(許可)
第四条 狩猟、有害鳥獣駆除、と殺、人命救助、漁業、建設業又は政令で定める試験若しくは研究の用途に供するため必要な銃砲又は刀剣類を所持しようとする者及び国際的又は全国的な規模で開催される政令で定める運動競技会における運動競技の出発合図の用途に供するため必要な銃砲を所持しようとする審判に従事する者で政令で定めるものは、総理府令で定める手続により、当該銃砲又は刀剣類の所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。祭礼等の年中行事に用いる刀剣類その他の刀剣類で所持することが一般の風俗慣習上やむを得ないと認められるものを所持しようとする者についても、また同様とする。
2 法人が前項に掲げる業務のため代表者又は代理人、使用人その他の従業者に銃砲又は刀剣類を所持させようとする場合においては、総理府令で定める手続により、現に銃砲又は刀剣類を所持しようとする法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
(許可の基準)
第五条 都道府県公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号の一に該当する場合においては、許可をしてはならない。
二 精神病者、麻薬若しくは大麻の中毒者又は心神耗弱者
四 第十一条の規定により許可を取り消された日から起算して三年を経過していない者
五 第三条第一項の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者で、その刑の執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していないもの
六 人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
2 都道府県公安委員会は、変装銃砲刀剣類については、許可をしてはならない。
(国際競技に参加する外国人に対する許可の特例)
第六条 本邦において開催される銃砲又は刀剣類を使用する国際競技に参加するため入国する外国人は、総理府令で定める手続により、当該国際競技に用いる銃砲又は刀剣類の所持について、出入国港の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
2 前項の規定による許可の申請があつた場合においては、都道府県公安委員会は、政令で定めるところにより期間を定めて、許可するものとする。
(許可証)
第七条 都道府県公安委員会は、第四条又は前条の規定による許可をする場合においては、許可証を交付しなければならない。
2 前項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証の記載事項に変更を生じた場合、当該許可証を亡失し、若しくは盗み取られた場合又は当該許可証が滅失した場合においては、総理府令で定める手続により、すみやかにその旨を住所地(前条の外国人にあつては、現在地。以下同じ。)を管轄する都道府県公安委員会に届け出て許可証の書換又は再交付を受けなければならない。
(許可の失効及び許可証の返納)
第八条 第四条又は第六条の規定による許可は、次の各号の一に掲げる場合においては、その効力を失う。
二 許可を受けた者が銃砲又は刀剣類を譲り渡し、その他自己の意思に基いて所持しないこととなつた場合
三 銃砲若しくは刀剣類を亡失し、若しくは盗み取られ、又はこれらが滅失した場合
四 第二十七条第一項の規定により銃砲若しくは刀剣類の提出を命ぜられ、又はこれらが没収された場合
五 第四条第一項の規定により運動競技の出発合図の用途に供するため必要な銃砲の所持の許可を受けた者が同項に規定する政令で定める者でなくなつた場合
2 許可証の交付を受けた者は、次の各号の一に該当するに至つた場合においては、すみやかに当該許可証(第三号の場合にあつては、回復した許可証)を住所地を管轄する都道府県公安委員会に返納しなければならない。
3 許可を受けた者が死亡したことにより許可が失効した場合において、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第八十七条の規定によつて死亡の届出をする義務がある者又は外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第十二条第三項の規定によつて死亡した外国人の登録証明書を返納する義務がある者があるときは、前項の規定にかかわらず、その者が、死亡の事実を知つた日から起算して十日以内に、許可証を返納しなければならない。
4 第六条の規定による許可を受けた外国人は、当該許可の期間が満了する日前に出国する場合においては、出入国港の所在地を管轄する都道府県公安委員会に許可証を返納しなければならない。
第九条 第四条の規定による許可を受けて銃砲を所持する者が当該許可に係る銃砲を武器等製造法の猟銃等販売事業者又は捕鯨用標識銃等販売事業者に譲り渡す場合においては、当該許可証とともにしなければならない。この場合においては、前条第二項第一号の規定は、適用しない。
2 前項の場合においては、武器等製造法の猟銃等販売事業者又は捕鯨用標識銃等販売事業者が、譲渡人の譲渡承諾書を添えて、すみやかに事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に当該許可証を返納しなければならない。
(所持の態様についての制限)
第十条 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、それぞれ第四条又は第六条に掲げる用途に供するかその他正当な理由がある場合を除いては、当該許可を受けた銃砲又は刀剣類を携帯し、又は運搬してはならない。
2 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、次の各号の一に該当する場合を除いては、当該許可を受けた銃砲を発射してはならない。
一 狩猟法(大正七年法律第三十二号)の規定により銃猟をする場合
二 前号に掲げる場合のほか、第四条又は第六条に掲げる用途に供するため使用する場合
三 都道府県公安委員会の指定する射撃場において射撃をする場合
3 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、当該許可を受けた銃砲を携帯し、又は運搬する場合においては、前項各号の一に該当する場合を除き、安全装置をする等直ちに発射できないようにして、おおいをかぶせ、又は容器に入れなければならない。
(許可の取消及び仮領置)
第十一条 都道府県公安委員会は、許可を受けた銃砲又は刀剣類を所持する者が次の各号の一に該当する場合においては、その許可を取り消すことができる。
一 この法律若しくはこれに基く政令の規定又はこれらに基く処分に違反した場合
二 第五条第一項第二号、第三号、第五号又は第六号に該当するに至つた場合
2 都道府県公安委員会は、前項各号の一に掲げる理由が発生した場合において、人の生命又は財産に対する危険を防止するため必要があると認めるときは、第二十七条第一項の規定の適用がある場合を除き、取消前において、又は取消後において、当該銃砲又は刀剣類の提出を命じ、提出された銃砲又は刀剣類を仮領置することができる。
3 許可が取り消された場合においては、当該許可を受けていた者は、前項の規定により銃砲又は刀剣類が仮領置されている場合を除き、適法に当該許可に係る銃砲又は刀剣類を所持することができる第三者に譲り渡し、贈与し、若しくは所有者に返還し、又は自ら廃棄する等当該銃砲又は刀剣類を所持しないこととするための措置をとらなければならない。
4 許可が取り消され、かつ、第二項の規定により銃砲又は刀剣類が仮領置されている場合において、許可が取り消された者からの譲渡、贈与、返還等により新たに所持の許可を受けようとする者が総理府令で定める手続により返還の申請をしたときは、当該銃砲又は刀剣類をその者に返還することができる。
5 許可が取り消された日から起算して六月以内に前項の規定による返還の申請がない場合においては、当該仮領置した銃砲又は刀剣類は、政令で定めるところにより、都道府県公安委員会において、売却することができる。ただし、当該銃砲又は刀剣類で、売却することができないもの又は売却に付しても買受人がないと認められるものは、廃棄することができる。
6 前項の規定により売却した代金は、総理府令で定める手続により、当該銃砲又は刀剣類を提出した者に交付するものとする。ただし、保管及び売却に要した費用を控除することができる。
7 許可が取り消されなかつた場合においては、都道府県公安委員会は、第二項の規定により仮領置した銃砲又は刀剣類をすみやかに当該銃砲又は刀剣類を所持していた者に返還しなければならない。
(聴聞)
第十二条 都道府県公安委員会は、前条第一項の規定による処分をしようとする場合においては、あらかじめ、当該銃砲又は刀剣類を所持する者又はその代理人の出頭を求めて、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、公開による聴聞を行わなければならない。
2 前項の場合においては、都道府県公安委員会は、処分しようとする理由並びに聴聞の期日及び場所を、期日の一週間前までに、当該銃砲又は刀剣類を所持する者に通告し、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 都道府県公安委員会は、前項の規定による通告及び公示をした場合において、当該銃砲又は刀剣類を所持する者又はその代理人が正当な理由がなくて聴聞期日に出頭しないときは、第一項の規定にかかわらず、聴聞を経ないで前条第一項の規定による処分をすることができる。
4 都道府県公安委員会は、第一項の場合において、当該銃砲又は刀剣類を所持する者の所在が不明であるため第二項の通告をすることができず、かつ、同項の規定による公示をした日から起算して三十日を経過してもその者の所在が判明しないときは、第一項の規定にかかわらず、聴聞を経ないで前条第一項の規定による処分をすることができる。
(検査)
第十三条 都道府県公安委員会は、許可を受けた銃砲又は刀剣類の所持が適正に行われているかどうかを調査する必要があると認めるときは、警察官に、あらかじめ日時及び場所を指定して、当該銃砲又は刀剣類を所持する者に対し、当該銃砲若しくは刀剣類及び許可証を提示させ、質問し、又は当該銃砲若しくは刀剣類及び許可証を検査させることができる。