地方道路税法
法令番号: 法律第104号
公布年月日: 昭和30年7月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

道路整備五カ年計画の実施に伴う地方団体の道路整備所要財源の増加等に対処するため、都道府県等の道路財源に充てることを目的として、揮発油一キロリットルにつき四千円の地方道路税を新設する。これに伴い揮発油税を一万三千円から一万一千円に引き下げ、両税の総負担は一万五千円となり、現行より二千円増加する。地方財政の状況や道路費の増加による地方負担への影響を考慮し、地方道路財源充実のためにこの程度の増徴はやむを得ないと判断した。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第8号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年5月17日)
参議院
(昭和30年5月17日)
衆議院
(昭和30年5月19日)
(昭和30年5月20日)
参議院
(昭和30年5月20日)
衆議院
参議院
(昭和30年5月24日)
衆議院
(昭和30年5月26日)
参議院
(昭和30年5月26日)
衆議院
(昭和30年5月28日)
(昭和30年5月31日)
(昭和30年6月2日)
参議院
(昭和30年6月2日)
衆議院
参議院
(昭和30年6月20日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
(昭和30年7月25日)
参議院
(昭和30年7月29日)
(昭和30年7月30日)
(昭和30年7月30日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
地方道路税法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年七月三十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百四号
地方道路税法
(課税目的及び課税物件)
第一条 都道府県及び道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項に規定する指定市に対し、道路に関する費用に充てる財源を譲与するため、揮発油には、この法律により、地方道路税を課する。
(定義)
第二条 この法律において「揮発油」とは、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)第二条第一項に規定する炭化水素油及び同法第十五条の規定により揮発油とみなされる物をいう。
2 この法律において「揮発油税」とは、揮発油税法の規定による揮発油税をいう。
3 この法律において「保税地域」とは、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。
(課税標準)
第三条 地方道路税の課税標準は、揮発油税の課税標準となる揮発油の数量とする。
(税率)
第四条 地方道路税の税率は、揮発油一キロリットルにつき二千円とする。
(納税義務者)
第五条 地方道路税は、製造場(揮発油税法第七条第二項において製造場とみなす場所を含む。以下同じ。)又は保税地域から揮発油を引き取るとき(製造場又は保税地域において揮発油を消費するときを含む。)、その引取人(製造場又は保税地域において消費される揮発油については、その消費者)から徴収する。
2 前項の規定は、揮発油税法第七条第一項又は第八条第一項の規定の適用を受けて揮発油を製造場又は保税地域から引き取る場合には、適用しない。
3 前項の規定の適用を受けた揮発油について揮発油税法第七条第三項(同法第八条第二項において準用する場合を含む。)又は第九条第二項の規定により揮発油税を徴収することとなるときは、その引取人から地方道路税を徴収する。
(燈油及びもどし入れ等をした揮発油の不課税)
第六条 揮発油税法第十一条第一項に規定する燈油及び同法第十二条の規定の適用を受ける揮発油については地方道路税を課さない。
(徴収)
第七条 地方道路税は、揮発油税にあわせて徴収しなければならない。
2 地方道路税及び揮発油税の納付があつたときは、その納付に係る金額の十三分の二に相当する税額の地方道路税及び十三分の十一に相当する税額の揮発油税の納付があつたものとする。
(担保の提供及び処分)
第八条 揮発油税法第五条第一項ただし書の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、揮発油税法第十条第一項の規定により担保を提供させるときは、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供させなければならない。
3 揮発油税法第五条第二項及び第五条の二の規定は、前二項の規定により提供された担保について準用する。
4 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第七条ノ四第四項の規定は、第一項又は第二項の規定により提供された担保物について準用する。
(未納税品の消費禁止等)
第九条 製造場又は保税地域においては、地方道路税を納付しなければ、揮発油を消費してはならない。
2 第五条第二項又は第六条の規定の適用がある場合並びに第七条第一項及び揮発油税法第五条第一項ただし書の規定により揮発油税にあわせて地方道路税の徴収が猶予される場合を除くほか、地方道路税を納付する前に、製造場又は保税地域から揮発油を引き取り、又は引き渡してはならない。
3 揮発油税法第八条第一項に規定する揮発油は、地方道路税を納付しなければ、この法律の施行地において、消費し、又は消費する目的で譲り渡してはならない。
(利子税額)
第十条 揮発油税法第十五条の二の規定により揮発油税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、未納の地方道路税額及び揮発油税額の合算額について同条の規定による利子税額の計算に準じて計算した金額(以下次項において「利子税額の合算額」という。)の十三分の二に相当する金額を地方道路税に係る利子税額として地方道路税額にあわせて徴収する。
2 前項の規定により地方道路税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、揮発油税法第十五条の二の規定にかかわらず、利子税額の合算額の十三分の十一に相当する金額を同条の規定により徴収すべき利子税額とみなす。
3 第七条第一項の規定は、前二項に規定する利子税額を徴収する場合について準用する。
(延滞加算税額)
第十一条 国税徴収法第九条第三項から第十項までの規定により地方道路税及び揮発油税に係る延滞加算税額を徴収すべき場合においては、これらの規定にかかわらず、滞納に係る地方道路税額及び揮発油税額の合算額についてこれらの規定による延滞加算税額の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれこれらの規定により徴収すべき地方道路税に係る延滞加算税額及び揮発油税に係る延滞加算税額とみなす。
2 第七条第一項の規定は、前項に規定する延滞加算税額を徴収する場合について準用する。
(還付及び充当)
第十二条 地方道路税に係る過誤納金は、揮発油税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。
2 過誤納に係る国税及び滞納処分費並びに国税徴収法第三十一条ノ六の規定による還付加算金を未納の地方道路税又は揮発油税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。
3 地方道路税及び揮発油税に係る過誤納金は、国税徴収法第三十一条ノ五の規定にかかわらず、未納の地方道路税及び揮発油税以外の国税又は滞納処分費に充当してはならない。
4 第一項の規定による還付があつたときは、その還付に係る金額の十三分の二に相当する地方道路税の過誤納金及び十三分の十一に相当する揮発油税の過誤納金の還付があつたものとし、また、第二項の規定による充当があつたときは、その充当に係る金額の十三分の二に相当する未納の地方道路税及び十三分の十一に相当する未納の揮発油税に対する充当があつたものとする。
(還付加算金)
第十三条 国税徴収法第三十一条ノ六の規定により還付加算金を地方道路税及び揮発油税の過誤納額に加算すべき場合においては、同条の規定にかかわらず、これらの過誤納額の合算額について同条の規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれ同条の規定により加算すべき地方道路税に係る還付加算金及び揮発油税に係る還付加算金とみなす。
2 地方道路税及び揮発油税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。
(端数計算)
第十四条 地方道路税及び揮発油税の徴収すべき金額の合算額に十円未満の端数があるとき、又はその全額が十円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
2 地方道路税及び揮発油税の過誤納金として還付すべき金額の合算額に一円未満の端数があるとき、又はその全額が一円未満であるときは、その端数金額又はその全額を一円として計算する。
(罰則)
第十五条 次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為によつて地方道路税を免かれた者
二 第九条第一項の規定に違反して揮発油を消費した者
三 第九条第二項の規定に違反して揮発油を引き取り、又は引き渡した者
四 第九条第三項の規定に違反して揮発油を消費し、又は譲り渡した者
2 前項の犯罪に係る揮発油に対する地方道路税に相当する金額の十倍が五十万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五十万円をこえ当該地方道路税に相当する金額の十倍以下とすることができる。
3 第一項の場合においては、直ちにその地方道路税を徴収する。
第十六条 前条の罰を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。ただし、懲役の刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
第十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第十五条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。
附 則
1 この法律は、昭和三十年八月一日から施行する。
2 揮発油税法の一部を次のように改正する。
第四条中「一万三千円」を「一万一千円」に改める。
3 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた揮発油税については、第五項において定めるものを除くほか、なお従前の例による。
4 揮発油税法第七条第一項若しくは第八条第一項又は租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)第二十六条第一項の規定による承認を受けてこの法律の施行前に製造場又は保税地域から引き取つた揮発油がその承認の際税務署長又は税関長が指定した期間内にその承認を受けた引取先に移入され、若しくは輸出された、又は航空機の燃料用に供されたことの証明がない場合(当該期間がこの法律の施行の日の前日までに終る場合を除く。)、この法律の施行後に揮発油税法第九条第一項ただし書の規定による承認を受けて揮発油が消費され、又は譲渡された場合及びこの法律の施行前に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十一号)第十条第一項(日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百四十九号)第三条第一項において準用する場合を含む。)、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十二号)第七条又は日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百十二号)第一条に規定する協定第六条の規定により揮発油税の免除を受けた揮発油についてこの法律の施行後にこれらの法律の規定により揮発油税の追徴が行われる場合における揮発油税の徴収については、第二項の規定による改正後の揮発油税法第四条の規定を適用する。この場合においては、当該揮発油について揮発油税を課する際、当該揮発油を製造場又は保税地域から引き取ったものとみなして、地方道路税を課する。
5 第二項の規定による改正前の揮発油税法の規定により課した、又は課すべきであつた揮発油税として昭和三十年四月一日以後徴収された金額(昭和二十九年度分として徴収された金額及びこの法律の施行前に還付され、又は未納の揮発油税以外の国税若しくは滞納処分費に充当された金額を除く。)のうち、その十三分の四に相当する金額はこの法律の規定による地方道路税として、十三分の九に相当する金額は揮発油税として、それぞれ国税収納金整理資金に受け入れられたものとみなす。この場合において、揮発油税に係る過誤納金を還付し、又は充当するときは、その金額の十三分の四に相当する金額は地方道路税の過誤納金として、十三分の九に相当する金額は揮発油税の過誤納金として、それぞれ還付し、又は充当するものとみなす。
6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
7 租税特別措置法の一部を次のように改正する。
第一条中「揮発油税」の下に「、地方道路税」を加える。
第二十六条第一項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加え、同条第二項に次の後段を加える。
この場合において、揮発油税を徴収することとなるときは、当該揮発油の引取人から地方道路税をあわせて徴収する。
8 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「揮発油税」の下に「、地方道路税」を、同条第三項中「税目の異なるごとの金額」の下に「(控除される税目のうちに揮発油税及び地方道路税があるときは、これらの税目について計算した金額の合算額)」を加え、同条第四項に次の後段を加える。
この場合において、その還付が揮発油税及び地方道路税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第四項の規定を準用する。
9 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「揮発油税、」の下に「地方道路税、」を加える。
10 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「(昭和二十四年法律第四十四号)」の下に「、地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」を加える。
第十条の見出し中「揮発油税法」の下に「及び地方道路税法」を加え、同条中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加える。
第十一条第一項及び第三項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加える。
11 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「及び揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)」を「、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)及び地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第七条中「及び揮発油税」を「、揮発油税及び地方道路税」に改める。
第十二条第三項中「並びに揮発油税法第五条」を「、揮発油税法第五条並びに地方道路税法第五条」に改める。
12 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の一部を次のように改正する。
第百十九条中「揮発油税、」の下に「地方道路税、」を加える。
13 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「及び揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)」を「、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)及び地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第二条第一項中「若しくは揮発油税」を「、揮発油税若しくは地方道路税」に改める。
第四条第二項中「及び揮発油税法第五条」を「、揮発油税法第五条及び地方道路税法第五条」に改める。
第五条第一項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を、「揮発油税法」の下に「及び地方道路税法」を加える。
14 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「しやし繊維品の課税に関する法律(昭和二十九年法律第___号)」を「地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第三条第一項中「しやし繊維品の課税に関する法律」を「地方道路税法」に改め、同条第二項中「繊維品消費税」を「地方道路税」に、「、揮発油又は繊維製品」を「又は揮発油」に改める。
第四条中「しやし繊維品の課税に関する法律」を「地方道路税法」に改める。
附則第一項中「及び繊維品消費税」、「それぞれ」及び「又はしやし繊維品の課税に関する法律」を削る。
大蔵大臣 一万田尚登
内閣総理大臣 鳩山一郎
地方道路税法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年七月三十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百四号
地方道路税法
(課税目的及び課税物件)
第一条 都道府県及び道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項に規定する指定市に対し、道路に関する費用に充てる財源を譲与するため、揮発油には、この法律により、地方道路税を課する。
(定義)
第二条 この法律において「揮発油」とは、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)第二条第一項に規定する炭化水素油及び同法第十五条の規定により揮発油とみなされる物をいう。
2 この法律において「揮発油税」とは、揮発油税法の規定による揮発油税をいう。
3 この法律において「保税地域」とは、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。
(課税標準)
第三条 地方道路税の課税標準は、揮発油税の課税標準となる揮発油の数量とする。
(税率)
第四条 地方道路税の税率は、揮発油一キロリットルにつき二千円とする。
(納税義務者)
第五条 地方道路税は、製造場(揮発油税法第七条第二項において製造場とみなす場所を含む。以下同じ。)又は保税地域から揮発油を引き取るとき(製造場又は保税地域において揮発油を消費するときを含む。)、その引取人(製造場又は保税地域において消費される揮発油については、その消費者)から徴収する。
2 前項の規定は、揮発油税法第七条第一項又は第八条第一項の規定の適用を受けて揮発油を製造場又は保税地域から引き取る場合には、適用しない。
3 前項の規定の適用を受けた揮発油について揮発油税法第七条第三項(同法第八条第二項において準用する場合を含む。)又は第九条第二項の規定により揮発油税を徴収することとなるときは、その引取人から地方道路税を徴収する。
(灯油及びもどし入れ等をした揮発油の不課税)
第六条 揮発油税法第十一条第一項に規定する灯油及び同法第十二条の規定の適用を受ける揮発油については地方道路税を課さない。
(徴収)
第七条 地方道路税は、揮発油税にあわせて徴収しなければならない。
2 地方道路税及び揮発油税の納付があつたときは、その納付に係る金額の十三分の二に相当する税額の地方道路税及び十三分の十一に相当する税額の揮発油税の納付があつたものとする。
(担保の提供及び処分)
第八条 揮発油税法第五条第一項ただし書の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、揮発油税法第十条第一項の規定により担保を提供させるときは、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供させなければならない。
3 揮発油税法第五条第二項及び第五条の二の規定は、前二項の規定により提供された担保について準用する。
4 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第七条ノ四第四項の規定は、第一項又は第二項の規定により提供された担保物について準用する。
(未納税品の消費禁止等)
第九条 製造場又は保税地域においては、地方道路税を納付しなければ、揮発油を消費してはならない。
2 第五条第二項又は第六条の規定の適用がある場合並びに第七条第一項及び揮発油税法第五条第一項ただし書の規定により揮発油税にあわせて地方道路税の徴収が猶予される場合を除くほか、地方道路税を納付する前に、製造場又は保税地域から揮発油を引き取り、又は引き渡してはならない。
3 揮発油税法第八条第一項に規定する揮発油は、地方道路税を納付しなければ、この法律の施行地において、消費し、又は消費する目的で譲り渡してはならない。
(利子税額)
第十条 揮発油税法第十五条の二の規定により揮発油税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、未納の地方道路税額及び揮発油税額の合算額について同条の規定による利子税額の計算に準じて計算した金額(以下次項において「利子税額の合算額」という。)の十三分の二に相当する金額を地方道路税に係る利子税額として地方道路税額にあわせて徴収する。
2 前項の規定により地方道路税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、揮発油税法第十五条の二の規定にかかわらず、利子税額の合算額の十三分の十一に相当する金額を同条の規定により徴収すべき利子税額とみなす。
3 第七条第一項の規定は、前二項に規定する利子税額を徴収する場合について準用する。
(延滞加算税額)
第十一条 国税徴収法第九条第三項から第十項までの規定により地方道路税及び揮発油税に係る延滞加算税額を徴収すべき場合においては、これらの規定にかかわらず、滞納に係る地方道路税額及び揮発油税額の合算額についてこれらの規定による延滞加算税額の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれこれらの規定により徴収すべき地方道路税に係る延滞加算税額及び揮発油税に係る延滞加算税額とみなす。
2 第七条第一項の規定は、前項に規定する延滞加算税額を徴収する場合について準用する。
(還付及び充当)
第十二条 地方道路税に係る過誤納金は、揮発油税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。
2 過誤納に係る国税及び滞納処分費並びに国税徴収法第三十一条ノ六の規定による還付加算金を未納の地方道路税又は揮発油税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。
3 地方道路税及び揮発油税に係る過誤納金は、国税徴収法第三十一条ノ五の規定にかかわらず、未納の地方道路税及び揮発油税以外の国税又は滞納処分費に充当してはならない。
4 第一項の規定による還付があつたときは、その還付に係る金額の十三分の二に相当する地方道路税の過誤納金及び十三分の十一に相当する揮発油税の過誤納金の還付があつたものとし、また、第二項の規定による充当があつたときは、その充当に係る金額の十三分の二に相当する未納の地方道路税及び十三分の十一に相当する未納の揮発油税に対する充当があつたものとする。
(還付加算金)
第十三条 国税徴収法第三十一条ノ六の規定により還付加算金を地方道路税及び揮発油税の過誤納額に加算すべき場合においては、同条の規定にかかわらず、これらの過誤納額の合算額について同条の規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれ同条の規定により加算すべき地方道路税に係る還付加算金及び揮発油税に係る還付加算金とみなす。
2 地方道路税及び揮発油税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。
(端数計算)
第十四条 地方道路税及び揮発油税の徴収すべき金額の合算額に十円未満の端数があるとき、又はその全額が十円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
2 地方道路税及び揮発油税の過誤納金として還付すべき金額の合算額に一円未満の端数があるとき、又はその全額が一円未満であるときは、その端数金額又はその全額を一円として計算する。
(罰則)
第十五条 次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為によつて地方道路税を免かれた者
二 第九条第一項の規定に違反して揮発油を消費した者
三 第九条第二項の規定に違反して揮発油を引き取り、又は引き渡した者
四 第九条第三項の規定に違反して揮発油を消費し、又は譲り渡した者
2 前項の犯罪に係る揮発油に対する地方道路税に相当する金額の十倍が五十万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五十万円をこえ当該地方道路税に相当する金額の十倍以下とすることができる。
3 第一項の場合においては、直ちにその地方道路税を徴収する。
第十六条 前条の罰を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。ただし、懲役の刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
第十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第十五条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。
附 則
1 この法律は、昭和三十年八月一日から施行する。
2 揮発油税法の一部を次のように改正する。
第四条中「一万三千円」を「一万一千円」に改める。
3 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた揮発油税については、第五項において定めるものを除くほか、なお従前の例による。
4 揮発油税法第七条第一項若しくは第八条第一項又は租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)第二十六条第一項の規定による承認を受けてこの法律の施行前に製造場又は保税地域から引き取つた揮発油がその承認の際税務署長又は税関長が指定した期間内にその承認を受けた引取先に移入され、若しくは輸出された、又は航空機の燃料用に供されたことの証明がない場合(当該期間がこの法律の施行の日の前日までに終る場合を除く。)、この法律の施行後に揮発油税法第九条第一項ただし書の規定による承認を受けて揮発油が消費され、又は譲渡された場合及びこの法律の施行前に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十一号)第十条第一項(日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百四十九号)第三条第一項において準用する場合を含む。)、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十二号)第七条又は日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百十二号)第一条に規定する協定第六条の規定により揮発油税の免除を受けた揮発油についてこの法律の施行後にこれらの法律の規定により揮発油税の追徴が行われる場合における揮発油税の徴収については、第二項の規定による改正後の揮発油税法第四条の規定を適用する。この場合においては、当該揮発油について揮発油税を課する際、当該揮発油を製造場又は保税地域から引き取ったものとみなして、地方道路税を課する。
5 第二項の規定による改正前の揮発油税法の規定により課した、又は課すべきであつた揮発油税として昭和三十年四月一日以後徴収された金額(昭和二十九年度分として徴収された金額及びこの法律の施行前に還付され、又は未納の揮発油税以外の国税若しくは滞納処分費に充当された金額を除く。)のうち、その十三分の四に相当する金額はこの法律の規定による地方道路税として、十三分の九に相当する金額は揮発油税として、それぞれ国税収納金整理資金に受け入れられたものとみなす。この場合において、揮発油税に係る過誤納金を還付し、又は充当するときは、その金額の十三分の四に相当する金額は地方道路税の過誤納金として、十三分の九に相当する金額は揮発油税の過誤納金として、それぞれ還付し、又は充当するものとみなす。
6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
7 租税特別措置法の一部を次のように改正する。
第一条中「揮発油税」の下に「、地方道路税」を加える。
第二十六条第一項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加え、同条第二項に次の後段を加える。
この場合において、揮発油税を徴収することとなるときは、当該揮発油の引取人から地方道路税をあわせて徴収する。
8 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「揮発油税」の下に「、地方道路税」を、同条第三項中「税目の異なるごとの金額」の下に「(控除される税目のうちに揮発油税及び地方道路税があるときは、これらの税目について計算した金額の合算額)」を加え、同条第四項に次の後段を加える。
この場合において、その還付が揮発油税及び地方道路税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第四項の規定を準用する。
9 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「揮発油税、」の下に「地方道路税、」を加える。
10 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「(昭和二十四年法律第四十四号)」の下に「、地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」を加える。
第十条の見出し中「揮発油税法」の下に「及び地方道路税法」を加え、同条中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加える。
第十一条第一項及び第三項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を加える。
11 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「及び揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)」を「、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)及び地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第七条中「及び揮発油税」を「、揮発油税及び地方道路税」に改める。
第十二条第三項中「並びに揮発油税法第五条」を「、揮発油税法第五条並びに地方道路税法第五条」に改める。
12 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の一部を次のように改正する。
第百十九条中「揮発油税、」の下に「地方道路税、」を加える。
13 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「及び揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)」を「、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)及び地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第二条第一項中「若しくは揮発油税」を「、揮発油税若しくは地方道路税」に改める。
第四条第二項中「及び揮発油税法第五条」を「、揮発油税法第五条及び地方道路税法第五条」に改める。
第五条第一項中「揮発油税」の下に「及び地方道路税」を、「揮発油税法」の下に「及び地方道路税法」を加える。
14 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「しやし繊維品の課税に関する法律(昭和二十九年法律第___号)」を「地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)」に改める。
第三条第一項中「しやし繊維品の課税に関する法律」を「地方道路税法」に改め、同条第二項中「繊維品消費税」を「地方道路税」に、「、揮発油又は繊維製品」を「又は揮発油」に改める。
第四条中「しやし繊維品の課税に関する法律」を「地方道路税法」に改める。
附則第一項中「及び繊維品消費税」、「それぞれ」及び「又はしやし繊維品の課税に関する法律」を削る。
大蔵大臣 一万田尚登
内閣総理大臣 鳩山一郎