第三十条の三 都道府県は、当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画(以下「医療計画」という。)を定めるものとする。
2 医療計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 主として病院の病床(次号に規定する病床及び第七条第二項に規定するその他の病床以外の病床を除く。)の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項
二 二以上の前号に規定する区域を併せた区域であつて、主として厚生省令で定める特殊な医療を提供する病院の第七条第二項に規定するその他の病床であつて当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての区域の設定に関する事項
三 第七条第二項に規定するその他の病床に係る必要病床数及び同項に規定するその他の病床以外の病床に係る必要病床数に関する事項
3 医療計画においては、前項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を定めることができる。
一 その機能を考慮した病院の整備の目標に関する事項
二 へき地の医療及び休日診療、夜間診療等の救急医療の確保に関する事項
三 病院、診療所、薬局その他医療に関する施設の相互の機能及び業務の連係に関する事項
四 医師及び歯科医師並びに薬剤師、看護婦その他の医療従業者の確保に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、医療を提供する体制の確保に関し必要な事項
4 第二項第一号及び第二号に規定する区域の設定並びに必要病床数に関する標準は、厚生省令で定める。
5 厚生大臣は、第二項第二号及び前項の厚生省令を定めようとするときは、医療審議会の意見を聴かなければならない。
6 都道府県は、医療計画を作成するに当たつては、他の法律の規定による計画であつて医療の確保に関する事項を定めるものとの調和が保たれるようにするとともに、公衆衛生、薬事、社会福祉その他医療と密接な関連を有する施策との連係を図るように努めなければならない。
7 都道府県は、医療計画を作成するに当たつて、当該都道府県の境界周辺の地域における医療の需給の実情に照らし必要があると認めるときは、関係都道府県と連絡調整を行うものとする。
8 都道府県は、少なくとも五年ごとに医療計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
9 都道府県は、医療に関する専門的科学的知見に基づいて医療計画の案を作成するため、診療又は調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。
10 都道府県は、医療計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会及び市町村(救急業務を共同処理する一部事務組合を含む。)の意見を聴かなければならない。
11 都道府県は、医療計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生大臣に提出するとともに、その内容を公示しなければならない。
第三十条の四 厚生大臣は、医療計画の作成の手法その他医療計画の作成上重要な技術的事項について、医療審議会の意見を聴いて、都道府県に対し、必要な助言をすることができる。
第三十条の五 国及び地方公共団体は、医療計画の達成を推進するため、病院又は診療所の不足している地域における病院又は診療所の整備その他心要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 国は、前項に定めるもののほか、都道府県の区域を超えた広域的な見地から必要とされる医療を提供する体制の整備に努めるものとする。
第三十条の六 病院の開設者及び管理者は、医療計画の達成の推進に資するため、当該病院の医療業務に差し支えない限り、その建物の全部又は一部、設備、器械及び器具を当該病院に勤務しない医師、歯科医師又は薬剤師の診療、研究又は研修のために利用させるように努めるものとする。
第三十条の七 都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者又は病院の開設者若しくは管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、病院の開設又は病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更に関して勧告することができる。