(経過措置)
第八十七条 一級河川、二級河川、河川区域、河川保全区域又は河川予定地の指定の際現に権原に基づき、この法律の規定により許可を要する行為を行なつている者又はこの法律の規定によりその設置について許可を要する工作物を設置している者は、従前と同様の条件により、当該行為又は工作物の設置についてこの法律の規定による許可を受けたものとみなす。第二十五条、第二十七条第一項、第五十五条第一項若しくは第五十七条第一項の政令又はこれを改廃する政令の施行の際現に権原に基づき、当該政令の施行に伴い新たに許可を要することとなる行為を行ない、又は工作物を設置している者についても、同様とする。
(許可を受けたものとみなされる者の届出)
第八十八条 前条に規定する指定があつた場合においては、同条の規定により、第二十三条から第二十七条までの許可を受けたものとみなされる者で政令で定めるものは、河川管理者に対し、政令で定めるところにより、必要な事項を届け出なければならない。
(調査、工事等のための立入り等)
第八十九条 建設大臣若しくは都道府県知事又はその命じた者若しくはその委任を受けた者は、一級河川、二級河川、河川区域、河川保全区域若しくは河川予定地の指定のための調査又は河川工事、河川の維持その他河川の管理を行なうためやむを得ない必要がある場合においては、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を材料置場若しくは作業場として一時使用することができる。
2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合においては、あらかじめ、当該土地の占有者にその旨を通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難である場合においては、この限りでない。
3 第一項の規定により宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ろうとする場合においては、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
4 日出前及び日没後においては、占有者の承諾があつた場合を除き、前項に規定する土地に立ち入つてはならない。
5 第一項の規定により土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
6 第一項の規定により特別の用途のない他人の土地を材料置場又は作業場として一時使用しようとする場合においては、あらかじめ、当該土地の占有者及び所有者に通知して、その意見をきかなければならない。
7 土地の占有者又は所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入り又は一時使用を拒み、又は妨げてはならない。
8 建設大臣又は都道府県知事は、第一項の規定による処分により損失を受けた者がある場合においては、その者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
9 第二十二条第四項及び第五項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
(許可等の条件)
第九十条 河川管理者は、この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の規則の規定による許可又は承認には、必要な条件を附することができる。
2 前項の条件は、適正な河川の管理を確保するため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可又は承認を受けた者に対し、不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
(廃川敷地等の管理)
第九十一条 河川区域の変更又は廃止があつた場合においては、従前の河川区域内の土地又は当該区域内の河川管理施設であつて河川管理施設として管理する必要がなくなつたもの(国有であるものに限る。以下「廃川敷地等」という。)は、従前当該河川を管理していた者が一年をこえない範囲内において政令で定める期間、管理しなければならない。
2 廃川敷地等は、土地収用法第百六条の規定の適用については、前項の期間内においては、廃川敷地等とならないものとみなす。
(廃川敷地等の交換)
第九十二条 前条第一項の規定により廃川敷地等を管理する者は、同項の期間内において、政令で定めるところにより、当該廃川敷地等と新たに河川区域となる土地とを交換することができる。
(二級河川に係る廃川敷地等の譲与)
第九十三条 建設大臣は、二級河川に係る廃川敷地等で前条の規定による交換が行なわれなかつたものについては、大蔵大臣と協議の上、国有財産として存置する必要があるものを除き、第九十一条第一項の期間満了後、その区域内に当該廃川敷地等が存する都道府県にこれを譲与することができる。
2 前項の場合において、土地収用法第百六条又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百七十九条の規定による買受け又は買戻しの相手方は、譲与を受けた都道府県とする。
(廃川敷地等に関する費用等)
第九十四条 第九十一条第一項の期間内における廃川敷地等の管理又は第九十二条の規定による廃川敷地等の交換に要する費用は、廃川敷地等となる前の当該河川が一級河川(指定区間内を除く。)であるときは国、二級河川又は指定区間内の一級河川であるときは当該河川の存する都道府県の負担とし、廃川敷地等の管理に伴う収益は、その管理の費用を負担する者の収入とする。
(河川の使用等に関する国の特例)
第九十五条 国が行なう事業についての第二十条、第二十三条から第二十七条まで、第三十条第二項、第三十四条第一項、第四十七条第一項、第五十五条第一項及び第五十七条第一項の規定の適用については、国と河川管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可又は承認があつたものとみなす。
(道の特例)
第九十六条 道の区域内の河川については、この法律の規定にかかわらず、河川の管理に要する費用の負担、河川管理者の権限、流水占用料等の帰属その他の事項につき、政令で特別の定めをすることができる。
(不服申立て)
第九十七条 第二十二条第一項又は第二項の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
2 第十七条第一項の規定による協議に基づき他の工作物の管理者が河川管理者に代わつてした処分に不服がある者は、他の工作物の管理者が国若しくは国の機関又は都道府県若しくは都道府県知事であるときは建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に対して、その他の者であるときは都道府県知事に対して審査請求をすることができる。この場合において、都道府県、市町村その他の公共団体である他の工作物の管理者がした処分については、異議申出てをすることもできる。
3 次に掲げる処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業又は採石業との調整に関するものであるときは、土地調整委員会に対して裁定の申請をすることができる。この場合には、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
一 第二十四条から第二十七条まで、第二十九条、第五十五条第一項若しくは第五十七条第一項の規定による許可又はこれらの規定による許可を与えないこと。
二 前号に規定する処分に関する第七十五条の規定による処分
4 行政不服審査法第十八条の規定は、前項各号の処分につき、処分庁が誤つて審査請求又は異議申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。
(権限の委任)
第九十八条 この法律に規定する河川管理者である建設大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方建設局長又は北海道開発局長に委任することができる。
(地方公共団体への委託)
第九十九条 河川管理者は、特に必要があると認めるときは、政令で定める河川管理施設の維持又は操作その他これに類する河川の管理に属する事項を関係地方公共団体に委託することができる。
(この法律の規定を準用する河川)
第百条 第四条第一項の政令で指定する水系及び第五条第一項の水系以外の水系に係る河川で市町村長が指定したものについては、この法律中二級河川に関する規定(政令で定める規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と、「都道府県」とあるのは「市町村」と、「建設大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
2 前項に規定するもののほか、この法律の規定の準用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。
(政令への委任)
第百一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。