簡易郵便局法
法令番号: 法律第二百十三号
公布年月日: 昭和24年6月15日
法令の形式: 法律
簡易郵便局法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十三号
簡易郵便局法
(この法律の目的)
第一條 この法律は、郵政大臣が郵便局の窓口で取り扱うべき事務(以下「郵政窓口事務」という。)を地方公共團体その他営利を目的としない團体であつてこの法律で定めるものに委託して行わせることにより、経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで廣め、國民が簡便にこれを利用できるようにすることを目的とする。
(郵政窓口事務を委託する場合)
第二條 郵政大臣は、郵政窓口事務に関する役務を提供する必要がある場合において、その事務の量が著しく少いため、次條第一項に掲げる者に委託することが経済的であり、且つ、郵政事業の運営上支障がないと認めるときは、この法律の定めるところに從い、契約によりこれを他の者に委託することができる。
(受託者の資格)
第三條 郵政大臣の委託により郵政窓口事務を行う者(以下「受託者」という。)は、左に掲げる者でなければならない。
一 地方公共團体
二 農業協同組合
三 漁業協同組合
四 消費生活協同組合(職域による消費生活協同組合を除く。)
2 地方公共團体は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二條第二項及び第四項、第二百六十四條第一項及び第二項、第二百八十一條第二項及び第三項並びに第二百九十二條の規定にかかわらず、この法律の定めるところに從い、郵政大臣から委託された郵政窓口事務(以下「委託事務」という。)を行うことができる。
3 第一項第二号から第四号までに掲げる組合(以下單に「組合」という。)は、当該組合に関する法律の規定にかかわらず、この法律の定めるところに從い、委託事務を行うことができる。
(委託契約)
第四條 郵政大臣は、随意に、前條第一項に規定する者と郵政大臣の指定する場所において郵政窓口事務を行う契約(以下「委託契約」という。)を締結することができる。
2 郵政大臣は、前項の規定により契約を締結する場合において、地方公共團体及び組合が当該契約の條件によつて契約の締結に應じようとするときは、地方公共團体、組合の順位によりこれをしなければならない。
(委託契約の期間)
第五條 委託契約の期間は、三年とする。但し、当事者の合意により更新することを妨げない。
(委託すべき事務の範囲)
第六條 委託契約により委託すべき事務は、郵便、郵便貯金、郵便爲替、簡易生命保險及び郵便年金に関する郵政窓口事務のうち省令で定めるものとする。
(簡易郵便局の設置)
第七條 受託者は、郵政大臣の指定する場所に、委託事務を行う施設(以下「簡易郵便局」という。)を設けなければならない。
(取扱時間等)
第八條 簡易郵便局における委託事務の取扱時間及び取扱休止日は、利用者の便益に合致するように省令で定める。
(國の現金の取扱)
第九條 受託者は、郵政大臣の定める手続により、委託事務に関する國の現金を出納し、及び保管することができる。
(委託事務の準拠法規)
第十條 簡易郵便局における委託事務の取扱は、郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)(第二十條を除く。)、郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)、郵便爲替法(昭和二十三年法律第五十九号)、簡易生命保險法(昭和二十四年法律第六十八号)及び郵便年金法(昭和二十四年法律第六十九号)の規定の適用については、郵政省の機関による取扱とみなす。
(委託事務に從事する者)
第十一條 第三條第一項に掲げる者の役員又は職員で委託事務に從事するものは、法令により公務に從事する者とみなす。
2 前項の者には、國家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の規定は、適用されない。
(委託事務取扱の基準)
第十二條 受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。
2 受託者が組合である場合においては、組合は、当該組合に関する法令の規定にかかわらず、組合員以外の者に対しても、公平に役務を提供しなければならない。
(簡易郵便局の施設及び経費)
第十三條 受託者は、この法律に別段の定のある場合の外、委託事務を行うため、必要な施設を設備し、及び経費を支弁しなければならない。
(郵便切手類及び印紙の賣さばき)
第十四條 受託者は、郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)第五條、第七條及び第十一條の規定の適用については、同法第二條第一項の郵便切手類及び印紙の賣さばき人とみなす。
(取扱手数料)
第十五條 郵政大臣は、委託事務(郵便切手類及び印紙の賣さばきの事務を除く。)の取扱につき、受託者に取扱手数料を支拂う。
2 前項の取扱手数料は、同項の委託事務の取扱量に應じ月額をもつて定める。
3 取扱手数料の月額は、郵便切手類及び印紙の賣さばき手数料と合算して二万円をこえることができない。
(事務用物品の無償使用)
第十六條 郵政大臣は、委託事務を適正且つ円滑に行わせるため必要があると認めるときは、受託者に國の事務用物品を無償で使用させることができる。
(無料郵便)
第十七條 受託者は、郵便法第二十條に規定する範囲内で省令の定めるところにより、委託事務に関する郵便物を無料で差し出すことができる。
(現金等の取扱の区分)
第十八條 受託者は、第九條の現金及び第十六條の事務用物品を他の現金及び物品と区分して出納し、及び保管しなければならない。
(委託事務の監督)
第十九條 受託者は、委託契約に基き、委託事務に関し郵政大臣の監督を受ける。
2 前項の規定により郵政大臣の行う監督は、第一次には、当該簡易郵便局のある地域において郵便物の取集及び配達の事務を取り扱う郵便局の長及び当該地域を管轄する地方郵政監察局に所属する郵政監察官をして行わせるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 林讓治
農林大臣 森幸太郎
郵政大臣 小澤佐重喜
簡易郵便局法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十三号
簡易郵便局法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、郵政大臣が郵便局の窓口で取り扱うべき事務(以下「郵政窓口事務」という。)を地方公共団体その他営利を目的としない団体であつてこの法律で定めるものに委託して行わせることにより、経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、国民が簡便にこれを利用できるようにすることを目的とする。
(郵政窓口事務を委託する場合)
第二条 郵政大臣は、郵政窓口事務に関する役務を提供する必要がある場合において、その事務の量が著しく少いため、次条第一項に掲げる者に委託することが経済的であり、且つ、郵政事業の運営上支障がないと認めるときは、この法律の定めるところに従い、契約によりこれを他の者に委託することができる。
(受託者の資格)
第三条 郵政大臣の委託により郵政窓口事務を行う者(以下「受託者」という。)は、左に掲げる者でなければならない。
一 地方公共団体
二 農業協同組合
三 漁業協同組合
四 消費生活協同組合(職域による消費生活協同組合を除く。)
2 地方公共団体は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第二項及び第四項、第二百六十四条第一項及び第二項、第二百八十一条第二項及び第三項並びに第二百九十二条の規定にかかわらず、この法律の定めるところに従い、郵政大臣から委託された郵政窓口事務(以下「委託事務」という。)を行うことができる。
3 第一項第二号から第四号までに掲げる組合(以下単に「組合」という。)は、当該組合に関する法律の規定にかかわらず、この法律の定めるところに従い、委託事務を行うことができる。
(委託契約)
第四条 郵政大臣は、随意に、前条第一項に規定する者と郵政大臣の指定する場所において郵政窓口事務を行う契約(以下「委託契約」という。)を締結することができる。
2 郵政大臣は、前項の規定により契約を締結する場合において、地方公共団体及び組合が当該契約の条件によつて契約の締結に応じようとするときは、地方公共団体、組合の順位によりこれをしなければならない。
(委託契約の期間)
第五条 委託契約の期間は、三年とする。但し、当事者の合意により更新することを妨げない。
(委託すべき事務の範囲)
第六条 委託契約により委託すべき事務は、郵便、郵便貯金、郵便為替、簡易生命保険及び郵便年金に関する郵政窓口事務のうち省令で定めるものとする。
(簡易郵便局の設置)
第七条 受託者は、郵政大臣の指定する場所に、委託事務を行う施設(以下「簡易郵便局」という。)を設けなければならない。
(取扱時間等)
第八条 簡易郵便局における委託事務の取扱時間及び取扱休止日は、利用者の便益に合致するように省令で定める。
(国の現金の取扱)
第九条 受託者は、郵政大臣の定める手続により、委託事務に関する国の現金を出納し、及び保管することができる。
(委託事務の準拠法規)
第十条 簡易郵便局における委託事務の取扱は、郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)(第二十条を除く。)、郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)、郵便為替法(昭和二十三年法律第五十九号)、簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)及び郵便年金法(昭和二十四年法律第六十九号)の規定の適用については、郵政省の機関による取扱とみなす。
(委託事務に従事する者)
第十一条 第三条第一項に掲げる者の役員又は職員で委託事務に従事するものは、法令により公務に従事する者とみなす。
2 前項の者には、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の規定は、適用されない。
(委託事務取扱の基準)
第十二条 受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。
2 受託者が組合である場合においては、組合は、当該組合に関する法令の規定にかかわらず、組合員以外の者に対しても、公平に役務を提供しなければならない。
(簡易郵便局の施設及び経費)
第十三条 受託者は、この法律に別段の定のある場合の外、委託事務を行うため、必要な施設を設備し、及び経費を支弁しなければならない。
(郵便切手類及び印紙の売さばき)
第十四条 受託者は、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)第五条、第七条及び第十一条の規定の適用については、同法第二条第一項の郵便切手類及び印紙の売さばき人とみなす。
(取扱手数料)
第十五条 郵政大臣は、委託事務(郵便切手類及び印紙の売さばきの事務を除く。)の取扱につき、受託者に取扱手数料を支払う。
2 前項の取扱手数料は、同項の委託事務の取扱量に応じ月額をもつて定める。
3 取扱手数料の月額は、郵便切手類及び印紙の売さばき手数料と合算して二万円をこえることができない。
(事務用物品の無償使用)
第十六条 郵政大臣は、委託事務を適正且つ円滑に行わせるため必要があると認めるときは、受託者に国の事務用物品を無償で使用させることができる。
(無料郵便)
第十七条 受託者は、郵便法第二十条に規定する範囲内で省令の定めるところにより、委託事務に関する郵便物を無料で差し出すことができる。
(現金等の取扱の区分)
第十八条 受託者は、第九条の現金及び第十六条の事務用物品を他の現金及び物品と区分して出納し、及び保管しなければならない。
(委託事務の監督)
第十九条 受託者は、委託契約に基き、委託事務に関し郵政大臣の監督を受ける。
2 前項の規定により郵政大臣の行う監督は、第一次には、当該簡易郵便局のある地域において郵便物の取集及び配達の事務を取り扱う郵便局の長及び当該地域を管轄する地方郵政監察局に所属する郵政監察官をして行わせるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 林譲治
農林大臣 森幸太郎
郵政大臣 小沢佐重喜