(業務の範囲)
第十一条 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとする。
一 設備の輸出等のために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、外国金融機関等若しくは外国政府等が当該資金に係る債務の保証等を行った場合においてその債務の保証等に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。
二 重要物資の輸入等が確実かつ適時に行われるために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。
三 我が国の法人等、外国政府等又は出資外国法人等が海外において行う事業に直接又は間接に充てられる資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、我が国の法人等、出資外国法人等、外国金融機関等若しくは外国政府等が外国の法人等に対して当該資金に係る債務の保証等を行った場合においてその債務の保証等に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。
四 外国政府等、外国金融機関等若しくは国際通貨基金その他の国際機関に対して、その海外で行う事業若しくは当該外国の物資の輸入若しくは技術の受入れに必要な長期資金(資金需要の期間が一年を超えるものをいう。以下同じ。)若しくは当該外国の国際収支の均衡若しくは通貨の安定を図るために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、若しくは当該資金に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。
五 外国の政府又は外国の居住者において当該外国の国際収支上の理由により輸入その他の対外取引を行うことが著しく困難であり、かつ、緊急の必要があると認められる場合において、国際通貨基金等(国際通貨基金その他の国際機関又は当該外国以外の二以上の国の政府、政府機関若しくは銀行をいう。以下同じ。)が当該外国の経済の発展を支援するための資金(以下「経済支援資金」という。)の供与を行うまでの間、当該外国の政府、政府機関又は銀行に対して、当該輸入その他の対外取引の円滑化を図るために必要な短期資金(資金需要の期間が一年以下のものをいう。以下同じ。)を貸し付けること。
六 海外で事業を行う者(専ら海外投資を目的とする我が国の法人等で当該事業を行う者に対し出資するものを含む。)に対して当該事業に必要な資金を出資すること。
七 前各号に掲げる業務に関連して必要な調査を行うこと。
八 会社の行う業務の利用者に対して、その業務に関連する情報の提供を行うこと。
九 前各号に掲げる業務(第七号に掲げる業務を除く。)に附帯する業務を行うこと。
第十二条 前条第一号に掲げる業務のうち、開発途上にある海外の地域(以下「開発途上地域」という。)以外の地域を仕向地とする設備の輸出等に係るものは、次に掲げる場合に限り、行うことができる。
一 当該地域を仕向地とする輸出を行う外国政府等によって、当該外国の輸出の促進を図るために、通常の条件より有利な条件での信用の供与、保険の引受け又は利子の補給がされる場合において、国際的取決めに従って必要な対抗措置を講ずるとき。
二 我が国の産業の国際競争力の維持又は向上に関する国の施策の推進を図るために特に必要があると認められる場合として政令で定める場合
2 前条第一号に掲げる業務のうち、我が国の法人等に対する資金に係るものは、国際金融秩序の混乱により我が国の法人等の輸出が著しく困難となった場合において、これに対処するために会社の業務の特例が必要となった旨を財務大臣が定めたときに限り、行うことができる。
3 前条第二号に掲げる業務のうち、我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うもの以外のものは、債務の保証等であって次に掲げる資金に係るものに限り、行うことができる。
一 我が国で生産される製品では十分な代替が困難であって、我が国への輸入が不可欠である航空機その他の製品として財務大臣が定めるものの輸入に必要な資金
二 我が国の技術では十分な代替が困難であって、我が国への受入れが不可欠である技術として財務大臣が定めるものの受入れに必要な資金
4 前条第三号に掲げる業務のうち、短期資金に係るものは、我が国の法人等又は出資外国法人等が行う事業の遂行のために同号に規定する資金(短期資金を除く。)の貸付けを行うことを会社が約している場合において、当該事業の遂行のために特に必要があると認められる資金の貸付けに限り、行うことができる。
5 前条第三号に掲げる業務のうち、我が国の法人等が海外において行う事業に必要な資金を貸し付けるものは、次項第二号に掲げる場合を除き、当該法人等に対して直接貸し付ける場合に限り、行うことができる。
6 前条第三号に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うものを除く。)のうち、我が国の法人等に対する貸付けであって、中小企業者等(中小企業者又は中堅企業として財務大臣が定めるものをいう。以下同じ。)以外のものに対するものは、次に掲げる場合に限り、行うことができる。
一 我が国の法人等が外国の法人への出資又は外国の法人の事業の全部若しくは一部の譲受け(以下この号において「出資等」という。)により海外における事業の開始、拡大又は能率の向上を図る場合において、当該出資等のために必要な資金の貸付けを行うとき(我が国の産業の国際競争力の維持又は向上に関する国の施策の推進を図るために特に必要であると認められる場合として政令で定める場合に限る。)。
二 銀行等が次に掲げる資金の貸付けを行う場合において、当該銀行等に対して当該貸付けに必要な資金を貸し付けるとき。
イ 中小企業者等又は中小企業者等の出資に係る出資外国法人等に対する前条第三号に規定する資金の貸付け
ロ 我が国の法人等に対する前号に規定する資金の貸付け(同号に規定する政令で定める場合に限る。)
三 国際金融秩序の混乱により我が国の法人等の海外における事業の遂行が著しく困難となった場合において、これに対処するために会社の業務の特例が必要となった旨を財務大臣が定めたとき。
7 前条第三号に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うものを除く。)のうち、開発途上地域以外の地域における事業に係るものは、我が国の産業の国際競争力の維持又は向上に関する国の施策の推進を図るために特に必要があると認められる場合として政令で定める場合に限り、行うことができる。
8 前条第五号の規定による外国の政府、政府機関又は銀行に対する貸付けは、国際通貨基金等による経済支援資金の供与が確実と見込まれる場合であって、次に掲げるときに限り、財務大臣の認可を受けて行うことができる。
一 国際通貨基金等(会社を除く。)による経済支援資金の全部又は一部が当該貸付けに係る資金の償還に充てられることにより、当該償還が確保されることとなっている場合
9 前条第一号から第四号までに掲げる業務のうち、我が国の法人等以外の者の債務に係る債務の保証等(公社債等に係るものを除く。)は、次に掲げる場合に限り、行うことができる。
一 銀行等、外国金融機関等又は外国政府等が前条第一号から第四号までに規定する資金の貸付けを行う場合において当該貸付けに係る債務の保証等を行うとき(当該貸付けに係る貸付債権が財務大臣が定める者に譲渡された場合を含む。)。
二 前条第一号及び第三号に規定する債務の保証等に係る債務の保証等を行う場合
三 前条第三号に規定する資金に係る債務の保証等のうち、我が国の法人等又は出資外国法人等が海外において行う事業に係る金銭債権を銀行等又は外国金融機関等に譲渡し、その譲渡代金を当該事業に充てる場合において、当該金銭債権に係る債務の保証等を行うとき。
四 銀行等又は外国金融機関等が前条第三号に規定する資金の貸付けを外国通貨をもって行う場合において、当該銀行等又は外国金融機関等が行う当該資金に係るスワップ取引(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第二十二項第五号に掲げる取引をいう。)に係る債務の保証等を行うとき。
10 前条第一号から第四号までに掲げる業務のうち、債務の保証等(公社債等に係るものに限る。)及び公社債等の取得は、次に掲げる場合(同条第一号から第三号までに掲げる業務にあっては、第二号から第六号までに掲げる場合)に限り、行うことができる。
一 外国金融機関等、外国政府等又は国際通貨基金その他の国際機関が発行する公社債等(償還期限が一年を超えるものに限る。次号及び第三号において同じ。)の一部を取得する場合
二 公社債等を取得し、当該公社債等を財務大臣が定める期間内に特定目的会社等に譲渡する場合又は信託会社等に対して特定信託をし、当該特定信託の受益権の全部若しくは一部を譲渡する場合
三 特定目的会社等又は信託会社等が貸付債権又は公社債等を担保として発行する公社債等を取得する場合
四 出資外国法人等、外国金融機関等、外国政府等又は国際通貨基金その他の国際機関が発行する公社債等に係る債務の保証等を行う場合
五 特定目的会社等又は信託会社等が貸付債権、公社債等又は前項第三号に規定する金銭債権を担保として公社債等を発行する場合において、当該担保目的の貸付債権、公社債等若しくは金銭債権又は特定目的会社等若しくは信託会社等が発行する公社債等に係る債務の保証等(銀行等が発行する公社債等に係る債務の保証等を除く。)を行うとき。
六 特定目的会社等が貸付債権又は公社債等を担保として公社債等を発行する場合において、当該担保目的の貸付債権又は公社債等を特定目的会社等が譲り受け、又は取得するために行う資金の借入れに係る債務の保証等を行うとき。
11 前条第一号から第四号までに掲げる業務のうち次に掲げるものは、その貸付け又は譲り受けようとする貸付債権に係る貸付けが協調融資である場合に限るものとする。ただし、第一号に掲げる業務にあっては銀行等が会社とともに資金の貸付けをすることが著しく困難であり、かつ、会社による貸付けがその目的を達成するために特に緊要であると認められる場合又は第六項第二号に掲げる場合に該当する場合、第二号に掲げる業務にあっては償還期限が一年を超える出資外国法人等に対する貸付債権を財務大臣が定める期間内に、特定目的会社等に譲渡することを目的として譲り受ける場合又は信託会社等に対して特定信託をし、当該特定信託の受益権の全部若しくは一部を譲渡することを目的として譲り受ける場合は、この限りでない。
一 前条第一号から第三号までの規定による資金の貸付けで我が国の法人等に対するもの
二 前条第一号から第四号までの規定による貸付債権の譲受け
12 前条第七号に掲げる業務は、同条第一号から第六号までに掲げる業務の円滑かつ効果的な実施を図るため必要最小限の場合に限り、行うことができる。
(業務の方法)
第十三条 第十一条第一号から第六号までの規定による資金の貸付け、貸付債権の譲受け、公社債等の取得、債務の保証等又は出資は、当該貸付けに係る資金の償還、当該譲受けに係る貸付債権の回収、当該取得に係る公社債等の償還、当該債務の保証等に係る債務の履行又は当該出資に係る事業からの配当の支払を可能とする利益の発生が確実であると認められる場合に限り、行うことができる。
2 第十一条第一号から第六号までに掲げる業務に係る貸付金の利率、譲り受ける貸付債権の利回りその他の条件は、会社の収入がその支出を償うに足るように、銀行等の取引の通常の条件又は金融市場の動向を勘案して定めるものとする。
(業務の委託)
第十四条 会社は、その業務の一部を財務省令で定める金融機関その他の法人(以下「受託法人」という。)に限り、委託することができる。
2 受託法人は、他の法律の規定にかかわらず、会社が前項の規定により委託した業務を受託することができる。
3 第一項の規定により業務の委託を受けた受託法人の役員又は職員であって、当該委託業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。