(目的)
第一条 この法律は、養護学校における義務教育のすみやかな実施を目標として公立の養護学校の設置を促進し、かつ、当該学校における教育の充実を図るため、当該学校の建物の建築、教職員の給料その他の給与等に要する経費についての国及び都道府県の費用負担その他必要な事項に関し特別の措置を定めることを目的とする。
(建物の建築に要する経費の国庫負担)
第二条 国は、公立の養護学校の建物(校舎、屋内運動場及び寄宿舎をいう。以下同じ。)で当該学校の小学部及び中学部に係るものの新築及び増築(以下「建築」という。)に要する経費の二分の一を負担する。
2 前項に規定する建物の建築に要する経費の種目は、当該建築の本工事費及び附帯工事費(以下「工事費」という。)並びに事務費とする。ただし、買収その他これに準ずる方法による建物の取得の場合にあつては、当該建物の買収費及び事務費とする。
3 前項に規定する事務費の工事費(買収その他これに準ずる方法による建物の取得の場合にあつては、買収費)に対する割合は、政令で定める。
4 第一項に規定する建物の建築に要する経費は、養護学校において教育を行うのに必要な最低限度の児童及び生徒一人当りの坪数を基準として算定するものとする。
5 第一項に規定する建物の建築に要する経費の額は、前項に規定する基準に従い、地方公共団体の提出する資料、実地調査の結果等を勘案して文部大臣が決定するものとする。
(危険校舎等の改築に要する経費の国の補助)
第三条 国は、公立の養護学校の建物(当該学校の幼稚部に係るものを除く。)で、その構造上危険な状態にあるもの(以下「危険校舎等」という。)の改築を行おうとする地方公共団体に対し、予算の範囲内で、政令で定めるところにより、危険校舎等の改築に要する経費の三分の一以内を補助することができる。
2 建物の危険度その他前項の規定により国が補助を行うことができる危険校舎等の範囲の決定について必要な事項は、政令で定める。
(市町村立学校教職員給与の都道府県負担)
第四条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村立の養護学校の校長、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、寮母、講師及び事務職員(以下「教職員」という。)の給料、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務手当、日直及び宿直に関する手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、石炭手当、退職手当、退職年金及び退職一時金、死亡一時金、旅費並びに公務災害補償(以下「給料その他の給与」という。)は、都道府県の負担とする。
2 前項に規定する教職員の定数又は給料その他の給与については、市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第三条及び第四条の規定を準用する。
(教職員給与費等の国庫負担)
第五条 国は、毎年度、各都道府県ごとに、次の各号に掲げるものについて、その実支出額の二分の一を負担する。ただし、特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。
一 公立の養護学校の小学部及び中学部の教職員の給料その他の給与に要する経費
二 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第八十七号)附則第十項の規定により同法による改正前の恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十六条第三号の規定の例によるものとされる恩給で公立の養護学校の小学部及び中学部の教職員に係るものに要する経費
(教材費の国庫負担)
第六条 国は、毎年度、公立の養護学校の小学部及び中学部における教育の教材に要する経費(理科教育振興法(昭和二十八年法律第百八十六号)第九条に規定する経費を除く。)の一部を負担する。
2 前項の教材費は、公立の養護学校の小学部及び中学部の児童及び生徒の数を基礎として算出するものとし、当該学校の児童及び生徒一人当りの教材費の国の負担額その他その配分に関し必要な事項は、政令で定める。
3 政府は、前項に規定する児童及び生徒一人当りの教材費の国の負担額を政令で定める場合には、養護学校の特殊事情を考慮して定めなければならない。
(政令への委任)
第七条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。