森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第二十九号
公布年月日: 昭和58年5月4日
法令の形式: 法律
森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十八年五月四日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 齋藤邦吉
法律第二十九号
森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律
(森林法の一部改正)
第一条 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二章の二 営林の助長及び監督(第十条の五―第二十四条)」を
第二章の二
営林の助長及び監督
第一節
施業の勧告等(第十条の五・第十条の六)
第二節
市町村による森林の整備の推進(第十条の七―第十条の十二)
第三節
森林施業計画(第十一条―第二十条)
第四節
補則(第二十一条―第二十四条)
に改める。
第四条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第二号中「事項」の下に「(間伐に関する事項を除く。)」を加え、同項第三号中「及び保育」を削り、同号の次に次の一号を加える。
三の二 間伐及び保育に関する事項
第五条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「事項」の下に「(間伐に関する事項を除く。)」を加え、同項第四号中「及び保育」を削り、同号の次に次の一号を加える。
四の二 間伐立木材積、間伐及び保育の標準的な方法その他間伐及び保育に関する事項
第二章の二中第十条の五の前に次の節名を付する。
第一節 施業の勧告等
第十条の六の次に次の一節を加える。
第二節 市町村による森林の整備の推進
(森林整備市町村の指定)
第十条の七 都道府県知事は、次に掲げる要件に該当する市町村を森林整備市町村として指定することができる。
一 当該市町村の区域内にある地域森林計画の対象となつている民有林の面積が政令で定める面積以上であるか、又はその民有林の面積のうち人工植栽に係る森林の面積の占める比率が都道府県ごとに政令で定める比率以上であること。
二 当該市町村の区域内にある地域森林計画の対象となつている民有林であつて一体的かつ計画的に間伐又は保育を推進する必要のあるものが相当規模以上集団的に存在すること。
2 都道府県知事は、森林整備市町村の指定をしようとするときは、当該市町村に協議しなければならない。
3 都道府県知事は、森林整備市町村の指定をしたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、農林水産大臣に報告しなければならない。
4 都道府県知事は、森林整備市町村が第一項各号に掲げる要件の全部又は一部に該当しなくなつたと認めるときは、森林整備市町村の指定を解除するものとする。
5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定による解除について準用する。
(森林整備計画)
第十条の八 森林整備市町村は、地勢その他の条件を勘案し、前条第一項第二号に規定する森林で相当規模以上集団的に存在するものにつき、間伐、保育その他森林の整備に関し、五年ごとに、十年を一期とする森林整備計画をたてなければならない。ただし、当該森林の属する森林計画区に係る地域森林計画の期間の開始する時期と異なる時期をその期間の開始する時期とする森林整備計画については当該森林整備計画の期間の終了する時期は当該地域森林計画の期間の終了する時期として、当該森林整備計画に引き続く次の森林整備計画についてはその期間の開始する時期は当該地域森林計画に引き続きたてられる次の地域森林計画の期間の開始する時期として、たてなければならない。
2 森林整備市町村の区域が二以上の森林計画区にわたる場合には、当該森林整備市町村は、前項に規定する森林の属する森林計画区別に、森林整備計画をたてなければならない。
3 森林整備計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 その対象とする森林の区域
二 間伐、保育その他森林の整備に関する基本的事項
三 間伐立木材積、間伐を実施すべき標準的な林齢その他間伐及び保育の基準
四 間伐は保育が適正に実施されていない森林であつてこれらを早急に実施する必要のあるもの(以下「特定森林」という。)の所在及び特定森林について実施すべき間伐又は保育の方法及び時期に関する事項
五 作業路網その他森林の整備のために必要な施設の整備に関する事項
六 その他森林の整備のために必要な事項
4 前項第四号の間伐又は保育の方法及び時期に関する事項は、地域森林計画の達成のため必要な限度において定めなければならない。
5 森林整備計画は、地域森林計画に適合したものでなければならない。
6 森林整備市町村は、森林整備計画をたてようとするときは、都道府県知事の承認を受けなければならない。
7 森林整備市町村は、森林整備計画をたてたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に当該森林整備計画書の写しを送付しなければならない。
8 第七条の規定は、森林整備計画について準用する。この場合において、同条中「第五条第六項」とあるのは「第十条の八第七項」と、「都道府県知事」とあるのは「森林整備市町村の長」と読み替えるものとする。
(森林整備計画の変更)
第十条の九 都道府県知事は、地域森林計画の変更により森林整備計画が地域森林計画に適合しなくなつたと認めるときは、当該森林整備計画に係る森林整備市町村に対し、当該森林整備計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
2 森林整備市町村は、前項の規定による通知を受けたときは、森林整備計画を変更しなければならない。
3 森林整備市町村は、前項の場合を除くほか、森林の現況等に変動があつたため必要があると認めるときは、森林整備計画を変更することができる。
4 第七条並びに前条第六項及び第七項の規定は、森林整備計画の変更について準用する。この場合において、第七条中「第五条第六項」とあるのは「第十条の九第四項において準用する第十条の八第七項」と、「都道府県知事」とあるのは「森林整備市町村の長」と読み替えるものとする。
(間伐又は保育についての勧告)
第十条の十 森林整備市町村の長は、特定森林についての間伐又は保育が森林整備計画において定められている当該特定森林に係る間伐又は保育の方法及び時期に関する事項に従つて実施されていない場合において、森林整備計画の達成上必要があるときは、当該特定森林の森林所有者等に対し、期限を定めて、当該事項に従つて間伐又は保育を実施すべき旨を勧告することができる。
2 森林整備市町村の長は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わないとき、又は従う見込みがないと認めるときは、その者に対し、当該特定森林又は当該特定森林の立木について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者で森林整備市町村の長の指定を受けたものと当該特定森林又は当該特定森林の立木についての所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転に関し協議すべき旨を勧告することができる。
(都道府県知事の調停)
第十条の十一 森林整備市町村の長が前条第二項の規定による勧告をした場合において、その勧告に係る協議が調わず、又は協議をすることができないときは、同項の指定を受けた者は、その勧告があつた日から起算して二月以内に、省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、その協議に係る所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転につき必要な調停をなすべき旨を申請することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による申請があつたときは、速やかに調停を行うものとする。
3 都道府県知事は、第一項の調停を行う場合には、当事者の意見を聴くとともに、当該森林整備市町村の長に対し、助言、資料の提供その他必要な協力を求めて、調停案を作成しなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定により調停案を作成したときは、これを当事者に示してその受諾を勧告するものとする。
(報告の徴収)
第十条の十二 森林整備市町村の長は、森林整備計画の達成のため必要があるときは、特定森林の森林所有者等からその森林の現況又は施業の状況に関する報告を徴することができる。
第十一条の前に次の節名を付する。
第三節 森林施業計画
第十一条第五項中「左の各号に」を「次に」に、「みたす」を「満たす」に改め、同項に次の一号を加える。
三 森林施業計画の対象とする森林の全部又は一部が森林整備計画の対象とする森林であるときは、当該森林整備計画の内容に照らして適当であると認められること。
第十九条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に、「聞かなければ」を「聴かなければ」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 農林水産大臣は、前項の規定により同項の事項を処理する場合において、同項に規定する森林の全部又は一部が森林整備市町村の区域内にあるときは、当該区域を管轄する都道府県知事から当該森林整備市町村に係る森林整備計画書の写しの送付を受けるものとする。
第二十一条の前に次の節名を付する。
第四節 補則
第百九十一条の二中「並びに」を「並びに森林整備計画及び」に、「その達成」を「これらの達成」に、「行なう」を「行う」に改める。
第百九十五条を次のように改める。
第百九十五条 国は、都道府県に対し、次に掲げる事業(次項において「林業普及指導事業」という。)について、交付金を交付する。
一 林業専門技術員及び林業改良指導員を置くこと。
二 林業専門技術員又は林業改良指導員が第百八十七条第二項又は第三項に規定する事務を行うこと。
2 農林水産大臣は、前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の林業人口、民有林面積及び市町村数を基礎とし、各都道府県において林業普及指導事業を緊急に行うことの必要性等を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。
(分収造林特別措置法の一部改正)
第二条 分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
分収林特別措置法
第三条中「分収造林契約」の下に「又は分収育林契約」を加え、同条を第四条とする。
第二条中「分収造林契約」を「分収林契約」に改め、同条を第三条とする。
第一条の見出しを「(定義)」に改め、同条中「土地所有者」を「造林地所有者」に、「費用負担者」を「造林費負担者」に、「次の各号に」を「次に」に改め、同条に次の四項を加える。
2 この法律で「分収育林契約」とは、一定の土地に植栽された樹木(当該契約の締結時における樹齢が地域ごと及び樹種ごとに農林水産省令で定める樹齢を超えるものを除く。)についての保育及び管理(以下「育林」という。)に関し、その土地の所有者(以下「育林地所有者」という。)、育林地所有者以外の者でその樹木について育林を行うもの(以下「育林者」という。)並びに育林地所有者及び育林者以外の者でその樹木について育林に要する費用の全部若しくは一部を負担するもの(以下「育林費負担者」という。)の三者又は育林地所有者、育林者及び育林費負担者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約(当事者のうちのいずれかが当該樹木の所有者であるものに限る。)で、その契約条項中において、次に掲げる事項を約定しているものをいう。
一 育林地所有者を当事者とする契約においては、育林地所有者は、育林者のためにその土地につきこれを育林の目的に使用する権利を設定する義務(育林者を契約当事者としない場合にあつては、自らその育林を行う義務)を負うこと。
二 育林者を当事者とする契約においては、育林者は、育林を行う義務(育林地所有者を契約当事者とせず、かつ、育林者がその土地につきこれを育林の目的に使用する権利を有しない場合にあつては、育林地所有者から当該権利の設定を受けてその育林を行う義務)を負うこと。
三 育林費負担者を当事者とする契約においては、育林費負担者は、育林者(育林者を契約当事者としない場合にあつては、育林地所有者)に対し、育林に要する費用の全部又は一部を支払う義務を負うこと。
四 各契約当事者は、一定の割合により、当該契約に係る育林による収益を分収すること。
五 契約の締結の際、当該樹木を所有している契約当事者は当該樹木を各契約当事者の共有とし、他の契約当事者は当該樹木の持分の対価を支払う義務を負うこと。
六 前号の場合における各共有者の持分の割合は、第四号の一定の割合と等しいものとすること。
3 この法律で「分収林契約」とは、分収造林契約、分収育林契約その他次の各号のいずれかに該当する契約で、その契約条項中において、各契約当事者が一定の割合により当該契約に係る造林又は育林による収益を分収することを約定しているものをいう。
一 一定の土地についての造林に関し、造林地所有者、造林者及び造林費負担者の三者又はこれらの者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約(国有林野法第九条(部分林契約)の契約を除く。)
二 一定の土地に植栽された前項に規定する樹木についての育林に関し、育林地所有者、育林者及び育林費負担者の三者又はこれらの者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約
4 この法律で「募集」とは、分収林契約の当事者となろうとする者が、不特定かつ多数の者に対し、当該分収林契約の造林費負担者又は育林費負担者として権利を取得し義務を負うこととなるための分収林契約の締結の申込みを勧誘することをいう。
5 この法律で「途中募集」とは、分収林契約の当事者が、不特定かつ多数の者に対し、当該分収林契約の造林費負担者又は育林費負担者として権利を取得し義務を負うこととなるための申込みを勧誘することをいう。
第一条を第二条とし、同条の前に次の一条を加える。
(目的)
第一条 この法律は、分収方式による造林及び育林を促進し、もつて林業の発展と森林の有する諸機能の維持増進とに資することを目的とする。
本則に次の六条を加える。
(分収林契約に係る募集又は途中募集の届出)
第五条 分収林契約に係る募集又は途中募集をする者は、農林水産省令で定めるところにより、当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の二月前までに、次に掲げる事項を当該分収林契約に係る土地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 募集又は途中募集の別及び分収造林契約、分収育林契約又はその他の分収林契約の別
三 募集又は途中募集に係る申込みの期間
四 当該分収林契約に係る土地の所在及び面積並びに樹木の樹種別及び樹齢別の本数
五 前号の土地の全部又は一部が法令によりその立木の伐採につき制限がある森林の区域内にあるときは、その旨及び制限の内容
六 当該分収林契約の存続期間
七 造林又は育林の内容、時期及び方法並びに造林又は育林を行う者の氏名又は名称及び住所
八 各契約当事者が負担する造林又は育林に要する費用の範囲並びに募集又は途中募集に係る造林費負担者又は育林費負担者が負担すべき費用の額及び支払方法
九 当該分収林契約に係る樹木について持分の対価の支払を約定する契約にあつては、募集又は途中募集に係る造林費負担者又は育林費負担者が支払うべき持分の対価の額
十 造林又は育林による収益の分収の割合
十一 当該分収林契約に係る樹木の伐採又は販売の時期及び方法
十二 当該分収林契約に係る樹木の滅失その他の損害をてん補する措置に関する事項
十三 当該分収林契約の変更又は解除に関する事項
十四 その他農林水産省令で定める事項
2 前項の規定による届出をした者が当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の前日までの間において当該届出に係る事項を変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、同項の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
(変更勧告)
第六条 都道府県知事は、前条第一項又は第二項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る事項からみて、適正な造林若しくは育林が行われないおそれがあると認めるとき、又は造林費負担者若しくは育林費負担者の正当な利益を害するおそれがあると認めるときは、当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の前日までの間に限り、当該届出をした者に対し、当該届出に係る事項を変更すべき旨を勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、勧告を受けた者がこれに従つていないと認めるときは、その旨を公表することができる。
(届出事項の遵守)
第七条 第五条第一項の規定による届出に係る分収林契約に係る造林又は育林を行う者は、当該届出に係る事項(同条第二項の規定による届出に係る変更又は前条第一項の規定による勧告に従つた変更があつたときは、当該変更後の事項。次項において同じ。)に従つて造林又は育林を行わなければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する者が同項の規定に従つていないと認めるときは、その者に対し、当該届出に係る事項に従つて造林又は育林を行うべき旨を勧告することができる。
3 前条第二項の規定は、前項の規定による勧告について準用する。
(報告徴収)
第八条 都道府県知事は、第五条第一項の規定による届出をした者又は前条第一項に規定する者に対し、前三条の規定の施行に必要な限度において、当該募集若しくは途中募集の実施状況、当該募集若しくは途中募集に係る分収林契約の内容又は当該分収林契約に係る造林若しくは育林の実施状況について報告を求めることができる。
(適用除外)
第九条 第五条から前条までの規定は、次に掲げる者には、適用しない。
一 地方公共団体
二 森林整備法人(造林又は育林の事業及び分収方式による造林又は育林の促進を行うことを目的とする民法第三十四条の規定により設立された法人で、地方公共団体が、社団法人にあつては総社員の表決権の過半数を保有し、財団法人にあつては基本財産の過半を拠出しているものをいう。次号において同じ。)
三 地方公共団体又は森林整備法人の媒介により分収林契約(その契約条項中において当該地方公共団体又は当該森林整備法人が契約当事者としてその契約に係る造林又は育林の全部を行う義務を負うことを約定しているものに限る。)に係る募集又は途中募集する者
(罰則)
第十条 第五条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中森林法第四条、第五条及び第百九十五条の改正規定並びに次条及び附則第五条の規定は、公布の日から施行する。
2 第一条の規定による改正後の森林法(以下「新森林法」という。)第百九十五条の規定は、昭和五十八年度の予算に係る交付金から適用する。
(森林法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 前条ただし書に規定する規定の施行の際現に第一条の規定による改正前の森林法(以下「旧森林法」という。)第四条又は第五条の規定によりたてられている全国森林計画又は地域森林計画は、それぞれ、新森林法第四条又は第五条の規定によりたてられた全国森林計画又は地域森林計画とみなす。
2 農林水産大臣は、前条第一項ただし書に規定する規定の施行の日から起算して三月以内に、同項ただし書に規定する規定の施行の際現に旧森林法第四条の規定によりたてられている全国森林計画を変更し、かつ、その概要を公表しなければならない。この場合には、新森林法第四条第二項、第三項、第五項及び第六項(全国森林計画の概要の公表に関する部分を除く。)の規定を準用する。
3 都道府県知事は、前項に規定する全国森林計画につき同項の規定による公表があつたときは、その公表があつた日から起算して一月以内に、前条第一項ただし書に規定する規定の施行の際現に旧森林法第五条の規定によりたてられている地域森林計画を変更し、かつ、これを公表しなければならない。この場合には、新森林法第五条第二項、第三項、第五項及び第六項(地域森林計画の公表に関する部分を除く。)並びに第七条の規定を準用する。
(分林造林特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 第二条の規定による改正後の分収林特別措置法(以下「新分収林特別措置法」という。)第四条の規定は、この法律の施行の際現に締結されている新分収林特別措置法第二条第二項に規定する分収育林契約に係る共有樹木については、適用しない。
2 新分収林特別措置法第五条から第八条まで及び第十条の規定は、新分収林特別措置法第二条第三項に規定する分収林契約に係る同条第四項又は第五項に規定する募集又は途中募集で、この法律の施行後二月以内に当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日が到来するものについては、適用しない。
第四条 新分収林特別措置法の規定は、旧公有林野等官行造林法(大正九年法律第七号)に基づき締結された契約については、適用しない。
(地方財政法の一部改正)
第五条 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第十条第二十号を次のように改める。
二十 削除
(地方税法の一部改正)
第六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五百八十六条第二項第八号の二中「分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第一条」を「分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第一項」に改める。
(森林開発公団法の一部改正)
第七条 森林開発公団法(昭和三十一年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項第六号中「行なう」を「行う」に、「分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第一条」を「分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第一項」に、「費用負担者として同条」を「造林費負担者として同項」に改め、同条第四項中「分収造林特別措置法第一条各号」を「分収林特別措置法第二条第一項各号」に改める。
農林水産大臣 金子岩三
自治大臣 山本幸雄
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 斎藤邦吉
森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十八年五月四日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 斎藤邦吉
法律第二十九号
森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律
(森林法の一部改正)
第一条 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二章の二 営林の助長及び監督(第十条の五―第二十四条)」を
第二章の二
営林の助長及び監督
第一節
施業の勧告等(第十条の五・第十条の六)
第二節
市町村による森林の整備の推進(第十条の七―第十条の十二)
第三節
森林施業計画(第十一条―第二十条)
第四節
補則(第二十一条―第二十四条)
に改める。
第四条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第二号中「事項」の下に「(間伐に関する事項を除く。)」を加え、同項第三号中「及び保育」を削り、同号の次に次の一号を加える。
三の二 間伐及び保育に関する事項
第五条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「事項」の下に「(間伐に関する事項を除く。)」を加え、同項第四号中「及び保育」を削り、同号の次に次の一号を加える。
四の二 間伐立木材積、間伐及び保育の標準的な方法その他間伐及び保育に関する事項
第二章の二中第十条の五の前に次の節名を付する。
第一節 施業の勧告等
第十条の六の次に次の一節を加える。
第二節 市町村による森林の整備の推進
(森林整備市町村の指定)
第十条の七 都道府県知事は、次に掲げる要件に該当する市町村を森林整備市町村として指定することができる。
一 当該市町村の区域内にある地域森林計画の対象となつている民有林の面積が政令で定める面積以上であるか、又はその民有林の面積のうち人工植栽に係る森林の面積の占める比率が都道府県ごとに政令で定める比率以上であること。
二 当該市町村の区域内にある地域森林計画の対象となつている民有林であつて一体的かつ計画的に間伐又は保育を推進する必要のあるものが相当規模以上集団的に存在すること。
2 都道府県知事は、森林整備市町村の指定をしようとするときは、当該市町村に協議しなければならない。
3 都道府県知事は、森林整備市町村の指定をしたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、農林水産大臣に報告しなければならない。
4 都道府県知事は、森林整備市町村が第一項各号に掲げる要件の全部又は一部に該当しなくなつたと認めるときは、森林整備市町村の指定を解除するものとする。
5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定による解除について準用する。
(森林整備計画)
第十条の八 森林整備市町村は、地勢その他の条件を勘案し、前条第一項第二号に規定する森林で相当規模以上集団的に存在するものにつき、間伐、保育その他森林の整備に関し、五年ごとに、十年を一期とする森林整備計画をたてなければならない。ただし、当該森林の属する森林計画区に係る地域森林計画の期間の開始する時期と異なる時期をその期間の開始する時期とする森林整備計画については当該森林整備計画の期間の終了する時期は当該地域森林計画の期間の終了する時期として、当該森林整備計画に引き続く次の森林整備計画についてはその期間の開始する時期は当該地域森林計画に引き続きたてられる次の地域森林計画の期間の開始する時期として、たてなければならない。
2 森林整備市町村の区域が二以上の森林計画区にわたる場合には、当該森林整備市町村は、前項に規定する森林の属する森林計画区別に、森林整備計画をたてなければならない。
3 森林整備計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 その対象とする森林の区域
二 間伐、保育その他森林の整備に関する基本的事項
三 間伐立木材積、間伐を実施すべき標準的な林齢その他間伐及び保育の基準
四 間伐は保育が適正に実施されていない森林であつてこれらを早急に実施する必要のあるもの(以下「特定森林」という。)の所在及び特定森林について実施すべき間伐又は保育の方法及び時期に関する事項
五 作業路網その他森林の整備のために必要な施設の整備に関する事項
六 その他森林の整備のために必要な事項
4 前項第四号の間伐又は保育の方法及び時期に関する事項は、地域森林計画の達成のため必要な限度において定めなければならない。
5 森林整備計画は、地域森林計画に適合したものでなければならない。
6 森林整備市町村は、森林整備計画をたてようとするときは、都道府県知事の承認を受けなければならない。
7 森林整備市町村は、森林整備計画をたてたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に当該森林整備計画書の写しを送付しなければならない。
8 第七条の規定は、森林整備計画について準用する。この場合において、同条中「第五条第六項」とあるのは「第十条の八第七項」と、「都道府県知事」とあるのは「森林整備市町村の長」と読み替えるものとする。
(森林整備計画の変更)
第十条の九 都道府県知事は、地域森林計画の変更により森林整備計画が地域森林計画に適合しなくなつたと認めるときは、当該森林整備計画に係る森林整備市町村に対し、当該森林整備計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
2 森林整備市町村は、前項の規定による通知を受けたときは、森林整備計画を変更しなければならない。
3 森林整備市町村は、前項の場合を除くほか、森林の現況等に変動があつたため必要があると認めるときは、森林整備計画を変更することができる。
4 第七条並びに前条第六項及び第七項の規定は、森林整備計画の変更について準用する。この場合において、第七条中「第五条第六項」とあるのは「第十条の九第四項において準用する第十条の八第七項」と、「都道府県知事」とあるのは「森林整備市町村の長」と読み替えるものとする。
(間伐又は保育についての勧告)
第十条の十 森林整備市町村の長は、特定森林についての間伐又は保育が森林整備計画において定められている当該特定森林に係る間伐又は保育の方法及び時期に関する事項に従つて実施されていない場合において、森林整備計画の達成上必要があるときは、当該特定森林の森林所有者等に対し、期限を定めて、当該事項に従つて間伐又は保育を実施すべき旨を勧告することができる。
2 森林整備市町村の長は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わないとき、又は従う見込みがないと認めるときは、その者に対し、当該特定森林又は当該特定森林の立木について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者で森林整備市町村の長の指定を受けたものと当該特定森林又は当該特定森林の立木についての所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転に関し協議すべき旨を勧告することができる。
(都道府県知事の調停)
第十条の十一 森林整備市町村の長が前条第二項の規定による勧告をした場合において、その勧告に係る協議が調わず、又は協議をすることができないときは、同項の指定を受けた者は、その勧告があつた日から起算して二月以内に、省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、その協議に係る所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転につき必要な調停をなすべき旨を申請することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による申請があつたときは、速やかに調停を行うものとする。
3 都道府県知事は、第一項の調停を行う場合には、当事者の意見を聴くとともに、当該森林整備市町村の長に対し、助言、資料の提供その他必要な協力を求めて、調停案を作成しなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定により調停案を作成したときは、これを当事者に示してその受諾を勧告するものとする。
(報告の徴収)
第十条の十二 森林整備市町村の長は、森林整備計画の達成のため必要があるときは、特定森林の森林所有者等からその森林の現況又は施業の状況に関する報告を徴することができる。
第十一条の前に次の節名を付する。
第三節 森林施業計画
第十一条第五項中「左の各号に」を「次に」に、「みたす」を「満たす」に改め、同項に次の一号を加える。
三 森林施業計画の対象とする森林の全部又は一部が森林整備計画の対象とする森林であるときは、当該森林整備計画の内容に照らして適当であると認められること。
第十九条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に、「聞かなければ」を「聴かなければ」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 農林水産大臣は、前項の規定により同項の事項を処理する場合において、同項に規定する森林の全部又は一部が森林整備市町村の区域内にあるときは、当該区域を管轄する都道府県知事から当該森林整備市町村に係る森林整備計画書の写しの送付を受けるものとする。
第二十一条の前に次の節名を付する。
第四節 補則
第百九十一条の二中「並びに」を「並びに森林整備計画及び」に、「その達成」を「これらの達成」に、「行なう」を「行う」に改める。
第百九十五条を次のように改める。
第百九十五条 国は、都道府県に対し、次に掲げる事業(次項において「林業普及指導事業」という。)について、交付金を交付する。
一 林業専門技術員及び林業改良指導員を置くこと。
二 林業専門技術員又は林業改良指導員が第百八十七条第二項又は第三項に規定する事務を行うこと。
2 農林水産大臣は、前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の林業人口、民有林面積及び市町村数を基礎とし、各都道府県において林業普及指導事業を緊急に行うことの必要性等を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。
(分収造林特別措置法の一部改正)
第二条 分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
分収林特別措置法
第三条中「分収造林契約」の下に「又は分収育林契約」を加え、同条を第四条とする。
第二条中「分収造林契約」を「分収林契約」に改め、同条を第三条とする。
第一条の見出しを「(定義)」に改め、同条中「土地所有者」を「造林地所有者」に、「費用負担者」を「造林費負担者」に、「次の各号に」を「次に」に改め、同条に次の四項を加える。
2 この法律で「分収育林契約」とは、一定の土地に植栽された樹木(当該契約の締結時における樹齢が地域ごと及び樹種ごとに農林水産省令で定める樹齢を超えるものを除く。)についての保育及び管理(以下「育林」という。)に関し、その土地の所有者(以下「育林地所有者」という。)、育林地所有者以外の者でその樹木について育林を行うもの(以下「育林者」という。)並びに育林地所有者及び育林者以外の者でその樹木について育林に要する費用の全部若しくは一部を負担するもの(以下「育林費負担者」という。)の三者又は育林地所有者、育林者及び育林費負担者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約(当事者のうちのいずれかが当該樹木の所有者であるものに限る。)で、その契約条項中において、次に掲げる事項を約定しているものをいう。
一 育林地所有者を当事者とする契約においては、育林地所有者は、育林者のためにその土地につきこれを育林の目的に使用する権利を設定する義務(育林者を契約当事者としない場合にあつては、自らその育林を行う義務)を負うこと。
二 育林者を当事者とする契約においては、育林者は、育林を行う義務(育林地所有者を契約当事者とせず、かつ、育林者がその土地につきこれを育林の目的に使用する権利を有しない場合にあつては、育林地所有者から当該権利の設定を受けてその育林を行う義務)を負うこと。
三 育林費負担者を当事者とする契約においては、育林費負担者は、育林者(育林者を契約当事者としない場合にあつては、育林地所有者)に対し、育林に要する費用の全部又は一部を支払う義務を負うこと。
四 各契約当事者は、一定の割合により、当該契約に係る育林による収益を分収すること。
五 契約の締結の際、当該樹木を所有している契約当事者は当該樹木を各契約当事者の共有とし、他の契約当事者は当該樹木の持分の対価を支払う義務を負うこと。
六 前号の場合における各共有者の持分の割合は、第四号の一定の割合と等しいものとすること。
3 この法律で「分収林契約」とは、分収造林契約、分収育林契約その他次の各号のいずれかに該当する契約で、その契約条項中において、各契約当事者が一定の割合により当該契約に係る造林又は育林による収益を分収することを約定しているものをいう。
一 一定の土地についての造林に関し、造林地所有者、造林者及び造林費負担者の三者又はこれらの者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約(国有林野法第九条(部分林契約)の契約を除く。)
二 一定の土地に植栽された前項に規定する樹木についての育林に関し、育林地所有者、育林者及び育林費負担者の三者又はこれらの者のうちのいずれか二者が当事者となつて締結する契約
4 この法律で「募集」とは、分収林契約の当事者となろうとする者が、不特定かつ多数の者に対し、当該分収林契約の造林費負担者又は育林費負担者として権利を取得し義務を負うこととなるための分収林契約の締結の申込みを勧誘することをいう。
5 この法律で「途中募集」とは、分収林契約の当事者が、不特定かつ多数の者に対し、当該分収林契約の造林費負担者又は育林費負担者として権利を取得し義務を負うこととなるための申込みを勧誘することをいう。
第一条を第二条とし、同条の前に次の一条を加える。
(目的)
第一条 この法律は、分収方式による造林及び育林を促進し、もつて林業の発展と森林の有する諸機能の維持増進とに資することを目的とする。
本則に次の六条を加える。
(分収林契約に係る募集又は途中募集の届出)
第五条 分収林契約に係る募集又は途中募集をする者は、農林水産省令で定めるところにより、当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の二月前までに、次に掲げる事項を当該分収林契約に係る土地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 募集又は途中募集の別及び分収造林契約、分収育林契約又はその他の分収林契約の別
三 募集又は途中募集に係る申込みの期間
四 当該分収林契約に係る土地の所在及び面積並びに樹木の樹種別及び樹齢別の本数
五 前号の土地の全部又は一部が法令によりその立木の伐採につき制限がある森林の区域内にあるときは、その旨及び制限の内容
六 当該分収林契約の存続期間
七 造林又は育林の内容、時期及び方法並びに造林又は育林を行う者の氏名又は名称及び住所
八 各契約当事者が負担する造林又は育林に要する費用の範囲並びに募集又は途中募集に係る造林費負担者又は育林費負担者が負担すべき費用の額及び支払方法
九 当該分収林契約に係る樹木について持分の対価の支払を約定する契約にあつては、募集又は途中募集に係る造林費負担者又は育林費負担者が支払うべき持分の対価の額
十 造林又は育林による収益の分収の割合
十一 当該分収林契約に係る樹木の伐採又は販売の時期及び方法
十二 当該分収林契約に係る樹木の滅失その他の損害をてん補する措置に関する事項
十三 当該分収林契約の変更又は解除に関する事項
十四 その他農林水産省令で定める事項
2 前項の規定による届出をした者が当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の前日までの間において当該届出に係る事項を変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、同項の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
(変更勧告)
第六条 都道府県知事は、前条第一項又は第二項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る事項からみて、適正な造林若しくは育林が行われないおそれがあると認めるとき、又は造林費負担者若しくは育林費負担者の正当な利益を害するおそれがあると認めるときは、当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日の前日までの間に限り、当該届出をした者に対し、当該届出に係る事項を変更すべき旨を勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、勧告を受けた者がこれに従つていないと認めるときは、その旨を公表することができる。
(届出事項の遵守)
第七条 第五条第一項の規定による届出に係る分収林契約に係る造林又は育林を行う者は、当該届出に係る事項(同条第二項の規定による届出に係る変更又は前条第一項の規定による勧告に従つた変更があつたときは、当該変更後の事項。次項において同じ。)に従つて造林又は育林を行わなければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する者が同項の規定に従つていないと認めるときは、その者に対し、当該届出に係る事項に従つて造林又は育林を行うべき旨を勧告することができる。
3 前条第二項の規定は、前項の規定による勧告について準用する。
(報告徴収)
第八条 都道府県知事は、第五条第一項の規定による届出をした者又は前条第一項に規定する者に対し、前三条の規定の施行に必要な限度において、当該募集若しくは途中募集の実施状況、当該募集若しくは途中募集に係る分収林契約の内容又は当該分収林契約に係る造林若しくは育林の実施状況について報告を求めることができる。
(適用除外)
第九条 第五条から前条までの規定は、次に掲げる者には、適用しない。
一 地方公共団体
二 森林整備法人(造林又は育林の事業及び分収方式による造林又は育林の促進を行うことを目的とする民法第三十四条の規定により設立された法人で、地方公共団体が、社団法人にあつては総社員の表決権の過半数を保有し、財団法人にあつては基本財産の過半を拠出しているものをいう。次号において同じ。)
三 地方公共団体又は森林整備法人の媒介により分収林契約(その契約条項中において当該地方公共団体又は当該森林整備法人が契約当事者としてその契約に係る造林又は育林の全部を行う義務を負うことを約定しているものに限る。)に係る募集又は途中募集する者
(罰則)
第十条 第五条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中森林法第四条、第五条及び第百九十五条の改正規定並びに次条及び附則第五条の規定は、公布の日から施行する。
2 第一条の規定による改正後の森林法(以下「新森林法」という。)第百九十五条の規定は、昭和五十八年度の予算に係る交付金から適用する。
(森林法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 前条ただし書に規定する規定の施行の際現に第一条の規定による改正前の森林法(以下「旧森林法」という。)第四条又は第五条の規定によりたてられている全国森林計画又は地域森林計画は、それぞれ、新森林法第四条又は第五条の規定によりたてられた全国森林計画又は地域森林計画とみなす。
2 農林水産大臣は、前条第一項ただし書に規定する規定の施行の日から起算して三月以内に、同項ただし書に規定する規定の施行の際現に旧森林法第四条の規定によりたてられている全国森林計画を変更し、かつ、その概要を公表しなければならない。この場合には、新森林法第四条第二項、第三項、第五項及び第六項(全国森林計画の概要の公表に関する部分を除く。)の規定を準用する。
3 都道府県知事は、前項に規定する全国森林計画につき同項の規定による公表があつたときは、その公表があつた日から起算して一月以内に、前条第一項ただし書に規定する規定の施行の際現に旧森林法第五条の規定によりたてられている地域森林計画を変更し、かつ、これを公表しなければならない。この場合には、新森林法第五条第二項、第三項、第五項及び第六項(地域森林計画の公表に関する部分を除く。)並びに第七条の規定を準用する。
(分林造林特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 第二条の規定による改正後の分収林特別措置法(以下「新分収林特別措置法」という。)第四条の規定は、この法律の施行の際現に締結されている新分収林特別措置法第二条第二項に規定する分収育林契約に係る共有樹木については、適用しない。
2 新分収林特別措置法第五条から第八条まで及び第十条の規定は、新分収林特別措置法第二条第三項に規定する分収林契約に係る同条第四項又は第五項に規定する募集又は途中募集で、この法律の施行後二月以内に当該募集又は途中募集に係る申込みの期間の開始する日が到来するものについては、適用しない。
第四条 新分収林特別措置法の規定は、旧公有林野等官行造林法(大正九年法律第七号)に基づき締結された契約については、適用しない。
(地方財政法の一部改正)
第五条 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第十条第二十号を次のように改める。
二十 削除
(地方税法の一部改正)
第六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五百八十六条第二項第八号の二中「分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第一条」を「分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第一項」に改める。
(森林開発公団法の一部改正)
第七条 森林開発公団法(昭和三十一年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項第六号中「行なう」を「行う」に、「分収造林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第一条」を「分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第一項」に、「費用負担者として同条」を「造林費負担者として同項」に改め、同条第四項中「分収造林特別措置法第一条各号」を「分収林特別措置法第二条第一項各号」に改める。
農林水産大臣 金子岩三
自治大臣 山本幸雄
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 斎藤邦吉