(労働時間及び休日)
第六十四条の二 使用者は、満十八才以上の女子で第八条第一号から第五号までの事業に従事するものについては、第三十六条の協定による場合においても、一週間について六時間、一年について百五十時間を超えて時間外労働をさせ、又は休日に労働させてはならない。ただし、財産目録、貸借対照表又は損益計算書の作成その他決算のために必要な計算、書類の作成等の業務に従事させる場合には、一週間について六時間の制限にかかわらず、二週間について十二時間を超えない範囲内で時間外労働をさせることができる。
使用者は、満十八才以上の女子で前項の事業以外の事業に従事するものについては、第三十六条の協定による場合においても、四週間を超えない範囲内で命令で定める週を単位とする期間について、六時間以上十二時間以下の範囲内で命令で定める時間に当該週を単位とする期間の週数を乗じて得た時間、一年について百五十時間以上三百時間以下の範囲内で命令で定める時間を超えて時間外労働をさせ、又は四週間について命令で定める日数以上の休日に労働させてはならない。
前項の命令は、同項の事業における労働による身体の負担の程度、同項の事業の事業活動の状況等を考慮し、かつ、女子の健康及び福祉に支障のない範囲内において、同項の事業の種類に応じて、定めるものとする。
第一項及び第二項の規定は、満十八才以上の女子のうち、労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者又は専門的な知識若しくは技術を必要とする業務に従事する者で、命令で定めるものに該当する者については、適用しない。
(深夜業)
第六十四条の三 使用者は、満十八才以上の女子を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、次の各号の一に該当する者については、この限りでない。
一 第八条第六号、第七号、第十三号若しくは第十四号又は電話の事業に従事する者
二 女子の健康及び福祉に有害でない業務で命令で定めるものに従事する者
四 品質が急速に変化しやすい食料品の製造又は加工の業務その他の当該業務の性質上深夜業が必要とされるものとして命令で定める業務に従事する者(一日の労働時間が、常時、通常の労働者の労働時間に比し相当程度短いものとして命令で定める時間以内であるものに限る。)
五 深夜業に従事することを使用者に申し出た者(命令で定める事業に従事するものに限る。)であつて、当該申出に基づき、命令で定めるところにより、使用者が行政官庁の承認を受けたもの
第六十一条第二項及び第三項の規定は、満十八才以上の女子の深夜業について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは、「第六十四条の三第一項」と読み替えるものとする。
前二項の規定は、第三十三条第一項の規定によつて労働時間を延長し、又は休日に労働させる場合については、適用しない。
(坑内労働の禁止)
第六十四条の四 使用者は、満十八才以上の女子を坑内で労働させてはならない。ただし、臨時の必要のため坑内で行われる業務で命令で定めるものに従事する者(次条第一項に規定する妊産婦で命令で定めるものを除く。)については、この限りでない。
(妊産婦等に係る危険有害業務の就業制限)
第六十四条の五 使用者は、妊娠中の女子及び産後一年を経過しない女子(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
前項の規定は、同項に規定する義務のうち女子の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、命令で、妊産婦以外の女子に関して、準用することができる。
前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、命令で定める。