医療法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第109号
公布年月日: 昭和60年12月27日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行医療法は1948年の制定以来、医療体制の充実に貢献してきたが、医療資源の地域的偏在や医療施設間の連携不足、一部医療機関の不祥事による信頼低下などの課題が指摘されている。また、高齢化社会の到来に伴い、医療需要の増大と多様化が予想される中、医療資源の効率的活用と適正な医療の確保が求められている。このような状況を踏まえ、都道府県ごとの医療計画策定による体系的な医療体制の実現と、医療法人の適正な運営確保を目指し、第98回国会で提出し廃案となった法案を、高齢化社会における国民医療の基盤整備として重要であることから、再度提案するものである。

参照した発言:
第101回国会 衆議院 社会労働委員会 第32号

審議経過

第101回国会

参議院
(昭和59年6月21日)
衆議院
(昭和59年8月7日)

第103回国会

衆議院
(昭和60年11月14日)
(昭和60年11月21日)
(昭和60年11月28日)
(昭和60年12月3日)
参議院
(昭和60年12月5日)
(昭和60年12月10日)
(昭和60年12月19日)
(昭和60年12月20日)
医療法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年十二月二十七日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第百九号
医療法の一部を改正する法律
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
題名の次に次の目次を付する。
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
病院、診療所及び助産所(第七条―第三十条の二)
第二章の二
医療計画(第三十条の三―第三十条の七)
第三章
公的医療機関(第三十一条―第三十八条)
第四章
医療法人(第三十九条―第六十八条の三)
第五章
医業、歯料医業又は助産婦の業務等の広告(第六十九条―第七十一条)
第五章の二
雑則(第七十一条の二・第七十一条の三)
第六章
罰則(第七十二条―第七十七条)
附則
第一条を第一条の二とし、第一条として次の一条を加える。
第一条 この法律は、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
第五条の二を削る。
第七条の二第一項中「当該地域(当該申請に係る病院の所在地を含む保健所の所管区域、その所管区域を含む二以上の保健所の所管区域若しくは当該都道府県の区域又はこれらの区域により難い場合には厚生大臣の定めるその他の区域をいい、このうちいずれの区域によるかは、当該申請に係る病院及びその周辺にある既存の病院の機能及び性格、交通事情等に応じ、厚生大臣の定めるところによる。)」を「当該申請に係る病院の所在地を含む地域(当該申請に係る病床が前条第二項に規定するその他の病床のみである場合は第三十条の三第一項の規定により当該都道府県が定める医療計画(以下この条において単に「医療計画」という。)において定める第三十条の三第二項第一号に規定する区域とし、当該申請に係る病床が前条第二項に規定するその他の病床以外の病床のみである場合は当該都道府県の区域とし、当該申請に係る病床が同項に規定するその他の病床及び当該その他の病床以外の病床である場合は第三十条の三第二項第一号に規定する区域及び当該都道府県の区域とする。)」に、「省令の定めるところにより算定した」を「同条第四項の厚生省令で定める標準に従い医療計画において定める」に、「すでに」を「既に」に、「こえる」を「超える」に改め、同条第二項中「厚生大臣の」を「第三十条の三第四項の厚生省令で定める標準に従い医療計画において」に、「行なわなければ」を「行わなければ」に改め、同条第三項中「医療機関整備審議会」を「都道府県医療審議会」に、「聞かなければ」を「聴かなければ」に改め、同条第四項を削り、第五項を第四項とする。
第二十一条第一項中「左の各号に」を「次に」に、「且つ」を「かつ」に、「但し」を「ただし」に改め、同項第一号中「以て」を「もつて」に改め、同項第十二号中「洗たく施設」を「洗濯施設」に改め、同項中第十五号を第十六号とし、第十四号の次に次の一号を加える。
十五 診療科名中に産婦人科又は産科を有する病院にあつては、分べん室及び新生児の入浴施設
第二十一条第二項中「又は第十五号」を削り、「基く」を「基づく」に改め、「又は施設」を削り、「五千円」を「十万円」に改める。
第二十二条第二項を削る。
第二十三条第二項中「基く」を「基づく」に、「五千円」を「十万円」に改める。
第二十四条中「第二十一条」を「第二十一条第一項」に、「前条に基く」を「前条第一項の規定に基づく」に、「又は修繕」を「又は期限を定めて、修繕」に改める。
第二十五条に次の一項を加える。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第二十八条中「対し」の下に「、期限を定めて」を加える。
第二章の次に次の一章を加える。
第二章の二 医療計画
第三十条の三 都道府県は、当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画(以下「医療計画」という。)を定めるものとする。
2 医療計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 主として病院の病床(次号に規定する病床及び第七条第二項に規定するその他の病床以外の病床を除く。)の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項
二 二以上の前号に規定する区域を併せた区域であつて、主として厚生省令で定める特殊な医療を提供する病院の第七条第二項に規定するその他の病床であつて当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての区域の設定に関する事項
三 第七条第二項に規定するその他の病床に係る必要病床数及び同項に規定するその他の病床以外の病床に係る必要病床数に関する事項
3 医療計画においては、前項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を定めることができる。
一 その機能を考慮した病院の整備の目標に関する事項
二 へき地の医療及び休日診療、夜間診療等の救急医療の確保に関する事項
三 病院、診療所、薬局その他医療に関する施設の相互の機能及び業務の連係に関する事項
四 医師及び歯科医師並びに薬剤師、看護婦その他の医療従業者の確保に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、医療を提供する体制の確保に関し必要な事項
4 第二項第一号及び第二号に規定する区域の設定並びに必要病床数に関する標準は、厚生省令で定める。
5 厚生大臣は、第二項第二号及び前項の厚生省令を定めようとするときは、医療審議会の意見を聴かなければならない。
6 都道府県は、医療計画を作成するに当たつては、他の法律の規定による計画であつて医療の確保に関する事項を定めるものとの調和が保たれるようにするとともに、公衆衛生、薬事、社会福祉その他医療と密接な関連を有する施策との連係を図るように努めなければならない。
7 都道府県は、医療計画を作成するに当たつて、当該都道府県の境界周辺の地域における医療の需給の実情に照らし必要があると認めるときは、関係都道府県と連絡調整を行うものとする。
8 都道府県は、少なくとも五年ごとに医療計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
9 都道府県は、医療に関する専門的科学的知見に基づいて医療計画の案を作成するため、診療又は調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。
10 都道府県は、医療計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会及び市町村(救急業務を共同処理する一部事務組合を含む。)の意見を聴かなければならない。
11 都道府県は、医療計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生大臣に提出するとともに、その内容を公示しなければならない。
第三十条の四 厚生大臣は、医療計画の作成の手法その他医療計画の作成上重要な技術的事項について、医療審議会の意見を聴いて、都道府県に対し、必要な助言をすることができる。
第三十条の五 国及び地方公共団体は、医療計画の達成を推進するため、病院又は診療所の不足している地域における病院又は診療所の整備その他心要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 国は、前項に定めるもののほか、都道府県の区域を超えた広域的な見地から必要とされる医療を提供する体制の整備に努めるものとする。
第三十条の六 病院の開設者及び管理者は、医療計画の達成の推進に資するため、当該病院の医療業務に差し支えない限り、その建物の全部又は一部、設備、器械及び器具を当該病院に勤務しない医師、歯科医師又は薬剤師の診療、研究又は研修のために利用させるように努めるものとする。
第三十条の七 都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者又は病院の開設者若しくは管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、病院の開設又は病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更に関して勧告することができる。
第三十二条を次のように改める。
第三十二条 削除
第三十九条第一項中「三人以上」を削る。
第四十一条中「開設する病院若しくは診療所に必要な施設又はこれに要する資金」を「業務を行うに必要な資産」に改め、同条に次の一項を加える。
2 前項の資産に関し必要な事項は、医療法人の開設する医療機関の規模等に応じ、厚生省令で定める。
第四十五条第二項中「当つては」を「当たつては」に、「医療機関整備審議会」を「都道府県医療審議会」に、「きかなければ」を「聴かなければ」に改める。
第四十六条の次に次の二条を加える。
第四十六条の二 医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人又は二人の理事を置くをもつて足りる。
2 次の各号の一に該当する者は、医療法人の役員となることができない。
一 禁治産者又は準禁治産者
二 この法律、医師法、歯科医師法その他医事に関する法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 前号に該当する者を除くほか、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
第四十六条の三 医療法人(次項に規定する医療法人を除く。)の理事のうち一人は、理事長とし、定款又は寄附行為の定めるところにより、医師又は歯科医師である理事のうちから選出する。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる。
2 前条第一項ただし書の規定に基づく都道府県知事の認可を受けて一人の理事を置く医療法人にあつては、この章(第四項を除く。)の規定の適用については、当該理事を理事長とみなす。
3 理事長は、医療法人を代表し、その業務を総理する。
4 理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、定款又は寄附行為の定めるところにより、他の理事が、その職務を代理し、又はその職務を行う。
第四十七条第一項中「、理事数人を有する場合には」を削り、「その開設する」の下に「すべての」を加え、ただし書を次のように改める。
ただし、医療法人が病院又は診療所を二以上開設する場合において、都道府県知事の認可を受けたときは、管理者の一部を理事に加えないことができる。
第四十八条中「医療法人に監事を置いた場合には、」を削る。
第五十三条に次のただし書を加える。
ただし、定款又は寄附行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。
第五十五条第四項中「当つては」を「当たつては」に、「医療機関整備審議会」を「都道府県医療審議会」に、「きかなければ」を「聴かなければ」に改める。
第五十六条第三項中「理事」を「清算人」に改める。
第六十三条及び第六十四条を次のように改める。
第六十三条 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該医療法人に対し、その業務若しくは会計の状況に関し報告を求め、又は当該吏員に、その事務所に立ち入り、業務若しくは会計の状況を検査させることができる。
2 第二十五条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
第六十四条 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該医療法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
2 医療法人が前項の命令に従わないときは、都道府県知事は、当該医療法人に対し、期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解任を勧告することができる。
3 都道府県知事は、前項の規定により、業務の停止を命じ、又は役員の解任を勧告するに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
第六十六条に次の一項を加える。
2 都道府県知事は、前項の規定により設立の認可を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
第六十七条中「又は前三条の規定により業務の停止を命じ、若しくは」を「、第六十四条第二項の規定により業務の停止を命じ、若しくは役員の解任を勧告する場合又は前二条の規定により」に改め、「、これを」を削る。
第六十八条中「第五十二条」を「第五十二条第二項、第五十五条から第五十七条まで、第五十九条」に改め、「これを」を削り、「「都道府県知事」と」の下に「、同法第六十条及び第六十一条中「理事」とあるのは「理事長」と」を加える。
第四章中第六十八条の二を第六十八条の三とし、第六十八条の次に次の一条を加える。
第六十八条の二 二以上の都道府県の区域において病院又は診療所を開設する医療法人に係るこの章の規定の適用については、第四十四条第一項、第四十五条、第四十六条の二第一項ただし書、第四十六条の三第一項ただし書及び第二項、第四十七条第一項ただし書、第五十条、第五十一条第一項、第五十五条第三項、第四項(第五十七条第五項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第五項、第五十六条第二項及び第三項、第五十七条第四項、第五十八条並びに第六十四条から第六十八条まで中「都道府県知事」とあるのは「厚生大臣」と、第四十五条第二項、第五十五条第四項、第六十四条第三項及び第六十六条第二項中「都道府県医療審議会」とあるのは「医療審議会」と、第六十三条第一項中「都道府県知事は」とあるのは「厚生大臣又は都道府県知事は」と、「都道府県知事の」とあるのは「厚生大臣の」と、「当該吏員」とあるのは「当該官吏若しくは吏員」とする。
2 前項の規定により読み替えて適用される第四十四条第一項、第四十六条の二第一項ただし書、第四十六条の三第一項ただし書、第四十七条第一項ただし書、第五十条第一項、第五十五条第三項、第五十六条第二項及び第三項並びに第五十七条第四項の規定による認可の申請は、都道府県知事を経由して行わなければならない。この場合において、都道府県知事は、必要な調査をし、意見を付するものとする。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 雑則
第七十一条の二 この法律の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、厚生大臣の諮問に応じ、医療を提供する体制の確保に関する重要事項を調査審議するため、厚生省に医療審議会を置く。
2 この法律の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、都道府県知事の諮問に応じ、当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する重要事項を調査審議するため、都道府県に、都道府県医療審議会を置く。
3 都道府県医療審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第七十一条の三 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第七十二条を削る。
第七十三条第一項中「第二十五条」を「第二十五条第一項」に、「六月」を「一年」に、「一万円」を「三十万円」に改め、第六章中同条を第七十二条とし、同条の次に次の一条を加える。
第七十三条 次の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第一項、第六十九条第一項から第三項まで若しくは第六項、第七十条第三項又は第七十一条第一項から第三項まで若しくは第五項の規定に違反した者
二 第十四条の規定に違反した者
三 第二十四条、第二十八条又は第二十九条第一項の規定に基づく命令又は処分に違反した者
第七十四条中「左の」を「次の」に、「五千円」を「十万円」に改め、同条第一号中「第二十一条第二号から第十四号まで」を「第二十一条第一項第二号から第十五号まで」に改める。
第七十五条中「第七十二条又は前条」を「前二条」に、「罰する外」を「罰するほか」に改める。
第七十六条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「二十万円」に、「但し」を「ただし」に改め、同条第一号中「基く」を「基づく」に改め、同条第一号の二中「第五十条第三項」の下に「又は第五十一条第一項」を加え、同条第二号中「備付」を「備付け」に改め、同条第四号の次に次の一号を加える。
四の二 第六十三条第一項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第七十六条第五号中「第六十四条」を「第六十四条第二項」に改め、同条第六号中「備付」を「備付け」に改める。
第七十七条中「五千円」を「十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、第五条の二を削る改正規定、第七条の二の改正規定、第二章の次に一章を加える改正規定、第三十二条、第三十九条第一項及び第四十五条第二項の改正規定、第四十六条の次に二条を加える改正規定(第四十六条の二第一項ただし書及び第四十六条の三第二項に係る部分に限る。)、第五十五条第四項の改正規定、第六十四条の改正規定(同条第三項に係る部分に限る。)、第六十六条に一項を加える改正規定並びに第六十八条の二を第六十八条の三とし、第六十八条の次に一条を加える改正規定並びに附則第五条及び第十五条の規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から、次条から附則第四条までの規定は公布の日から施行する。
(検討等)
第二条 政府は、今後の人口動向、医学医術の進歩の推移等を勘案し、病院及び診療所の在り方を含め、医療を提供する体制に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
第三条 政府は、今後の医療の需要に対応した医師、歯科医師及び薬剤師の養成の在り方に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第四条 政府は、地域における適正な医療を確保するため、医療機関が果たしている社会的役割の重要性にかんがみ、医療機関の経営基盤の安定及び業務の円滑な継続を図るための必要な措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第五条 改正後の第七条の二第一項各号に掲げる者が都道府県知事に第七条第一項又は第二項の許可の申請をした場合における許可又は不許可の処分であつて、改正後の第三十条の三第十一項の規定により当該都道府県の医療計画が公示される日までの間にされるものについては、改正前の第七条の二第一項から第四項までの規定は、附則第一条ただし書の政令で定める日以後も、なおその効力を有する。この場合において、改正前の第七条の二第三項中「医療機関整備審議会」とあるのは、「都道府県医療審議会」とする。
第六条 この法律の施行の際現に存する医療法人については、改正後の第四十六条の二から第四十七条まで及び第六十八条の規定にかかわらず、この法律の施行の日から二年間は、なお従前の例による。
第七条 附則第一条ただし書の政令で定める日の前日までの間において、都道府県知事は、改正後の第六十四条第二項又は第六十六条第一項の規定に基づく処分を行うに当たつては、あらかじめ、医療機関整備審議会の意見を聴かなければならない。
第八条 改正前の医療法の規定及び前条の規定によつてした処分又は手続は、改正後の医療法の相当規定によつてしたものとみなす。
第九条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五百八十六条第二項第五号中「第一条第一項」を「第一条の二第一項」に改める。
第七百一条の三十四第三項第九号中「第一条」を「第一条の二」に改める。
(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正)
第十一条 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。
第八条第三号中「第一条」を「第一条の二」に改める。
(公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律等の一部改正)
第十二条 次に掲げる法律の規定中「第一条第一項」を「第一条の二第一項」に改める。
一 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和四十二年法律第百十号)第五条第二号
二 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第三条第二項第二号
三 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法(昭和五十三年法律第二十六号)第五条第一項第二号
(沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)
第十三条 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第百条第六項中「第七十三条第一項」を「第七十二条第一項」に改め、同条第七項の表第七十二条第一号の項を削り、同表第七十三条第一項の項中「第七十三条第一項」を「第七十二条第一項」に改め、同項の次に次のように加える。
第七十三条第一号
第六十九条第一項から第三項まで若しくは第六項
沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第百条第七項において第五条第一項の規定を準用することにより適用される第六十九条第一項から第三項まで若しくは第六項
(水源地域対策特別措置法の一部改正)
第十四条 水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。
別表第一中「第一条第二項」を「第一条の二第二項」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第十五条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第六条第三十九号の次に次の一号を加える。
三十九の二 医療法の規定に基づき、二以上の都道府県の区域において病院又は診療所を開設する医療法人の設立、解散又は合併を認可し、その業務の停止を命じ、又は役員の解任を勧告し、及びその設立の認可を取り消すこと。
内閣総理大臣 中曽根康弘
厚生大臣 増岡博之