第一條 辨理士ハ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ關シ特許局ニ對シ爲スヘキ事項ノ代理ヲ爲スコトヲ業トスルモノトス
第三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ前條第一項第三號ニ規定スル條件ヲ要セスシテ辨理士タル資格ヲ有ス
二 高等試驗ノ行政科試驗若ハ司法科試驗又ハ判事檢事登用試驗ニ合格シタル者
三 特許局ニ於テ高等官ニ在職シテ二年以上審判又ハ審査ノ事務ニ從事シタル者
第四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ辨理士試驗委員ノ銓衡ニ依リ第二條第一項第三號ニ規定スル條件ヲ要セスシテ辨理士タル資格ヲ有ス
二 帝國大學ノ學部又ハ之ト學科程度同等以上ト認ムル內外國ノ學校ニ於テ定規ノ課業ヲ卒ヘタル者
三 特許局ニ於テ判任以上ノ官ニ在職シテ五年以上審査ノ事務ニ從事シタル者
第六條 特許局ニ辨理士登錄簿ヲ備ヘ辨理士ニ關スル事項ヲ登錄ス
辨理士タラムトスル者ハ辨理士登錄簿ニ登錄ヲ受クルコトヲ要ス
第七條 辨理士ノ登錄ヲ受ケムトスル者ハ登錄料トシテ二十圓ヲ納付スヘシ
第八條 辨理士ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル事件ニ付其ノ業務ヲ行フコトヲ得ス
第九條 辨理士ハ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ關スル事項ニ付裁判所ニ於テ本人ト共ニ出頭シテ本人ノ爲演述ヲ爲スコトヲ得其ノ演述ハ本人卽時ニ之ヲ取消シ又ハ更正セサルトキニ限リ本人自ラ之ヲ爲シタルモノト看做ス
前項ノ規定ニ依リ帝國臣民ニ非サル辨理士出頭シテ演述ヲ爲サムトスルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ
第十條 辨理士ハ特許局所在地ニ辨理士會ヲ設立スヘシ
第十一條 辨理士會ハ辨理士ノ風紀ヲ保持シ業務ノ發達ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第十四條 辨理士會ハ會則ヲ設ケ役員ニ關スル事項、會議ニ關スル事項、辨理士ノ風紀保持ニ關スル事項、謝金及手數料ニ關スル事項其ノ他會務ノ處理ニ必要ナル事項ヲ規定スヘシ
會則ハ特許局長官ヲ經由シテ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ會則ノ變更ニ付亦同シ
第十五條 辨理士會ノ設立ノ手續、機關ノ組織及監督ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條 辨理士ハ辨理士會ニ加入シタル後ニ非サレハ其ノ業務ヲ行フコトヲ得ス
第十七條 辨理士本法又ハ辨理士會ノ會則ニ違反スル行爲アルトキハ農商務大臣ハ辨理士懲戒委員會ノ議決ニ依リ之ヲ懲戒スルコトヲ得
第十九條 辨理士會ハ辨理士ニ對シ懲戒ノ必要アリト認メタルトキハ特許局長官ヲ經由シテ農商務大臣ニ申告スヘシ
第二十條 農商務大臣ハ前條ノ規定ニ依ル辨理士會ノ申告ニ依リ又ハ職權ヲ以テ辨理士懲戒委員會ヲ招集ス
第二十一條 過料ヲ完納セサルトキハ特許局長官ノ命令ヲ以テ之ヲ執行ス
非訟事件手續法第二百八條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル執行ニ付之ヲ準用ス
第二十二條 辨理士又ハ辨理士タリシ者故ナク其ノ業務上知得タル發明者、考案者、特許出願者又ハ登錄出願者ノ發明、考案又ハ事業上ノ祕密ヲ漏泄シ又ハ竊用シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス