朝鮮総督府税関官制
法令番号: 勅令第三百六十二號
公布年月日: 明治43年9月30日
法令の形式: 勅令
朕朝鮮總督府稅關官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十九日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
勅令第三百六十二號
朝鮮總督府稅關官制
第一條 朝鮮總督府稅關ハ朝鮮總督ノ管理ニ屬シ左ノ事項ヲ掌ル
一 關稅、噸稅、移出入稅、船稅及稅關諸收入ニ關スル事項
二 保稅倉庫其ノ他ノ倉庫ニ關スル事項
三 船舶及貨物ノ取締ニ關スル事項
四 關稅、噸稅、移出入稅、船稅等ニ關スル犯則處分ニ關スル事項
五 關稅通路ノ取締ニ關スル事項
六 密漁船ノ取締ニ關スル事項
七 開港檢疫ニ關スル事項
八 開港ノ港則ニ關スル事項
九 船舶檢査ニ關スル事項
第二條 左ノ四港ニ稅關ヲ置ク
京畿道 仁川
慶尙南道 釜山
咸鏡南道 元山
平安南道 鎭南浦
第三條 稅關ヲ通シテ左ノ職員ヲ置ク
稅關長 四人 奏任
事務官 專任三人 奏任
監視官 專任一人 奏任
鑑定官 專任二人 奏任
港務官 專任一人 奏任
技師 專任四人 奏任
港務醫官 專任一人 奏任
書記
監視
鑑定官補
港吏
港務醫官補
技手
監吏
專任二百四十一人 判任
第四條 稅關長ハ朝鮮總督ノ指揮監督ヲ承ケ稅關ニ關スル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第五條 事務官ハ稅關長ノ命ヲ承ケ稅關ノ事務ヲ掌ル
第六條 監視官ハ上官ノ命ヲ承ケ警察及犯則處分ニ關スル事務ヲ掌ル
第七條 鑑定官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ檢査鑑定ニ關スル事務ヲ掌ル
第八條 港務官ハ上官ノ命ヲ承ケ港則ノ執行及開港檢疫ニ關スル事務ヲ掌ル
第九條 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十條 港務醫官ハ上官ノ命ヲ承ケ醫務ヲ掌ル
第十一條 書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
監視ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則處分ニ關スル事務ニ從事ス
鑑定官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ檢査鑑定ニ從事ス
港吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ港則ノ執行及開港檢疫ニ從事ス
港務醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ醫務ニ從事ス
技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
監吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則處分ニ關スル事務ニ從事ス
第十二條 稅關ノ管轄區域ハ朝鮮總督之ヲ定ム
朝鮮總督ハ稅關ノ管轄區域內ニ於テ必要ト認ムル地ニ稅關支署又ハ稅關監視署ヲ置クコトヲ得
稅關支署又ハ稅關監視署ノ位置及管轄區域ハ朝鮮總督之ヲ定ム
第十三條 稅關支署ニ支署長ヲ置ク事務官又ハ書記ヲ以テ之ニ充ツ
稅關支署長ハ稅關長ノ命ヲ承ケ其ノ管轄區域內ニ於ケル稅關事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第十四條 稅關監視署ニ署長ヲ置ク監視又ハ監吏ヲ以テ之ニ充ツ
稅關監視署長ハ稅關長又ハ稅關支署長ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則處分ニ關スル事務ヲ掌理ス
第十五條 朝鮮總督ハ必要ト認ムル地ニ稅關出張所ヲ置キ稅關事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第十三條ノ規定ハ稅關出張所ニ之ヲ準用ス
第十六條 移出牛檢疫ノ事務ヲ掌ラシムル爲釜山稅關ニ移出牛檢疫所ヲ附置ス
移出牛檢疫所ニ左ノ職員ヲ置ク
所長
檢疫官 專任一人 奏任
書記
檢疫官補
專任三人 判任
第十七條 所長ハ稅關長ヲ以テ之ニ充ツ朝鮮總督ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
檢疫官ハ所長ノ命ヲ承ケ檢疫ヲ掌ル
書記及檢疫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務及檢疫ニ從事ス
附 則
本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕朝鮮総督府税関官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十九日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
勅令第三百六十二号
朝鮮総督府税関官制
第一条 朝鮮総督府税関ハ朝鮮総督ノ管理ニ属シ左ノ事項ヲ掌ル
一 関税、噸税、移出入税、船税及税関諸収入ニ関スル事項
二 保税倉庫其ノ他ノ倉庫ニ関スル事項
三 船舶及貨物ノ取締ニ関スル事項
四 関税、噸税、移出入税、船税等ニ関スル犯則処分ニ関スル事項
五 関税通路ノ取締ニ関スル事項
六 密漁船ノ取締ニ関スル事項
七 開港検疫ニ関スル事項
八 開港ノ港則ニ関スル事項
九 船舶検査ニ関スル事項
第二条 左ノ四港ニ税関ヲ置ク
京畿道 仁川
慶尚南道 釜山
咸鏡南道 元山
平安南道 鎮南浦
第三条 税関ヲ通シテ左ノ職員ヲ置ク
税関長 四人 奏任
事務官 専任三人 奏任
監視官 専任一人 奏任
鑑定官 専任二人 奏任
港務官 専任一人 奏任
技師 専任四人 奏任
港務医官 専任一人 奏任
書記
監視
鑑定官補
港吏
港務医官補
技手
監吏
専任二百四十一人 判任
第四条 税関長ハ朝鮮総督ノ指揮監督ヲ承ケ税関ニ関スル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第五条 事務官ハ税関長ノ命ヲ承ケ税関ノ事務ヲ掌ル
第六条 監視官ハ上官ノ命ヲ承ケ警察及犯則処分ニ関スル事務ヲ掌ル
第七条 鑑定官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ検査鑑定ニ関スル事務ヲ掌ル
第八条 港務官ハ上官ノ命ヲ承ケ港則ノ執行及開港検疫ニ関スル事務ヲ掌ル
第九条 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第十条 港務医官ハ上官ノ命ヲ承ケ医務ヲ掌ル
第十一条 書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
監視ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則処分ニ関スル事務ニ従事ス
鑑定官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ検査鑑定ニ従事ス
港吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ港則ノ執行及開港検疫ニ従事ス
港務医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ医務ニ従事ス
技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
監吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則処分ニ関スル事務ニ従事ス
第十二条 税関ノ管轄区域ハ朝鮮総督之ヲ定ム
朝鮮総督ハ税関ノ管轄区域内ニ於テ必要ト認ムル地ニ税関支署又ハ税関監視署ヲ置クコトヲ得
税関支署又ハ税関監視署ノ位置及管轄区域ハ朝鮮総督之ヲ定ム
第十三条 税関支署ニ支署長ヲ置ク事務官又ハ書記ヲ以テ之ニ充ツ
税関支署長ハ税関長ノ命ヲ承ケ其ノ管轄区域内ニ於ケル税関事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第十四条 税関監視署ニ署長ヲ置ク監視又ハ監吏ヲ以テ之ニ充ツ
税関監視署長ハ税関長又ハ税関支署長ノ指揮ヲ承ケ警察及犯則処分ニ関スル事務ヲ掌理ス
第十五条 朝鮮総督ハ必要ト認ムル地ニ税関出張所ヲ置キ税関事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第十三条ノ規定ハ税関出張所ニ之ヲ準用ス
第十六条 移出牛検疫ノ事務ヲ掌ラシムル為釜山税関ニ移出牛検疫所ヲ附置ス
移出牛検疫所ニ左ノ職員ヲ置ク
所長
検疫官 専任一人 奏任
書記
検疫官補
専任三人 判任
第十七条 所長ハ税関長ヲ以テ之ニ充ツ朝鮮総督ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
検疫官ハ所長ノ命ヲ承ケ検疫ヲ掌ル
書記及検疫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務及検疫ニ従事ス
附 則
本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス