(職業安定法の特例)
第三十二条 次に掲げる公共職業安定所の業務(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者であって特定業務を実施する施設において職業紹介事業を行うものは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項の許可を受けた者でなければならない。
一 事業の経営管理に係る業務又は技術的及び専門的な知識を必要とする業務に就く職業に就職を希望する四十歳以上の者を専ら対象とする施設において行う職業紹介、職業指導及びこれらに付随する業務
二 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務に就く職業に就職を希望する四十五歳以上六十歳未満の者その他厚生労働省令で定める者を専ら対象とし、職業の選択及び労働市場の状況に関する理解を深めさせることにより就職活動を行う意欲を増進することを目的とする施設において行う職業指導及びこれに付随する業務
2 前項の公共サービス実施民間事業者が、特定業務を実施する施設において職業紹介事業を行う場合において当該職業紹介事業に関し国以外の者から手数料又は報酬を受けないときは、当該職業紹介事業については、職業安定法第三十二条の十一の規定は適用しない。
3 前二項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(国民年金法等の特例)
第三十三条 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第八十七条第一項に規定する保険料(以下この条において「保険料」という。)の収納に関する業務のうち次に掲げるもの(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者は、併せて被保険者の委託を受けて保険料の納付に関する業務(以下この条において「納付受託業務」という。)を実施するものとする。
一 国民年金法第八十八条の規定により保険料を納付する義務を負う者であって、保険料を納期限までに納付しないもの(以下この条において「保険料滞納者」という。)に対し、保険料が納期限までに納付されていない事実の通知及び納付されていない理由の確認を行う業務
二 保険料滞納者に対し、面接その他の方法により保険料の納付の勧奨及び請求を行う業務
三 第一号の規定により確認した理由その他の前二号の業務の実施状況を、厚生労働省令で定めるところにより、社会保険庁長官に報告する業務
2 前項の公共サービス実施民間事業者は、納付受託業務を適正かつ確実に実施することができると認められる者として厚生労働省令で定める要件に該当するものでなければならない。
3 前項の公共サービス実施民間事業者については、国民年金法第九十二条の三第一項第二号の規定による指定を受けた者とみなして、同条第三項から第五項まで並びに同法第九十二条の四及び第九十二条の五の規定を適用する。この場合において、同法第九十二条の三第三項中「第一項第二号の規定による指定をしたときは」とあるのは「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第三十三条第一項に規定する特定業務の実施について同法第二十条第一項の契約を締結したときは」と、同法第九十二条の四第一項中「前条第一項」とあるのは「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律第三十三条第一項」とする。
4 第二項の公共サービス実施民間事業者が実施する第一項第二号に規定する保険料の納付の請求の業務については、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条の規定は適用しない。
5 公共サービス実施民間事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、その実施する特定業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
6 公共サービス実施民間事業者が実施する特定業務に従事する者(以下この条において「特定業務従事者」という。)は、面接の方法により第一項第二号に掲げる業務を行うに当たり、社会保険庁長官が発行するその身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
7 特定業務従事者は、特定業務を実施するに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。
8 公共サービス実施民間事業者は、特定業務を実施するに当たり、偽りその他不正の手段を用いることその他の保険料滞納者の保護に欠け、又は特定業務の適正を害するおそれがあるものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。
9 社会保険庁長官は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第二十条第一項の契約を解除することができる。
一 公共サービス実施民間事業者が、第五項の規定に違反して、帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成したとき。
二 特定業務従事者が、第六項の規定に違反して、証明書を携帯せず、又はこれを提示しなかったとき。
三 特定業務従事者が、第七項の規定に違反したとき。
四 公共サービス実施民間事業者が、前項の規定に違反して、同項の厚生労働省令で定める行為を行ったとき。
五 公共サービス実施民間事業者が、納付受託業務について、次のいずれかに該当するとき。
イ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の四第二項又は第九十二条の五第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
ロ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の五第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
ハ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の五第三項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
10 前各項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務及び納付受託業務の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(戸籍法等の特例)
第三十四条 地方公共団体は、次に掲げる当該地方公共団体の業務を、官民競争入札又は民間競争入札の対象とすることができる。
一 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条第一項の規定に基づく同項の戸籍の謄本若しくは抄本若しくは戸籍に記載した事項に関する証明書若しくは同法第百十七条の四第一項の磁気ディスクをもって調製された戸籍に記録されている事項の全部若しくは一部を証明した書面(以下この号において「戸籍謄本等」という。)の交付(当該戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)又は同法第十二条の二第一項の規定に基づく同項の除かれた戸籍の謄本若しくは抄本若しくは除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書若しくは同法第百十七条の四第一項の磁気ディスクをもって調製された除かれた戸籍に記録されている事項の全部若しくは一部を証明した書面(以下この号において「除籍謄本等」という。)の交付(当該除かれた戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る戸籍謄本等又は除籍謄本等の引渡し
二 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の十の規定に基づく同条の証明書(以下この号において「納税証明書」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る納税証明書の引渡し
三 外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第四条の三第二項の規定に基づく同項の登録原票の写し又は登録原票記載事項証明書(以下この号において「登録原票の写し等」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る登録原票の写し等の引渡し
四 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項の規定に基づく同項の住民票の写し又は住民票記載事項証明書(以下この号において「住民票の写し等」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る住民票の写し等の引渡し
五 住民基本台帳法第二十条第一項の規定に基づく同項の戸籍の附票の写し(以下この号において「戸籍の附票の写し」という。)の交付(当該戸籍の附票に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る戸籍の附票の写しの引渡し
六 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長とする。)が作成する印鑑に関する証明書(以下この号において「印鑑登録証明書」という。)の交付(当該印鑑登録証明書に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る印鑑登録証明書の引渡し
2 前項各号に掲げる業務(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。
一 その人的構成に照らして、特定業務を適正かつ確実に実施することができる知識及び能力を有していること。
二 特定業務を適正かつ確実に実施するために必要な施設及び設備として総務省令・法務省令で定める施設及び設備を備えていること。
三 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他特定業務を適正かつ確実に実施するために必要な措置として総務省令・法務省令で定める措置が講じられていること。
四 その他総務省令・法務省令で定める要件に適合するものであること。
3 地方公共団体は、第二十三条において準用する第二十条第一項の契約(以下この条において単に「契約」という。)を締結しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
4 地方公共団体は、第二十三条において準用する第二十条第二項の規定にかかわらず、契約を締結したときは、その旨、当該契約の相手方となる公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称、当該公共サービス実施民間事業者が実施する特定業務の内容及びその期間を、遅滞なく、告示しなければならない。
5 地方公共団体が、第二十三条において準用する第二十一条第一項の規定により契約を変更する場合又は協議により契約を解除する場合には、前二項の規定を準用する。
6 地方公共団体の長は、公共サービス実施民間事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めて、その実施する特定業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 第二項各号に掲げる要件を満たさなくなったとき。
二 第二十八条において準用する第二十七条第一項の規定による指示に違反したとき。
7 地方公共団体の長は、第二十三条において準用する第二十二条第一項の規定により契約を解除したときは、同条第四項の規定にかかわらず、その旨、その理由及び当該公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称を、遅滞なく、告示し、前項の規定により特定業務の全部又は一部の停止を命じたときは、その旨、その理由、当該公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称並びに当該停止を命じた特定業務の内容及びその期間を、第四十七条第一項に規定する合議制の機関に通知するとともに、遅滞なく、告示しなければならない。
8 公共サービス実施民間事業者は、特定業務取扱事業所(公共サービス実施民間事業者が特定業務を取り扱う事業所をいう。)に勤務する者が特定業務に関して知り得た情報を当該特定業務の取扱い以外の目的のために利用することを防止するために、必要な措置を講じなければならない。
9 前各項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務の実施に関し必要な事項のうち、第一項第二号、第四号又は第六号に掲げる業務に係るものについては総務省令で、同項第一号又は第三号に掲げる業務に係るものについては法務省令で、同項第五号に掲げる業務に係るものについては総務省令・法務省令で定める。