自然環境保全法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第26号
公布年月日: 平成2年6月5日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

我が国では、自然環境保全地域等を指定し、動植物の捕獲・採取等の制限により優れた自然環境の保全を図っているが、それ以外の行為による影響も防止する必要がある。また、自然景観や動植物の生息環境保護のため、四輪駆動車やスノーモービル等の無秩序な乗り入れを規制する必要が生じている。そこで、自然環境保全地域等における適正な保全を図るため、動植物の殺傷・損傷行為、環境庁長官が指定する区域内での車馬の使用等を新たに許可を要する行為として追加し、自然環境の保全をより確実なものとするため、本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第118回国会 衆議院 環境委員会 第2号

審議経過

第118回国会

参議院
(平成2年4月25日)
衆議院
(平成2年4月27日)
(平成2年5月25日)
(平成2年5月29日)
参議院
(平成2年5月30日)
(平成2年5月30日)
自然環境保全法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二年六月五日
内閣総理大臣 海部俊樹
法律第二十六号
自然環境保全法等の一部を改正する法律
(自然環境保全法の一部改正)
第一条 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項ただし書中「行なう」を「行う」に改め、同項第七号中「植物」の下に「を採取し、若しくは損傷し、」を加え、同項第九号中「捕獲し」の下に「、若しくは殺傷し」を加え、「採取する」を「採取し、若しくは損傷する」に改める。
第二十五条第四項ただし書中「行なう」を「行う」に改め、同項に次の一号を加える。
四 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
第二十六条第三項中「捕獲し」の下に「、若しくは殺傷し」を加え、「採取しては」を「採取し、若しくは損傷しては」に改め、同項第一号、第二号、第四号及び第五号中「行なう」を「行う」に改める。
第二十七条第三項ただし書中「行なう」を「行う」に改め、同項第五号中「採捕する」を「捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷する」に改める。
第五十三条中「二十万円」を「五十万円」に改める。
第五十四条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「附せられた」を「付せられた」に改める。
第五十五条中「十万円」を「三十万円」に改める。
第五十六条中「五万円」を「二十万円」に改める。
(自然公園法の一部改正)
第二条 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
第十七条第三項第八号中「採取する」を「採取し、又は損傷する」に改め、同項第九号中「へい」を「塀」に改め、同項に次の一号を加える。
十 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
第十八条第三項第一号中「前条第三項各号」を「前条第三項第一号から第七号まで及び第九号」に改め、同項第二号を同項第二号の二とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 木竹を損傷すること。
第十八条第三項第五号中「火入」を「火入れ」に改め、同項第六号中「植物」を「木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、」に改め、同項第七号中「捕獲し」の下に「、若しくは殺傷し」を加え、「採取する」を「採取し、若しくは損傷する」に改め、同項第八号中「地域内へ車馬を入れる」を「地域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させる」に改める。
第十八条の二第三項ただし書中「行なう」を「行う」に改め、同項第二号中「採捕する」を「捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷する」に改める。
第四十九条中「二十万円」を「五十万円」に改める。
第五十条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第二号中「附せられた」を「付せられた」に改める。
第五十一条中「十万円」を「三十万円」に改める。
第五十二条中「五万円」を「二十万円」に改める。
(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部改正)
第三条 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。
第一条ノ四第一項中「之ヲ捕獲スル」を「其ノ捕獲(殺傷ヲ含ム以下同ジ)ヲ為ス」に改める。
第二条中「之ヲ」を「其ノ」に、「採取スル」を「採取(損傷ヲ含ム以下同ジ)ヲ為ス」に改める。
第三条中「之ヲ」を「其ノ」に、「捕獲スル」を「捕獲ヲ為ス」に改める。
第八条ノ三第七項中「狩猟鳥獣ヲ捕獲スル」を「狩猟鳥獣ノ捕獲ヲ為ス」に改める。
第十一条第一項中「鳥獣ヲ捕獲スル」を「鳥獣ノ捕獲ヲ為ス」に改める。
第十二条第一項中「鳥獣ヲ捕獲シ又ハ鳥類ノ卵ヲ採取スル」を「鳥獣ノ捕獲又ハ鳥類ノ卵ノ採取ヲ為ス」に改める。
第十三条中「捕獲シタル」を「捕獲ヲ為シタル」に改める。
第十四条第三項中「狩猟鳥獣ヲ捕獲スル」を「狩猟鳥獣ノ捕獲ヲ為ス」に改める。
第十五条中「鳥獣ヲ捕獲スル」を「鳥獣ノ捕獲ヲ為ス」に改める。
第十九条中「鳥獣ヲ捕獲シ、又ハ鳥類ノ卵ヲ採取セントスル」を「鳥獣ノ捕獲又ハ鳥類ノ卵ノ採取ヲ為サントスル」に改める。
第二十条中「捕獲シタル」を「捕獲ヲ為シタル」に、「採取シタル」を「採取ヲ為シタル」に改める。
第二十条ノ二第一項中「捕獲シ、又ハ採取シタル」を「捕獲又ハ採取ヲ為シタル」に、「採取セル」を「採取ヲ為セル」に改める。
第二十一条第一項中「三十万円」を「五十万円」に改め、同項第一号中「第三条」を「第一条ノ四第一項、第二条、第三条一」に改める。
第二十二条中「二十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第一条ノ四第一項、第二条、」を削る。
第二十二条ノ二中「二十万円」を「三十万円」に改める。
第二十三条中「十万円」を「二十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(火薬類取締法の一部改正)
第二条 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項第三号中「鳥獣を捕獲すること」を「鳥獣の捕獲をすること」に、「鳥獣を捕獲する目的」を「鳥獣の捕獲(殺傷を含む。)をする目的」に改める。
(銃砲刀剣類所持等取締法の一部改正)
第三条 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)の一部を次のように改正する。
第五条の二第四項第一号中「、ライフル銃による獣類の捕獲」の下に「(殺傷を含む。以下同じ。)」を加える。
内閣総理大臣 海部俊樹
通商産業大臣 武藤嘉文