(業務の範囲)
第十一条 機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 農林水産大臣の定める基本計画に基づき、地勢等の地理的条件が極めて悪く、かつ、豊富な森林資源の開発が十分に行われていない地域のうち政令で定める区域内において、当該地域の林道網の枢要部分となるべき林道の開設又は改良の事業で、その事業による受益の範囲が著しく広く、かつ、その事業の施行が当該地域における林業以外の産業の振興の見地から相当であると認められるものを施行すること。
二 前号の事業の施行により開設され、又は改良された林道についての災害復旧事業を施行すること。
三 前二号の事業の施行により開設され、改良され、又は復旧された林道の維持、修繕その他の管理を行うこと。
四 第一号の事業の施行により森林の造成の事業を行うことが経済的かつ技術的に可能となった地域内における森林の造成の事業を当該土地の所有者の委託により行うこと。
五 豊富な森林資源を有する国有林(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第三項に規定する国有林をいう。)と民有林(同項に規定する民有林をいう。)とが相接して所在しており、かつ、これらの森林の開発が十分に行われていない地域のうち政令で定める区域内の当該森林を開発するために必要な奥地幹線林道の開設又は改良の事業及びその開設又は改良に係る林道で政令で定めるものの災害復旧の事業であって、国有林野事業(国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)第一条第二項に規定する国有林野事業をいう。)として行われるものを国の委託により行うこと。
六 水源をかん養するため急速かつ計画的に森林の造成を行う必要がある地域内の土地につき、分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第一項に規定する造林者又は造林費負担者として同項に規定する分収造林契約の当事者となり、当該契約に基づき森林の造成に係る事業を行うこと。
七 農林水産大臣の定める基本計画に基づき、前号の地域であって、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域として政令で定める要件に該当するもの(以下「特定地域」という。)の区域内において、同号の事業及びイからハまでの事業を一体として行う事業(これと併せて行うニ又はホの事業を含む。)で、その事業による受益が相当範囲にわたり、かつ、その事業の実施が当該地域における農林業の振興と森林及び農用地の有する公益的機能の維持増進を図る見地から相当であると認められるもの(以下「特定地域整備事業」という。)を行うこと。
イ 農用地(耕作の目的又は主として家畜の放牧の目的若しくは養畜の業務のための採草の目的に供される土地をいう。以下同じ。)の改良又は保全のために必要な区画整理、客土、暗きょ排水又はこれらに準ずる事業として政令で定めるもの(これらの事業と併せて行う農用地間における地目変換の事業を含む。)
ロ 農業用用排水施設、農業用道路その他の農用地の保全又は利用上必要な施設で政令で定めるもの(以下「土地改良施設」という。)の新設又は改良
ハ 農用地(その利用の見込みが少ないと認められるものとして政令で定めるものに限る。)を林地とするための土地の形質の変更の事業
ニ 分収林特別措置法第二条第二項に規定する育林者又は育林費負担者として同項に規定する分収育林契約の当事者となって行う当該契約に基づく育林に係る事業
八 前号イの事業と併せて当該事業の実施に係る農用地に関する権利又はその農用地の利用上必要な土地に関する権利、農業用施設に関する権利若しくは水の使用に関する権利の交換分合を行うこと。
九 第七号ロの事業を行うことにより新設され、若しくは改良された土地改良施設又は同号ホの事業を行うことにより開設され、若しくは改良された林道についての災害復旧事業を施行すること。
2 機構は、前項に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、次の業務を行うことができる。
一 地方公共団体又は森林組合、生産森林組合若しくは森林組合連合会の委託により、前項第一号の政令で定める区域内における林道の開設、改良又は災害復旧の事業を施行すること。
二 国際協力事業団その他政令で定める者の委託により、開発途上にある海外の地域における農業開発(以下「海外農業開発」という。)に関する調査その他の海外農業開発を促進するために必要な事業(国際協力事業団以外の者の委託による場合にあっては、政令で定めるものに限る。)を行うこと。
三 前号の事業に関連して必要な情報の収集及び整備を行うこと。
3 機構は、前二項に規定する業務を行うに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
4 農林水産大臣は、第一項第一号の基本計画を定めようとするときは、財務大臣、総務大臣及び国土交通大臣の同意を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
5 農林水産大臣は、第一項第一号の基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
6 第一項第六号の契約においては、分収林特別措置法第二条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
7 第一項第七号ニの契約においては、分収林特別措置法第二条第二項各号に掲げる事項のほか、前項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項その他農林水産省令で定める事項を定めなければならない。
(特定地域整備事業に係る基本計画)
第十二条 農林水産大臣は、政令で定めるところにより、都道府県から、特定地域内の区域を特定して機構が特定地域整備事業(これと併せて行う前条第一項第八号の事業を含む。以下この項において同じ。)を行うべき旨の申出があった場合において、申出の内容が次に掲げる要件を備えているものと認めるときは、その区域に係る特定地域整備事業につき、同条第一項第七号の基本計画を定め、これを公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 申出に係る区域が、農業の生産基盤の整備の程度が低い農用地その他その効率的な利用を図る必要があると認められる農用地及び造林又は育林を早急に実施する必要があると認められる森林が相当程度存在する地域として政令で定める要件に適合するものであること。
二 申出に係る事業の施行によって利益を受けるべき土地(以下「受益地」という。)の面積が、政令で定める面積以上のものであること。
三 前二号に掲げるもののほか、申出に係る区域及びその周辺の地域における農林業の生産基盤の整備の状況、農林業従事者数その他の農林業経営に関する基本的条件の現況及び将来の見通しに照らし、申出に係る事業を行うことによりこれらの地域の農林業の振興と森林及び農用地の有する公益的機能の維持増進が図られると見込まれるものであること。
2 農林水産大臣は、前項の規定により前条第一項第七号の基本計画を定めようとするときは、財務大臣及び総務大臣に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 都道府県知事は、第一項の規定による申出を行う場合又は前項の規定により意見を聴かれた場合には、関係市町村長の意見を聴かなければならない。
(林道事業実施計画)
第十三条 機構は、第十一条第一項第一号又は第二号の事業を施行しようとするときは、同項第一号の基本計画に基づいて、その路線ごとに、林道事業実施計画を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の林道事業実施計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
3 機構は、第一項の林道事業実施計画を定めようとするときは、関係都道府県知事に協議しなければならない。
(意見書の提出)
第十四条 機構は、前条第一項の林道事業実施計画を定めるには、農林水産省令で定める手続により、林道事業実施計画案を公表して、当該事業につき利害関係を有する市町村の長及び当該林道事業実施計画案につき意見を有する利害関係人(当該事業の施行区域内の土地若しくは当該事業に係る受益地又はこれらの土地に定着する物件につき所有権その他の権利を有する者をいう。以下同じ。)に対し、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十一条第一項第二号の事業で災害のため急速に行う必要があるものに係る林道事業実施計画については、林道事業実施計画案を公表すれば足りる。
(特定地域整備事業実施計画)
第十五条 機構は、特定地域整備事業を行おうとするときは、第十一条第一項第七号の基本計画に基づいて特定地域整備事業実施計画を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 第十三条第二項及び第三項の規定は、前項の特定地域整備事業実施計画について準用する。この場合において、同条第二項第三号中「主要工事計画」とあるのは、「主要工事計画(換地計画を定める事業にあっては、主要工事計画のほか、当該換地計画の概要)」と読み替えるものとする。
3 機構は、第一項の規定により特定地域整備事業実施計画を定めるには、農林水産省令で定める手続により、特定地域整備事業実施計画案を公表して、次の各号の区分により、それぞれ当該各号に掲げる同意を得るとともに、第十一条第一項第七号ホの事業につき意見を有する利害関係人に対し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
一 第十一条第一項第六号の事業 その実施に係る区域内にある土地について所有権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者の全員の同意
二 第十一条第一項第七号イの事業(次号に掲げるものを除く。) その実施に係る区域内にある土地についての土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第三条に規定する資格を有する者(以下「事業参加資格者」という。)の三分の二以上の同意
三 第十一条第一項第七号イの事業(農用地間における地目変換の事業を行うものに限る。) その実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者の三分の二以上の同意及び当該地目変換の事業の実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者の全員の同意
四 第十一条第一項第七号ロの事業 その実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者の三分の二以上の同意
五 第十一条第一項第七号ハの事業 その実施に係る区域内にある土地(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。第二十四条第二項において同じ。)について所有権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者の全員の同意
六 第十一条第一項第七号ニの事業 その実施に係る区域内にある土地又はその土地の上にある立木について所有権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者の全員の同意
4 第十一条第一項第七号イの事業(農用地間における地目変換の事業に限る。)の実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者は、その者に係る土地につき所有権以外の権原に基づき使用及び収益をする者(当該土地についての事業参加資格者を除く。)が他に存するときは、前項第三号の同意又は不同意を機構に表示する前において、農林水産省令で定めるところにより、当該事業の実施につき、その使用及び収益をする者の意見を聴かなければならない。
5 都道府県知事は、機構と第二項において準用する第十三条第三項の規定による特定地域整備事業実施計画の協議をする場合には、関係市町村長に協議しなければならない。
6 土地改良法第五条第六項及び第七項、第七条第四項、第八条第一項、第五項及び第六項、第九条、第十条第五項並びに第八十七条第十項の規定は、第一項の特定地域整備事業実施計画について準用する。
(換地計画)
第十六条 機構は、その行う第十一条第一項第七号イの事業につき、その事業の性質上必要があるときは、その事業の実施に係る区域につき、換地計画を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 第十三条第三項並びに土地改良法第五十二条第二項、第三項、第五項前段及び第六項から第八項まで、第五十二条の二から第五十五条まで並びに第八十九条の三の規定は、前項の換地計画について準用する。
(交換分合計画)
第十七条 機構は、第十一条第一項第八号の事業を行おうとするときは、同項第七号の基本計画に基づいて交換分合計画を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 第十三条第三項並びに土地改良法第八十九条の三、第九十九条第二項から第十三項まで、第百一条から第百七条まで、第百八条第一項及び第二項、第百九条から第百十一条まで、第百三十七条並びに第百四十二条(同法第百三十七条に係る部分に限る。)の規定は、前項の交換分合計画について準用する。
(災害復旧事業実施計画)
第十八条 機構は、第十一条第一項第九号の事業を施行しようとするときは、災害復旧事業実施計画を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 第十三条第二項及び第三項並びに第十五条第三項(第一号から第三号まで、第五号及び第六号を除く。)及び第五項並びに土地改良法第八条第一項及び第六項、第九条、第十条第五項並びに第八十七条第十項の規定は、前項の災害復旧事業実施計画について準用する。この場合において、第十五条第三項中「与えなければならない」とあるのは、「与えなければならない。ただし、第十一条第一項第九号の事業(林道に係るものに限る。)で災害のため急速に行う必要があるものに係る災害復旧事業実施計画については、災害復旧事業実施計画案を公表すれば足りる」と読み替えるものとする。
(林道事業実施計画等の変更)
第十九条 機構は、第十三条第一項の林道事業実施計画、第十五条第一項の特定地域整備事業実施計画又は前条第一項の災害復旧事業実施計画を変更しようとするときは、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定による特定地域整備事業実施計画の変更(農林水産省令で定める軽微なものを除く。)については、第十五条第三項の規定を準用する。この場合において、同項第一号から第六号までの規定中「区域」とあるのは、「区域(その変更によりその実施に係る区域の一部がその変更後のその実施に係る区域に該当しないこととなるものがあるときは、その該当しないこととなる区域をその変更後のその実施に係る区域に含めた区域)」と読み替えるものとする。
3 第一項の規定による災害復旧事業実施計画の変更については、第十五条第三項(第一号から第三号まで、第五号及び第六号を除く。)の規定を準用する。この場合において、同項中「与えなければならない」とあるのは「与えなければならない。ただし、第十一条第一項第九号の事業(林道に係るものに限る。)で災害のため急速に行う必要があるものに係る災害復旧事業実施計画については、災害復旧事業実施計画案を公表すれば足りる」と、同項第四号中「区域」とあるのは「区域(その変更によりその実施に係る区域の一部がその変更後のその実施に係る区域に該当しないこととなるものがあるときは、その該当しないこととなる区域をその変更後のその実施に係る区域に含めた区域)」と読み替えるものとする。
4 第十三条第三項及び第十四条の規定は第十三条第一項の林道事業実施計画の変更について、同条第三項及び第十五条第五項並びに土地改良法第八条第一項、第五項及び第六項、第九条、第十条第五項、第四十八条第四項及び第六項並びに第八十七条第十項の規定は第十五条第一項の特定地域整備事業実施計画又は前条第一項の災害復旧事業実施計画の変更について、第十五条第四項の規定は同条第一項の特定地域整備事業実施計画の変更(第十一条第一項第七号イの事業(農用地間における地目変換の事業に限る。)に係る部分に限る。)について、同法第五条第六項及び第七項の規定は第十五条第一項の特定地域整備事業実施計画の変更(第十一条第一項第七号イ又はロの事業に係る部分に限る。)について準用する。
(林道事業実施計画等の公告)
第二十条 機構は、第十三条第一項の林道事業実施計画、第十五条第一項の特定地域整備事業実施計画又は第十八条第一項の災害復旧事業実施計画の策定又は変更につき第十三条第一項、第十五条第一項、第十八条第一項又は前条第一項の規定による農林水産大臣の認可があったときは、遅滞なく、農林水産省令で定める手続により、当該林道事業実施計画、特定地域整備事業実施計画若しくは災害復旧事業実施計画又はこれらの変更に係る部分を公告しなければならない。
(賦課金)
第二十一条 機構は、政令で定めるところにより、第十一条第一項第一号、第二号若しくは第七号ホの事業又は同項第九号の事業(林道に係るものに限る。)によって利益を受ける者で、当該事業に係る受益地又はその上に存する立木竹につき権原に基づき使用又は収益を行うものその他農林水産大臣の指定するものに対し、その者の受ける利益を限度として、その事業に要する費用の一部を賦課徴収することができる。
2 前項の規定による賦課徴収の処分は、その処分に係る賦課金の納期限(分割して納付させる場合にあっては、最初に納付させる賦課金についての納期限)前九十日までに、しなければならない。
3 前項の処分を受けた者は、その処分について不服があるときは、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立てをすることができる。
4 前項の異議申立てに関する行政不服審査法第四十五条の期間は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三十日以内とする。
5 機構は、異議申立てがあったときは、前項の期間満了後三十日以内にこれに対する決定をしなければならない。
(強制徴収)
第二十二条 機構は、前条第一項の規定による賦課金の納付義務者がその納期限までにその賦課金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。
2 機構は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。
3 賦課金の納付義務者で第一項の規定による督促を受けたものがその指定の期限までにその賦課金及び第六項の延滞金を納付しないときは、市町村は、機構の請求により、地方税の滞納処分の例により、これを処分する。この場合には、機構は、その徴収金額の百分の四を市町村に交付しなければならない。
4 市町村が前項の請求を受けた日から一月以内にその処分に着手せず、又は三月以内にこれを終了しないときは、機構は、地方税の滞納処分の例により、農林水産大臣の認可を受けて、その処分をすることができる。
5 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、地方税の例による。
6 機構は、第一項の規定により督促をしたときは、賦課金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、滞納につきやむを得ない事情があると認められるときその他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
7 前条第三項から第五項までの規定は、第一項、第三項、第四項又は前項の処分について準用する。
(林道の開設又は改良に係る費用負担)
第二十三条 第十一条第一項第一号又は第七号ホの事業に係る受益地の全部又は一部をその区域に含む都道府県は、政令で定めるところにより、その事業に要する費用の一部を負担金として機構に支払わなければならない。
(農用地整備等に係る費用負担)
第二十四条 機構は、政令で定めるところにより、第十一条第一項第七号イからハまで若しくは第八号の事業又は同項第九号の事業(土地改良施設に係るものに限る。)に要する費用の一部を当該事業の実施に係る区域をその区域の全部又は一部とする都道府県に負担させることができる。
2 前項の都道府県は、政令で定めるところにより、条例で、同項の事業の実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者(第十一条第一項第七号ハの事業にあっては、その事業の実施に係る区域内にある土地について所有権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者)その他農林水産省令で定める者で、当該事業によって利益を受けるものから、その者の受ける利益を限度として、前項の規定による負担金の全部又は一部を徴収することができる。
3 第一項の都道府県は、前項の規定による負担金の全部又は一部の徴収に代えて、政令で定めるところにより、第一項の事業の実施に係る区域の全部又は一部をその区域の全部又は一部とする市町村に対し、当該市町村の区域内にある土地に係る前項に規定する者に対する負担金に相当する部分の負担金を負担させることができる。この場合においては、都道府県は、あらかじめ、当該市町村の同意を得なければならない。
4 前項の市町村は、政令で定めるところにより、条例で、同項に規定する者から、同項に規定する部分の負担金を徴収することができる。
5 第二項に規定する者が第一項の事業の実施に係る区域の全部又は一部をその地区とする土地改良区の組合員である場合には、同項の都道府県は、その者からの第二項の規定による負担金の徴収に代えて、その土地改良区から当該負担金の額に相当する額の金銭を徴収することができる。
6 土地改良法第三十六条第一項、第二項及び第四項、第三十八条並びに第三十九条の規定は、前項の規定により同項の金銭を徴収される土地改良区の当該経費について準用する。
7 第一項の都道府県は、第二項、第三項及び第五項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第一項の事業によって利益を受ける市町村に対し、その市町村の受ける利益を限度として、同項の規定による負担金の一部を負担させることができる。
8 第一項の規定による負担金について前項の規定により市町村が負担すべき金額は、当該市町村の意見を聴いた上、当該都道府県の議会の議決を経て定めなければならない。
(特別徴収金)
第二十五条 機構、都道府県又は市町村は、機構にあっては政令で定めるところにより、都道府県及び市町村にあっては政令で定めるところにより、条例で、第十一条第一項第七号イ又はロの事業の実施に係る区域内にある土地についての事業参加資格者が、機構が農林水産省令で定めるところにより当該事業が完了した旨の公告をした日以後八年を経過する日までの間に、当該土地を当該事業に係る特定地域整備事業実施計画において予定した用途以外の用途(当該予定した用途に類似し、又は密接に関連するものとして政令で定めるものを除く。以下「目的外用途」という。)に供するため所有権の移転若しくは地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転をした場合又は当該土地を自ら目的外用途に供した場合(当該土地を目的外用途に供するため所有権の移転又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転を受けて、目的外用途に供した場合を除く。)には、その者から特別徴収金を徴収することができる。
2 前条第五項の規定は前項の規定により機構又は都道府県が特別徴収金を徴収する場合について、土地改良法第八十九条の三の規定は機構が徴収する同項の特別徴収金の徴収について、同法第九十条の二第三項の規定は前項の特別徴収金の額について準用する。
3 土地改良法第三十六条の二第二項、第三十八条及び第三十九条の規定は、前項において準用する前条第五項の規定により徴収される金銭について準用する。
(徴収金の徴収方法)
第二十六条 都道府県又は市町村が徴収する第二十四条第二項、第四項若しくは第五項(前条第二項において準用する場合を含む。)又は前条第一項の規定による徴収金は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。
(土地改良法の準用等)
第二十七条 土地改良法第百十二条、第百十三条、第百十四条第一項、第百十五条、第百十八条(第二項を除く。)、第百二十一条から第百二十三条まで、第百三十八条(第一号に係る部分に限る。)及び第百四十二条(同法第百三十八条第一号に係る部分に限る。)の規定は機構が行う第十一条第一項第七号イ及びロ並びに第八号の事業並びに同項第九号の事業(土地改良施設に係るものに限る。)について、同法第五十八条から第六十二条まで、第六十三条第二項及び第三項、第六十四条、第六十五条、第百十三条の二第一項及び第二項、第百十三条の三、第百十四条第二項、第百十九条、第百二十条、第百三十八条(第二号に係る部分に限る。)、第百三十九条並びに第百四十二条(同法第百三十八条第二号に係る部分に限る。)の規定は機構が行う第十一条第一項第七号イ及びロの事業並びに同項第九号の事業(土地改良施設に係るものに限る。)について、同法第六十三条第一項、第百十六条、第百十七条、第百二十三条の二及び第百三十一条の規定は機構が行う第十一条第一項第七号イの事業について準用する。
2 第十五条第六項、第十六条第二項、第十七条第二項、第十八条第二項、第十九条第四項、第二十五条第二項及び前項における土地改良法の準用について必要な技術的読替えは、政令で定める。
(立入調査等)
第二十八条 機構は、その業務の遂行に必要の限度において、その職員に、他人の土地に立ち入り、測量、実地調査若しくは標識の建設をさせ、又は測量、実施調査若しくは標識の建設の支障となる立木竹を伐採させることができる。
2 機構は、その職員に前項の規定による立入り又は伐採をさせる場合には、あらかじめその旨をその土地の占有者又は立木竹の所有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により機構の職員が立ち入り、又は伐採をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。
4 機構は、第一項の規定による立入り又は伐採によって損失を受けた者に対し、その損失を補償しなければならない。