第一條 左ニ揭クル業務ヲ營ム者ハ之ヲ貯蓄銀行トス
三 豫メ拂戾ノ期限ヲ定メ定期ニ又ハ一定ノ期間內ニ於テ數囘ニ預金ヲ受入ルルコト
四 期限ヲ定メテ一定金額ノ給付ヲ爲スコトヲ約シ定期ニ又ハ一定ノ期間內ニ於テ數囘ニ金錢ヲ受入ルルコト
貯蓄銀行ニ非サルモノハ前項ノ業務ヲ營ムコトヲ得ス但シ貯蓄銀行ニ非サル銀行カ預金取引ヲ有スル者ヨリ其ノ者トノ取引ノ結果生シタル十圓未滿ノ金額ヲ其ノ預金ニ受入レ又ハ小切手ニ依リ支拂ヲ爲スヘキ預金取引ヲ有スル者ヨリ十圓未滿ノ金額ヲ其ノ預金ニ受入ルル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第二條 貯蓄銀行業ハ主務大臣ノ免許ヲ受クルニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス
前項ノ免許ヲ受ケムトスル者ハ申請書ニ定款及業務ノ種類及方法ヲ記載シタル書面ヲ添附シ之ヲ主務大臣ニ提出スヘシ
第三條 貯蓄銀行業ハ資本金五十萬圓以上ノ株式會社ニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス
第四條 貯蓄銀行ハ其ノ商號中ニ貯蓄銀行ナル文字ヲ用ウヘシ
貯蓄銀行ニ非サルモノハ其ノ商號中ニ貯蓄銀行タルコトヲ示スヘキ文字ヲ用ウルコトヲ得ス
第五條 貯蓄銀行ハ第一條第一項ノ業務ノ外左ニ揭クル業務ヲ併セ營ムコトヲ得
第六條 貯蓄銀行ハ本法ニ規定セサル業務ヲ營ムコトヲ得ス
第七條 貯蓄銀行カ貯蓄銀行ノ營ムコトヲ得サル業務ニ屬スル契約ニ基ク權利義務ヲ合併ニ因リテ承繼シタル場合ニ於テハ其ノ契約ノ完了スル迄仍其ノ契約ノ屬スル業務ニ限リ之ヲ繼續スルコトヲ妨ケス
第八條 貯蓄銀行ハ小切手ニ依リ支拂ヲ爲ス第一條第一項第一號第二號ノ預金取引ヲ爲スコトヲ得ス
第九條 貯蓄銀行ハ第一條第一項及第五條第一號第五號ノ規定ニ依リ受入レタル金額ノ三分ノ一以上ノ金額ニ相當スル國債ヲ供託スヘシ但シ供託金額中受入金額ノ五分ノ一ヲ超ユル額ニ付テハ第十一條第一項第一號ノ有價證券ヲ以テ國債ニ代フルコトヲ得
第十條 預金者及第一條第一項第四號ノ規定ニ依ル給付金ノ債權者ハ其ノ預金及給付金ニ關シテハ前條ノ規定ニ依リテ供託シタル國債及有價證券ニ付他ノ債權者ニ先チ辨濟ヲ受クルノ權利ヲ有ス
第十一條 貯蓄銀行ハ左ノ方法ニ依ルノ外其ノ資金ヲ運用スルコトヲ得ス
一 國債、地方債、社債又ハ株式ノ應募、引受又ハ買入
五 第一條第一項第四號ノ規定ニ依ル給付金ノ債權者ニ對シ其ノ給付金額ヲ限度トスル貸付
前項ニ規定スル社債及株式ニ付テハ其ノ種類ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第十二條 貯蓄銀行ノ所有シ又ハ貸付金若ハ預ケ金ノ擔保トシテ受入ルル一會社ノ株式ハ該會社ノ總株式ノ五分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス
第十三條 一人ニ對スル貸付金額ハ拂込資本金及準備金ノ十分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス
第十一條第一項第三號ノ規定ニ依ル貸付金ノ總額ハ拂込資本金及準備金ノ總額ヲ超ユルコトヲ得ス
第十一條第一項第五號ノ貸付金額中旣ニ受入レタル金額ヲ超過スル額ニ付テハ確實ナル擔保又ハ保證アルコトヲ要ス
第十四條 一銀行ニ對スル預ケ金及其ノ銀行ノ引受ケタル手形ノ買入高ノ總額ハ第一條第一項及第五條第一號第五號ニ規定スル受入金ノ十分ノ一ヲ限度トシ且該銀行ノ拂込資本金及準備金ノ四分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス但シ其ノ總額中國債其ノ他第十一條第一項第一號ニ揭クル有價證券ヲ以テ擔保セラレタル額ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第九條第二項ノ規定ハ前項ノ受入金ノ額ニ付之ヲ準用ス
第十五條 貯蓄銀行カ其ノ財產ヲ以テ債務ヲ完濟スルコト能ハサルニ至リタルトキハ第一條第一項及第五條第一號第五號ノ規定ニ依ル契約ニ基ク銀行ノ債務ニ付各取締役ハ連帶シテ其ノ辨償ノ責ニ任ス
前項ノ責任ハ取締役ノ退任登記前ノ債務ニ付退任登記後二年間仍存續ス
第十六條 貯蓄銀行ハ左ノ場合ニ於テハ主務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
主務大臣ハ必要ト認ムルトキハ業務ノ種類若ハ方法ヲ制限シ又ハ其ノ變更ヲ命スルコトヲ得
第十七條 貯蓄銀行ノ解散ノ決議ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第十八條 主務大臣ノ免許ヲ受ケスシテ貯蓄銀行業ヲ營ミタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條 左ノ場合ニ於テハ貯蓄銀行ノ取締役、監查役又ハ淸算人ヲ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス
一 第六條、第八條、第九條、第十一條乃至第十四條及第十六條第一項ノ規定ニ違反シタルトキ
二 第十六條第二項ノ規定ニ依リ主務大臣ノ爲シタル命令ニ違反シタルトキ
第二十條 第四條第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ十圓以上百圓以下ノ過料ニ處ス
第二十一條 本法ニ別段ノ規定ヲ設ケサル事項ニ付テハ銀行條例ニ依ル
銀行條例第二條ノ三ノ規定ノ適用ニ付テハ第一條第一項第四號ノ規定ニ依ル給付金ノ債權者ハ之ヲ預金者ト看做ス
第二十二條 貯蓄銀行業ヲ營ム者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ營業稅額ノ二分ノ一ヲ免除ス