第三十四条第二項」と読み替えるものとする。
(退職者等の旅費)
第四十四条 第三条第二項第四号の規定により支給する旅費は、左の各号に規定する旅費とする。
一 外国在勤の職員がその在勤地において退職等となつた場合には、左に規定する旅費
イ 退職等の日の翌日から退職等を知つた日までの旧在勤地の存する地域の区分に応じた前職務相当の日当及び宿泊料
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に旧在勤地を出発して本邦に帰住した場合に限り、左に規定する旅費
(一) 退職等を知つた日の翌日からその出発の前日までの旧在勤地の存する地域の区分に応じた前職務相当の日当及び宿泊料。但し、日当については三十日分、宿泊料については三十夜分をこえることができない。
(二) 赴任の例に準じて計算した旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の旅費(着後手当を除く。)
二 職員が外国の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰らないで当該退職等に伴う旅行をしたときは、出張の例に準じ、且つ、出張地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
三 外国在勤の職員が本邦の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰らないで当該退職等に伴う旅行をしたときは、左に規定する旅費
イ 退職等の日の翌日から退職等を知つた日までの出張地の存する地域の区分に応じた第二十条第一項及び第二十一条第一項の規定による前職務相当の日当及び宿泊料
ロ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に出張地を出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した出張地から旧所属庁所在地までの前章の規定による前職務相当の旅費
四 外国在勤の職員が外国又は本邦の出張地において退職等となつた場合において、出張地から旧在勤地に帰つた後当該退職等に伴う旅行をしたときは、左に規定する旅費
イ 外国の出張地から旧在勤地に帰る場合には、出張地を旧在勤地とみなして第一号イの規定に準じて計算した日当及び宿泊料
ロ 本邦の出張地から旧在勤地に帰る場合には、前号イの規定に準じて計算した日当及び宿泊料
ハ 退職等を知つた日の翌日から一月以内に出張地を出発して旧在勤地に帰つた場合に限り、イ又はロに規定する旅費の外、左に規定する旅費
(一) 退職等を知つた日の翌日からその出発の前日までの出張地の存する地域の区分に応じた第三十五条第一項又は第二十条第一項及び第二十一条第一項の規定による前職務相当の日当及び宿泊料。但し、日当については十五日分、宿泊料については十五夜分をこえることができない。
(二) 出張の例に準じて計算した出張地から旧在勤地までの前職相当の旅費(支度料を除く。)
(三) 旧在勤地に到着した日の翌日から二月以内に当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、旧在勤地に到着した日を退職等を知つた日とみなして第一号ロの規定に準じて計算した旅費
五 外国在勤の職員が第二号又は第三号の規定に該当する場合において、家財又は扶養親族を旧在勤地から本邦に移転する必要があるときは、当該各号に規定する旅費の外、旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の移転料及び扶養親族移転料(着後手当に相当する部分を除く。)
2 各庁の長は、天災その他やむを得ない事情がある場合には、前項第一号ロ、第三号ロ又は第四号ハに規定する期間を延長することができる。
3 第一項第二号から第四号までの規定に該当する場合を除く外、職員が外国旅行の途中において退職等となつた場合において第三条第二項第四号の規定により支給する旅費は、前二項の規定に準じ大蔵省令で定める。
(遺族の旅費)
第四十五条 第三条第二項第六号の規定により支給する旅費は、職員の旧在勤地から旧所属庁所在地までの前職務相当の移転料及び扶養親族移転料(着後手当に相当する部分を除く。)並びに旧所属庁所在地を居住地とみなして第三十条第四項の規定に準じて計算した旅費とする。
第四章 雑則
(旅費の調整)
第四十六条 各庁の長は、旅行者が公用の交通機関、宿泊施設等を利用して旅行した場合その他この法律又は旅費に関する他の法律の規定による旅費を支給した場合には不当に旅行の実費をこえて旅費を支給することとなる場合においては、その実費をこえることとなる部分の旅費について、旅費の全部又は一部を支給しないことができる。
2 各庁の長は、前項の規定の統一ある適用を図るために、大蔵大臣に協議して同項の規定を適用する場合に関する部内の統一的な基準を作成するものとし、各庁の長が旅費の全部又は一部を支給しないこととする場合には、当該基準によるものとする。
(旅費の特例)
第四十七条 各庁の長は、職員について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第三項若しくは第六十八条又は船員法(昭和二十二年法律第百号)第四十七条の規定に当該する事由がある場合において、この法律の規定による旅費の支給ができないとき、又はこの法律の規定により支給する旅費が労働基準法第十五条第三項若しくは第六十八条又は船員法第四十八条の規定による旅費又は費用に満たないときは、当該職員に対しこれらの規定による旅費若しくは費用に相当する金額又はその満たない部分に相当する金額を旅費として支給するものとする。
2 各庁の長は、国家公務員法第五十九条に規定する条件附採用期間中の職員がその条件附採用期間中にその意に反して退職となつた場合において、退職の通達を受けた日から十四日以内に出発して帰住するときは、第三十条第四項の規定に準じて計算した前職務相当の旅費を支給するものとする。
(実施規定)
第四十八条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、大蔵省令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日以後の旅行から適用する。但し、第四条、第五条及び第十三条の規定は、昭和二十五年五月一日以後出発する旅行から適用し、附則第八項及び第九項の規定は、昭和二十四年度以後に出張又は赴任を命ぜられた者の旅行から適用する。
2 左に掲げる勅令は、廃止する。
内国旅費規則(昭和十八年勅令第六百八十四号)
外国旅費規則(大正十年勅令第四百一号)
南洋群島関東州満洲旅費規則(大正十年勅令第四百二号)
3 昭和二十五年三月三十一日以前の旅行については、附則第八項及び第九項に規定する事項を除く外、なお従前の例による。
4 別表第三に掲げる者に支給する車賃、日当、食卓料、宿泊料、移転料、支度料及び死亡手当の定額は、当分の間、本則の規定にかかわらず、別表第一及び第二の定額に別表第三の割増率を乗じて計算した額による。
5 外国旅行については、入出国税、旅行券の査証手数料、外貨の買入手数料、携帯荷物の運賃等旅行に伴う附随的費用及び旅行中の予測しがたい費用に充てるため、当分の間、第六条に規定する旅費の外、大蔵大臣の定める基準に従い、七万五千六百円の範囲内の金額を旅費として支給する。
6 前項の規定による旅費を支給することができる間は、当該旅費の額の三分の二に相当する額を、第三十八条第二項第一号又は第二号に規定する扶養親族移転料の額に加算する。
7 外国旅行については、特別の調査、通訳の雇用、事務の依頼等公務上の必要に因り特に支出を必要とする特別の費用に充てるため、当分の間、第六条及び前二項の規定による旅費の外、旅行日数一日について千八十円の割合で計算した金額の範囲内で各庁の長が大蔵大臣に協議して定める金額を、旅費として支給することができる。
8 本邦から外国に出張又は赴任を命ぜられた者が、二会計年度にわたつて外国旅行をする場合における旅費は、当分の間、その出張又は赴任を命ぜられた日の属する会計年度の歳出予算から概算で支出することができる。
9 前項の規定により支出して旅費の精算に因つて生ずる返納金又は追給金は、その精算を行つた日の属する会計年度の歳入又は歳出とする。
10 国会閉会中において、外国為替相場の変動、物価の改訂等の事由に因り緊急に旅費の定額を改訂する必要を生じたときは、最近の国会においてこの法律が改正されるまでの間、政令をもつて臨時に旅費の定額を改訂することができる。
11 労働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給与の応急措置に関する法律(昭和二十二年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
本則第一項中「労働基準法(同法第二十条及び第二十一条を除く。)又は船員法(同法第四十六条を除く。)」を「労働基準法(同法第十五条第三項、第二十条、第二十一条及び第六十八条の規定を除く。)又は船員法(同法第四十六条から第四十八条までの規定を除く。)」に改める。
別表第一 内国旅行の旅費
車賃(一キロメートルにつき)
三円
日当(一日につき)
一六〇円
宿泊料(一夜につき)
甲地方
八〇〇円
乙地方
六四〇円
食卓料(一夜につき)
一六〇円
移転料
鉄道百キロメートル未満      八、〇〇〇円
鉄道百キロメートル以上五百キロメートル未満一〇、五〇〇円
鉄道五百キロメートル以上千キロメートル未満一四、五〇〇円
鉄道千キロメートル以上千五百キロメートル未満一九、〇〇〇円
鉄道千五百キロメートル以上二千キロメートル未満二三、〇〇〇円
鉄道二千キロメートル以上    二九、五〇〇円
備考
一 宿泊料の項中甲地方とは一般職の職員の給与に関する法律第十二条の規定により最高の割合による勤務地手当を支給される地域をいい、乙地方とはその他の地域をいう。固定宿泊施設に宿泊しない場合には、乙地方に宿泊したものとみなす。
二 移転料の項の適用については、水路一キロメートル、陸路四分の一キロメートルをもつてそれぞれ鉄道一キロメートルとみなす。
別表第二 外国旅行の旅費
一 日当及び宿泊料
地域区分
日当(一日につき)
宿泊料(一夜につき)
アメリカ合衆国
九〇〇円
二、七〇〇円
アルゼンチン国
七二〇円
二、一六〇円
ブラジル国
九〇〇円
二、七〇〇円
グレート・ブリテン国
九〇〇円
二、七〇〇円
フランス国
九〇〇円
二、七〇〇円
スイス国
九〇〇円
二、七〇〇円
イタリア国
九〇〇円
二、七〇〇円
インド国
九〇〇円
二、七〇〇円
セイロン
九〇〇円
二、七〇〇円
ビルマ国
九〇〇円
二、七〇〇円
タイ国
七二〇円
二、一六〇円
マレー
九〇〇円
二、七〇〇円
印度支那
九〇〇円
二、七〇〇円
インドネシヤ国
七二〇円
二、一六〇円
フイリツピン国
一、二六〇円
三、七八〇円
香港
九〇〇円
二、七〇〇円
中華民国
九〇〇円
二、七〇〇円
台湾
七二〇円
二、一六〇円
朝鮮
五四〇円
一、六二〇円
その他の地域
前各号に準じ大蔵大臣の定める額
同上
備考 船舶又は航空機による旅行(地域区分の欄に掲げる一の地域内における旅行を除く。)の場合における日当の額は、一日につき九〇〇円とする。
二 食卓料、移転料、支度料及び死亡手当
食卓料(一夜につき)
一、八〇〇円
移転料
鉄道百キロメートル未満        一六、〇〇〇円
鉄道百キロメートル以上五百キロメートル未満二一、〇〇〇円
鉄道五百キロメートル以上千キロメートル未満二九、〇〇〇円
鉄道千キロメートル以上千五百キロメートル未満三八、〇〇〇円
鉄道千五百キロメートル以上二千キロメートル未満四六、〇〇〇円
鉄道二千キロメートル以上       五九、〇〇〇円
支度料
甲地方
旅行期間一月未満      五三、九〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  六五、四五〇円
旅行期間三月以上      七七、〇〇〇円
乙地方
旅行期間一月未満      四五、九〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  五五、七〇〇円
旅行期間三月以上      六五、四五〇円
丙地方
旅行期間一月未満      二一、六〇〇円
旅行期間一月以上三月未満  二六、二〇〇円
旅行期間三月以上      三〇、八〇〇円
死亡手当
甲地方
二〇〇、〇〇〇円
乙地方
一七〇、〇〇〇円
丙地方
八〇、〇〇〇円
備考
一 支度料及び死亡手当の項中甲地方とは南アメリカ、北アメリカ、ヨーロツパ及びオーストラリヤ、丙地方とは朝鮮、台湾及び樺太、乙地方とは甲地方及び丙地方以外の地域(本邦を除く。)をいう。船舶による旅行中に死亡した場合には、丙地方において死亡したものとみなし、航空機による旅行中に死亡した場合には、目的地の存する地域において死亡したものとみなす。
二 移転料の項の適用については、水路一キロメートル、陸路四分の一キロメートルをもつてそれぞれ鉄道一キロメートルとみなす。
別表第三 旅費定額の割増率
一 内国旅行の旅費定額の割増率
内閣総理大臣等
内閣総理大臣及び最高裁判所長官  一二割
その他の者                 一〇割
十五級の職務にある者
八割
十四級の職務にある者
七割
十三級の職務にある者
六割
十二級の職務にある者
五割
十一級の職務にある者
四割
十級の職務にある者
三割
九級の職務にある者
二割
八級の職務にある者
一割
二 外国旅行の旅費定額の割増率
内閣総理大臣等
三割
十一級から十五級までの職務にある者
一・五割
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 殖田俊吉
外務大臣 吉田茂
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
文部大臣 高瀬荘太郎
厚生大臣 林譲治
農林大臣 森幸太郎
通商産業大臣 高瀬荘太郎
運輸大臣 大屋晋三
郵政大臣 小沢佐重喜
電気通信大臣 小沢佐重喜
労働大臣 鈴木正文
建設大臣 益谷秀次
経済安定本部総裁 吉田茂