弁理士法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第73号
公布年月日: 昭和35年4月30日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

弁理士制度は工業所有権制度の円滑な運用と産業発達への寄与を目的としているが、現行法は大正10年制定以来大幅な改正がなく、近年の工業所有権制度運用の実情に鑑み、制度の根本的検討が必要となっている。今回の改正では、弁理士資格の特例として特許庁での審判官・審査官経験者への資格付与、弁理士会への登録事務移譲による自主性強化、さらに特許等に関する訴願・裁定に関する代理業務の追加など、緊要な点について改正を行うものである。

参照した発言:
第34回国会 参議院 商工委員会 第12号

審議経過

第34回国会

参議院
(昭和35年3月8日)
(昭和35年3月10日)
衆議院
(昭和35年3月11日)
参議院
(昭和35年3月11日)
衆議院
(昭和35年4月8日)
(昭和35年4月11日)
(昭和35年4月13日)
(昭和35年4月14日)
(昭和35年4月15日)
(昭和35年4月19日)
(昭和35年4月26日)
(昭和35年7月15日)
弁理士法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年四月三十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第七十三号
弁理士法の一部を改正する法律
弁理士法(大正十年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第一条中「特許庁ニ対シ為スべキ事項ノ代理及其ノ事項」を「特許庁ニ対シ為スべキ事項及特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関スル訴願又ハ裁定ニ関シ通商産業大臣ニ対シ為スべキ事項ノ代理並ニ此等ノ事項」に改める。
第三条第一号中「弁護士法」の下に「(昭和二十四年法律第二百五号)」を加え、同条中第二号を次のように改め、第三号を削る。
二 特許庁ニ於テ七年以上審判官又ハ審査官トシテ審判又ハ審査ノ事務ニ従事シタル者
第五条第三号中「免官若ハ免職」を「免職」に、「又ハ弁護士法ニ依リ除名セラレタル者ニシテ免官、免職、業務禁止、登録ノ抹消又ハ除名」を「、弁護士法ニ依リ除名セラレタル者又ハ税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十五条第一項若ハ第四十六条第一項ノ規定ニ依リ登録ノ取消ノ処分ヲ受ケタル者ニシテ免職、業務禁止、登録ノ抹消若ハ取消又ハ除名」に改める。
第六条第一項中「特許庁」を「弁理士会」に改め、同条第三項を次のように改める。
弁理士ノ登録ヲ受ケムトスル者ハ申請書ヲ弁理士会ニ差出スべシ
第七条を次のように改める。
第七条 弁理士会ハ前条第三項ノ申請書ヲ受理シタル場合ニ於テ登録ヲ受ケムトスル者ガ弁理士タル資格ヲ有スル者タルトキハ其ノ登録ヲ為シ弁理士タル資格ヲ有セザル者タルトキハ其ノ登録ヲ拒否スべシ
弁理士会ハ前項ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ為シタルトキ又ハ其ノ登録ヲ拒否シタルトキハ文書ヲ以テ申請人ニ之ヲ通知スべシ
前項ノ規定ニ依ル登録ノ拒否ノ通知ニハ理由ヲ附スベシ
第七条の次に次の四条を加える。
第七条ノ二 弁理士左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ弁理士会ハ弁理士ノ登録ヲ抹消スべシ
一 登録抹消ノ申請ヲ為シタルトキ
二 死亡シタルトキ
三 弁理士タル資格ヲ具へザルカ又ハ具へザルニ至リタルトキ
四 弁理士会ヲ退会セシメラレタルトキ
弁理士会ハ第十九条ノ規定ニ依リ申告ヲ為シタル場合又ハ弁理士懲戒審議会ノ招集アリタル場合ニ於テハ通商産業大臣ノ処分アル迄前項第一号ノ規定ニ依ル登録ノ抹消ヲ為スコトヲ得ズ
第七条ノ三 弁理士会ハ前条第一項第一号、第三号又ハ第四号ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ抹消シタルトキハ文書ヲ以テ登録ヲ抹消セラレタル者ニ之ヲ通知スべシ
前条第一項第三号ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ抹消シタル場合ノ通知ニハ理由ヲ附スべシ
第七条ノ四 第七条第三項又ハ前条第ニ項ノ通知ヲ受ケタル者登録ノ拒否又ハ登録ノ抹消ヲ不当トスルトキハ其ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ六十日以内ニ通商産業大臣ニ対シ文書ヲ以テ異議ヲ申立ツルコトヲ得
異議ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ為シ且之ニ理由ヲ附スべシ
第七条ノ五 第六条乃至前条ニ定ムルモノノ外弁理士ノ登録ニ関スル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一条を次のように改める。
第十一条 弁理士会ハ弁理士ノ使命及職責ニ鑑ミ弁理士ノ品位ノ保持及弁理士業務ノ改善進歩ヲ図ル為弁理士ノ指導及連絡ニ関スル事務ヲ行フコトヲ以テ目的トス
第十四条第一項中「弁理士ノ風紀保持ニ関スル事項」を「弁理士ノ登録ニ関スル事項、弁理士ノ指導及連絡ニ関スル事項」に改める。
第二十二条ノ二第一項中「又ハ商標ニ関シ特許庁ニ対シ為スべキ事項ノ代理又ハ其ノ事項」を「若ハ商標ニ関シ特許庁ニ対シ為スベキ事項若ハ特許、実用新案、意匠若ハ商標ニ関スル訴願若ハ裁定ニ関シ通商産業大臣ニ対シ為スべキ事項ノ代理又ハ此等ノ事項」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に従前の規定により弁理士となる資格を有する者は、この法律の施行後も、なおその資格を有する。
3 従前の規定による弁理士登録簿の登録は、改正後の弁理士法(以下「新法」という。)の規定による弁理士登録簿の登録とみなす。
4 従前の規定により特許庁長官に差し出した申請書その他の弁理士の登録に関する書類は、新法の規定により弁理士会に差し出したものとみなす。
5 従前の規定により特許庁長官がした弁理士の登録の拒否又は登録の抹消及びその通知は、新法の規定により弁理士会がしたものとみなす。
6 この法律の施行の際現に弁理士の登録の拒否又は登録の抹消に関し通商産業大臣に提起されている訴願は、新法の規定による異議の申立てとみなす。
7 特許庁長官は、従前の規定により特許庁に備えた弁理士登録簿その他の弁理士の登録に関する書類を、弁理士会の求めにより、これに引き継がなければならない。
8 この法律の施行に伴う弁理士会の会則の変更について必要な手続は、この法律の施行の日よりも前に行なうことができる。
9 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第七条ノ三の次に次の一条を加える。
第七条ノ四 弁理士登録簿ニ登録ヲ請フ者ハ金三千円ノ登録税ヲ納ムべシ
10 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第四十六号を次のように改める。
四十六 弁理士試験を行なうこと。
法務大臣 井野碩哉
大蔵大臣 佐藤榮作
通商産業大臣 池田勇人
内閣総理大臣 岸信介
弁理士法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年四月三十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第七十三号
弁理士法の一部を改正する法律
弁理士法(大正十年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第一条中「特許庁ニ対シ為スべキ事項ノ代理及其ノ事項」を「特許庁ニ対シ為スべキ事項及特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関スル訴願又ハ裁定ニ関シ通商産業大臣ニ対シ為スべキ事項ノ代理並ニ此等ノ事項」に改める。
第三条第一号中「弁護士法」の下に「(昭和二十四年法律第二百五号)」を加え、同条中第二号を次のように改め、第三号を削る。
二 特許庁ニ於テ七年以上審判官又ハ審査官トシテ審判又ハ審査ノ事務ニ従事シタル者
第五条第三号中「免官若ハ免職」を「免職」に、「又ハ弁護士法ニ依リ除名セラレタル者ニシテ免官、免職、業務禁止、登録ノ抹消又ハ除名」を「、弁護士法ニ依リ除名セラレタル者又ハ税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十五条第一項若ハ第四十六条第一項ノ規定ニ依リ登録ノ取消ノ処分ヲ受ケタル者ニシテ免職、業務禁止、登録ノ抹消若ハ取消又ハ除名」に改める。
第六条第一項中「特許庁」を「弁理士会」に改め、同条第三項を次のように改める。
弁理士ノ登録ヲ受ケムトスル者ハ申請書ヲ弁理士会ニ差出スべシ
第七条を次のように改める。
第七条 弁理士会ハ前条第三項ノ申請書ヲ受理シタル場合ニ於テ登録ヲ受ケムトスル者ガ弁理士タル資格ヲ有スル者タルトキハ其ノ登録ヲ為シ弁理士タル資格ヲ有セザル者タルトキハ其ノ登録ヲ拒否スべシ
弁理士会ハ前項ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ為シタルトキ又ハ其ノ登録ヲ拒否シタルトキハ文書ヲ以テ申請人ニ之ヲ通知スべシ
前項ノ規定ニ依ル登録ノ拒否ノ通知ニハ理由ヲ附スベシ
第七条の次に次の四条を加える。
第七条ノ二 弁理士左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ弁理士会ハ弁理士ノ登録ヲ抹消スべシ
一 登録抹消ノ申請ヲ為シタルトキ
二 死亡シタルトキ
三 弁理士タル資格ヲ具へザルカ又ハ具へザルニ至リタルトキ
四 弁理士会ヲ退会セシメラレタルトキ
弁理士会ハ第十九条ノ規定ニ依リ申告ヲ為シタル場合又ハ弁理士懲戒審議会ノ招集アリタル場合ニ於テハ通商産業大臣ノ処分アル迄前項第一号ノ規定ニ依ル登録ノ抹消ヲ為スコトヲ得ズ
第七条ノ三 弁理士会ハ前条第一項第一号、第三号又ハ第四号ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ抹消シタルトキハ文書ヲ以テ登録ヲ抹消セラレタル者ニ之ヲ通知スべシ
前条第一項第三号ノ規定ニ依リ弁理士ノ登録ヲ抹消シタル場合ノ通知ニハ理由ヲ附スべシ
第七条ノ四 第七条第三項又ハ前条第ニ項ノ通知ヲ受ケタル者登録ノ拒否又ハ登録ノ抹消ヲ不当トスルトキハ其ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ六十日以内ニ通商産業大臣ニ対シ文書ヲ以テ異議ヲ申立ツルコトヲ得
異議ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ為シ且之ニ理由ヲ附スべシ
第七条ノ五 第六条乃至前条ニ定ムルモノノ外弁理士ノ登録ニ関スル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一条を次のように改める。
第十一条 弁理士会ハ弁理士ノ使命及職責ニ鑑ミ弁理士ノ品位ノ保持及弁理士業務ノ改善進歩ヲ図ル為弁理士ノ指導及連絡ニ関スル事務ヲ行フコトヲ以テ目的トス
第十四条第一項中「弁理士ノ風紀保持ニ関スル事項」を「弁理士ノ登録ニ関スル事項、弁理士ノ指導及連絡ニ関スル事項」に改める。
第二十二条ノ二第一項中「又ハ商標ニ関シ特許庁ニ対シ為スべキ事項ノ代理又ハ其ノ事項」を「若ハ商標ニ関シ特許庁ニ対シ為スベキ事項若ハ特許、実用新案、意匠若ハ商標ニ関スル訴願若ハ裁定ニ関シ通商産業大臣ニ対シ為スべキ事項ノ代理又ハ此等ノ事項」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に従前の規定により弁理士となる資格を有する者は、この法律の施行後も、なおその資格を有する。
3 従前の規定による弁理士登録簿の登録は、改正後の弁理士法(以下「新法」という。)の規定による弁理士登録簿の登録とみなす。
4 従前の規定により特許庁長官に差し出した申請書その他の弁理士の登録に関する書類は、新法の規定により弁理士会に差し出したものとみなす。
5 従前の規定により特許庁長官がした弁理士の登録の拒否又は登録の抹消及びその通知は、新法の規定により弁理士会がしたものとみなす。
6 この法律の施行の際現に弁理士の登録の拒否又は登録の抹消に関し通商産業大臣に提起されている訴願は、新法の規定による異議の申立てとみなす。
7 特許庁長官は、従前の規定により特許庁に備えた弁理士登録簿その他の弁理士の登録に関する書類を、弁理士会の求めにより、これに引き継がなければならない。
8 この法律の施行に伴う弁理士会の会則の変更について必要な手続は、この法律の施行の日よりも前に行なうことができる。
9 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第七条ノ三の次に次の一条を加える。
第七条ノ四 弁理士登録簿ニ登録ヲ請フ者ハ金三千円ノ登録税ヲ納ムべシ
10 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第四十六号を次のように改める。
四十六 弁理士試験を行なうこと。
法務大臣 井野碩哉
大蔵大臣 佐藤栄作
通商産業大臣 池田勇人
内閣総理大臣 岸信介