(課税目的及び課税物件)
第一条 都道府県及び道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項に規定する指定市に対し、道路に関する費用に充てる財源を譲与するため、揮発油には、この法律により、地方道路税を課する。
(定義)
第二条 この法律において「揮発油」とは、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)第二条第一項に規定する炭化水素油及び同法第十五条の規定により揮発油とみなされる物をいう。
2 この法律において「揮発油税」とは、揮発油税法の規定による揮発油税をいう。
3 この法律において「保税地域」とは、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。
(課税標準)
第三条 地方道路税の課税標準は、揮発油税の課税標準となる揮発油の数量とする。
(税率)
第四条 地方道路税の税率は、揮発油一キロリットルにつき二千円とする。
(納税義務者)
第五条 地方道路税は、製造場(揮発油税法第七条第二項において製造場とみなす場所を含む。以下同じ。)又は保税地域から揮発油を引き取るとき(製造場又は保税地域において揮発油を消費するときを含む。)、その引取人(製造場又は保税地域において消費される揮発油については、その消費者)から徴収する。
2 前項の規定は、揮発油税法第七条第一項又は第八条第一項の規定の適用を受けて揮発油を製造場又は保税地域から引き取る場合には、適用しない。
3 前項の規定の適用を受けた揮発油について揮発油税法第七条第三項(同法第八条第二項において準用する場合を含む。)又は第九条第二項の規定により揮発油税を徴収することとなるときは、その引取人から地方道路税を徴収する。
(燈油及びもどし入れ等をした揮発油の不課税)
第六条 揮発油税法第十一条第一項に規定する燈油及び同法第十二条の規定の適用を受ける揮発油については地方道路税を課さない。
(徴収)
第七条 地方道路税は、揮発油税にあわせて徴収しなければならない。
2 地方道路税及び揮発油税の納付があつたときは、その納付に係る金額の十三分の二に相当する税額の地方道路税及び十三分の十一に相当する税額の揮発油税の納付があつたものとする。
(担保の提供及び処分)
第八条 揮発油税法第五条第一項ただし書の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、揮発油税法第十条第一項の規定により担保を提供させるときは、政令で定めるところにより、地方道路税額に相当する担保をあわせて提供させなければならない。
3 揮発油税法第五条第二項及び第五条の二の規定は、前二項の規定により提供された担保について準用する。
4 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第七条ノ四第四項の規定は、第一項又は第二項の規定により提供された担保物について準用する。
(未納税品の消費禁止等)
第九条 製造場又は保税地域においては、地方道路税を納付しなければ、揮発油を消費してはならない。
2 第五条第二項又は第六条の規定の適用がある場合並びに第七条第一項及び揮発油税法第五条第一項ただし書の規定により揮発油税にあわせて地方道路税の徴収が猶予される場合を除くほか、地方道路税を納付する前に、製造場又は保税地域から揮発油を引き取り、又は引き渡してはならない。
3 揮発油税法第八条第一項に規定する揮発油は、地方道路税を納付しなければ、この法律の施行地において、消費し、又は消費する目的で譲り渡してはならない。
(利子税額)
第十条 揮発油税法第十五条の二の規定により揮発油税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、未納の地方道路税額及び揮発油税額の合算額について同条の規定による利子税額の計算に準じて計算した金額(以下次項において「利子税額の合算額」という。)の十三分の二に相当する金額を地方道路税に係る利子税額として地方道路税額にあわせて徴収する。
2 前項の規定により地方道路税に係る利子税額を徴収すべき場合においては、揮発油税法第十五条の二の規定にかかわらず、利子税額の合算額の十三分の十一に相当する金額を同条の規定により徴収すべき利子税額とみなす。
3 第七条第一項の規定は、前二項に規定する利子税額を徴収する場合について準用する。
(延滞加算税額)
第十一条 国税徴収法第九条第三項から第十項までの規定により地方道路税及び揮発油税に係る延滞加算税額を徴収すべき場合においては、これらの規定にかかわらず、滞納に係る地方道路税額及び揮発油税額の合算額についてこれらの規定による延滞加算税額の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれこれらの規定により徴収すべき地方道路税に係る延滞加算税額及び揮発油税に係る延滞加算税額とみなす。
2 第七条第一項の規定は、前項に規定する延滞加算税額を徴収する場合について準用する。
(還付及び充当)
第十二条 地方道路税に係る過誤納金は、揮発油税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。
2 過誤納に係る国税及び滞納処分費並びに国税徴収法第三十一条ノ六の規定による還付加算金を未納の地方道路税又は揮発油税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。
3 地方道路税及び揮発油税に係る過誤納金は、国税徴収法第三十一条ノ五の規定にかかわらず、未納の地方道路税及び揮発油税以外の国税又は滞納処分費に充当してはならない。
4 第一項の規定による還付があつたときは、その還付に係る金額の十三分の二に相当する地方道路税の過誤納金及び十三分の十一に相当する揮発油税の過誤納金の還付があつたものとし、また、第二項の規定による充当があつたときは、その充当に係る金額の十三分の二に相当する未納の地方道路税及び十三分の十一に相当する未納の揮発油税に対する充当があつたものとする。
(還付加算金)
第十三条 国税徴収法第三十一条ノ六の規定により還付加算金を地方道路税及び揮発油税の過誤納額に加算すべき場合においては、同条の規定にかかわらず、これらの過誤納額の合算額について同条の規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の十三分の二に相当する金額及び十三分の十一に相当する金額を、それぞれ同条の規定により加算すべき地方道路税に係る還付加算金及び揮発油税に係る還付加算金とみなす。
2 地方道路税及び揮発油税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。
(端数計算)
第十四条 地方道路税及び揮発油税の徴収すべき金額の合算額に十円未満の端数があるとき、又はその全額が十円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
2 地方道路税及び揮発油税の過誤納金として還付すべき金額の合算額に一円未満の端数があるとき、又はその全額が一円未満であるときは、その端数金額又はその全額を一円として計算する。
(罰則)
第十五条 次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為によつて地方道路税を免かれた者
二 第九条第一項の規定に違反して揮発油を消費した者
三 第九条第二項の規定に違反して揮発油を引き取り、又は引き渡した者
四 第九条第三項の規定に違反して揮発油を消費し、又は譲り渡した者
2 前項の犯罪に係る揮発油に対する地方道路税に相当する金額の十倍が五十万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五十万円をこえ当該地方道路税に相当する金額の十倍以下とすることができる。
3 第一項の場合においては、直ちにその地方道路税を徴収する。
第十六条 前条の罰を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。ただし、懲役の刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
第十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第十五条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。