(市町村の定める農業振興地域整備計画)
第八条 都道府県知事の指定した一の農業振興地域の区域の全部又は一部がその区域内にある市町村は、政令で定めるところにより、その区域内にある農業振興地域について農業振興地域整備計画を定めなければならない。
2 農業振興地域整備計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 農用地等として利用すべき土地の区域(以下「農用地区域」という。)及びその区域内にある土地の農業上の用途区分
三 農地保有の合理化のための農用地等及び農用地等とすることが適当な土地に関する権利の取得の円滑化に関する事項
3 市町村は、第一項の規定により農業振興地域整備計画を定めようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
(都道府県の定める農業振興地域整備計画)
第九条 都道府県は、政令で定めるところにより、前条第二項第二号から第四号までに掲げる事項で受益の範囲が広域にわたるものその他当該都道府県における農業振興地域を通ずる広域の見地から定めることが相当であるものを内容とする農業振興地域整備計画を定めることができる。
2 都道府県は、前項の規定により農業振興地域整備計画を定めようとするときは、関係市町村の同意を得なければならない。
(農業振興地域整備計画の基準)
第十条 農業振興地域整備計画は、農業振興地域整備基本方針に適合するとともに第四条第三項に規定する計画との調和が保たれたものであり、かつ、当該農業振興地域の自然的経済的社会的諸条件を考慮して、当該農業振興地域において総合的に農業の振興を図るため必要な事項を一体的に定めるものでなければならない。
2 市町村の定める農業振興地域整備計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即するものでなければならない。
3 市町村の定める農業振興地域整備計画のうち第八条第二項第一号に掲げる事項に係るもの(以下「農用地利用計画」という。)は、当該農業振興地域内にある農用地等及び農用地等とすることが適当な土地で、その土地の位置その他の条件及び当該農業振興地域における農業経営の動向からみて当該農業振興地域において農業の振興を図るための措置を総合的かつ計画的に実施するためにはその土地の農業上の利用を確保することが必要であるものにつき、当該農業振興地域における農業生産の基盤の保全、整備及び開発の見地から必要な限度において区分する農業上の用途を指定して、定めるものでなければならない。
(農用地利用計画の決定手続)
第十一条 市町村は、農業振興地域整備計画を定めようとするときは、その旨を公告し、当該農業振興地域整備計画のうち農用地利用計画の案をその公告の日から三十日間縦覧に供しなければならない。
2 前項の農用地利用計画に係る農用地区域内にある土地の所有者その他その土地に関し権利を有する者は、当該農用地利用計画の案に対して異議があるときは、同項に規定する縦覧期間満了の日の翌日から起算して十五日以内に市町村にこれを申し出ることができる。
3 市町村は、前項の規定による異議の申出を受けたときは、第一項に規定する縦覧期間満了後六十日以内にこれを決定しなければならない。
4 前項の規定による決定に対して不服がある申出人は、その決定があつた日の翌日から起算して三十日以内に都道府県知事に対し審査を申し立てることができる。
5 都道府県知事は、前項の規定による審査の申立てを受理したときは、審査の申立てを受理した日から六十日以内にこれを裁決しなければならない。
6 第二項の規定による異議の申出又は第四項の規定による審査の申立てには、それぞれ、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)中異議申立て又は審査請求に関する規定(同法第十四条第一項本文及び第四十五条を除く。)を準用する。
7 市町村は、第二項の規定による異議の申出がないとき、異議の申出があつた場合においてそのすべてについて第三項の規定による決定があり、かつ、第四項の規定による審査の申立てがなかつたとき、又は審査の申立てがあつた場合においてそのすべてについて第五項の規定による裁決があつたときでなければ、第八条第三項の認可の申請をしてはならない。
8 第三項又は第五項の規定による決定又は裁決については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。農用地利用計画についての不服を理由とする第八条第三項の認可についての不服申立てについても、同様とする。
9 市町村は、国有地を含めて農用地区域を定めようとするときは、その国有地を所管する各省各庁の長(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。次項において同じ。)の承認を受けなければならない。
10 各省各庁の長は、前項の承認の申請があつた場合において、その国有地についての長期にわたる利用方針を勘案して、その国有地を農用地等としての利用に供することが適当であると認めるときは、その承認をするものとする。
(農業振興地域整備計画の公告等)
第十二条 都道府県又は市町村は、農業振興地域整備計画を定めたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、都道府県にあつては農林大臣及び関係市町村長に、市町村にあつては都道府県知事を経由して農林大臣に、当該農業振興地域整備計画書の写しを送付しなければならない。
2 都道府県知事又は市町村長は、農林省令で定めるところにより、当該農業振興地域整備計画書又はその写しを当該都道府県又は市町村の事務所において縦覧に供しなければならない。
(農業振興地域整備計画の変更)
第十三条 都道府県又は市町村は、農業振興地域整備基本方針の変更若しくは農業振興地域の区域の変更により又は経済事情の変動その他情勢の推移により必要が生じたときは、政令で定めるところにより、遅滞なく、農業振興地域整備計画を変更しなければならない。市町村の定めた農業振興地域整備計画が第九条第一項の規定による農業振興地域整備計画の決定により変更を必要とするに至つたときも、同様とする。
2 都道府県知事は、必要があると認めるときは、市町村に対し、当該市町村の定めた農業振興地域整備計画について前項の規定による変更をするための必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3 第八条第三項及び第十一条の規定は市町村が行なう第一項の規定による変更(政令で定める軽微な変更を除く。)について、第九条第二項の規定は都道府県が行なう第一項の規定による変更(政令で定める軽微な変更を除く。)について、前条の規定は同項の規定による変更について準用する。この場合において、同条第二項中「当該農業振興地域整備計画書」とあるのは、「当該変更後の農業振興地域整備計画書」と読み替えるものとする。