税理士法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百三十七号
公布年月日: 昭和36年6月15日
法令の形式: 法律
税理士法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年六月十五日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百三十七号
税理士法の一部を改正する法律
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「(第四十九条―第四十九条の十九)」を「(第四十九条一第四十九条の二十一)」に改める。
第三条第一項中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改め、「第二十四条」の下に「、第三十六条」を加える。
第四条第五号中「関税法(明治三十二年法律第六十一号)(噸税法(明治三十二年法律第八十八号)」を「関税法(昭和二十九年法律第六十一号)(とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)及び特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)」に改め、同条第七号中「税理士の登録を取り消された者」を「税理士業務を行なうことを禁止された者」に改め、同条第九号中「登録の申請を却下された者」を「登録を拒否された者」に改める。
第五条第一項第二号中「行政事務」を「官公署における事務」に改める。
第八条第一項第五号中「所得税」を「官公署における事務のうち所得税」に、「行政事務」を「事務」に改め、同項第六号中「国税に関する行政事務」を「官公署における国税に関する事務」に改め、同項第七号中「事業税」を「官公署における事務のうち事業税」に、「行政事務」を「事務」に改め、同項第九号中「地方税に関する行政事務」を「官公署における地方税に関する事務」に改める。
第十九条第一項中「国税庁」を「日本税理士会連合会」に改め、同条第二項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に改める。
第二十一条第一項中「その住所地を管轄する税務署長を経由して、国税庁長官」を「大蔵省令で定める税理士会を経由して、日本税理士会連合会」に改め、同条第二項中「二通」を「三通」に、「税務署長は」を「同項の税理士会は」に改め、「当該申請者の住所地」の下に「の所轄税務署長並びに当該住所地」を加える。
第二十二条第一項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に、「当該登録の申請を却下し」を「登録を拒否し」に改め、同項に後段として次のように加える。
この場合において、次条第一項の規定による通知に係る者につき登録をしようとするとき、又は登録を拒否しようとするときは、第四十九条の十七に規定する資格審査会の議決に基づいてしなければならない。
第二十二条第二項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に、「登録の申請を却下し」を「登録を拒否し」に改め、同条第三項及び第四項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に、「登録の申請を却下する」を「登録を拒否する」に改める。
第二十三条の見出し中「国と地方公共団体」を「国等と日本税理士会連合会」に改め、同条第一項中「市町村」を「税務署長並びに市町村」に、「第二十四条」を「次条」に、「国税庁長官に通知しなければならない。」を「日本税理士会連合会に通知するものとする。」に改め、同条第二項中「国税庁長官は」を「日本税理士会連合会は」に、「登録の申請を却下した」を「登録を拒否した」に改め、「その旨を」の下に「国税庁長官並びに」を加える。
第二十四条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、同条第三号中「国税又は地方税」を「不正に国税又は地方税の賦課又は徴収」に、「免かれ」を「免れ」に改め、同号の次に次の一号を加える。
四 不正に国税又は地方税の還付を受け、若しくは受けようとし、又は受けさせ、若しくは受けさせようとした者で、その行為があつた日から二年を経過しないもの
第二十四条の次に次の一条を加える。
(登録を拒否された場合等の異議の申立て)
第二十四条の二 第二十二条第一項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に異議があるときは、当該処分に係る通知を受けた日から一月以内に、政令で定めるところにより、国税庁長官に対して異議の申立てをすることができる。
2 第二十一条第一項の規定による登録申請書を提出した者は、当該申請書を提出した日から三月以内に当該申請に係る登録がされない場合(当該期間内に当該登録を拒否された場合を除く。)には、当該登録を拒否されたものとして、当該期間満了の日後三月以内に、政令で定めるところにより、国税庁長官に対して異議の申立てをすることができる。この場合において、当該異議の申立てがあつたときは、当該申立ての日に日本税理士会連合会が第二十二条第一項の規定により当該登録を拒否したものとみなす。
3 国税庁長官は、異議の申立てを受理した場合において、当該申立てについて理由があると認めたときは日本税理士会連合会に対して登録を命じ、当該申立てについて理由がないと認めたときは当該申立てを棄却しなければならない。
4 第二十二条第二項の規定は、前項の規定により当該申立てを棄却しようとする場合に準用する。
5 国税庁長官は、第三項の規定による処分をしたときは、書面によりその旨を当該異議の申立てをした者及び日本税理士会連合会に通知しなければならない。この場合において、当該処分が棄却の処分であるときは、当該異議の申立てをした者に対する書面には、その理由及びその者が第二十二条第四項の規定に該当する者である場合にはその旨を附記しなければならない。
6 日本税理士会連合会は、第三項の規定による登録の命令を受けたときは、すみやかに、登録を行なわなければならない。
7 前各項に規定するもののほか、第一項又は第二項の規定による異議の申立てに関し必要な事項は、政令で定める。
第二十五条の見出し中「取消」を「取消し」に改め、同条第一項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に、「申請に基き」を「申請に基づき」に改め、「判明したときは」の下に「、第四十九条の十七に規定する資格審査会の議決に基づき」を加え、同条第二項中「規定による処分をする」を「規定により登録を取り消そうとする」に改め、同条第三項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に改め、同条に次の一項を加える。
4 前条第一項及び第三項から第七項までの規定は、第一項の規定により登録を取り消された者において当該処分に異議がある場合に準用する。この場合において、同条第三項及び第六項中「登録」とあるのは「当該処分の取消し」と、同条第五項中「その理由及びその者が第二十二条第四項の規定に該当する者である場合にはその旨」とあるのは「その理由」と読み替えるものとする。
第二十六条第一項中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に改め、同項第三号及び第四号を次のように改める。
三 前条第一項の規定による登録の取消しの処分が確定したとき。
四 前号に規定するもののほか、第四条第二号から第八号までの一に該当するに至つたことその他の事由により税理士たる資格を有しないこととなつたとき。
第二十六条第二項中「前項第一号から第三号まで」を「前項第一号、第二号又は第四号」に、「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に改める。
第二十七条及び第二十八条中「国税庁長官」を「日本税理士会連合会」に改める。
第三十六条の見出し中「脱税相談」を「脱税相談等」に改め、同条中「脱税につき」を「不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れ、又は不正に国税若しくは地方税の還付を受けることにつき」に改める。
第四十四条第三号及び第四十五条第一項中「登録の取消」を「税理士業務の禁止」に改める。
第四十八条中「戒告又は税理士業務の停止の」を削る。
第四十九条第二項中「及び連絡」を「、連絡及び監督」に改める。
第四十九条の二第三項中「変更」の下に「(政令で定める重要な事項に係るものに限る。)」を加える。
第四十九条の十四第二項中「及び連絡に関する事務を行う」を「、連絡及び監督に関する事務を行ない、並びに税理士の登録に関する事務を行なう」に改める。
第六章中第四十九条の十九を第四十九条の二十一とし、第四十九条の十六から第四十九条の十八までを二条ずつ繰り下げ、第四十九条の十五に見出しとして「(税理士会に関する規定の準用)」を附し、同条中「(第二項第二号を除く。)」を「第一項」に改め、同条を第四十九条の十六とし、同条の次に次の一条を加える。
(資格審査会)
第四十九条の十七 日本税理士会連合会に、資格審査会を置く。
2 資格審査会は、日本税理士会連合会の請求により、第二十二条第一項の規定による登録若しくは登録の拒否又は第二十五条第一項の規定による登録の取消しにつき必要な審査を行なうものとする。
3 資格審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する。
4 会長は、日本税理士会連合会の会長をもつてこれに充てる。
5 委員は、会長が、大蔵大臣の承認を受けて、税理士、国税又は地方税の行政事務に従事する職員及び学識経験者のうちから委嘱する。
6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前各項に規定するもののほか、資格審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第四十九条の十四の次に次の一条を加える。
(日本税理士会連合会の会則)
第四十九条の十五 日本税理士会連合会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 第四十九条の二第二項各号(第二号を除く。)に掲げる事項
二 税理士の登録に関する規定
三 第四十九条の十七に規定する資格審査会に関する規定
2 日本税理士会連合会の会則の変更(前項第二号に掲げる事項その他政令で定める重要な事項に係るものに限る。)は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第五十一条第二項中「第四十四条(第三号を除く。)、第四十五条(第一項中登録の取消の処分に関する部分を除く。)から第四十八条まで」を「第四十四条から第四十六条まで(これらの規定中税理士業務の禁止の処分に関する部分を除く。)、第四十七条、第四十八条(税理士業務の禁止の処分に関する部分を除く。)」に改める。
第五十六条第一項中「第二十二条第一項、第二十五条第一項、」を削る。
第六十三条第二号中「第四十九条の十七」を「第四十九条の十九」に改める。
附則第三十項中「昭和三十一年七月一日から五年間に限り」を「当分の間」に改める。
附則第三十一項第一号中「もつぱら国税又は地方税に関する行政事務に従事した」を「官公署における国税又は地方税に関する事務にもつぱら従事した」に、「行政事務の」を「事務の」に改め、同項第二号中「会計士補でこれらの者の」を「会計士補の」に改める。
附則第三十四項中「並びに第十三条第四項及び第五項」を「、第十三条第四項、第六項及び第八項並びに第十四条第二項」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条第一項、第四条第五号、第五条、第八条、第二十四条、附則第三十項、附則第三十一項及び附則第三十四項の改正規定並びに附則第九項の規定は公布の日から、第三十六条の改正規定は同日から起算して十日を経過した日から施行する。
2 改正後の税理士法(以下「新法」という。)第四条第七号及び第二十六条第一項第四号の規定の適用については、改正前の税理士法(以下「旧法」という。)の規定による懲戒処分により税理士の登録を取り消された者は、新法の規定による懲戒処分により税理士業務を行なうことを禁止された者とみなす。
3 新法第四条第九号の規定の適用については、旧法の規定により税理士の登録の申請を却下された者は、新法の規定により税理士の登録を拒否された者とみなす。
4 旧法の規定により国税庁長官に提出した登録申請書その他の税理士の登録に関する書類は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において新法の規定により日本税理士会連合会(以下「連合会」という。)に提出したものとみなす。
5 旧法の規定による税理士名簿の登録は、施行日以後は、新法の規定による税理士名簿の登録とみなす。
6 旧法の規定により国税庁長官が交付した税理士証票は、施行日以後は、新法の規定により連合会が交付した税理士証票とみなす。
7 旧法第二十二条第一項又は第二十五条第一項の規定による処分を受けた者において当該処分に異議がある場合における訴願については、なお従前の例による。
8 国税庁長官は、施行日において、国税庁に備えた税理士名簿その他の税理士の登録に関する書類を連合会に引き継がなければならない。
9 連合会は、この法律の公布の日以後遅滞なく、会則の変更につき必要な手続を行なわなければならない。
10 弁理士法(大正十年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第五条第三号中「登録ノ取消ノ処分ヲ受ケタル者」を「業務ヲ禁止セラレタル者」に改め、「若ハ取消」を削る。
11 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第四条第七号中「、旧税務代理士法(昭和十七年法律第四十六号)」を削り、「許可の取消、除名又は業務の禁止」を「業務の禁止又は除名」に改める。
12 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十一号中「、税理士の登録及び監督並びに」を「並びに税理士、」に改める。
第三十二条第十三号中「税理士の登録及び監督並びに」を「税理士、」に改める。
13 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
第六条第三号中「登録を取り消され」を「業務を禁止され」に改める。
第十二条第一項第二号中「、許可取消」を削る。
14 司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第五号中「、税理士」を削り、「弁理士」の下に「若しくは税理士」を加える。
15 この法律による改正後の弁理士法第五条第三号、公認会計士法第四条第七号、弁護士法第六条第三号及び第十二条第一項第二号並びに司法書士法第三条第五号の規定の適用については、旧法の規定による懲戒処分たる税理士の登録の取消しは、新法の規定による懲戒処分たる税理士業務の禁止とみなす。
法務大臣 植木庚子郎
大蔵大臣 水田三喜男
通商産業大臣 椎名悦三郎
内閣総理大臣 池田勇人