運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十七号
公布年月日: 平成12年4月26日
法令の形式: 法律
運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十二年四月二十六日
内閣総理大臣 森喜朗
法律第四十七号
運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十四条」を「第二十四条の三」に改める。
第二条中第十二号を第十三号とし、第十一号の次に次の一号を加える。
十二 高度船舶技術 船舶、船舶用機関及び船舶用品(以下「船舶等」という。)の製造及び修繕に関する技術であって、それらの性能又は品質の著しい向上に資するものその他の造船に関する事業における技術の高度化に相当程度寄与するものをいう。
第五条第二項に後段として次のように加える。
この場合において、政府は、当該出資した金額の全部又は一部が第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものであるときは、その金額を示すものとする。
第十三条第四号中「海洋汚染防止設備の製造若しくは修繕」を「船舶用品の製造、修繕若しくは貸付け」に改める。
第二十条第一項中第十一号を第十七号とし、第十号を第十六号とし、第九号の次に次の六号を加える。
十 民間において行われる高度船舶技術に関する試験研究に必要な資金(以下この項において「試験研究資金」という。)に充てるための助成金を交付すること。
十一 国土交通大臣の定める金融機関からの試験研究資金の借入れに係る利子の支払に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。
十二 試験研究資金又は高度船舶技術を用いた船舶等の製造に必要な資金の借入れに係る債務の保証を行うこと。
十三 政府以外の者の委託を受けて、高度船舶技術に関する試験研究を行うこと。
十四 高度船舶技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
十五 高度船舶技術に関し調査すること。
第二十三条中「第二十条第一項第十号」を「第二十条第一項第十六号」に改め、同条に次の三項を加える。
2 事業団は、国土交通大臣の認可を受けて、第二十条第一項第十二号に掲げる業務(債務の保証の決定を除く。)の一部を金融機関に委託することができる。
3 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
4 第二項の規定により業務の委託を受けた金融機関(第三十九条第一項及び第四十四条において「受託金融機関」という。)の役員又は職員で、当該委託業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章中第二十四条の次に次の二条を加える。
(試験研究実施者等の納付金)
第二十四条の二 事業団は、業務方法書で定めるところにより、第二十条第一項第十号の助成金の交付を受けて高度船舶技術に関する試験研究を行った者又はその承継人(以下この条において「試験研究実施者等」という。)から、当該高度船舶技術の利用により試験研究実施者等が得た収入又は利益の一部を同号に掲げる業務に要する経費に充てるための納付金として徴収することができる。
(信用基金)
第二十四条の三 事業団は、第二十条第一項第十二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関する信用基金を設け、第五条第二項後段の規定により政府が示した金額をもってこれに充てるものとする。
2 前項の信用基金は、国土交通省令で定めるところにより、毎事業年度の損益計算上利益又は損失を生じたときは、その利益又は損失の額により増加又は減少するものとする。
第二十八条第三号中「前二号」を「前三号」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加える。
三 第二十条第一項第十号から第十五号までの業務及びこれらに附帯する業務
第三十条第一項第一号中「第十号までの業務及び」を「第九号まで及び第十二号から第十六号までの業務並びに」に改める。
第三十三条の次に次の一条を加える。
(補助金)
第三十三条の二 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、第二十条第一項第十号の業務に要する経費の一部を補助することができる。
第三十六条第二項中「規定は、」の下に「第二十条第一項第十号の規定により事業団が交付する助成金及び」を加える。
第三十九条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、受託金融機関に対し、その委託を受けた業務に関し報告をさせ、又はその職員に、受託金融機関の事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
第四十二条の見出しを「(協議)」に改め、同条第一項第一号中「第八項」の下に「、第二十三条第二項」を加え、同項中第六号を第七号とし、第二号から第五号までを一号ずつ繰り下げ、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 第二十条第一項第十一号の規定により金融機関を定めようとするとき。
第四十二条に次の一項を加える。
2 国土交通大臣は、第二十四条第一項の認可(第二十条第一項第十号から第十五号までに掲げる業務(高度船舶技術を用いた船舶等の製造に必要な資金の借入れに係る債務の保証に係るものを除く。)及びこれらに附帯する業務(以下この項において「試験研究促進業務」という。)に係る部分に限る。)又は第二十六条の認可(試験研究促進業務に係る事業計画の部分に限る。)をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
第四十四条中「第三十九条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、「同項」を「同条第一項若しくは第二項」に改め、「事業団」の下に「又は受託金融機関」を加える。
附則第十四条第二項第二号中「前号」を「前二号」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律(平成十二年法律第四十七号。第五項において「一部改正法」という。)附則第八条の規定による廃止前の造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号。第五項において「旧協会法」という。)第二十九条第一項第二号から第四号までに掲げる業務を行うこと。
附則第十四条第四項を次のように改める。
4 前三項の規定によりこれらの規定に規定する業務が行われる場合には、第二十八条第一号中「並びに同条第二項の業務」とあるのは「、同条第二項の業務並びに附則第十四条第一項及び第三項の業務」と、同条第二号中「これらに附帯する業務」とあるのは「附則第十四条第二項第一号の業務並びにこれらに附帯する業務」と、同条第三号中「これらに附帯する業務」とあるのは「附則第十四条第二項第二号の業務並びにこれらに附帯する業務」と、第三十条第一項第一号中「同条第三項の業務」とあるのは「同条第三項の業務並びに附則第十四条第二項の業務」と、第三十三条の二中「第二十条第一項第十号」とあるのは「第二十条第一項第十号及び附則第十四条第二項第二号」と、第三十六条第二項中「第二十条第二項第一号から第四号まで」とあるのは「第二十条第二項第一号から第四号まで又は附則第十四条第一項第一号」と、第四十二条第一項第一号中「又は第三十四条第二項若しくは第三項」とあるのは「、第三十四条第二項若しくは第三項又は附則第十四条第五項の規定によりなおその効力を有するものとされる運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律(平成十二年法律第四十七号)附則第八条の規定による廃止前の造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)第三十条第一項」と、第四十五条第三号中「第二十条第一項から第三項まで」とあるのは「第二十条第一項から第三項まで及び附則第十四条第一項から第三項まで」とする。
附則第十四条に次の一項を加える。
5 第二項の規定により事業団が行う同項第二号の業務については、旧協会法第三十条、第三十三条から第三十五条まで、第五十三条及び第五十四条の規定は、一部改正法の施行後も、なおその効力を有する。この場合において、旧協会法第三十条第一項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、「前条第一項第一号から第四号まで」とあるのは「前条第一項第二号から第四号まで」と、同条第二項中「前条第一項第一号から第四号まで」とあるのは「前条第一項第二号から第四号まで」と、旧協会法第三十三条第一項及び第二項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、「第二十九条第一項第一号から第三号まで」とあるのは「第二十九条第一項第二号及び第三号」と、旧協会法第三十四条第一項から第三項までの規定及び第五項並びに第三十五条第一項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年三月一日から施行する。ただし、次条の規定は公布の日から施行する。
(持分の払戻し)
第二条 造船業基盤整備事業協会(以下「協会」という。)に出資した政府及び日本政策投資銀行以外の者は、協会に対し、平成十三年一月十日から同月三十一日までの間に限り、その持分の全部又は一部の払戻しを請求することができる。
2 協会は、前項の規定による請求があったときは、造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号。次条第六項及び附則第九条において「協会法」という。)第六条第一項の規定にかかわらず、協会の解散の日の前日までに、当該請求をした者に対し、当該請求があった持分の全部又は一部に係る出資額に相当する金額により持分の払戻しをしなければならない。この場合において、協会は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
(協会の解散等)
第三条 協会は、この法律の施行の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において運輸施設整備事業団(以下「事業団」という。)が承継する。
2 協会の平成十二年四月一日に始まる事業年度は、協会の解散の日の前日に終わるものとする。
3 協会の平成十二年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
4 第一項の規定により事業団が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における協会に対する政府及び日本政策投資銀行の出資金に相当する金額は、その承継に際し政府及び日本政策投資銀行から事業団にこの法律による改正後の運輸施設整備事業団法(以下「新法」という。)第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものとして出資されたものとする。この場合において、事業団は、その額により資本金を増加するものとする。
5 第一項の規定により事業団が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における協会に出資した政府及び日本政策投資銀行以外の者の持分は、この法律の施行の時において、当該持分に係る出資額に相当する金額により払い戻されたものとし、その払い戻されたものとされた金額に相当する金額が、この法律の施行の時において、当該政府及び日本政策投資銀行以外の者から事業団に新法第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものとして拠出されたものとする。
6 協会の解散については、協会法第四十九条第一項の規定による残余財産の分配は、行わない。
7 第一項の規定により協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第四条 新法第二十四条の三第一項の信用基金(前条第四項の規定により日本政策投資銀行から出資があったものとされた金額に係る部分に限る。)の運用によって生じた利子は、新法第二十条第一項第十一号及び第十二号に規定する業務並びにこれらに附帯する業務以外の業務に要する経費に充てることができないものとする。
第五条 事業団は、新法第二十六条又は第二十七条第一項の規定による認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る事業計画、予算及び資金計画に関する書類又は財務諸表を日本政策投資銀行に送付しなければならない。
(拠出金の返還)
第六条 事業団は、附則第三条第五項の規定により拠出があったものとされた金額(以下この条において「拠出金」という。)について、新法第二十条第一項第十二号に規定する業務及びこれに附帯する業務の実施の状況、新法第二十四条の三第一項の信用基金の状況等を勘案して、当該業務に支障がないと認めるときは、国土交通大臣の認可を受けて、これを当該拠出金を拠出したものとされた者に対し、その拠出金の額を限度として返還することができる。
2 前項の規定により拠出金の返還がなされたときは、信用基金は、その返還した金額により減少するものとする。
(役員に関する特例)
第七条 事業団に、役員として、新法第九条に定めるもののほか、当分の間、理事一人を置くことができる。この場合において、その理事の任期は、新法第十二条第一項の規定にかかわらず、一年とすることができる。
(造船業基盤整備事業協会法の廃止)
第八条 造船業基盤整備事業協会法は、廃止する。
(造船業基盤整備事業協会法の廃止に伴う経過措置)
第九条 前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の協会法(第二十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、新法の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律の一部改正)
第十条 外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号。次条において「不当廉価建造契約防止法」という。)の一部を次のように改正する。
第四条の見出し中「造船業基盤整備事業協会」を「運輸施設整備事業団」に改め、同条第一項中「造船業基盤整備事業協会(次項において「協会」という。)」を「運輸施設整備事業団(次項において「事業団」という。)」に改め、同条第二項中「協会」を「事業団」に改める。
附則第二条を次のように改める。
(運輸施設整備事業団法の一部改正)
第二条 運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
第一条に次の一項を加える。
2 運輸施設整備事業団は、前項に規定するもののほか、外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号)に基づき、不当廉価建造契約に関する調査等の業務を行うことを目的とする。
第二十条第一項及び第二項中「第一条」を「第一条第一項」に改め、同条中第九項を第十項とし、第六項から第八項までを一項ずつ繰り下げ、同条第五項第二号中「第七項」を「第八項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 事業団は、第一条第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号。次号において「不当廉価建造契約防止法」という。)第四条第一項の規定による調査を行うこと。
二 外国船舶製造事業者(不当廉価建造契約防止法第二条第二項に規定する外国船舶製造事業者をいう。)が締結した建造契約に関する情報その他の外国船舶製造事業者に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
第三十条第一項第一号中「同条第三項」を「同条第四項」に改める。
第四十二条第一項第一号中「第二十条第三項若しくは第八項」を「第二十条第四項若しくは第九項」に改め、同項第三号中「第二十条第七項第四号」を「第二十条第八項第四号」に改める。
第四十五条第三号中「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改める。
附則第十条第二項中「同条第三項」を「同条第四項」に改める。
附則第十四条第一項から第三項までの規定中「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改め、同条第四項中「同条第三項」を「同条第四項」に、「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改める。
(不当廉価建造契約防止法の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 前条の規定の施行の日において不当廉価建造契約防止法がすでに施行されている場合にあっては、同条の規定による改正前の不当廉価建造契約防止法第四条第一項の規定による調査に従事する協会の役員又は職員であった者に係るその調査に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、前条の規定の施行後も、なお従前の例による。
2 前項の規定により従前の例によることとされる事項に係る前条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「、造船業基盤整備事業協会」を削る。
附則第十一条中第十七項を削り、第十八項を第十七項とし、第十九項から第二十八項までを一項ずつ繰り上げる。
附則第三十一条の三第五項を削り、同条第六項中「第四項」を「前項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第七項を同条第六項とし、同条第八項から第十項までを一項ずつ繰り上げる。
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
第十四条 平成十三年三月一日前にされた前条の規定による改正前の地方税法(次項において「旧地方税法」という。)附則第十一条第十七項に規定する土地の取得に対して課する不動産取得税については、なお従前の例による。
2 旧地方税法附則第三十一条の三第五項に規定する土地に係る平成十三年度分までの特別土地保有税及び平成十三年三月一日前にされた同項に規定する土地の取得に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。
(租税特別措置法の一部改正)
第十五条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第八十条第三項を削る。
(所得税法の一部改正)
第十六条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(法人税法の一部改正)
第十七条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(消費税法の一部改正)
第十八条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(国土交通省設置法の一部改正)
第十九条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第十四条第一項第三号中「、造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)」を削る。
附則第八条を附則第九条とし、附則第七条の次に次の一条を加える。
(交通政策審議会の所掌事務の特例)
第八条 交通政策審議会は、第十四条第一項各号に掲げる事務をつかさどるほか、当分の間、運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)附則第十四条第五項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
内閣総理大臣 森喜朗
大蔵大臣 宮澤喜一
通商産業大臣 深谷隆司
運輸大臣 二階俊博
自治大臣 保利耕輔
運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十二年四月二十六日
内閣総理大臣 森喜朗
法律第四十七号
運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十四条」を「第二十四条の三」に改める。
第二条中第十二号を第十三号とし、第十一号の次に次の一号を加える。
十二 高度船舶技術 船舶、船舶用機関及び船舶用品(以下「船舶等」という。)の製造及び修繕に関する技術であって、それらの性能又は品質の著しい向上に資するものその他の造船に関する事業における技術の高度化に相当程度寄与するものをいう。
第五条第二項に後段として次のように加える。
この場合において、政府は、当該出資した金額の全部又は一部が第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものであるときは、その金額を示すものとする。
第十三条第四号中「海洋汚染防止設備の製造若しくは修繕」を「船舶用品の製造、修繕若しくは貸付け」に改める。
第二十条第一項中第十一号を第十七号とし、第十号を第十六号とし、第九号の次に次の六号を加える。
十 民間において行われる高度船舶技術に関する試験研究に必要な資金(以下この項において「試験研究資金」という。)に充てるための助成金を交付すること。
十一 国土交通大臣の定める金融機関からの試験研究資金の借入れに係る利子の支払に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。
十二 試験研究資金又は高度船舶技術を用いた船舶等の製造に必要な資金の借入れに係る債務の保証を行うこと。
十三 政府以外の者の委託を受けて、高度船舶技術に関する試験研究を行うこと。
十四 高度船舶技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
十五 高度船舶技術に関し調査すること。
第二十三条中「第二十条第一項第十号」を「第二十条第一項第十六号」に改め、同条に次の三項を加える。
2 事業団は、国土交通大臣の認可を受けて、第二十条第一項第十二号に掲げる業務(債務の保証の決定を除く。)の一部を金融機関に委託することができる。
3 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
4 第二項の規定により業務の委託を受けた金融機関(第三十九条第一項及び第四十四条において「受託金融機関」という。)の役員又は職員で、当該委託業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章中第二十四条の次に次の二条を加える。
(試験研究実施者等の納付金)
第二十四条の二 事業団は、業務方法書で定めるところにより、第二十条第一項第十号の助成金の交付を受けて高度船舶技術に関する試験研究を行った者又はその承継人(以下この条において「試験研究実施者等」という。)から、当該高度船舶技術の利用により試験研究実施者等が得た収入又は利益の一部を同号に掲げる業務に要する経費に充てるための納付金として徴収することができる。
(信用基金)
第二十四条の三 事業団は、第二十条第一項第十二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関する信用基金を設け、第五条第二項後段の規定により政府が示した金額をもってこれに充てるものとする。
2 前項の信用基金は、国土交通省令で定めるところにより、毎事業年度の損益計算上利益又は損失を生じたときは、その利益又は損失の額により増加又は減少するものとする。
第二十八条第三号中「前二号」を「前三号」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加える。
三 第二十条第一項第十号から第十五号までの業務及びこれらに附帯する業務
第三十条第一項第一号中「第十号までの業務及び」を「第九号まで及び第十二号から第十六号までの業務並びに」に改める。
第三十三条の次に次の一条を加える。
(補助金)
第三十三条の二 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、第二十条第一項第十号の業務に要する経費の一部を補助することができる。
第三十六条第二項中「規定は、」の下に「第二十条第一項第十号の規定により事業団が交付する助成金及び」を加える。
第三十九条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、受託金融機関に対し、その委託を受けた業務に関し報告をさせ、又はその職員に、受託金融機関の事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
第四十二条の見出しを「(協議)」に改め、同条第一項第一号中「第八項」の下に「、第二十三条第二項」を加え、同項中第六号を第七号とし、第二号から第五号までを一号ずつ繰り下げ、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 第二十条第一項第十一号の規定により金融機関を定めようとするとき。
第四十二条に次の一項を加える。
2 国土交通大臣は、第二十四条第一項の認可(第二十条第一項第十号から第十五号までに掲げる業務(高度船舶技術を用いた船舶等の製造に必要な資金の借入れに係る債務の保証に係るものを除く。)及びこれらに附帯する業務(以下この項において「試験研究促進業務」という。)に係る部分に限る。)又は第二十六条の認可(試験研究促進業務に係る事業計画の部分に限る。)をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
第四十四条中「第三十九条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、「同項」を「同条第一項若しくは第二項」に改め、「事業団」の下に「又は受託金融機関」を加える。
附則第十四条第二項第二号中「前号」を「前二号」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律(平成十二年法律第四十七号。第五項において「一部改正法」という。)附則第八条の規定による廃止前の造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号。第五項において「旧協会法」という。)第二十九条第一項第二号から第四号までに掲げる業務を行うこと。
附則第十四条第四項を次のように改める。
4 前三項の規定によりこれらの規定に規定する業務が行われる場合には、第二十八条第一号中「並びに同条第二項の業務」とあるのは「、同条第二項の業務並びに附則第十四条第一項及び第三項の業務」と、同条第二号中「これらに附帯する業務」とあるのは「附則第十四条第二項第一号の業務並びにこれらに附帯する業務」と、同条第三号中「これらに附帯する業務」とあるのは「附則第十四条第二項第二号の業務並びにこれらに附帯する業務」と、第三十条第一項第一号中「同条第三項の業務」とあるのは「同条第三項の業務並びに附則第十四条第二項の業務」と、第三十三条の二中「第二十条第一項第十号」とあるのは「第二十条第一項第十号及び附則第十四条第二項第二号」と、第三十六条第二項中「第二十条第二項第一号から第四号まで」とあるのは「第二十条第二項第一号から第四号まで又は附則第十四条第一項第一号」と、第四十二条第一項第一号中「又は第三十四条第二項若しくは第三項」とあるのは「、第三十四条第二項若しくは第三項又は附則第十四条第五項の規定によりなおその効力を有するものとされる運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律(平成十二年法律第四十七号)附則第八条の規定による廃止前の造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)第三十条第一項」と、第四十五条第三号中「第二十条第一項から第三項まで」とあるのは「第二十条第一項から第三項まで及び附則第十四条第一項から第三項まで」とする。
附則第十四条に次の一項を加える。
5 第二項の規定により事業団が行う同項第二号の業務については、旧協会法第三十条、第三十三条から第三十五条まで、第五十三条及び第五十四条の規定は、一部改正法の施行後も、なおその効力を有する。この場合において、旧協会法第三十条第一項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、「前条第一項第一号から第四号まで」とあるのは「前条第一項第二号から第四号まで」と、同条第二項中「前条第一項第一号から第四号まで」とあるのは「前条第一項第二号から第四号まで」と、旧協会法第三十三条第一項及び第二項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、「第二十九条第一項第一号から第三号まで」とあるのは「第二十九条第一項第二号及び第三号」と、旧協会法第三十四条第一項から第三項までの規定及び第五項並びに第三十五条第一項中「協会」とあるのは「運輸施設整備事業団」とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年三月一日から施行する。ただし、次条の規定は公布の日から施行する。
(持分の払戻し)
第二条 造船業基盤整備事業協会(以下「協会」という。)に出資した政府及び日本政策投資銀行以外の者は、協会に対し、平成十三年一月十日から同月三十一日までの間に限り、その持分の全部又は一部の払戻しを請求することができる。
2 協会は、前項の規定による請求があったときは、造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号。次条第六項及び附則第九条において「協会法」という。)第六条第一項の規定にかかわらず、協会の解散の日の前日までに、当該請求をした者に対し、当該請求があった持分の全部又は一部に係る出資額に相当する金額により持分の払戻しをしなければならない。この場合において、協会は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
(協会の解散等)
第三条 協会は、この法律の施行の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において運輸施設整備事業団(以下「事業団」という。)が承継する。
2 協会の平成十二年四月一日に始まる事業年度は、協会の解散の日の前日に終わるものとする。
3 協会の平成十二年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
4 第一項の規定により事業団が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における協会に対する政府及び日本政策投資銀行の出資金に相当する金額は、その承継に際し政府及び日本政策投資銀行から事業団にこの法律による改正後の運輸施設整備事業団法(以下「新法」という。)第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものとして出資されたものとする。この場合において、事業団は、その額により資本金を増加するものとする。
5 第一項の規定により事業団が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における協会に出資した政府及び日本政策投資銀行以外の者の持分は、この法律の施行の時において、当該持分に係る出資額に相当する金額により払い戻されたものとし、その払い戻されたものとされた金額に相当する金額が、この法律の施行の時において、当該政府及び日本政策投資銀行以外の者から事業団に新法第二十四条の三第一項の信用基金に充てるべきものとして拠出されたものとする。
6 協会の解散については、協会法第四十九条第一項の規定による残余財産の分配は、行わない。
7 第一項の規定により協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第四条 新法第二十四条の三第一項の信用基金(前条第四項の規定により日本政策投資銀行から出資があったものとされた金額に係る部分に限る。)の運用によって生じた利子は、新法第二十条第一項第十一号及び第十二号に規定する業務並びにこれらに附帯する業務以外の業務に要する経費に充てることができないものとする。
第五条 事業団は、新法第二十六条又は第二十七条第一項の規定による認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る事業計画、予算及び資金計画に関する書類又は財務諸表を日本政策投資銀行に送付しなければならない。
(拠出金の返還)
第六条 事業団は、附則第三条第五項の規定により拠出があったものとされた金額(以下この条において「拠出金」という。)について、新法第二十条第一項第十二号に規定する業務及びこれに附帯する業務の実施の状況、新法第二十四条の三第一項の信用基金の状況等を勘案して、当該業務に支障がないと認めるときは、国土交通大臣の認可を受けて、これを当該拠出金を拠出したものとされた者に対し、その拠出金の額を限度として返還することができる。
2 前項の規定により拠出金の返還がなされたときは、信用基金は、その返還した金額により減少するものとする。
(役員に関する特例)
第七条 事業団に、役員として、新法第九条に定めるもののほか、当分の間、理事一人を置くことができる。この場合において、その理事の任期は、新法第十二条第一項の規定にかかわらず、一年とすることができる。
(造船業基盤整備事業協会法の廃止)
第八条 造船業基盤整備事業協会法は、廃止する。
(造船業基盤整備事業協会法の廃止に伴う経過措置)
第九条 前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の協会法(第二十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、新法の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律の一部改正)
第十条 外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号。次条において「不当廉価建造契約防止法」という。)の一部を次のように改正する。
第四条の見出し中「造船業基盤整備事業協会」を「運輸施設整備事業団」に改め、同条第一項中「造船業基盤整備事業協会(次項において「協会」という。)」を「運輸施設整備事業団(次項において「事業団」という。)」に改め、同条第二項中「協会」を「事業団」に改める。
附則第二条を次のように改める。
(運輸施設整備事業団法の一部改正)
第二条 運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
第一条に次の一項を加える。
2 運輸施設整備事業団は、前項に規定するもののほか、外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号)に基づき、不当廉価建造契約に関する調査等の業務を行うことを目的とする。
第二十条第一項及び第二項中「第一条」を「第一条第一項」に改め、同条中第九項を第十項とし、第六項から第八項までを一項ずつ繰り下げ、同条第五項第二号中「第七項」を「第八項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 事業団は、第一条第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律(平成八年法律第七十一号。次号において「不当廉価建造契約防止法」という。)第四条第一項の規定による調査を行うこと。
二 外国船舶製造事業者(不当廉価建造契約防止法第二条第二項に規定する外国船舶製造事業者をいう。)が締結した建造契約に関する情報その他の外国船舶製造事業者に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
第三十条第一項第一号中「同条第三項」を「同条第四項」に改める。
第四十二条第一項第一号中「第二十条第三項若しくは第八項」を「第二十条第四項若しくは第九項」に改め、同項第三号中「第二十条第七項第四号」を「第二十条第八項第四号」に改める。
第四十五条第三号中「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改める。
附則第十条第二項中「同条第三項」を「同条第四項」に改める。
附則第十四条第一項から第三項までの規定中「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改め、同条第四項中「同条第三項」を「同条第四項」に、「第二十条第一項から第三項まで」を「第二十条第一項から第四項まで」に改める。
(不当廉価建造契約防止法の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 前条の規定の施行の日において不当廉価建造契約防止法がすでに施行されている場合にあっては、同条の規定による改正前の不当廉価建造契約防止法第四条第一項の規定による調査に従事する協会の役員又は職員であった者に係るその調査に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、前条の規定の施行後も、なお従前の例による。
2 前項の規定により従前の例によることとされる事項に係る前条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「、造船業基盤整備事業協会」を削る。
附則第十一条中第十七項を削り、第十八項を第十七項とし、第十九項から第二十八項までを一項ずつ繰り上げる。
附則第三十一条の三第五項を削り、同条第六項中「第四項」を「前項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第七項を同条第六項とし、同条第八項から第十項までを一項ずつ繰り上げる。
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
第十四条 平成十三年三月一日前にされた前条の規定による改正前の地方税法(次項において「旧地方税法」という。)附則第十一条第十七項に規定する土地の取得に対して課する不動産取得税については、なお従前の例による。
2 旧地方税法附則第三十一条の三第五項に規定する土地に係る平成十三年度分までの特別土地保有税及び平成十三年三月一日前にされた同項に規定する土地の取得に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。
(租税特別措置法の一部改正)
第十五条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第八十条第三項を削る。
(所得税法の一部改正)
第十六条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(法人税法の一部改正)
第十七条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(消費税法の一部改正)
第十八条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号の表造船業基盤整備事業協会の項を削る。
(国土交通省設置法の一部改正)
第十九条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第十四条第一項第三号中「、造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)」を削る。
附則第八条を附則第九条とし、附則第七条の次に次の一条を加える。
(交通政策審議会の所掌事務の特例)
第八条 交通政策審議会は、第十四条第一項各号に掲げる事務をつかさどるほか、当分の間、運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)附則第十四条第五項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
内閣総理大臣 森喜朗
大蔵大臣 宮沢喜一
通商産業大臣 深谷隆司
運輸大臣 二階俊博
自治大臣 保利耕輔