治山治水緊急措置法
法令番号: 法律第21号
公布年月日: 昭和35年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

近年の台風・豪雨による甚大な被害や産業経済の発展に伴う用水需要の急増に対応するため、治山治水事業の長期計画を策定し、計画的に推進する必要がある。そこで昭和35年度を初年度とする10カ年計画を、前期5カ年と後期5カ年に分けて実施することとした。この法律は、治山治水事業を緊急かつ計画的に実施することで国土の保全と開発を図り、国民生活の安定と向上に資することを目的とする。計画の策定は農林大臣と建設大臣が行い、相互調整と経済企画庁長官との協議を経て閣議決定される。また政府は計画実施に必要な財政上・行政上の措置を講ずることとする。

参照した発言:
第34回国会 衆議院 建設委員会 第7号

審議経過

第34回国会

衆議院
(昭和35年3月2日)
(昭和35年3月11日)
(昭和35年3月16日)
(昭和35年3月18日)
参議院
(昭和35年3月21日)
(昭和35年3月22日)
衆議院
(昭和35年3月25日)
参議院
(昭和35年3月26日)
(昭和35年3月28日)
(昭和35年3月29日)
(昭和35年3月30日)
(昭和35年4月13日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
治山治水緊急措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年三月三十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第二十一号
治山治水緊急措置法
(目的)
第一条 この法律は、治山治水事業の緊急かつ計画的な実施を促進することにより、国土の保全と開発を図り、もつて国民生活の安定と向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「治山事業」とは、次の各号に掲げる事業で、国が施行するもの及び都道府県又は都道府県知事が施行し、かつ、これに要する費用の一部を国が負担し、又は補助するものをいう。
一 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条に規定する保安施設事業
二 地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第五十一条第一項第二号に規定する地すべり地域又はぼた山に関して同法第三条又は第四条の規定によつて指定された地すべり防止区域又はぼた山崩壊防止区域における地すべり防止工事又はぼた山崩壊防止工事に関する事業
2 この法律で「治水事業」とは、次の各号に掲げる事業で、国が施行するもの及び都道府県知事が施行し、かつ、これに要する費用の一部を国が負担し、又は補助するものをいう。
一 河川法(明治二十九年法律第七十一号)第一条に規定する河川(同法第五条の規定によつて同法が準用される水流、水面若しくは河川を含む。)に関する事業(第四号に該当するものを除く。)
二 砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防設備に関する事業
三 地すべり等防止法第五十一条第一項第一号又は第三号ロに規定する地すべり地域又はぼた山に関して同法第三条又は第四条の規定によつて指定された地すべり防止区域又はぼた山崩壊防止区域における地すべり防止工事又はぼた山崩壊防止工事に関する事業
四 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項に規定する多目的ダムの建設工事に関する事業
3 次の各号に掲げる事業は、前二項の規定にかかわらず、治山事業又は治水事業に含まれないものとする。
一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和二十五年法律第百六十九号)又は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)の規定の適用を受ける災害復旧事業
二 前号の事業の施行のみでは再度災害の防止に十分な効果が期待できないと認められるため、これと合併して行なう新設又は改良に関する事業
三 昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法(昭和三十四年法律第百七十二号)による伊勢湾等高潮対策事業
四 臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第二百九十五号)第二条第二項に規定する復旧工事に関する事業
五 地震による地盤の変動のため必要を生じた河川に関する事業で政令で定めるもの
(治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画)
第三条 農林大臣は、中央森林審議会の意見をきいて、昭和三十五年度以降の五箇年間において実施すべき治山事業に関する計画(以下「治山事業前期五箇年計画」という。)の案及び昭和四十年度以降の五箇年間において実施すべき治山事業に関する計画(以下「治山事業後期五箇年計画」という。)の案を、建設大臣は、河川審議会の意見を聞いて、昭和三十五年度以降の五箇年間において実施すべき治水事業に関する計画(以下「治水事業前期五箇年計画」という。)の案及び昭和四十年度以降の五箇年間において実施すべき治水事業に関する計画(以下「治水事業後期五箇年計画」という。)の案を、それぞれ作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 治山事業前期五箇年計画及び治山事業後期五箇年計画(以下「治山事業十箇年計画」と総称する。)又は治水事業前期五箇年計画及び治水事業後期五箇年計画(以下「治水事業十箇年計画」と総称する。)には、治山事業又は治水事業につき、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
一 前期及び後期の各五箇年間に行なうべき事業の実施の目標
二 前期及び後期の各五箇年間に行なうべき事業の量
3 農林大臣及び建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、治山治水事業の総合性を確保するため、あらかじめ相互に調整を図らなければならない。
4 農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならない。
5 農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画を都道府県知事に通知しなければならない。
6 前五項の規定は、治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画を変更しようとする場合に準用する。
(治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画の実施)
第四条 政府は、治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画を実施するため必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
大蔵大臣 佐藤榮作
農林大臣 福田赳夫
建設大臣 村上勇
内閣総理大臣 岸信介
治山治水緊急措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年三月三十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第二十一号
治山治水緊急措置法
(目的)
第一条 この法律は、治山治水事業の緊急かつ計画的な実施を促進することにより、国土の保全と開発を図り、もつて国民生活の安定と向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「治山事業」とは、次の各号に掲げる事業で、国が施行するもの及び都道府県又は都道府県知事が施行し、かつ、これに要する費用の一部を国が負担し、又は補助するものをいう。
一 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条に規定する保安施設事業
二 地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第五十一条第一項第二号に規定する地すべり地域又はぼた山に関して同法第三条又は第四条の規定によつて指定された地すべり防止区域又はぼた山崩壊防止区域における地すべり防止工事又はぼた山崩壊防止工事に関する事業
2 この法律で「治水事業」とは、次の各号に掲げる事業で、国が施行するもの及び都道府県知事が施行し、かつ、これに要する費用の一部を国が負担し、又は補助するものをいう。
一 河川法(明治二十九年法律第七十一号)第一条に規定する河川(同法第五条の規定によつて同法が準用される水流、水面若しくは河川を含む。)に関する事業(第四号に該当するものを除く。)
二 砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防設備に関する事業
三 地すべり等防止法第五十一条第一項第一号又は第三号ロに規定する地すべり地域又はぼた山に関して同法第三条又は第四条の規定によつて指定された地すべり防止区域又はぼた山崩壊防止区域における地すべり防止工事又はぼた山崩壊防止工事に関する事業
四 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項に規定する多目的ダムの建設工事に関する事業
3 次の各号に掲げる事業は、前二項の規定にかかわらず、治山事業又は治水事業に含まれないものとする。
一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和二十五年法律第百六十九号)又は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)の規定の適用を受ける災害復旧事業
二 前号の事業の施行のみでは再度災害の防止に十分な効果が期待できないと認められるため、これと合併して行なう新設又は改良に関する事業
三 昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法(昭和三十四年法律第百七十二号)による伊勢湾等高潮対策事業
四 臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第二百九十五号)第二条第二項に規定する復旧工事に関する事業
五 地震による地盤の変動のため必要を生じた河川に関する事業で政令で定めるもの
(治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画)
第三条 農林大臣は、中央森林審議会の意見をきいて、昭和三十五年度以降の五箇年間において実施すべき治山事業に関する計画(以下「治山事業前期五箇年計画」という。)の案及び昭和四十年度以降の五箇年間において実施すべき治山事業に関する計画(以下「治山事業後期五箇年計画」という。)の案を、建設大臣は、河川審議会の意見を聞いて、昭和三十五年度以降の五箇年間において実施すべき治水事業に関する計画(以下「治水事業前期五箇年計画」という。)の案及び昭和四十年度以降の五箇年間において実施すべき治水事業に関する計画(以下「治水事業後期五箇年計画」という。)の案を、それぞれ作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 治山事業前期五箇年計画及び治山事業後期五箇年計画(以下「治山事業十箇年計画」と総称する。)又は治水事業前期五箇年計画及び治水事業後期五箇年計画(以下「治水事業十箇年計画」と総称する。)には、治山事業又は治水事業につき、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
一 前期及び後期の各五箇年間に行なうべき事業の実施の目標
二 前期及び後期の各五箇年間に行なうべき事業の量
3 農林大臣及び建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、治山治水事業の総合性を確保するため、あらかじめ相互に調整を図らなければならない。
4 農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならない。
5 農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画を都道府県知事に通知しなければならない。
6 前五項の規定は、治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画を変更しようとする場合に準用する。
(治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画の実施)
第四条 政府は、治山事業十箇年計画及び治水事業十箇年計画を実施するため必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
大蔵大臣 佐藤栄作
農林大臣 福田赳夫
建設大臣 村上勇
内閣総理大臣 岸信介