特定多目的ダム法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第54号
公布年月日: 昭和47年6月6日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

特定多目的ダムの建設を治水上及び利水上の観点から早期に進める必要があるが、ダムの使用権の設定予定者が特別な事情により未確定の段階であっても、その使用者が負担すべき分を財政投融資資金から借り入れて工事を先行して実施できるようにすることを目的とする改正である。

参照した発言:
第68回国会 参議院 建設委員会 第3号

審議経過

第68回国会

参議院
(昭和47年3月7日)
衆議院
(昭和47年3月8日)
(昭和47年4月21日)
(昭和47年4月26日)
(昭和47年5月9日)
(昭和47年5月9日)
参議院
(昭和47年5月11日)
(昭和47年5月18日)
(昭和47年5月23日)
(昭和47年5月25日)
(昭和47年5月30日)
(昭和47年5月31日)
(昭和47年6月16日)
特定多目的ダム法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月六日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第五十四号
特定多目的ダム法の一部を改正する法律
特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第四条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 次の各号に掲げる要件に該当する多目的ダムに関する基本計画の作成又は変更の際、発電の用以外の特定用途の全部又は一部についてダム使用権の設定予定者を定めることができない特別の事情があり、かつ、当該基本計画の作成後政令で定める期間内にこれを定めることができる見込みが十分であるときは、当該特定用途に係る前項各号に掲げる事項については、その際定めることができる限度において基本計画に定めれば足りる。この場合においては、建設大臣は、当該ダム使用権の設定予定者を定めることができることとなつた後、遅滞なく、当該基本計画を変更して、必要な事項を定めなければならない。
一 当該多目的ダムにより、洪水等による災害の発生を防止し若しくは軽減し、又は流水の正常な機能を維持し若しくは増進する緊急の必要があること。
二 発電の用以外の特定用途に係る水の需要が十分にあり、かつ、当該多目的ダムによりその供給を確保する緊急の必要があること。
第七条第一項中「費用の額」の下に「並びに多目的ダムの建設に要する費用の財源の一部に借入金が充てられる場合においては、支払うべき利息の額」を加える。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(治水特別会計法の一部改正)
2 治水特別会計法(昭和三十五年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項第五号中「第九条」の下に「第一項」を加える。
第五条第一項中第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
四 第十五条の二第一項の規定による借入金
第五条第二項第三号中「第九条」の下に「第一項」を加え、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。
四 第十五条の二第一項の規定による借入金の償還金及び利子
第九条の見出しを「(他会計への繰入れ)」に改め、同条に次の一項を加える。
2 第十五条の二第一項の規定による借入金の償還金及び利子の額に相当する金額は、工事別等の区分に従つて、特定多目的ダム建設工事勘定から国債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。
第十条第二項第一号中「並びに前年度及び当該年度の事業計画表」を「、借入金の借入れ及び償還実績表並びに特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金(第十五条の二第一項の規定による借入金の償還金及び利子の財源に充てられるものに限る。次号及び第十六条第二項において同じ。)に係る債権の発生及び回収実績表」に改め、同項第二号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 前年度及び当該年度の事業計画表、借入金の借入れ及び償還計画表並びに特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金に係る債権の発生予定及び回収計画表
第十条第三項ただし書中「当該年度の事業計画表」を「同項第二号の書類で当該年度に係るもの」に改める。
第十五条の次に次の三条を加える。
(借入金)
第十五条の二 特定多目的ダム建設工事勘定において、多目的ダム建設工事に要する費用のうち、特定多目的ダム法第四条第三項後段の規定により多目的ダムの建設に関する基本計画を変更して定められるダム使用権の設定予定者が負担すべき負担金(政令で定める期間における多目的ダム建設工事に要する費用に係る部分に限る。)の額に相当する費用の財源に充てるため必要があるときは、政令で定めるところにより、特定多目的ダム建設工事勘定の負担において、工事別等の区分により借入金をすることができる。
2 前項の規定による借入金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。
3 特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金で、第一項の規定による借入金に対応するものは、当該借入金の償還金及び利子の財源に充てなければならない。
(借入限度の繰越し)
第十五条の三 特定多目的ダム建設工事勘定において、借入金の借入れについて国会の議決を経た金額のうち、当該年度において借入れをしなかつた金額があるときは、当該金額を限度として、かつ、歳出予算の繰越額の財源として必要な金額の範囲内で、翌年度において、前条第一項の規定による借入金をすることができる。
(借入金の借入れ及び償還の事務)
第十五条の四 第十五条の二第一項の規定による借入金の借入れ及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行なう。
第十六条第二項中第二号を第四号とし、第一号の次に次の二号を加える。
二 借入金の借入れ及び償還実績表
三 特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金に係る債権の発生及び回収実績表
(治水特別会計法の一部改正に伴う経過措置)
3 前項の規定による改正後の治水特別会計法の規定は、昭和四十七年度の予算から適用し、昭和四十六年度以前の年度の決算については、なお従前の例による。ただし、前項の規定による改正後の治水特別会計法第十条第二項又は第十三条第二項の規定により治水特別会計の歳入歳出予定計算書等又は予算に添附すべき前前年度の借入金の借入れ及び償還実績表並びに特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金に係る債権の発生及び回収実績表、又は前年度の借入金の借入れ及び償還計画表並びに特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金に係る債権の発生予定及び回収計画表は、昭和四十七年度分(前前年度の借入金の借入れ及び償還実績表並びに特定多目的ダム法第七条第一項の規定による負担金に係る債権の発生及び回収実績表については、昭和四十八年度分を含む。)に限り、これらの規定にかかわらず、その添附を要しないものとする。
(水資源開発公団法の一部改正)
4 水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。
第二十条の二第三項中「関する」の下に「治水特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定又は」を加える。
内閣総理大臣 佐藤栄作
大蔵大臣 水田三喜男
建設大臣 西村英一