水源地域対策特別措置法
法令番号: 法律第百十八号
公布年月日: 昭和48年10月17日
法令の形式: 法律
水源地域対策特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年十月十七日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第百十八号
水源地域対策特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、ダム又は湖沼水位調節施設の建設によりその基礎条件が著しく変化する地域について、生活環境、産業基盤等を整備し、あわせて湖沼の水質を保全するため、水源地域整備計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより関係住民の生活の安定と福祉の向上を図り、もつてダム及び湖沼水位調節施設の建設を促進し、水資源の開発と国土の保全に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「指定ダム等」とは、指定ダム及び指定湖沼水位調節施設をいう。
2 この法律において「指定ダム」とは、国、地方公共団体、水資源開発公団又は電源開発株式会社が建設するダムのうちその建設により相当数の住宅又は相当の面積の農地が水没するダムで政令で指定するものをいう。
3 この法律において「指定湖沼水位調節施設」とは、国、地方公共団体又は水資源開発公団が建設する次の各号に該当する湖沼水位調節施設で政令で指定するものをいう。
一 その建設により湖沼及び湖沼の周辺地域の生産機能又は生活環境に著しい影響が及ぶこと。
二 その建設により二以上の都府県が著しい利益を受けること。
(水源地域の指定等)
第三条 内閣総理大臣は、都道府県知事の申出に基づき、関係行政機関の長に協議して、指定ダム等により河川の流水が貯留される土地の区域の全部又は一部をその区域に含む市町村の区域のうち、指定ダム等の建設によりその基礎条件が著しく変化すると認められる地域を水源地域として指定することができる。
2 前項の申出は、あらかじめ関係市町村長の意見をきき、かつ、総理府令で定めるところにより、指定ダム等の建設事業を所管する行政機関の長(以下「所管行政機関の長」という。)を通じてしなければならない。
3 内閣総理大臣は、水源地域を指定したときは、その旨を公示しなければならない。
4 前三項の規定は、水源地域を変更する場合について準用する。
(水源地域整備計画の決定及び変更)
第四条 都道府県知事は、前条第三項の公示があつたときは、遅滞なく、水源地域整備計画の案を作成し、これを所管行政機関の長を通じて内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の水源地域整備計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、水源地域整備計画に基づく事業(以下「整備事業」という。)を実施することとなるべき者(国を除く。)、関係地方公共団体の長及び政令で定める者の意見をきかなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により提出された案に基づき、関係行政機関の長に協議して、水源地域整備計画を決定するものとする。
4 内閣総理大臣は、水源地域整備計画を決定したときは、これを関係行政機関の長及び当該水源地域整備計画の案を提出した都道府県知事に送付するとともに、総理府令で定めるところにより公示しなければならない。
5 前各項の規定は、水源地域整備計画を変更する場合について準用する。
(水源地域整備計画の内容)
第五条 水源地域整備計画は、水源地域ごとに、次の各号に掲げる水源地域の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事業(指定ダム等の建設に伴う損失の補償として実施される事業を除く。)で当該水源地域内において実施するものの概要及び経費の概算について定めるものとする。ただし、特に必要があると認められるときは、これらの事業で当該水源地域外において実施するものについて定めることができる。
一 指定ダムに係る水源地域 土地改良事業、治山事業、治水事業、道路、簡易水道、下水道、義務教育施設又は診療所の整備に関する事業その他政令で定める事業のうち、当該水源地域の基礎条件の著しい変化による影響を緩和するため必要と認められる事業
二 指定湖沼水位調節施設に係る水源地域 土地改良事業、河川又は下水道の整備に関する事業その他政令で定める事業のうち、当該水源地域の基礎条件の著しい変化による影響を緩和し、又は湖沼の水質を保全するため必要と認められる事業
(事業の実施)
第六条 整備事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。
(協力)
第七条 関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は、指定ダム等の建設及び水源地域整備計画の実施に関し、できる限り協力しなければならない。
(生活再建のための措置)
第八条 関係行政機関の長、関係地方公共団体、指定ダム等を建設する者及び整備事業を実施する者は、指定ダム等の建設又は整備事業の実施に伴い生活の基礎を失うこととなる者について、次に掲げる生活再建のための措置が実施されることを必要とするときは、その者の申出に基づき、協力して、当該生活再建のための措置のあつせんに努めるものとする。
一 宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。
二 住宅、店舗その他の建物の取得に関すること。
三 職業の紹介、指導又は訓練に関すること。
四 他に適当な土地がなかつたため環境が著しく不良な土地に住居を移した場合における環境の整備に関すること。
(国の負担又は補助の割合の特例)
第九条 次の各号の一に該当する指定ダムで政令で指定するものの建設に対応する整備事業のうち、別表第一に掲げる事業で都道府県知事又は地方公共団体が実施するものに係る経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、他の法令の規定にかかわらず、同表に定める割合の範囲内で政令で定める割合とする。
一 その建設により水没する住宅の数が特に多いダム
二 その建設により水没する農地の面積が特に大きいダム
三 前二号に掲げるもののほか、その建設により水源地域の基礎条件が特に著しく変化し、かつ、当該水源地域をその区域に含まない都府県が著しく利益を受けるダム
2 指定湖沼水位調節施設の建設に対応する整備事業のうち、別表第二に掲げる事業で都府県知事又は地方公共団体が実施するものに係る経費に対する国の負担割合は、他の法令の規定にかかわらず、同表に定める割合の範囲内で政令で定める割合とする。
3 前二項に規定する事業に係る経費に対する他の法令の規定による国の負担割合が、前二項の政令で定める割合をこえるときは、当該事業に係る経費に対する国の負担割合については、これらの規定にかかわらず、当該他の法令の定める割合による。
4 第一項又は第二項に規定する事業に係る経費につき、前三項の規定による国の負担割合により国が負担し、又は補助する場合における国の負担金又は補助金(以下「国庫負担金」という。)の交付については、他の法令の規定にかかわらず、政令で、必要な特例を定めることができる。
(国の普通財産の譲渡)
第十条 国は、整備事業の用に供するため必要があると認めるときは、その事業に係る経費を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。
(国の財政上及び金融上の援助)
第十一条 国は、前二条に定めるもののほか、水源地域整備計画を達成するために必要があると認めるときは、整備事業を実施する者に対し、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。
(整備事業についての負担の調整等)
第十二条 整備事業がその区域内において実施される地方公共団体で当該事業に係る経費の全部又は一部を負担するものは、政令で定めるところにより、次に掲げる者と協議し、その協議によりその負担する経費の一部をこれに負担させることができる。
一 指定ダム等を利用して河川の流水を水道、工業用水道又は発電の用に供することが予定されている者
二 次に掲げる区域の全部又は一部をその区域に含む地方公共団体(イからハまでに掲げる区域については、前号に該当する地方公共団体を除く。)
イ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている水道で水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業の用に供するものの給水区域
ロ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている水道で水道法第三条第四項に規定する水道用水供給事業の用に供するものの給水対象事業者が設置する水道の給水区域
ハ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている工業用水道で工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第四項に規定する工業用水道事業の用に供するものの給水区域
ニ 指定ダム等を利用して河川の流水をかんがいの用に供する土地の区域
ホ 指定ダム等の建設により洪水等による災害の発生が防止され、又は洪水等による災害が軽減される地域
2 関係行政機関の長は、前項の規定による負担に関し、関係当事者のうち一以上の申出に基づき、あつせんをすることができる。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 第九条(別表を含む。)の規定は、昭和四十九年度の予算に係る国庫負担金(昭和四十八年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和四十九年度以後に支出すべきものとされた国庫負担金を除く。)から適用する。
(国土総合開発庁設置法の一部改正)
3 国土総合開発庁設置法(昭和四十八年法律第▲▲▲号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十二号中アをサとし、テをアとし、エをテとし、コをエとし、フをコとし、ケをフとし、マをケとし、ヤの次に次のように加える。
マ 水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)
第五条第二項中「ケからコまで及びア」を「フからエまで及びサ」に改め、同条第五項中「オからマまで」を「オからケまで」に改め、同条第七項中「エ及びテ」を「テ及びア」に改める。
第六条第二項中「ヤ及びマ」を「ヤからケまで」に改める。
別表第一
事業の区分
国の負担割合の範囲
土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業のうち農業用道路の新設又は変更その他の政令で定める事業
十分の七以内
森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第二項に規定する保安施設事業(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第四条第一項に規定する一級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
河川法第五条第一項に規定する二級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
三分の二以内
砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防工事
四分の三以内
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三条第三号の都道府県道及び同条第四号の市町村道の新設又は改築(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
水道法第三条第三項に規定する簡易水道事業に係る水道の新設
十分の四以内
下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道の設置又は改築
十分の五・五以内
義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第二条第一項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校又は中学校を適正な規模にするため統合しようとすることに伴つて必要となり、又は統合したことに伴って必要となった校舎又は屋内運動場の新築又は増築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。)
三分の二以内
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条第二項に規定する診療所の新設又は改築
二分の一以内
別表第二
事業の区分
国の負担割合の範囲
土地改良法第二条第二項に規定する土地改良事業のうち農業用用排水施設の新設若しくは変更又は区画整理で政令で定めるもの
十分の五・五以内
河川法第四条第一項に規定する一級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
下水道法第二条第三号に規定する公共下水道の設置又は改築
十分の五・五以内
下水道法第二条第四号に規定する流域下水道の設置又は改築
三分の二以内
内閣総理大臣 田中角榮
大蔵大臣 愛知揆一
文部大臣 奥野誠亮
厚生大臣 齋藤邦吉
農林大臣 櫻内義雄
建設大臣 金丸信
水源地域対策特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年十月十七日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第百十八号
水源地域対策特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、ダム又は湖沼水位調節施設の建設によりその基礎条件が著しく変化する地域について、生活環境、産業基盤等を整備し、あわせて湖沼の水質を保全するため、水源地域整備計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより関係住民の生活の安定と福祉の向上を図り、もつてダム及び湖沼水位調節施設の建設を促進し、水資源の開発と国土の保全に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「指定ダム等」とは、指定ダム及び指定湖沼水位調節施設をいう。
2 この法律において「指定ダム」とは、国、地方公共団体、水資源開発公団又は電源開発株式会社が建設するダムのうちその建設により相当数の住宅又は相当の面積の農地が水没するダムで政令で指定するものをいう。
3 この法律において「指定湖沼水位調節施設」とは、国、地方公共団体又は水資源開発公団が建設する次の各号に該当する湖沼水位調節施設で政令で指定するものをいう。
一 その建設により湖沼及び湖沼の周辺地域の生産機能又は生活環境に著しい影響が及ぶこと。
二 その建設により二以上の都府県が著しい利益を受けること。
(水源地域の指定等)
第三条 内閣総理大臣は、都道府県知事の申出に基づき、関係行政機関の長に協議して、指定ダム等により河川の流水が貯留される土地の区域の全部又は一部をその区域に含む市町村の区域のうち、指定ダム等の建設によりその基礎条件が著しく変化すると認められる地域を水源地域として指定することができる。
2 前項の申出は、あらかじめ関係市町村長の意見をきき、かつ、総理府令で定めるところにより、指定ダム等の建設事業を所管する行政機関の長(以下「所管行政機関の長」という。)を通じてしなければならない。
3 内閣総理大臣は、水源地域を指定したときは、その旨を公示しなければならない。
4 前三項の規定は、水源地域を変更する場合について準用する。
(水源地域整備計画の決定及び変更)
第四条 都道府県知事は、前条第三項の公示があつたときは、遅滞なく、水源地域整備計画の案を作成し、これを所管行政機関の長を通じて内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の水源地域整備計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、水源地域整備計画に基づく事業(以下「整備事業」という。)を実施することとなるべき者(国を除く。)、関係地方公共団体の長及び政令で定める者の意見をきかなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により提出された案に基づき、関係行政機関の長に協議して、水源地域整備計画を決定するものとする。
4 内閣総理大臣は、水源地域整備計画を決定したときは、これを関係行政機関の長及び当該水源地域整備計画の案を提出した都道府県知事に送付するとともに、総理府令で定めるところにより公示しなければならない。
5 前各項の規定は、水源地域整備計画を変更する場合について準用する。
(水源地域整備計画の内容)
第五条 水源地域整備計画は、水源地域ごとに、次の各号に掲げる水源地域の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事業(指定ダム等の建設に伴う損失の補償として実施される事業を除く。)で当該水源地域内において実施するものの概要及び経費の概算について定めるものとする。ただし、特に必要があると認められるときは、これらの事業で当該水源地域外において実施するものについて定めることができる。
一 指定ダムに係る水源地域 土地改良事業、治山事業、治水事業、道路、簡易水道、下水道、義務教育施設又は診療所の整備に関する事業その他政令で定める事業のうち、当該水源地域の基礎条件の著しい変化による影響を緩和するため必要と認められる事業
二 指定湖沼水位調節施設に係る水源地域 土地改良事業、河川又は下水道の整備に関する事業その他政令で定める事業のうち、当該水源地域の基礎条件の著しい変化による影響を緩和し、又は湖沼の水質を保全するため必要と認められる事業
(事業の実施)
第六条 整備事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。
(協力)
第七条 関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は、指定ダム等の建設及び水源地域整備計画の実施に関し、できる限り協力しなければならない。
(生活再建のための措置)
第八条 関係行政機関の長、関係地方公共団体、指定ダム等を建設する者及び整備事業を実施する者は、指定ダム等の建設又は整備事業の実施に伴い生活の基礎を失うこととなる者について、次に掲げる生活再建のための措置が実施されることを必要とするときは、その者の申出に基づき、協力して、当該生活再建のための措置のあつせんに努めるものとする。
一 宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。
二 住宅、店舗その他の建物の取得に関すること。
三 職業の紹介、指導又は訓練に関すること。
四 他に適当な土地がなかつたため環境が著しく不良な土地に住居を移した場合における環境の整備に関すること。
(国の負担又は補助の割合の特例)
第九条 次の各号の一に該当する指定ダムで政令で指定するものの建設に対応する整備事業のうち、別表第一に掲げる事業で都道府県知事又は地方公共団体が実施するものに係る経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、他の法令の規定にかかわらず、同表に定める割合の範囲内で政令で定める割合とする。
一 その建設により水没する住宅の数が特に多いダム
二 その建設により水没する農地の面積が特に大きいダム
三 前二号に掲げるもののほか、その建設により水源地域の基礎条件が特に著しく変化し、かつ、当該水源地域をその区域に含まない都府県が著しく利益を受けるダム
2 指定湖沼水位調節施設の建設に対応する整備事業のうち、別表第二に掲げる事業で都府県知事又は地方公共団体が実施するものに係る経費に対する国の負担割合は、他の法令の規定にかかわらず、同表に定める割合の範囲内で政令で定める割合とする。
3 前二項に規定する事業に係る経費に対する他の法令の規定による国の負担割合が、前二項の政令で定める割合をこえるときは、当該事業に係る経費に対する国の負担割合については、これらの規定にかかわらず、当該他の法令の定める割合による。
4 第一項又は第二項に規定する事業に係る経費につき、前三項の規定による国の負担割合により国が負担し、又は補助する場合における国の負担金又は補助金(以下「国庫負担金」という。)の交付については、他の法令の規定にかかわらず、政令で、必要な特例を定めることができる。
(国の普通財産の譲渡)
第十条 国は、整備事業の用に供するため必要があると認めるときは、その事業に係る経費を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。
(国の財政上及び金融上の援助)
第十一条 国は、前二条に定めるもののほか、水源地域整備計画を達成するために必要があると認めるときは、整備事業を実施する者に対し、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。
(整備事業についての負担の調整等)
第十二条 整備事業がその区域内において実施される地方公共団体で当該事業に係る経費の全部又は一部を負担するものは、政令で定めるところにより、次に掲げる者と協議し、その協議によりその負担する経費の一部をこれに負担させることができる。
一 指定ダム等を利用して河川の流水を水道、工業用水道又は発電の用に供することが予定されている者
二 次に掲げる区域の全部又は一部をその区域に含む地方公共団体(イからハまでに掲げる区域については、前号に該当する地方公共団体を除く。)
イ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている水道で水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業の用に供するものの給水区域
ロ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている水道で水道法第三条第四項に規定する水道用水供給事業の用に供するものの給水対象事業者が設置する水道の給水区域
ハ 指定ダム等を利用して河川の流水をその用に供することが予定されている工業用水道で工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第四項に規定する工業用水道事業の用に供するものの給水区域
ニ 指定ダム等を利用して河川の流水をかんがいの用に供する土地の区域
ホ 指定ダム等の建設により洪水等による災害の発生が防止され、又は洪水等による災害が軽減される地域
2 関係行政機関の長は、前項の規定による負担に関し、関係当事者のうち一以上の申出に基づき、あつせんをすることができる。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 第九条(別表を含む。)の規定は、昭和四十九年度の予算に係る国庫負担金(昭和四十八年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和四十九年度以後に支出すべきものとされた国庫負担金を除く。)から適用する。
(国土総合開発庁設置法の一部改正)
3 国土総合開発庁設置法(昭和四十八年法律第▲▲▲号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十二号中アをサとし、テをアとし、エをテとし、コをエとし、フをコとし、ケをフとし、マをケとし、ヤの次に次のように加える。
マ 水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)
第五条第二項中「ケからコまで及びア」を「フからエまで及びサ」に改め、同条第五項中「オからマまで」を「オからケまで」に改め、同条第七項中「エ及びテ」を「テ及びア」に改める。
第六条第二項中「ヤ及びマ」を「ヤからケまで」に改める。
別表第一
事業の区分
国の負担割合の範囲
土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業のうち農業用道路の新設又は変更その他の政令で定める事業
十分の七以内
森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第二項に規定する保安施設事業(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第四条第一項に規定する一級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
河川法第五条第一項に規定する二級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
三分の二以内
砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防工事
四分の三以内
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三条第三号の都道府県道及び同条第四号の市町村道の新設又は改築(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
水道法第三条第三項に規定する簡易水道事業に係る水道の新設
十分の四以内
下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道の設置又は改築
十分の五・五以内
義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第二条第一項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校又は中学校を適正な規模にするため統合しようとすることに伴つて必要となり、又は統合したことに伴って必要となった校舎又は屋内運動場の新築又は増築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。)
三分の二以内
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条第二項に規定する診療所の新設又は改築
二分の一以内
別表第二
事業の区分
国の負担割合の範囲
土地改良法第二条第二項に規定する土地改良事業のうち農業用用排水施設の新設若しくは変更又は区画整理で政令で定めるもの
十分の五・五以内
河川法第四条第一項に規定する一級河川の改良工事(政令で定めるものを除く。)
四分の三以内
下水道法第二条第三号に規定する公共下水道の設置又は改築
十分の五・五以内
下水道法第二条第四号に規定する流域下水道の設置又は改築
三分の二以内
内閣総理大臣 田中角栄
大蔵大臣 愛知揆一
文部大臣 奥野誠亮
厚生大臣 斎藤邦吉
農林大臣 桜内義雄
建設大臣 金丸信