(保税運送等の場合の免税)
第十一条 外国貨物である課税物品を外国貨物のまま運送するため、関税法第六十三条第一項(保税運送)若しくは第六十四条第一項(難破貨物等の運送)の規定による承認を受け、又は同項ただし書の規定による届出をして保税地域その他これらの規定に規定する場所(酒類の製造場に該当する場所を除く。)から引き取る場合には、政令で定めるところにより、その引取りに係る内国消費税を免除する。
2 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
3 第一項の規定の適用を受けて引き取られた課税物品が、関税法第六十三条第四項(同法第六十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により指定された運送の期間内に運送先に到着しないときは、税関長は、第一項に規定する承認を受けた者から、直ちにその内国消費税を徴収する。ただし、当該物品を災害その他やむを得ない理由により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却した場合は、この限りでない。
(船用品又は機用品の積込み等の場合の免税)
第十二条 関税法第二十三条第一項(船用品又は機用品の積込み等)の規定による承認を受けて外国貨物である課税物品を同項に規定する船用品又は機用品として船舶又は航空機(本邦の船舶又は航空機を除く。)に積み込むため保税地域から引き取る場合には、政令で定めるところにより、その引取りに係る内国消費税を免除する。
2 関税法第七十五条(外国貨物の積みもどし)の規定により、外国貨物である課税物品を積みもどすため保税地域から引き取る場合には、政令で定めるところにより、その引取りに係る内国消費税を免除する。
3 第一項に規定する承認を受けて引き取られた課税物品が、関税法第二十三条第四項の規定により指定された期間内に当該承認に係る船舶又は航空機に積み込まれなかつたときは、税関長は、当該承認を受けた者から、直ちにその内国消費税を徴収する。ただし、当該船用品又は機用品を保税地域に入れた場合、災害その他やむを得ない理由により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却した場合は、この限りでない。
(免税)
第十三条 次の各号に掲げる課税物品で当該各号に規定する規定により関税が免除されるもの(関税が無税とされている物品については、当該物品に関税が課されるものとした場合にその関税が免除されるべきものを含む。)を保税地域から引き取る場合には、政令で定めるところにより、その引取りに係る内国消費税を免除する。
一 関税定率法第十四条第一号から第四号まで、第七号から第九号まで又は第十三号(無条件免税)に掲げるもの
二 関税定率法第十五条第一項第一号から第三号まで、第五号の二又は第九号(特定用途免税)に掲げるもの
三 関税定率法第十六条第一項各号(外交官用貨物等の免税)に掲げるもの
四 関税定率法第十七条第一項第一号又は第四号から第十一号まで(再輸出免税)に掲げるもの
2 税関長は、前項第四号の規定により内国消費税を免除する場合において、必要があると認めるときは、その免除に係る内国消費税額に相当する担保を提供させることができる。
3 関税定率法第十五条第二項、第十六条第二項又は第十七条第三項の規定は、第一項第二号、第三号又は第四号の規定により免除を受けた内国消費税について準用する。
(担保の種類)
第十四条 第七条第六項において準用する関税法第七十七条第六項(関税の納付前における郵便物の受取り)、第九条第二項、第十条第二項(第十一条第二項において準用する場合を含む。)又は前条第二項の規定により提供する担保の種類は、次に掲げるものとする。
三 税関長が確実と認める社債(特別の法律により設立された法人が発行する債券を含む。)
(変質、損傷等の場合の軽減又は還付)
第十五条 輸入される課税物品が輸入の許可(関税法第七十三条第一項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により引き取ることが承認されたものについては、当該承認)前に変質し、又は損傷した場合(課税標準の計算において、貨物の変質又は損傷による減価に相当する金額が控除される場合を除く。)においては、政令で定めるところにより、当該物品の変質若しくは損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その内国消費税を軽減し、又はその内国消費税額とその変質若しくは損傷後における性質及び数量により課税した場合における内国消費税額との差額以内において、その内国消費税を軽減することができる。
2 輸入の許可を受けた課税物品で既に内国消費税が納付されたものが、輸入の許可後引き続き保税地域又は関税法第三十条第二号(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)の規定により税関長が指定した場所に置かれている間に、災害その他やむを得ない理由により滅失し、又は変質し、若しくは損傷した場合には、政令で定めるところにより、その内国消費税の全部又は一部に相当する金額を還付することができる。
3 前項の規定による還付金については、国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の規定は、適用しない。
(保税工場において保税作業をする場合等の内国消費税の特例)
第十六条 保税工場における保税作業(関税法第五十六条第一項(保税工場の許可)に規定する保税作業をいう。第三項において同じ。)により、課税物品を課税物品以外の製品(当該課税物品を原料又は材料として製造された製品で、当該課税物品に課される内国消費税以外の税目に属する内国消費税が課されるものを含む。)の原料又は材料として消費し、又は使用する場合には、砂糖消費税法第五条第二項、物品税法第六条第二項、揮発油税法第五条第二項、石油ガス税法第五条第二項又はトランプ類税法第五条第二項(引取りとみなす場合)の規定は、適用しない。
2 保税工場において製造している製品につき外国から購入の申込みがあつた場合において、その申込みに係る納期内に当該保税工場において消費し、又は使用している外国貨物である課税物品(以下この項において「外貨原材料」という。)を原料又は材料として当該製品を製造して外国に向けて送り出すことが困難であることにつき、政令で定めるところにより、当該保税工場の所在地の所轄税関長の確認を受けて、当該外貨原材料と同種の外国貨物でない課税物品で内国消費税の課税済みのもの(以下この項において「課税済内貨原材料」という。)を原料又は材料として消費し、又は使用して当該保税工場で製造した製品(政令で定める製品については、当該課税済内貨原材料を原料又は材料として消費し、又は使用して製造した当該製品)を外国に向けて送り出したときは、政令で定めるところにより、当該製品の原料又は材料として消費され、又は使用された当該課税済内貨原材料の数量として当該税関長の確認を受けた数量を限度として、当該製品を製造した者がその輸出(積みもどしを含む。次項において同じ。)の許可の日から六月以内に保税地域から引き取る当該課税済内貨原材料と同種の外貨原材料に係る内国消費税(当該製品の製造工程において他の物品が同時に製造される場合には、当該内国消費税のうち当該製品に対応するものとして政令で定める金額に相当する内国消費税)を免除する。ただし、他の法律の規定により当該課税済内貨原材料に係る内国消費税額に相当する金額の還付を受ける場合は、この限りでない。
3 保税工場における保税作業について、その原料又は材料として消費し、又は使用する外国貨物がなくなつたこと等により、内国消費税を納付して輸入された課税物品を輸出物品の原料又は材料として消費し、又は使用する必要があり、かつ、前項の規定の適用を受けることが困難であると認められる場合において、あらかじめ税関長の承認を受けて、当該輸入された課税物品でその輸入のときの性質及び形状に変更を加えないものをその輸入の許可の日から三月以内に保税工場に入れ、これを原料又は材料として製造した製品を輸出したときは、政令で定めるところにより、その内国消費税額に相当する金額を還付することができる。ただし、他の法律の規定によりその原料又は材料として消費し、又は使用した課税物品に係る内国消費税額に相当する金額の還付を受ける場合は、この限りでない。
4 次に掲げる製品(本邦において消費し、又は使用する課税物品以外の製品で、酒税法等の規定により、当該製品の原料又は材料として消費し、又は使用する課税物品に係る内国消費税が免除されるものを除く。)を保税地域から引き取り、又は保税地域において消費し、若しくは使用する場合には、当該製品を引き取る者又はこれを消費し、若しくは使用する者が、その引取り又は消費若しくは使用の時に、当該製品のほか、その原料又は材料として消費し、若しくは使用した課税物品を保税地域から引き取るものとみなして、酒税法等及びこの法律の規定を適用する。
一 第一項の規定の適用を受けた課税物品を原料又は材料として製造した製品で関税法第五十九条の二第一項(原料課税)の税関長の承認を受けたもの又は関税定率法第十四条の二第一号(再輸入減税)の規定に該当するもの
二 前二項の規定の適用を受けた製品のうち、本邦にもどされたもの(当該製品が課税物品であり、かつ、当該製品の原料又は材料につき、当該製品に課される内国消費税と同一の税目の内国消費税が課税済みであるため、これらの規定が適用されたものを除く。)
5 第一項の規定に該当する消費又は使用をした者は、同項に規定する消費又は使用をした課税物品及び当該物品を原料又は材料として製造した製品の種類、数量又は価額その他政令で定める事項を記載した書類を、当該消費又は使用の日の属する月の翌月末日までに、当該保税工場の所在地の所轄税関長に提出しなければならない。
6 第一項の規定に該当する消費若しくは使用をする者、第二項の規定による確認を受けた者又は第三項の税関長の承認を受けた者は、政令で定めるところにより、当該原料又は材料として消費し、又は使用した課税物品の消費又は使用並びに当該原料又は材料を消費し、又は使用して製造した製品の製造及び払出しに関する事実を帳簿に記載しなければならない。
7 第三項の規定による還付金については、国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の規定は、適用しない。
(違約品の返送等の場合の還付)
第十七条 品質又は数量等が契約の内容と相違する輸入に係る課税物品でその輸入のときの性質及び形状に変更を加えないものを返送することがやむを得ないと認められる場合において、当該物品を返送のため本邦から輸出するときは、当該物品がその輸入の許可の日から六月以内に保税地域(関税法第三十条第二号(外国貨物を置く場所の制限)に規定する税関長が指定した場所を含む。次項において同じ。)に入れられたものである場合に限り、政令で定めるところにより、その内国消費税額に相当する金額を還付することができる。
2 前項に規定する物品を返送に代えて廃棄することがやむを得ないと認められる場合において、これをその輸入の許可の日から六月以内に保税地域に入れ、あらかじめ税関長の承認を受けて廃棄したときは、政令で定めるところにより、その内国消費税額に相当する金額を還付することができる。
3 前二項の規定による還付金については、国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の規定は、適用しない。
(引取りに係る内国消費税の延滞税の免除)
第十八条 保税地域から引き取る課税物品に係る関税額の全部又は一部がやむを得ない理由によりその法定納期限後に確定したことに基づき、当該物品の内国消費税額の全部又は一部がその法定納期限(国税通則法第二条第八号(定義)に規定する法定納期限をいう。)後に確定することとなつたものであることについて、政令で定めるところにより税関長の確認を受けたときは、その税額に係る延滞税については、その確定に係る修正申告書の提出があつた日又は更正通知書若しくは賦課決定通知書が発せられた日以前の期間に対応する部分の金額を免除する。
(過少申告加算税等の不徴収)
第十九条 国税通則法第六十五条(過少申告加算税)及び第六十六条(無申告加算税)の規定は、保税地域からの引取りに係る課税物品に対する内国消費税については、適用しない。
(関税法の準用)
第二十条 関税法第十二条第一項(延滞税)(同法第十三条の二(過大な払いもどし等に係る関税額の徴収)の規定に係る部分に限る。)及び第十三条の二の規定は、第十五条第二項、第十六条第三項又は第十七条第一項若しくは第二項の規定による還付が、これを受ける者の申請に基づいて過大な額で行なわれた場合について、同法第十三条の三(関税の納付不足がある場合の補完的納税義務)の規定は、輸入の許可を受け、又は第十二条第一項の規定による承認を受けて引き取られた課税物品につき納付された内国消費税に不足額があつた場合について、同法第十四条(更正、決定等の期間制限)、第十四条の二第一項(徴収権の消滅時効)及び第十四条の三第一項(還付請求権の時効)の規定は、保税地域からの引取りに係る課税物品に対する内国消費税につき更正、決定、徴収又は還付をする場合について、同法第百七条(税関長の権限の委任)の規定は、税関長が当該内国消費税につきその権限を行使する場合について、同法第百十八条第三項(没収等が行なわれた場合の関税の不徴収)の規定は、同条第一項又は第二項その他の法律の規定により没収又は追徴が行なわれた課税物品に係る内国消費税について、それぞれ準用する。
(納税地の特例)
第二十一条 保税地域以外の場所から輸入される課税物品に係る内国消費税の納税地は、当該物品に係る関税を課する税関長(関税が無税とされている当該物品については、関税が課されるものとした場合の当該税関長)の所属する税関の所在地とする。
(当該職員の権限)
第二十二条 税関の当該職員(以下「当該職員」という。)は、内国消費税に関する調査について必要な範囲内で、第十六条第一項の規定に該当する消費若しくは使用をする者、同条第二項の確認を受けた者又は同条第三項の承認を受けた者に対して質問し、又はその消費し若しくは使用する課税物品、当該物品を原料若しくは材料として製造した製品若しくは帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 当該職員は、前項の規定により、職務を執行する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。