(目的)
第一条 この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(「以下「協定」という。)を実施するため、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)、関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)、物品税法(昭和十五年法律第四十号)及び揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)の特例を設けることを目的とする。
(関税等を徴収する場合)
第二条 日本国政府、アメリカ合衆国政府及び日本国以外の国でアメリカ合衆国から相互防衛のための援助を受けている国の政府(以下「政府」と総称する。)以外の者が協定第六条の規定により関税、物品税若しくは揮発油税(以下「関税等」という。)の免除を受けて資材、需品若しくは装備(以下「資材等」という。)を輸入し、又は製造場若しくは保税地域から移出し、若しくは引き取つた場合において、当該資材等又はこれについて加工し、若しくはこれを原料として製造してできた製品で政府に引き渡すべきもの(以下「製品」という。)が、税関長又は税務署長の指定する期間内に、これらの物を受け取るべき政府に引き渡されたことについて政府の権限ある官憲による証明がなされないときは、その輸入又は移出若しくは引取の際当該資材等について関税等の免除を受けた者から、直ちにその免除に係る関税等を徴収する。但し、左に掲げる場合は、この限りでない。
一 当該資材等又は製品が天災その他やむを得ない事由に因り滅失したことにつき税関長又は税務署長の承認を受けた場合
二 当該資材等又は製品について第四条第一項本文又は第五条第一項本文の規定の適用があつた場合
2 前項の規定による関税の徴収については、国税徴収の例による。
(免税輸入資材等の製造等)
第三条 協定第六条の規定により関税等の免除を受けて輸入した資材等を政府に引き渡す前に当該資材等について加工し、又はこれを原料として製造しようとする場合においては、当該加工又は製造は、税関長が期間を指定して承認した工場において行わなければならない。
2 関税法第三十五条、第百条第三号並びに第百五条第一項第五号、第二項及び第三項の規定は、前項に規定する資材等又は工場について準用する。
(免税輸入資材等の譲受の制限等)
第四条 協定第六条の規定により関税等の免除を受けて輸入された資材等又は製品若しくはその副産物(以下「製品等」という。)を譲り受けようとするときは、その譲受を輸入とみなし、関税法及び関税定率法の規定を適用する。但し、左に掲げる場合は、この限りでない。
一 当該譲受が協定第六条に規定する相互防衛のため資材等又は製品を政府に引き渡すためのものである場合その他政令で定める場合
二 当該譲受に係る資材等又は製品等について既にこの項本文の規定の適用があつた場合
三 当該譲受に係る資材等が第二条第一項の規定により関税等を徴収されたものである場合
四 当該譲受に係る製品等が第二条第一項の規定により関税等を徴収された資材等の製品等である場合
2 前項本文の規定の適用を受ける譲受は、物品税法第十条及び揮発油税法第五条の規定の適用については、保税地域からの引取とみなす。
3 第一項本文の規定の適用を受ける資材等又は製品等は、関税法の規定の適用については、同法の外国貨物とみなす。
(免税調達資材等の譲受の制限等)
第五条 協定第六条の規定により物品税又は揮発油税の免除を受けて調達された資材等又は製品等を譲り受けようとするときは、その譲受を製造場からの移出又は引取とみなし、その譲り受けようとする者を製造者又は引取人とみなして、物品税法又は揮発油税法の規定を適用する。この場合においては、前条第一項但書の規定を準用する。
2 前項の規定により物品税法を適用する場合においては、同法第十条第一項の規定にかかわらず、直ちに物品税を徴収する。