第一條 銀行法ニ依リ銀行業ノ免許ヲ受ケタル銀行(以下普通銀行ト稱ス)ハ他ノ法律ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ貯蓄銀行法ニ依リ貯蓄銀行ノ營ム業務(以下貯蓄銀行業務ト稱ス)又ハ信託業法ニ依リ信託會社ノ營ム業務(以下信託業務ト稱ス)ヲ營ムコトヲ得
普通銀行前項ノ認可ヲ受ケントスルトキハ申請書ニ業務ノ種類及方法ヲ記載シタル書面ヲ添附シ之ヲ主務大臣ニ提出スベシ
第二條 貯蓄銀行業務ヲ營ム普通銀行ハ貯蓄銀行法第一條第一項及第五條第六號ニ揭グル業務ニ依リ受入レタル金額ノ三分ノ一以上ノ金額ニ相當スル國債ヲ供託スベシ但シ供託金額中受入金額ノ五分ノ一ヲ超ユル額ニ付テハ主務大臣ノ指定スル有價證券ヲ以テ國債ニ代フルコトヲ得
前項ノ普通銀行ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ大藏省預金部ヘノ預ケ金ヲ以テ同項ノ供託ニ代フルコトヲ得
第一項ノ受入金額ハ每營業年度末日現在ニ依リ之ヲ定ム
貯蓄銀行法第十條ノ規定ハ第一項ノ普通銀行ノ同法第一條第一項ニ揭グル業務ニ依ル預金者及給付金ノ債權者竝ニ同法第五條第六號ニ揭グル業務ニ依ル有價證券ノ給付ヲ受クベキ債權者ニ付之ヲ準用ス
第三條 有價證券割賦販賣業法第八條乃至第十一條ノ規定ハ普通銀行ガ貯蓄銀行法第五條第六號ニ揭グル業務ヲ營ム場合ニ之ヲ準用ス
第四條 信託業法第七條乃至第十條ノ規定ハ普通銀行ガ信託業務ヲ營ム場合ニ之ヲ準用ス
第五條 普通銀行ガ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營ム場合ニ於テ當該業務ノ種類又ハ方法ヲ變更セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行ニ對シ當該業務ノ種類若ハ方法ヲ制限シ又ハ其ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第六條 信託會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テ商法第百條第一項ノ規定ニ依リテ爲スベキ催吿ハ金錢信託ノ受益者ニ對シテハ之ヲ爲スコトヲ要セズ
信託會社ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テ商法第百條第一項但書ノ期間ハ一月迄之ヲ下スコトヲ得合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ於テ商法第三百七十七條第一項但書ノ期間ニ付亦同ジ
第七條 信託業務ヲ營ム普通銀行ト信託會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行トガ合併シタルトキハ合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル信託業務ヲ營ム普通銀行ハ合併ニ因リテ消滅シタル信託會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行ノ信託ニ關スル權利義務ヲ承繼ス
信託業法第十六條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八條 普通銀行ノ營ム貯蓄銀行業務ハ租稅ニ關スル法令ノ適用ニ關シ之ヲ貯蓄銀行ノ營ム業務ト看做ス
信託業務ヲ營ム普通銀行ハ其ノ信託業務ニ付テハ租稅ニ關スル法令ノ適用ニ關シ之ヲ信託會社ト看做ス
第九條 特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル銀行ニシテ主務大臣ノ指定スルモノ(以下指定銀行ト稱ス)ハ他ノ法律ニ拘ラズ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營ムコトヲ得
指定銀行貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營マントスルトキハ業務ノ種類及方法ニ付主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十條 左ノ場合ニ於テハ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行又ハ指定銀行ノ役員又ハ淸算人ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
一 第二條第一項(前條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第三條(前條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル有價證券割賦販賣業法第十條及第四條(前條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)ニ於テ準用スル信託業法第七條ノ規定ニ違反シタルトキ
二 第四條ニ於テ準用スル信託業法第九條ノ規定又ハ同法同條ニ基ク命令ニ違反シテ信託ニ付補塡又ハ補足ノ契約ヲ爲シタルトキ
三 第四條ニ於テ準用スル信託業法第十條ノ規定ニ違反シテ信託財產ヲ固有財產ト爲シタルトキ
四 第五條(前條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)第一項ノ規定ニ違反シタルトキ
五 第五條第二項ノ規定ニ依ル主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
七 信託法第二十八條ノ規定ニ依リテ爲スベキ信託財產ノ管理ヲ爲サザルトキ
八 信託法第三十九條ニ規定スル事務ノ處理若ハ計算ヲ爲サズ又ハ財產目錄ヲ作成セザルトキ
九 正當ノ理由ナクシテ信託法第四十條ノ規定ニ依ル閱覽ヲ拒ミ又ハ說明ヲ爲サザルトキ