(弁理士法中改正法律)
法令番号: 法律第五號
公布年月日: 昭和13年3月8日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル辨理士法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月七日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
司法大臣 鹽野季彥
商工大臣 吉野信次
法律第五號
辨理士法中左ノ通改正ス
「農商務大臣」ヲ「商工大臣」ニ改ム
第一條 辨理士ハ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ關シ特許局ニ對シ爲スヘキ事項ノ代理及其ノ事項ニ關スル鑑定其ノ他ノ事務ヲ行フコトヲ業トス
第二條第一項第一號中「私法上ノ能力者」ヲ「成年者」ニ改ム
第三條第二號中「若ハ司法科試驗又ハ判事檢事登用試驗」ヲ「又ハ司法科試驗」ニ改ム
第四條 削除
第五條 左ニ揭クル者ハ辨理士タル資格ヲ有セス
一 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者
二 前號ニ該當スル者ヲ除クノ外第二十二條若ハ第二十二條ノ四、特許法第百二十九條、第百三十條若ハ第百三十三條、實用新案法第二十七條、第二十八條若ハ第三十一條、意匠法第二十六條、第二十七條若ハ第三十條又ハ商標法第三十四條若ハ第三十五條ノ罪ヲ犯シ刑ニ處セラレタル者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル日ヨリ起算シ三年ヲ經過セサルモノ
三 懲戒ノ處分ニ因リ免官若ハ免職セラレタル者、本法若ハ計理士法ニ依リ業務ヲ禁止セラレタル者又ハ辯護士法ニ依リ除名セラレタル者ニシテ免官、免職、業務禁止又ハ除名ノ日ヨリ起算シ二年ヲ經過セサルモノ
四 本法ニ依ル業務停止ノ期間中業務ヲ廢止シ未タ其ノ期間ノ經過セサル者
五 禁治產者又ハ準禁治產者
六 破產者ニシテ復權ヲ得サルモノ
第九條 辨理士ハ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ關スル事項ニ付裁判所ニ於テ當事者又ハ訴訟代理人ト共ニ出頭シ陳述ヲ爲スコトヲ得其ノ陳述ハ當事者又ハ訴訟代理人カ直ニ之ヲ取消シ又ハ更正セサルトキハ自ラ之ヲ爲シタルモノト看做ス
前項ノ規定ニ依リ帝國臣民ニ非サル辨理士出頭シテ陳述ヲ爲サントスルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ
第十二條ノ二 辨理士ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ辨理士會ノ會員トス
第十五條 辨理士會ノ組織、權限及監督ニ關スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條 辨理士會ハ商工大臣ノ認可ヲ得テ會ノ秩序又ハ信用ヲ害スル虞アル者ヲ退會セシムルコトヲ得
第二十二條ノ二 辨理士ニ非サル者ハ報酬ヲ得ル目的ヲ以テ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ關シ特許局ニ對シ爲スヘキ事項ノ代理又ハ其ノ事項ニ關スル鑑定若ハ書類ノ作成ヲ爲スヲ業トスルコトヲ得ス
前項ノ書類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十二條ノ三 辨理士ニ非サル者ハ利益ヲ得ル目的ヲ以テ辨理士、特許事務所其ノ他之ニ類似スル名稱ヲ使用スルコトヲ得ス
第二十二條ノ四 第二十二條ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前條ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ依リテ辨理士タル資格ヲ有スル者ハ本法施行後ト雖モ仍其ノ資格ヲ有ス
本法施行ノ日ヨリ三年以內ニ從前ノ第四條第二號ノ規定ニ該當スルニ至リタル者ニ對シテハ本法施行後ト雖モ仍從前ノ第四條第二號ノ規定ヲ適用ス
本法施行ノ日ヨリ五年以內ニ從前ノ第四條第三號ノ規定ニ該當スルニ至リタル者ニ對シテハ本法施行後ト雖モ仍從前ノ第四條第三號ノ規定ヲ適用ス
本法施行ノ際現ニ辨理士會ニ加入シ居ラサル辨理士ニ付テハ本法施行後三月間ハ第十二條ノ二ノ規定ヲ適用セス右期間內ニ從前ノ例ニ依リテ辨理士會ニ加入セサルトキハ其ノ辨理士ノ登錄ハ效力ヲ失フ
特許法第二十條及第百三十五條、實用新案法第三十三條、意匠法第三十二條竝ニ商標法第三十八條ハ之ヲ削除シ實用新案法第二十六條中「第十條乃至第三十三條」ヲ「第十條乃至第十九條、第二十一條乃至第三十三條」ニ、意匠法第二十五條中「第十六條乃至第三十條」ヲ「第十六條乃至第十九條、第二十一條乃至第三十條」ニ、商標法第二十四條中「第十六條乃至第三十條」ヲ「第十六條乃至第十九條、第二十一條乃至第三十條」ニ改ム
本法施行前從前ノ特許法第百三十五條、實用新案法第三十三條、意匠法第三十二條又ハ商標法第三十八條ノ規定ヲ適用スヘカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル但シ懲役トアルハ禁錮トス
從前ノ特許法第百三十五條、實用新案法第三十三條、意匠法第三十二條又ハ商標法第三十八條ノ規定ニ依リ處罰セラレタル者ハ第五條第二號ノ改正規定ノ適用ニ付テハ之ヲ第二十二條ノ四第一項ノ規定ニ依リ處罰セラレタル者ト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル弁理士法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月七日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
司法大臣 塩野季彦
商工大臣 吉野信次
法律第五号
弁理士法中左ノ通改正ス
「農商務大臣」ヲ「商工大臣」ニ改ム
第一条 弁理士ハ特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関シ特許局ニ対シ為スヘキ事項ノ代理及其ノ事項ニ関スル鑑定其ノ他ノ事務ヲ行フコトヲ業トス
第二条第一項第一号中「私法上ノ能力者」ヲ「成年者」ニ改ム
第三条第二号中「若ハ司法科試験又ハ判事検事登用試験」ヲ「又ハ司法科試験」ニ改ム
第四条 削除
第五条 左ニ掲クル者ハ弁理士タル資格ヲ有セス
一 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者
二 前号ニ該当スル者ヲ除クノ外第二十二条若ハ第二十二条ノ四、特許法第百二十九条、第百三十条若ハ第百三十三条、実用新案法第二十七条、第二十八条若ハ第三十一条、意匠法第二十六条、第二十七条若ハ第三十条又ハ商標法第三十四条若ハ第三十五条ノ罪ヲ犯シ刑ニ処セラレタル者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル日ヨリ起算シ三年ヲ経過セサルモノ
三 懲戒ノ処分ニ因リ免官若ハ免職セラレタル者、本法若ハ計理士法ニ依リ業務ヲ禁止セラレタル者又ハ弁護士法ニ依リ除名セラレタル者ニシテ免官、免職、業務禁止又ハ除名ノ日ヨリ起算シ二年ヲ経過セサルモノ
四 本法ニ依ル業務停止ノ期間中業務ヲ廃止シ未タ其ノ期間ノ経過セサル者
五 禁治産者又ハ準禁治産者
六 破産者ニシテ復権ヲ得サルモノ
第九条 弁理士ハ特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関スル事項ニ付裁判所ニ於テ当事者又ハ訴訟代理人ト共ニ出頭シ陳述ヲ為スコトヲ得其ノ陳述ハ当事者又ハ訴訟代理人カ直ニ之ヲ取消シ又ハ更正セサルトキハ自ラ之ヲ為シタルモノト看做ス
前項ノ規定ニ依リ帝国臣民ニ非サル弁理士出頭シテ陳述ヲ為サントスルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ
第十二条ノ二 弁理士ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ弁理士会ノ会員トス
第十五条 弁理士会ノ組織、権限及監督ニ関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六条 弁理士会ハ商工大臣ノ認可ヲ得テ会ノ秩序又ハ信用ヲ害スル虞アル者ヲ退会セシムルコトヲ得
第二十二条ノ二 弁理士ニ非サル者ハ報酬ヲ得ル目的ヲ以テ特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関シ特許局ニ対シ為スヘキ事項ノ代理又ハ其ノ事項ニ関スル鑑定若ハ書類ノ作成ヲ為スヲ業トスルコトヲ得ス
前項ノ書類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十二条ノ三 弁理士ニ非サル者ハ利益ヲ得ル目的ヲ以テ弁理士、特許事務所其ノ他之ニ類似スル名称ヲ使用スルコトヲ得ス
第二十二条ノ四 第二十二条ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
前条ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ従前ノ規定ニ依リテ弁理士タル資格ヲ有スル者ハ本法施行後ト雖モ仍其ノ資格ヲ有ス
本法施行ノ日ヨリ三年以内ニ従前ノ第四条第二号ノ規定ニ該当スルニ至リタル者ニ対シテハ本法施行後ト雖モ仍従前ノ第四条第二号ノ規定ヲ適用ス
本法施行ノ日ヨリ五年以内ニ従前ノ第四条第三号ノ規定ニ該当スルニ至リタル者ニ対シテハ本法施行後ト雖モ仍従前ノ第四条第三号ノ規定ヲ適用ス
本法施行ノ際現ニ弁理士会ニ加入シ居ラサル弁理士ニ付テハ本法施行後三月間ハ第十二条ノ二ノ規定ヲ適用セス右期間内ニ従前ノ例ニ依リテ弁理士会ニ加入セサルトキハ其ノ弁理士ノ登録ハ効力ヲ失フ
特許法第二十条及第百三十五条、実用新案法第三十三条、意匠法第三十二条並ニ商標法第三十八条ハ之ヲ削除シ実用新案法第二十六条中「第十条乃至第三十三条」ヲ「第十条乃至第十九条、第二十一条乃至第三十三条」ニ、意匠法第二十五条中「第十六条乃至第三十条」ヲ「第十六条乃至第十九条、第二十一条乃至第三十条」ニ、商標法第二十四条中「第十六条乃至第三十条」ヲ「第十六条乃至第十九条、第二十一条乃至第三十条」ニ改ム
本法施行前従前ノ特許法第百三十五条、実用新案法第三十三条、意匠法第三十二条又ハ商標法第三十八条ノ規定ヲ適用スヘカリシ行為ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ル但シ懲役トアルハ禁錮トス
従前ノ特許法第百三十五条、実用新案法第三十三条、意匠法第三十二条又ハ商標法第三十八条ノ規定ニ依リ処罰セラレタル者ハ第五条第二号ノ改正規定ノ適用ニ付テハ之ヲ第二十二条ノ四第一項ノ規定ニ依リ処罰セラレタル者ト看做ス