船員法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十四年九月十二日
内閣総理大臣 野田佳彦
法律第八十七号
船員法の一部を改正する法律
船員法(昭和二十二年法律第百号)の一部を次のように改正する。
目次を削り、題名の次に次の目次を付する。
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
船長の職務及び権限(第七条―第二十条)
第三章
紀律(第二十一条―第三十条)
第四章
雇入契約等(第三十一条―第五十一条)
第五章
給料その他の報酬(第五十二条―第五十九条)
第六章
労働時間、休日及び定員(第六十条―第七十三条)
第七章
有給休暇(第七十四条―第七十九条の二)
第八章
食料並びに安全及び衛生(第八十条―第八十三条)
第九章
年少船員(第八十四条―第八十六条)
第九章の二
女子船員(第八十七条―第八十八条の八)
第十章
災害補償(第八十九条―第九十六条)
第十一章
就業規則(第九十七条―第百条)
第十一章の二
船員の労働条件等の検査等(第百条の二―第百条の十一)
第十一章の三
登録検査機関(第百条の十二―第百条の二十八)
第十二章
監督(第百一条―第百十二条)
第十三章
雑則(第百十三条―第百二十一条の四)
第十四章
罰則(第百二十二条―第百三十五条)
附則
第一条第一項中「で船員」を「において「船員」」に、「の定める」を「で定める」に改める。
第二条第一項中「で海員」を「において「海員」」に改め、同条第二項中「で予備船員」を「において「予備船員」」に、「雇ようされて」を「雇用されて」に改める。
第三条中「で、職員」を「において「職員」」に、「の定める」を「で定める」に改め、「をいい、部員とは、職員以外の海員」を削り、同条に次の一項を加える。
この法律において「部員」とは、職員以外の海員をいう。
第四条中「で、給料」を「において「給料」」に改め、「をいい、労働時間とは、上長の職務上の命令に基き航海当直その他の作業に従事する時間」を削り、同条に次の一項を加える。
この法律において「労働時間」とは、船員が職務上必要な作業に従事する時間(海員にあつては、上長の職務上の命令により作業に従事する時間に限る。)をいう。
第五条中「法律及び」を「法律の規定(第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第四号の二に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第四号の二の違反行為に係る部分に限る。)を除く。)及び」に、「基いて発する命令のうち」を「基づく命令の規定(第十一章の二の規定に基づく命令の規定を除く。)のうち、」に、「場合には、」を「場合には」に改め、同条に次の一項を加える。
第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第四号の二に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第四号の二の違反行為に係る部分に限る。)の規定並びに第十一章の二の規定に基づく命令の規定のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人にこれを適用する。
第三十一条中「第三十四条まで」を「この条、次条、第三十三条、第三十四条」に改める。
第三十二条の見出しを「(雇入契約の締結前の書面の交付等)」に改め、同条第一項を次のように改める。
船舶所有者は、雇入契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該雇入契約の相手方となろうとする者(次項において「相手方」という。)に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
一 船舶所有者の名称又は氏名及び住所
二 給料、労働時間その他の労働条件に関する事項であつて、雇入契約の内容とすることが必要なものとして国土交通省令で定めるもの
第三十二条第二項中「船員に対してその旨を明示しなければ」を「、あらかじめ、相手方に対し、その旨を書面を交付して説明しなければ」に改め、同条に次の二項を加える。
船舶所有者は、雇入契約の内容(第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更しようとするときは、あらかじめ、船員に対し、当該変更の内容について書面を交付して説明しなければならない。
第二項の規定は、前項の場合について準用する。
第三十二条の次に次の一条を加える。
(募集受託者又は船員職業紹介事業者を利用した船員の雇入れの制限)
第三十二条の二 船舶所有者は、次に掲げる者を船員として雇い入れてはならない。
一 当該船舶所有者が、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第四十四条第一項の許可を受けないで日本国内において募集受託者(同条第二項に規定する募集受託者をいう。第三号において同じ。)に行わせた船員の募集(同法第六条第七項に規定する船員の募集をいう。同号において同じ。)に応じた者
二 船員職業安定法第三十四条第一項の許可を受けて、又は同法第四十条第一項の規定による届出をして船員職業紹介事業(同法第六条第三項に規定する船員職業紹介事業をいう。第四号において同じ。)を行う者以外の者(日本政府及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第七条第二項に規定する船員雇用促進センターを除く。)が日本国内において当該船舶所有者に紹介した求職者
三 当該船舶所有者が、外国において、当該外国における船員の募集を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない募集受託者に行わせた船員の募集に応じた者
四 外国において、当該外国における船員職業紹介事業を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない者が当該船舶所有者に紹介した求職者
第三十六条を次のように改める。
(雇入契約の成立時の書面の交付等)
第三十六条 船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を船員に交付しなければならない。
一 第三十二条第一項各号に掲げる事項
二 当該雇入契約を締結した船員の氏名、住所及び生年月日
三 当該雇入契約を締結した場所及び年月日
船舶所有者は、雇入契約の内容(第三十二条第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その変更の内容並びに当該変更について船員と合意した場所及び年月日を記載した書面を船員に交付しなければならない。
船舶所有者は、前二項の書面の写しを船内に備え置かなければならない。
第三十七条第一項中「の定める」を「で定める」に改め、「、海員名簿を提示して」を削る。
第四十七条中「一に」を「いずれかに」に、「地)」を「地。次項において「雇入港等」という。)」に改め、同条に次の三項を加える。
船舶所有者は、第四十条第二号から第四号までの規定により雇入契約を解除した場合又は同条第五号の規定により雇入契約を解除した場合(船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のある場合に限る。)において、船員が自己の負担においてその希望する雇入港等まで移動することができないときは、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港等まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
前二項の規定により船員を送還する場合における輸送手段は、正当な理由がある場合を除き、船員の希望に応じたものでなければならない。
船舶所有者は、第二項の規定により、その費用で船員を送還したとき、又は送還に代えてその費用を支払つたときは、船員に対し、当該費用の償還を請求することができる。
第四十九条第一項中「船舶所有者は」の下に「、第四十七条第一項の規定により船員を送還する場合には」を、「ならない。」の下に「同項ただし書の規定により」を加える。
第五十条第三項中「訂正、書換」を「再交付、訂正、書換え」に改め、「これを」を削り、同条第二項の次に次の一項を加える。
船長は、国土交通省令で定めるところにより、船内における職務、雇入期間その他の船員の勤務に関する事項を船員手帳に記載しなければならない。
第五十三条に次の一項を加える。
船舶所有者は、船員に給料その他の報酬を支払う場合においては、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、給料その他の報酬の支払に関する事項を記載した書面を交付しなければならない。
第六十条第一項及び第二項並びに第六十一条中「海員」を「船員」に改める。
第六十二条第一項中「海員」を「船員」に、「第八十八条の二の二第三項及び」を「第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに」に改め、同条第三項中「海員」を「船員」に改める。
第六十四条第一項中「第七十二条の二」を「第七十二条」に改め、「超えて」の下に「、自ら作業に従事し、若しくは」を、「おいて」の下に「、自ら作業に従事し、若しくは」を加え、同条第二項中「ときにおいて」を「ため」に改め、「増加する」の下に「必要がある」を加え、「第七十二条の二」を「第七十二条」に改め、「超えて」の下に「、自ら作業に従事し、又は」を加え、同条に次の一項を加える。
船長は、第一項の規定により、補償休日又は休息時間において、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
第六十四条の二第一項中「第七十二条の二」を「第七十二条」に、「海員」を「船員」に改める。
第六十五条中「海員」を「船員」に改める。
第六十五条の二第一項中「第六十四条第二項又は」を削り、「第七十二条の二」を「第七十二条」に、「を含め」を「並びに前項の規定による作業に従事する労働時間を含め」に改め、同条第二項中「海員を前項」を「船員を前二項」に改め、同条第三項中「海員」を「船員」に、「第一項に」を「第一項及び第二項に」に改め、同条第四項中「及び第二項」を「から第三項まで」に、「海員」を「船員」に改め、同条に第一項として次の一項を加える。
第六十四条第二項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であつても、船員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。
第六十五条の三中「海員」を「船員」に改め、同条に次の一項を加える。
前二項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、一日について三回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を六時間未満として、船員(海員にあつては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。
一 船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員
二 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前二項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員
第六十六条中「海員」を「船員」に、「第七十二条の二」を「第七十二条」に改める。
第六十六条の二中「海員」を「船員」に改める。
第六十七条第一項中「備え置いて、」の下に「船員の」を、「第六十六条」の下に「(第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二項中「海員」を「船員」に改める。
第六十八条中「第七十二条の二」を「第七十二条」に、「海員が船長の命令により、次の」を「船員が次に掲げる」に改め、「場合」の下に「(海員にあつては、船長の命令によりこれらの作業に従事する場合に限る。)」を加え、同条に次の一項を加える。
船長は、補償休日又は休息時間において、前項各号に掲げる作業に自ら従事し、又は海員を従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
第六十九条第一項中「の定める」を「で定める」に、「第七十二条の二」を「第七十二条」に改める。
第七十一条第一項中「次の」を「次に掲げる」に改め、第一号を削り、第二号を第一号とし、同項第三号中「海員」を「船員」に改め、同号を同項第二号とする。
第七十二条を削る。
第七十二条の二中「海員」を「船員」に改め、同条を第七十二条とする。
第八十条第一項中「国土交通省令の定めるところにより」を削り、同条第二項中「遠洋区域」を「第一項の規定による食料の支給は、遠洋区域」に、「国土交通省令の」を「国土交通省令で」に、「食料は」を「場合にあつては」に、「よらなければ」を「基づいて行わなければ」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。
第八十条に次の一項を加える。
船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第一項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。
第八十一条第一項中「医薬品の備付け、安全及び衛生に関する教育」を「船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備」に、「の定める」を「で定める」に改め、同条第二項中「の定める」を「で定める」に改める。
第八十五条第一項中「十五年未満の者」を「十六年未満の者(漁船にあつては、年齢十五年に達した日以後の最初の三月三十一日が終了した者を除く。)」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「の定める」を「で定める」に改める。
第八十六条第二項中「第六十八条第一号」を「第六十八条第一項第一号」に改める。
第八十八条の二中「第六章(第六十条第二項及び第三項、第六十二条並びに第六十三条の規定を除く。)」を「第六十一条、第六十四条から第六十五条の二まで、第六十五条の三第三項、第六十六条、第六十八条第一項及び第七十一条から第七十三条まで」に、「海員の労働時間及び休日」を「船員」に改める。
第八十八条の二の二第二項中「前項に規定する労働時間」を「第六十条第一項の規定による労働時間の制限」に改め、ただし書を削り、同条第三項を次のように改める。
船舶所有者は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が、第六十四条第一項に規定する場合において、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、前項の規定にかかわらず、同条第一項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
第八十八条の二の二第一項を削り、同条に次の四項を加える。
船舶所有者は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が、第六十四条第二項に規定する場合において、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、第一項の規定にかかわらず、第六十四条第二項の国土交通省令で定める時間を限度として、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
第六十四条第三項及び第六十六条の規定は、第二項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第六十六条中「第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは、「第六十条第一項の規定」と読み替えるものとする。
第六十五条の二第一項、第三項及び第四項並びに第六十六条の規定は、第三項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第六十五条の二第一項中「第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは「第六十条第一項の規定」と、「第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する」とあるのは「同項の規定による」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第八十八条の二の二第五項において準用する第一項」と、同条第四項中「第六十四条第一項」とあるのは「第八十八条の二の二第二項」と、「第一項及び第二項」とあるのは「同条第五項において準用する第一項」と、第六十六条中「第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは「第六十条第一項の規定」と読み替えるものとする。
第六十五条の三第三項の規定は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員(海員にあつては、同項各号に掲げる者に限る。)がその休息時間を同項の協定で定めるところによることを船舶所有者に申し出て、その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合について準用する。
第八十八条の三第二項中「海員」を「船員」に改め、「超える場合」と」の下に「、「当該一週間において少なくとも一日の休日が与えられない場合にあつては、その超える時間が八時間を超える時間。次項において」とあるのは「次項において」と」を加え、同条第三項中「休日において作業に従事することを申し出た場合(妊産婦の海員にあつては、第六十四条第一項又は第六十五条に規定する場合に限る。)」を「次に掲げる申出をした場合」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第六十四条第一項に規定する場合において、休日において作業に従事することの申出
二 第六十五条に規定する場合において、同条の協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める日数を超えない範囲内で、休日において作業に従事することの申出
第八十八条の三第四項中「前項の」を「、前項の」に、「海員(第七十二条各号に掲げる者を除く。)」を「船員」に改め、「、第六十七条の規定は妊産婦の船員が乗り組む船舶の船長及び船舶所有者について」を削り、後段を削る。
第八十八条の五中「第六十条第二項及び第三項」を「第六十条」に、「並びに」を「、第六十五条の三第一項及び第二項、第六十六条の二、第六十七条並びに」に、「第六十八条第一号」を「第六十八条第一項第一号」に改める。
第十一章の次に次の二章を加える。
第十一章の二 船員の労働条件等の検査等
(定期検査)
第百条の二 総トン数五百トン以上の日本船舶(漁船その他国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。以下「特定船舶」という。)の船舶所有者は、当該特定船舶を初めて本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間の航海(以下「国際航海」という。)に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件、安全衛生その他の労働環境及び療養補償(以下「労働条件等」という。)について、国土交通大臣又は第百条の十二の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)の行う定期検査を受けなければならない。次条第一項の海上労働証書又は第百条の六第三項の臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶をその有効期間満了後も国際航海に従事させようとするときも、同様とする。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他同項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であつて、国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
(海上労働証書)
第百条の三 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書を交付しなければならない。国土交通大臣又は登録検査機関が同項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めた場合において、国土交通大臣が当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めたときも、同様とする。
一 第三十二条第一項及び第三項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
二 第三十二条の二各号に掲げる者が船員として雇い入れられていないこと。
三 第三十六条第一項及び第二項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
四 第三十六条第三項の規定により、同項に規定する書面の写しが船内に備え置かれていること。
五 第五十条第三項の規定により、船員の勤務に関する事項が船員手帳に記載されていること。
六 第五十三条第一項及び第二項並びに第五十六条の規定により、船員に給料その他の報酬が支払われていること。
七 第五十三条第三項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
八 船員の労働時間及び休日が、第六十条第一項及び第二項、第六十一条、第六十二条、第六十四条第一項及び第二項、第六十四条の二第一項、第六十五条、第六十五条の二第一項(第八十八条の二の二第五項において準用する場合を含む。)及び第二項、第六十五条の二第三項及び第四項(これらの規定を第八十八条の二の二第五項において準用する場合を含む。)並びに第五項、第六十五条の三第一項及び第二項、同条第三項(第八十八条の二の二第六項において準用する場合を含む。)、第六十八条第一項、第七十一条、第七十二条、第八十八条の二、第八十八条の二の二第一項から第三項まで、第八十八条の三第一項から第三項まで並びに第八十八条の五の規定による基準に適合しているものであること。
九 第六十六条の二の規定により、通常配置表が定められ、及びこれが掲示されていること。
十 第六十七条第一項の規定により同項に規定する事項が記載された帳簿が備え置かれており、かつ、同条第二項の規定によりその写しが船員に交付されていること。
十一 第七十条の規定により、必要な員数の海員が乗り組んでいること。
十二 第八十条第一項から第三項までの規定により、船員に食料が支給されていること。
十三 第八十条第四項の国土交通省令で定める船舶にあつては、同項の国土交通省令で定める基準に該当する者が乗り組んでいること。
十四 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第八十一条第一項の国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
十五 第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業に、同項の国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員が従事していないこと。
十六 第八十一条第三項各号に掲げる船員が作業に従事していないこと。
十七 第八十二条第一号及び第二号に掲げる船舶にあつては、同条の規定により、医師が乗り組んでいること。
十八 第八十二条の二第一項第一号に掲げる船舶にあつては、同項及び同条第二項の規定により、衛生管理者が選任されていること。
十九 第八十三条第一項の健康証明書を持たない者が船舶に乗り組んでいないこと。
二十 年齢十六年未満の者が船員として使用されていないこと。
二十一 年齢十八年未満の船員が第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は第八十五条第二項の国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事していないこと。
二十二 年齢十八年未満の船員が第八十六条の規定により作業に従事させてはならない時刻の間において作業に従事していないこと。
二十三 第八十九条の規定により、船員が負傷し、又は疾病にかかつたとき(第九十五条に規定する場合を除く。)において、船舶所有者がその費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担していること。
二十四 第百十三条第一項の規定により、同項に規定する書類が船内の見やすい場所に掲示され、又は備え置かれていること。
二十五 第百十七条の二第一項の国土交通省令で定める船舶にあつては、同項の規定により、同項に規定する航海当直部員が乗り組んでいること。
二十六 第百十八条の四第一項の規定により、同項に規定する船内苦情処理手続が定められていること。
二十七 第百十八条の四第二項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
二十八 第百十八条の四第三項の規定により、同条第一項の苦情が処理されていること。
二十九 第百十八条の四第一項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して不利益な取扱いがされていないこと。
三十 有効な船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第九条第一項の船舶検査証書又は同条第二項の臨時航行許可証の交付を受けていること。
三十一 船舶職員及び小型船舶操縦者法第二条第一項に規定する船舶(同条第四項に規定する小型船舶を除く。)にあつては、同法第十八条、第十九条第一項及び第二十三条第五項の規定により、同法第二条第二項に規定する船舶職員が乗り組んでいること。
三十二 国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が前各号に掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められており、かつ、これらが適確に実施されていること。
2 前項の海上労働証書(以下「海上労働証書」という。)の有効期間は、五年とする。
3 前項の規定にかかわらず、海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者の変更があつたときは、当該船舶に交付された海上労働証書の有効期間は、その変更があつた日に満了したものとみなす。
4 従前の海上労働証書の有効期間が満了する日前三月以内に受けた前条第一項後段の検査に係る海上労働証書の交付を受けた場合における当該海上労働証書の有効期間は、第二項の規定にかかわらず、従前の海上労働証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年を経過する日が経過するまでの期間とする。
(中間検査)
第百条の四 海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者は、当該海上労働証書の有効期間中において国土交通省令で定める時期に、当該船舶に係る船員の労働条件等について国土交通大臣又は登録検査機関の行う中間検査を受けなければならない。
(海上労働証書の効力の停止)
第百条の五 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条の検査の結果当該船舶が第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めたときは、当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めるまでの間、当該船舶に交付された海上労働証書の効力を停止するものとする。
(臨時海上労働証書)
第百条の六 特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶について船舶所有者の変更があつたことその他の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていない当該特定船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件等について、国土交通大臣又は登録検査機関の行う検査を受けなければならない。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他第百条の二第一項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であつて、前項の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていないものを臨時に国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
3 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書を交付しなければならない。
一 第百条の三第一項第一号から第四号まで、第九号、第十一号、第十三号、第十七号から第二十号まで、第二十四号から第二十七号まで、第三十号及び第三十一号の要件に適合していること。
二 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第八十一条第一項の国土交通省令で定める事項のうち、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け並びに船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備に関するものとして国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
三 国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が第百条の三第一項第一号から第三十一号までに掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められていること。
4 前項の臨時海上労働証書(以下「臨時海上労働証書」という。)の有効期間は、六月とする。ただし、その有効期間は、当該船舶の船舶所有者が当該船舶について海上労働証書の交付を受けたときは、満了したものとみなす。
5 第百条の三第三項の規定は、臨時海上労働証書について準用する。
(特定船舶の航行)
第百条の七 特定船舶は、有効な海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けているものでなければ、国際航海に従事させてはならない。
(海上労働証書等の備置き)
第百条の八 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶内に、国土交通省令で定めるところにより、これらの証書を備え置かなければならない。
(再検査)
第百条の九 第百条の二第一項、第百条の四又は第百条の六第一項の検査(以下「法定検査」という。)の結果に不服がある者は、その結果に関する通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内に、その理由を記載した文書を添えて国土交通大臣に再検査を申請することができる。
2 前項の再検査の結果に不服がある者は、その取消しの訴えを提起することができる。
3 再検査を申請した者は、国土交通大臣の許可を受けた後でなければ関係する帳簿書類その他の物件の現状を変更してはならない。
4 法定検査の結果に不服がある者は、第一項及び第二項の規定によることによつてのみこれを争うことができる。
(証書の返納命令)
第百条の十 国土交通大臣は、海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書の返納を命ずることができる。
2 国土交通大臣は、臨時海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の六第三項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書の返納を命ずることができる。
(国土交通省令への委任)
第百条の十一 法定検査の申請書の様式、法定検査の実施方法その他法定検査に関し必要な事項並びに海上労働証書及び臨時海上労働証書の様式、これらの証書の交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第十一章の三 登録検査機関
(登録)
第百条の十二 第百条の二第一項の規定による登録(以下単に「登録」という。)は、法定検査を行おうとする者の申請により行う。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請をした者(以下この項及び次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
一 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(第百条の十七において「検査員」という。)が検査を実施すること。
イ 船員の労働条件等の検査について三年以上の実務の経験を有すること。
ロ 船舶職員及び小型船舶操縦者法第二条第二項に規定する船舶職員として五年以上の乗船経験を有すること。
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識経験を有すること。
二 登録申請者が、船舶所有者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあつては、船舶所有者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所において検査に係る業務(以下「検査業務」という。)を行おうとする者である場合にあつては、外国における同法の親法人に相当するものを含む。)であること。
ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
3 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
一 この法律、船舶安全法、船員職業安定法若しくは船舶職員及び小型船舶操縦者法又はこれらの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第百条の二十六第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
4 登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
三 登録を受けた者が検査を行う事業所の所在地
四 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
(登録の更新)
第百条の十三 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(検査の義務)
第百条の十四 登録検査機関は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
2 登録検査機関は、公正に、かつ、第百条の十二第二項第一号に掲げる要件に適合する方法により検査を行わなければならない。
(登録事項の変更の届出)
第百条の十五 登録検査機関は、第百条の十二第四項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
(検査業務規程)
第百条の十六 登録検査機関は、検査業務の開始前に、検査業務の実施に関する規程(以下この章において「検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をした検査業務規程が検査業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、登録検査機関(外国にある事務所において検査業務を行う登録検査機関(以下「外国登録検査機関」という。)を除く。)に対し、その検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 検査業務規程には、検査業務の実施方法、専任の管理責任者の選任その他の検査業務の信頼性を確保するための措置、検査に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
(検査員)
第百条の十七 登録検査機関は、検査員を選任したときは、その日から十五日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは前条第一項の規定により認可を受けた検査業務規程に違反する行為をしたとき、又は検査業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、検査員の解任を命ずることができる。
3 前項の規定による命令により検査員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、検査員となることができない。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第百条の十八 登録検査機関の役員及び職員で検査業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第百条の十九 登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項、第百条の二十六第二項第四号及び第百三十三条の二において「財務諸表等」という。)を作成し、国土交通大臣に提出するとともに、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 船舶所有者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(業務の休廃止)
第百条の二十 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(適合命令)
第百条の二十一 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第百条の十二第二項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第百条の二十二 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第百条の十四の規定に違反していると認めるときは、その登録検査機関に対し、同条の規定による検査業務を行うべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(準用)
第百条の二十三 第百条の十六第二項、第百条の十七第二項及び前二条の規定は、外国登録検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
(報告の徴収)
第百条の二十四 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第百条の二十五 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(登録の取消し等)
第百条の二十六 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第百条の十二第三項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 第百条の十五、第百条の十七第一項、第百条の十九第一項、第百条の二十又は次条の規定に違反したとき。
三 第百条の十六第一項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた検査業務規程によらないで検査を行つたとき。
四 第百条の十六第二項、第百条の十七第二項、第百条の二十一又は第百条の二十二の規定による命令に違反したとき。
五 正当な理由がないのに第百条の十九第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
六 不正の手段により登録を受けたとき。
2 国土交通大臣は、外国登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一 前項第一号、第二号(第百条の十九第一項に係る部分を除く。)、第三号又は第六号のいずれかに該当するとき。
二 第百条の二十三の規定により読み替えて準用する第百条の十六第二項、第百条の十七第二項、第百条の二十一又は第百条の二十二の規定による請求に応じなかつたとき。
三 国土交通大臣が、外国登録検査機関が前二号のいずれかに該当すると認めて、期間を定めて検査業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その請求に応じなかつたとき。
四 第百条の十九第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
五 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録検査機関に対しその業務又は経理の状況に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、その職員に外国登録検査機関の事務所又は事業所に立ち入らせ、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
七 次項の規定による費用の負担をしないとき。
3 前項第六号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録検査機関の負担とする。
(帳簿の記載)
第百条の二十七 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、検査業務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(公示)
第百条の二十八 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第百条の十五の規定による届出があつたとき。
三 第百条の二十の規定による許可をしたとき。
四 第百条の二十六第一項の規定により登録を取り消し、又は検査業務の停止を命じたとき。
五 第百条の二十六第二項の規定により登録を取り消したとき。
第百十三条の見出し中「公示」を「掲示等」に改め、同条中「基づいて発する」を「基づく」に、「及び第六十五条」を「、第六十五条及び第六十五条の三第三項」に改め、同条に次の二項を加える。
船舶所有者(漁船その他第百条の二第一項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶の船舶所有者を除く。)は、二千六年の海上の労働に関する条約を記載した書類を船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示し、又は備え置かなければならない。
海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、これらの証書の写しを船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示しなければならない。
第百十六条第一項中「第四十七条まで」を「第四十六条まで、第四十七条第一項」に、「第八十八条の二の二第三項及び」を「第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに」に、「第四十七条の場合には」を「第四十七条第一項の規定に違反したときは、」に改める。
第百十七条の二第一項中「の定める」を「で定める」に改める。
第百十八条の三の次に次の一条を加える。
(船内苦情処理手続)
第百十八条の四 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船内苦情処理手続(船員が航海中に船舶所有者に申出をしたこの法律、労働基準法及びこの法律に基づく命令に規定する事項並びに船員の労働条件等に関し国土交通省令で定める事項に関する苦情を処理する手続をいう。以下この条において同じ。)を定めなければならない。
船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、船内苦情処理手続を記載した書面を船員に交付しなければならない。
船舶所有者は、船員から航海中に第一項の苦情の申出を受けた場合にあつては、船内苦情処理手続に定めるところにより、苦情を処理しなければならない。
船舶所有者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。
第百二十条の三の見出し中「監督」を「監督等」に改め、同条第一項中「の定める」を「で定める」に、「除く」を「除く。以下この条において「外国船舶」という」に、「その船舶に」を「当該外国船舶に」に、「その船舶の乗組員が次に定める要件を満たして」を「当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合しているかどうか及び当該外国船舶の乗組員が次に掲げる要件の全てに適合して」に改め、第一号を削り、第二号を第一号とし、同項第三号中「の定める」を「で定める」に改め、同号を同項第二号とし、同条第二項中「その船舶」を「当該外国船舶」に、「同項第三号」を「同項第二号」に改め、同条第三項中「その船舶の乗組員が同項各号の一に定める要件を満たしていないと認めるときは、その船舶の船長に対し、その要件を満たすための」を「当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合していないと認めるとき、又は当該外国船舶の乗組員が同項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めるときは、当該外国船舶の船長に対し、これらの要件に適合するために必要な」に改め、同条第四項中「第一項各号の一に定める要件を満たすための」を「当該通告に係る」に、「その船舶」を「当該外国船舶」に改め、同条第六項中「準用する」を「、それぞれ準用する」に、「同条第一項各号に定める要件を満たすための」を「二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件及び同条第一項各号に定める要件に適合するために必要な」に改め、同条に次の一項を加える。
第百十二条の規定は、外国船舶の乗組員について準用する。この場合において、同条第一項中「この法律、労働基準法又はこの法律に基づいて発する命令」とあるのは「二千六年の海上の労働に関する条約」と、「船員労務官」とあるのは「国土交通大臣があらかじめ指定するその職員」と読み替えるものとする。
第百二十一条の二を次のように改める。
(手数料の納付)
第百二十一条の二 次に掲げる者(第百四条第一項の規定により市町村長が行う事務に係る申請をする者を除く。)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
一 船員手帳の交付、再交付、訂正又は書換えを受けようとする者
二 第八十二条の二第二項の衛生管理者適任証書又は第百十八条第二項の救命艇手適任証書の再交付を受けようとする者
三 第八十二条の二第三項第一号又は第百十八条第三項第一号の試験を受けようとする者
四 第八十二条の二第三項第二号又は第百十八条第三項第二号の規定による認定を受けようとする者
五 法定検査(国土交通大臣が行うものに限る。)を受けようとする者
六 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けようとする者(登録検査機関が検査を行つた船舶に係るこれらの証書の交付を受けようとする者に限る。)
七 海上労働証書又は臨時海上労働証書の再交付又は書換えを受けようとする者
第百二十六条第一号中「、第三十六条」及び「(第八十八条の二の二第三項及び第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)」を削り、同条第四号中「基づいて発する」を「基づく」に改め、同条第七号中「(第八十八条の二の二第三項及び第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)」を削り、同号を同条第八号とし、同条第六号の次に次の一号を加える。
七 第五十条第三項の規定に違反して、船員手帳に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
第百三十条中「から第四十七条まで」を「、第四十六条、第四十七条第一項若しくは第二項」に、「第六十五条の二第二項(第八十八条の二の二第三項」を「第六十五条の二第三項(第八十八条の二の二第五項」に、「第八十八条の二の二第三項及び」を「第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに」に、「第八十八条の二の二第二項」を「第八十八条の二の二第一項」に、「若しくは第百十八条の三」を「、第百十八条の三若しくは第百十八条の四第四項」に、「基づいて発する」を「基づく」に改める。
第百三十条の次に次の二条を加える。
第百三十条の二 船舶所有者が次の各号のいずれかに該当する場合には、二百万円以下の罰金に処する。
一 偽りその他不正の行為により海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付、再交付又は書換えを受けたとき。
二 第百条の四の規定による検査を受けないで、海上労働証書の交付を受けた船舶を国際航海に従事させたとき。
三 第百条の七の規定に違反して、特定船舶を国際航海に従事させたとき。
第百三十条の三 船舶所有者が第百条の十第一項又は第二項の規定による命令に違反したときは、五十万円以下の罰金に処する。
第百三十一条第一号中「第三十二条、」を削り、「第五十三条」を「第三十六条第三項、第五十三条第一項若しくは第二項」に改め、同条第四号を同条第五号とし、同条第三号中「(第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)」を削り、同号を同条第四号とし、同号の次に次の一号を加える。
四の二 第百条の八の規定に違反して、特定船舶を国際航海に従事させたとき。
第百三十一条中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第三十二条第一項、第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第三項、第三十六条第一項若しくは第二項、第五十三条第三項又は第百十八条の四第二項の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付したとき。
第百三十一条の次に次の二条を加える。
第百三十一条の二 第百条の二十六第一項の規定による検査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第百三十一条の三 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第百条の二十の規定による許可を受けないで検査業務の全部を廃止したとき。
二 第百条の二十四の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第百三十三条中第二号を削り、第三号を第二号とし、同条第四号中「第五十条第三項」を「第五十条第四項」に、「基づいて発する」を「基づく」に改め、同号を同条第三号とし、同条第五号中「詐偽その他の不正行為をもつて」を「偽りその他不正の行為により」に、「訂正」を「再交付、訂正」に改め、同号を同条第四号とし、同条中第六号を第五号とし、第七号から第九号までを一号ずつ繰り上げ、第十号の前に次の一号を加える。
九 第百条の二十五の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第百三十三条の次に次の一条を加える。
第百三十三条の二 第百条の十九第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者(外国登録検査機関を除く。)は、二十万円以下の過料に処する。
第百三十五条第一項中「若しくは第七号から第十一号まで」を「、第六号から第八号まで、第十号若しくは第十一号」に改め、同条第二項中「第百三十三条第七号から第九号」を「第百三十三条第六号から第八号」に、「前項の規定を準用する」を「その行為者を罰するほか、その団体に対して、同条の刑を科する」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第四条及び第十二条の規定 公布の日
二 目次を削り、題名の次に目次を付する改正規定、第五条の改正規定、第三十二条の次に一条を加える改正規定(第三十二条の二第三号及び第四号に係る部分に限る。)、第十一章の次に二章を加える改正規定、第百十三条に二項を加える改正規定、第百十七条の二第一項の改正規定、第百二十条の三の改正規定、第百二十一条の二の改正規定(同条第五号から第七号までに係る部分に限る。)、第百三十条の次に二条を加える改正規定、第百三十一条の改正規定(同条第四号の次に一号を加える部分に限る。)、第百三十一条の次に二条を加える改正規定、第百三十三条の改正規定(同条第四号中「第五十条第三項」を「第五十条第四項」に、「基づいて発する」を「基づく」に改める部分及び同条第五号中「詐偽その他の不正行為をもつて」を「偽りその他不正の行為により」に、「訂正」を「再交付、訂正」に改める部分を除く。)、第百三十三条の次に一条を加える改正規定、第百三十五条の改正規定並びに附則第五条及び第十五条の規定、附則第十七条の規定(国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律(昭和二十八年法律第二百三十六号)第六条第二項の改正規定に限る。)、附則第二十一条の規定、附則第二十三条の規定中船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第十四条第一項の改正規定(「第五条」を「第五条第一項」に改める部分、「第百十二条」の下に「、第百十三条第一項及び第二項、第百十四条」を加える部分及び「第百十三条」を「第百十三条第一項」に改め、「労働協約」と、」の下に「同項及び同条第二項中」を加える部分に限る。)並びに附則第二十四条の規定 二千六年の海上の労働に関する条約が日本国について効力を生ずる日(以下「発効日」という。)
三 附則第六条から第九条まで、第十九条及び第二十条の規定 発効日前の政令で定める日
(経過措置)
第二条 この法律の施行前に成立した雇入契約(この法律の施行後において変更があった部分を除く。)については、この法律による改正後の船員法(以下「新法」という。)第三十六条の規定は、適用しない。この場合において、この法律による改正前の船員法(以下「旧法」という。)第三十六条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後においても、なおその効力を有する。
2 この法律の施行前に生じた事由による船員の送還については、新法第四十七条第二項から第四項までの規定は、適用しない。
3 この法律の施行前に雇入契約が成立した船員に係る新法第百十八条の四第二項の規定の適用については、同項中「雇入契約が成立したときは、遅滞なく」とあるのは、「船員法の一部を改正する法律(平成二十四年法律第八十七号)の施行後遅滞なく」とする。
4 この法律の施行前に生じた事由による新法第百十八条の四第一項に規定する苦情については、同条第三項及び第四項の規定は、適用しない。
第三条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員に関する労働時間、休日、休息時間及び割増手当、これらの事項に関する記録簿、通常配置表並びに年少船員の就業制限については、新法第六十条第一項及び第二項、第六十一条、第六十二条第一項及び第三項、第六十四条第一項及び第二項、第六十四条の二第一項、第六十五条、第六十五条の二第一項及び第三項から第五項まで、第六十五条の三第一項及び第二項、第六十六条、第六十六条の二、第六十七条第一項及び第二項、第六十八条第一項、第八十五条第一項、第八十八条の二、第八十八条の二の二、第八十八条の三第二項から第四項まで並びに第八十八条の五の規定にかかわらず、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して三月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、なお従前の例による。
2 この法律の施行の際現に航海中である帆船に乗り組む船員については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する帆船にあっては、施行日から起算して三月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新法第六十条から第六十九条までの規定は、適用しない。
3 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む海員であって旧法第七十二条各号に掲げるものについては、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して三月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新法第六十条から第六十九条までの規定は、適用しない。
第四条 船舶所有者(船舶共有の場合には船舶管理人、船舶貸借の場合には船舶借入人、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者。附則第七条第二項第二号及び第十六項において同じ。)は、施行日前においても、新法第六十四条の二第一項若しくは第六十五条の協定(船長に係るものに限る。)又は第六十五条の三第三項の協定を国土交通大臣に届け出ることができる。
2 新法第六十五条の三第三項第二号の規定による指定は、同号の規定の例により、施行日前においても行うことができる。
第五条 発効日前に建造された新法第百条の二第一項に規定する特定船舶についての同項の規定の適用については、同項中「初めて」とあるのは、「二千六年の海上の労働に関する条約が日本国について効力を生ずる日以後初めて」とする。
第六条 国土交通大臣又は登録検査機関(次条第一項の規定による国土交通大臣の登録を受けた者をいう。以下同じ。)は、発効日前においても、日本船舶(漁船その他新法第百条の二第一項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)における船員の労働条件等(同項に規定する労働条件等をいう。次条第二項第一号イにおいて同じ。)について新法第百条の二第一項又は第百条の六第一項の検査に相当する検査(以下「相当検査」という。)を行うことができる。
2 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が新法第百条の二第一項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が新法第百条の三第一項各号の要件に相当する要件の全てに適合すると認めたときは、当該検査を受けた船舶所有者(船舶共有の場合には船舶管理人、船舶借入の場合には船舶借入人。第四項並びに附則第八条第二項及び第五項において同じ。)に対し、新法第百条の三第一項の海上労働証書に相当する証書を交付しなければならない。国土交通大臣又は登録検査機関が新法第百条の二第一項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が新法第百条の三第一項各号の要件に相当する要件のいずれかに適合していないと認めた場合において、国土交通大臣が当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めたときも、同様とする。
3 前項の規定により交付した証書は、その交付後発効日までの間に国土交通省令で定める事由が生じたときを除き、発効日以後は、新法第百条の三第一項の規定により交付された海上労働証書とみなす。この場合において、当該証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
4 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が新法第百条の六第一項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が同条第三項各号の要件に相当する要件の全てに適合すると認めたときは、当該検査を受けた船舶所有者に対し、同項の臨時海上労働証書に相当する証書を交付しなければならない。
5 前項の規定により交付した証書は、その交付後発効日までの間に国土交通省令で定める事由が生じたときを除き、発効日以後は、新法第百条の六第三項の規定により交付された臨時海上労働証書とみなす。この場合において、当該証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
6 相当検査の申請書の様式、相当検査の実施方法その他の相当検査に関し必要な事項並びに第二項の証書及び第四項の証書の様式並びに交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
7 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
一 国土交通大臣の行う相当検査を受けようとする者
二 第二項の証書又は第四項の証書の交付を受けようとする者(登録検査機関が相当検査を行った船舶に係るこれらの証書の交付を受けようとする者に限る。)
三 第二項の証書又は第四項の証書の再交付又は書換えを受けようとする者
第七条 国土交通大臣は、相当検査を行おうとする者の申請により、発効日前においても、その者を相当検査を行う者として登録することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による登録(以下単に「登録」という。)の申請をした者(以下「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
一 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(以下「検査員」という。)が相当検査を実施すること。
イ 船員の労働条件等の検査について三年以上の実務の経験を有すること。
ロ 船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和二十六年法律第百四十九号)第二条第二項に規定する船舶職員として五年以上の乗船経験を有すること。
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識経験を有すること。
二 登録申請者が、船舶所有者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、船舶所有者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所において相当検査に係る業務(以下「相当検査業務」という。)を行おうとする者である場合にあっては、外国における同法の親法人に相当するものを含む。)であること。
ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあっては、業務を執行する社員)に占める船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)であること。
3 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
一 この法律、船員法、船舶安全法(昭和八年法律第十一号)、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)若しくは船舶職員及び小型船舶操縦者法又はこれらの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第二十五項又は第二十六項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
4 登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録を受けた者が相当検査を行う事業所の所在地
四 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
5 登録検査機関は、相当検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、相当検査を行わなければならない。
6 登録検査機関は、公正に、かつ、第二項第一号に掲げる要件に適合する方法により相当検査を行わなければならない。
7 登録検査機関は、第四項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
8 登録検査機関は、相当検査業務の開始前に、相当検査業務の実施に関する規程(以下「相当検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
9 国土交通大臣は、前項の認可をした相当検査業務規程が相当検査業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、登録検査機関(外国にある事務所において相当検査業務を行う登録検査機関(以下「外国登録検査機関」という。)を除く。)に対し、その相当検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
10 相当検査業務規程には、相当検査業務の実施方法、専任の管理責任者の選任その他の相当検査業務の信頼性を確保するための措置、相当検査に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
11 登録検査機関は、検査員を選任したときは、その日から十五日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
12 国土交通大臣は、検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第八項の規定により認可を受けた相当検査業務規程に違反する行為をしたとき、又は相当検査業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、検査員の解任を命ずることができる。
13 前項の規定による命令により検査員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、検査員となることができない。
14 登録検査機関の役員及び職員で相当検査業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
15 登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、国土交通大臣に提出するとともに、五年間事務所に備えて置かなければならない。
16 船舶所有者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
17 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、相当検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
18 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第二項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
19 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第五項又は第六項の規定に違反していると認めるときは、その登録検査機関に対し、第五項及び第六項の規定による相当検査業務を行うべきこと又は相当検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
20 第九項、第十二項及び前二項の規定は、外国登録検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
21 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
22 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
23 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
24 第二十二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
25 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて相当検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三項第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
二 第七項、第十一項、第十五項、第十七項又は第二十八項の規定に違反したとき。
三 第八項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた相当検査業務規程によらないで相当検査を行ったとき。
四 第九項、第十二項、第十八項又は第十九項の規定による命令に違反したとき。
五 正当な理由がないのに第十六項各号の規定による請求を拒んだとき。
六 不正の手段により登録を受けたとき。
26 国土交通大臣は、外国登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一 前項第一号、第二号(第十五項に係る部分を除く。)、第三号又は第六号のいずれかに該当するとき。
二 第二十項の規定により読み替えて準用する第九項、第十二項、第十八項又は第十九項の規定による請求に応じなかったとき。
三 国土交通大臣が、外国登録検査機関が前二号のいずれかに該当すると認めて、期間を定めて相当検査業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その請求に応じなかったとき。
四 第十五項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに第十六項各号の規定による請求を拒んだとき。
五 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録検査機関に対しその業務又は経理の状況に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、その職員に外国登録検査機関の事務所又は事業所に立ち入らせ、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
七 次項の規定による費用の負担をしないとき。
27 前項第六号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録検査機関の負担とする。
28 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、相当検査業務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
29 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第七項の規定による届出があったとき。
三 第十七項の規定による許可をしたとき。
四 第二十五項の規定により登録を取り消し、又は相当検査業務の停止を命じたとき。
五 第二十六項の規定により登録を取り消したとき。
30 登録検査機関は、発効日において、新法第百条の十二第一項に規定する登録を受けた者とみなす。この場合において、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第百条の十七第二項
この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは前条第一項の規定により認可を受けた検査業務規程
この法律若しくは船員法の一部を改正する法律(平成二十四年法律第八十七号。以下「一部改正法」という。)、これらの法律に基づく命令若しくは処分、前条第一項の規定により認可を受けた検査業務規程若しくは一部改正法附則第七条第八項の規定により認可を受けた相当検査業務規程
第百条の二十二
第百条の十四
第百条の十四又は一部改正法附則第七条第五項若しくは第六項
同条
第百条の十四
第百条の二十六第一項第一号
第百条の十二第三項第一号又は第三号
第百条の十二第三項第一号若しくは第三号又は一部改正法附則第七条第三項第一号若しくは第三号
第百条の二十六第一項第二号
第百条の二十又は次条
第百条の二十若しくは次条又は一部改正法附則第七条第七項、第十一項、第十五項、第十七項若しくは第二十八項
第百条の二十六第一項第三号
第百条の十六第一項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた検査業務規程
第百条の十六第一項の規定による認可を受けず、若しくは同項の規定による認可を受けた検査業務規程によらないで、又は一部改正法附則第七条第八項の規定による認可を受けず、若しくは同項の規定による認可を受けた相当検査業務規程
検査を
検査又は一部改正法附則第六条第一項に規定する相当検査を
第百条の二十六第一項第五号
第百条の十九第二項各号
第百条の十九第二項各号又は一部改正法附則第七条第十六項各号
第百条の二十六第二項第一号
第百条の十九第一項
第百条の十九第一項及び一部改正法附則第七条第十五項
第百条の二十六第二項第二号
第百条の二十一又は第百条の二十二の規定
第百条の二十一若しくは第百条の二十二又は一部改正法附則第七条第二十項の規定により読み替えて準用する同条第九項、第十二項、第十八項若しくは第十九項の規定
第百条の二十六第二項第三号
前二号
前二号又は一部改正法附則第七条第二十六項第一号若しくは第二号
検査業務
検査業務又は一部改正法附則第七条第二項第二号イに規定する相当検査業務
第百条の二十六第二項第四号
第百条の十九第一項
第百条の十九第一項若しくは一部改正法附則第七条第十五項
同条第二項各号
第百条の十九第二項各号若しくは一部改正法附則第七条第十六項各号
第百条の二十六第二項第五号
この法律
外国登録検査機関に対し、この法律
、外国登録検査機関に対しその業務又は
その業務若しくは
求めた場合
求めた場合又は一部改正法附則第七条第二十六項第五号の報告を求めた場合
第百条の二十六第二項第六号
、その職員に
その職員に
又は事業所
若しくは事業所
又は帳簿書類
若しくは帳簿書類
検査させようとした場合
検査させようとした場合又はその職員に一部改正法附則第七条第二十六項第六号の検査をさせようとした場合
第百条の二十六第二項第七号
次項
次項又は一部改正法附則第七条第二十七項
31 発効日前に第九項、第十二項、第十八項、第十九項又は第二十五項の規定によりされた命令は、発効日以後は、新法第百条の十六第二項、第百条の十七第二項、第百条の二十一、第百条の二十二又は第百条の二十六第一項の規定によりされた命令とみなす。
32 第三項各号のいずれかに該当する者は、新法第百条の十二第三項の規定の適用については、同項各号のいずれかに該当する者とみなす。
第八条 前条第二十五項の規定による相当検査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 船舶所有者が、偽りその他不正の行為により附則第六条第二項の証書又は同条第四項の証書の交付、再交付又は書換えを受けたときは、二百万円以下の罰金に処する。
3 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 前条第十七項の規定による許可を受けないで相当検査業務の全部を廃止したとき。
二 前条第二十一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
4 前条第二十二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。
5 船舶所有者の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、船舶所有者の業務に関し、第二項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その船舶所有者に対して、同項の刑を科する。
6 前条第十五項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第十六項各号の規定による請求を拒んだ者(外国登録検査機関を除く。)は、二十万円以下の過料に処する。
(準備行為)
第九条 新法第百条の十二第一項に規定する登録を受けようとする者は、発効日前においても、その申請を行うことができる。新法第百条の十六第一項の規定による検査業務規程の認可の申請についても、同様とする。
(処分、手続等の効力に関する経過措置)
第十条 この法律(附則第一条第二号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした処分、手続その他の行為であって、新法(これに基づく命令を含む。)中相当する規定があるものは、これらの規定によってした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第十一条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十二条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(船員保険法の一部改正)
第十三条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第百六条第一項ただし書中「第四十七条」を「第四十七条第一項及び第二項」に改め、「できる場合」の下に「(同条第四項の規定による請求がされた場合にあっては、被保険者又は被保険者であった者の職務外の負傷又は疾病につき被保険者又は被保険者であった者に故意のある場合に限る。)」を加える。
(船員職業安定法の一部改正)
第十四条 船員職業安定法の一部を次のように改正する。
第八十九条第二項及び第三項中「の定める」を「で定める」に改め、同条第四項中「第六十二条」を「第三十六条第三項、第六十二条」に、「第六十五条の二第二項(同法第八十八条の二の二第三項」を「第六十五条の二第三項(同法第八十八条の二の二第五項」に、「第六十五条の三(同法第八十八条の二の二第三項において読み替えて」を「第六十五条の三第一項及び第二項、同条第三項(同法第八十八条の二の二第六項において」に改め、「(同法第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)」を削り、「、第八十八条の二の二第二項」を「、第八十八条の二の二第一項から第三項まで」に、「並びに第八十八条の七」を「、第八十八条の七並びに第百十八条の四第三項」に、「基づいて発する」を「基づく」に、「及び同法第六十五条」を「並びに同法第六十五条及び第六十五条の三第三項(同法第八十八条の二の二第六項において準用する場合を含む。)」に、「同条中」を「同法第六十五条及び第六十五条の三第三項(同法第八十八条の二の二第六項において準用する場合を含む。)中」に、「第八十八条の二の二第二項中「その労働時間を超えて作業に従事することを申し出た場合」を「第八十八条の二の二第二項及び第三項中「第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき」に、「、あらかじめ、その労働時間を超えて作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出た場合」を「あらかじめ、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出たとき」と、同条第六項中「その休息時間を同項の協定で定めるところによることを船舶所有者に申し出て」とあるのは「、あらかじめ、その休息時間を同項の協定で定めるところによることを派遣元の船舶所有者に申し出て」に、「休日において作業に従事することを申し出た」を「次に掲げる申出をした」に、「休日において作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出た」を「派遣元の船舶所有者に次に掲げる申出をした」に改め、同条第五項中「並びに第百十七条の二から第百十八条の三まで」を「、第百十七条の二から第百十八条の三まで並びに第百十八条の四第一項」に改め、同条第六項中「第六十五条の二第二項(同法第八十八条の二の二第三項」を「第六十五条の二第三項(同法第八十八条の二の二第五項」に、「第五項」を「前項」に、「基づいて発する」を「基づく」に改め、同条第八項中「第六十八条」を「第六十八条第一項」に、「第七十二条の二」を「第七十二条」に、「第七十一条第一項及び第七十二条」を「第七十一条第一項」に、「第六章(第六十条第二項及び第三項、第六十二条並びに第六十三条の規定を除く。)」を「第六十一条、第六十四条から第六十五条の二まで、第六十五条の三第三項、第六十六条、第六十八条第一項及び第七十一条から第七十三条まで」に、「並びに第百十三条」を「、第百十三条並びに第百十八条の四第四項」に、「、この法律に基づいて発する」を「、この法律に基づく」に、「及びこの法律に基づいて発する」を「及びこの法律に基づく」に、「「第六十五条」を「「第六十五条の三第三項」に、「及び第六十五条」を「、第六十五条及び第六十五条の三第三項」に改め、「書類を含む。)」と」の下に「、同法第百十八条の四第一項中「この法律に基づく命令」とあるのは「この法律に基づく命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同条第二項中「船内苦情処理手続」とあるのは「派遣先の船舶所有者が定める船内苦情処理手続」と」を加える。
第九十二条第一項中「第三十一条」の下に「、第三十二条、第三十三条」を加え、「及び第三項」を「及び第四項」に、「医薬品の備付け、安全及び衛生に関する教育」を「船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備」に、「の定める事項」を「で定める事項」に、「安全及び衛生に関する教育その他の派遣船員」を「派遣船員」に改める。
第十五条 船員職業安定法の一部を次のように改正する。
第八十九条第二項中「の規定(同項」を「及び第百十三条第二項の規定(これらの規定」に改め、「。次項において同じ」を削り、「同条第一項」を「同法第八十一条第一項」に、「、「その他の」を「「その他の」に、「とする」を「と、同法第百十三条第二項中「船舶所有者(」とあるのは「船舶所有者(派遣先の船舶所有者を含み、」と、「船舶所有者を」とあるのは「船舶所有者(派遣先の船舶所有者を含む。)を」とする」に改め、同条第三項中「の規定」の下に「(同項に係る罰則の規定を含む。)」を加え、同条第八項中「第百十三条」を「第百十三条第一項」に改める。
第九十二条第一項中「第五条」を「第五条第一項」に改め、「第百九条から」の下に「第百十二条まで、第百十三条第一項及び第二項、第百十四条から」を加え、「第百十三条」を「第百十三条第一項及び第二項」に改める。
(国家公務員等の旅費に関する法律の一部改正)
第十六条 国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。
第四十七条中「第四十七条」を「第四十七条第一項若しくは第二項」に改め、同条に次の一項を加える。
2 各庁の長は、職員について船員法第四十七条第二項の規定に該当する事由があつた場合において、前項の規定により当該職員に旅費を支給したときは、当該職員に対し、当該支給した旅費の償還を請求するものとする。
(国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律の一部改正)
第十七条 国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「且つ」を「かつ」に、「第四十七条」を「第四十七条第一項及び第二項」に、「外」を「ほか」に改める。
第六条第二項中「すみやかに」を「速やかに」に、「船舶の」を「送還費を負担した」に、「船舶所有者をいう」を「船舶所有者をいい、同法第五条第一項の規定により船舶所有者に関する規定の適用を受ける者を含む」に改める。
(自衛隊法の一部改正)
第十八条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百八条中「及び第七号」を「から第八号まで」に、「基く」を「基づく」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第十九条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第百三十七号の次に次のように加える。
百三十七の二 船員の労働条件等に係る登録検査機関の登録
 船員法(昭和二十二年法律第百号)第百条の二第一項(登録検査機関の登録)の登録(更新の登録を除く。)
登録件数
一件につき九万円
(登録免許税法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から発効日の前日までの間に受ける前条の規定による改正後の登録免許税法別表第一第百三十七号の二に掲げる登録に係る同号の規定の適用については、同号中「船員法(昭和二十二年法律第百号)第百条の二第一項(登録検査機関の登録)の登録(更新の登録を除く。)」とあるのは、「船員法の一部を改正する法律(平成二十四年法律第八十七号)附則第七条第一項(登録検査機関の登録)の規定による登録」とする。
(船員災害防止活動の促進に関する法律の一部改正)
第二十一条 船員災害防止活動の促進に関する法律(昭和四十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「第五条」を「第五条第一項」に改める。
(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部改正)
第二十二条 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第五条中「第八十八条の二の二第三項及び」を「第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに」に改める。
(船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部改正)
第二十三条 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を次のように改正する。
第十四条第一項中「第五条」を「第五条第一項」に改め、「第三十一条」の下に「、第三十二条、第三十三条」を加え、「及び第三項」を「及び第四項」に改め、「第百十二条」の下に「、第百十三条第一項及び第二項、第百十四条」を加え、「医薬品の備付け、安全及び衛生に関する教育」を「船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備」に、「の定める事項」を「で定める事項」に、「安全及び衛生に関する教育その他の船員労務供給」を「船員労務供給」に、「第百十三条」を「第百十三条第一項」に改め、「労働協約」と、」の下に「同項及び同条第二項中」を加える。
(国土交通省設置法の一部改正)
第二十四条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第四条第九十九号中「及び」を「、船舶の乗組員の適正な労働環境及び療養補償の確保並びに」に改める。
外務大臣 玄葉光一郎
財務大臣 安住淳
文部科学大臣 平野博文
厚生労働大臣 小宮山洋子
国土交通大臣 羽田雄一郎
防衛大臣 森本敏
内閣総理大臣 野田佳彦