独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律
法令番号: 法律第五十九号
公布年月日: 平成15年5月30日
法令の形式: 法律
独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年五月三十日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫
法律第五十九号
独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
独立行政法人等における個人情報の取扱い(第三条―第十条)
第三章
個人情報ファイル(第十一条)
第四章
開示、訂正及び利用停止
第一節
開示(第十二条―第二十六条)
第二節
訂正(第二十七条―第三十五条)
第三節
利用停止(第三十六条―第四十一条)
第四節
異議申立て(第四十二条―第四十四条)
第五章
雑則(第四十五条―第四十九条)
第六章
罰則(第五十条―第五十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人等において個人情報の利用が拡大していることにかんがみ、独立行政法人等における個人情報の取扱いに関する基本的事項を定めることにより、独立行政法人等の事務及び事業の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「独立行政法人等」とは、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人及び別表に掲げる法人をいう。
2 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
3 この法律において「保有個人情報」とは、独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、当該独立行政法人等の役員又は職員が組織的に利用するものとして、当該独立行政法人等が保有しているものをいう。ただし、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)第二条第二項に規定する法人文書(同項第三号に掲げるものを含む。以下単に「法人文書」という。)に記録されているものに限る。
4 この法律において「個人情報ファイル」とは、保有個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
一 一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二 前号に掲げるもののほか、一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日、その他の記述等により特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの
5 この法律において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。
第二章 独立行政法人等における個人情報の取扱い
(個人情報の保有の制限等)
第三条 独立行政法人等は、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
2 独立行政法人等は、前項の規定により特定された利用の目的(以下「利用目的」という。)の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。
3 独立行政法人等は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
(利用目的の明示)
第四条 独立行政法人等は、本人から直接書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録(第二十四条及び第五十二条において「電磁的記録」という。)を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。
一 人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
二 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき。
三 利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等又は地方公共団体が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
四 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
(適正な取得)
第五条 独立行政法人等は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
(正確性の確保)
第六条 独立行政法人等は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。
(安全確保の措置)
第七条 独立行政法人等は、保有個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の保有個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、独立行政法人等から個人情報の取扱いの委託を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
(従事者の義務)
第八条 次に掲げる者は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
一 個人情報の取扱いに従事する独立行政法人等の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者
二 前条第二項の受託業務に従事している者又は従事していた者
(利用及び提供の制限)
第九条 独立行政法人等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、独立行政法人等は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
一 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
二 独立行政法人等が法令の定める業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。
三 行政機関(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号。以下「行政機関個人情報保護法」という。)第二条第一項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)、他の独立行政法人等又は地方公共団体に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき。
3 前項の規定は、保有個人情報の利用又は提供を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。
4 独立行政法人等は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的以外の目的のための独立行政法人等の内部における利用を特定の役員又は職員に限るものとする。
(保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第十条 独立行政法人等は、前条第二項第三号又は第四号の規定に基づき、保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
第三章 個人情報ファイル
(個人情報ファイル簿の作成及び公表)
第十一条 独立行政法人等は、政令で定めるところにより、当該独立行政法人等が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ次に掲げる事項を記載した帳簿(第三項において「個人情報ファイル簿」という。)を作成し、公表しなければならない。
一 個人情報ファイルの名称
二 当該独立行政法人等の名称及び個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称
三 個人情報ファイルの利用目的
四 個人情報ファイルに記録される項目(以下この条において「記録項目」という。)及び本人(他の個人の氏名、生年月日その他の記述等によらないで検索し得る者に限る。次項第七号において同じ。)として個人情報ファイルに記録される個人の範囲(以下この条において「記録範囲」という。)
五 個人情報ファイルに記録される個人情報(以下この条において「記録情報」という。)の収集方法
六 記録情報を当該独立行政法人等以外の者に経常的に提供する場合には、その提供先
七 次条第一項、第二十七条第一項又は第三十六条第一項の規定による請求を受理する組織の名称及び所在地
八 第二十七条第一項ただし書又は第三十六条第一項ただし書に該当するときは、その旨
九 その他政令で定める事項
2 前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない。
一 独立行政法人等の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、給与若しくは福利厚生に関する事項又はこれらに準ずる事項を記録するもの(独立行政法人等が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)
二 専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル
三 前項の規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該公表に係るこれらの事項の範囲内のもの
四 一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル
五 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録した個人情報ファイルであって、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必要な事項のみを記録するもの
六 役員又は職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルであって、記録情報を専ら当該学術研究の目的のために利用するもの
七 本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイル
八 前各号に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして政令で定める個人情報ファイル
3 第一項の規定にかかわらず、独立行政法人等は、記録項目の一部若しくは同項第五号若しくは第六号に掲げる事項を個人情報ファイル簿に記載し、又は個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載することにより、利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部若しくは事項を記載せず、又はその個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載しないことができる。
第四章 開示、訂正及び利用停止
第一節 開示
(開示請求権)
第十二条 何人も、この法律の定めるところにより、独立行政法人等に対し、当該独立行政法人等の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる。
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、本人に代わって前項の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)をすることができる。
(開示請求の手続)
第十三条 開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を独立行政法人等に提出してしなければならない。
一 開示請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 開示請求に係る保有個人情報が記録されている法人文書の名称その他の開示請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項
2 前項の場合において、開示請求をする者は、政令で定めるところにより、開示請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による開示請求にあっては、開示請求に係る保有個人情報の本人の法定代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 独立行政法人等は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、独立行政法人等は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(保有個人情報の開示義務)
第十四条 独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る保有個人情報に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示しなければならない。
一 開示請求者(第十二条第二項の規定により未成年者又は成年被後見人の法定代理人が本人に代わって開示請求をする場合にあっては、当該本人をいう。次号及び第三号、次条第二項並びに第二十三条第一項において同じ。)の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報
二 開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人及び日本郵政公社の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員並びに地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
三 法人その他の団体(国、独立行政法人等及び地方公共団体を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は開示請求者以外の事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報を除く。
イ 開示することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
ロ 独立行政法人等の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
四 国の機関、独立行政法人等及び地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
五 国の機関、独立行政法人等又は地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
ロ 犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
ハ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
ニ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等又は地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ホ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
ヘ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
ト 国若しくは地方公共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第十五条 独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。
2 開示請求に係る保有個人情報に前条第二号の情報(開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものに限る。)が含まれている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、開示しても、開示請求者以外の個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。
(裁量的開示)
第十六条 独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができる。
(保有個人情報の存否に関する情報)
第十七条 開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、独立行政法人等は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第十八条 独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨、開示する保有個人情報の利用目的及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、第四条第二号又は第三号に該当する場合における当該利用目的については、この限りでない。
2 独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る保有個人情報を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限)
第十九条 前条各項の決定(以下「開示決定等」という。)は、開示請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第十三条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、独立行政法人等は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、独立行政法人等は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限の特例)
第二十条 開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から六十日以内にそのすべてについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、独立行政法人等は、同条第一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 残りの保有個人情報について開示決定等をする期限
(事案の移送)
第二十一条 独立行政法人等は、開示請求に係る保有個人情報が他の独立行政法人等から提供されたものであるとき、その他他の独立行政法人等において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の独立行政法人等と協議の上、当該他の独立行政法人等に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした独立行政法人等は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた独立行政法人等において、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした独立行政法人等が移送前にした行為は、移送を受けた独立行政法人等がしたものとみなす。
3 前項の場合において、移送を受けた独立行政法人等が第十八条第一項の決定(以下「開示決定」という。)をしたときは、当該独立行政法人等は、開示の実施をしなければならない。この場合において、移送をした独立行政法人等は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない。
(行政機関の長への事案の移送)
第二十二条 独立行政法人等は、次に掲げる場合には、行政機関の長(行政機関個人情報保護法第五条に規定する行政機関の長をいう。以下この条及び第三十四条において同じ。)と協議の上、当該行政機関の長に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした独立行政法人等は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
一 開示請求に係る保有個人情報を開示することにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると認めるとき。
二 開示請求に係る保有個人情報を開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき。
三 開示請求に係る保有個人情報が行政機関から提供されたものであるとき。
四 その他行政機関の長において行政機関個人情報保護法第十九条第一項に規定する開示決定等をすることにつき正当な理由があるとき。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、当該事案については、保有個人情報を移送を受けた行政機関が保有する行政機関個人情報保護法第二条第三項に規定する保有個人情報と、開示請求を移送を受けた行政機関の長に対する行政機関個人情報保護法第十二条第二項に規定する開示請求とみなして、行政機関個人情報保護法の規定を適用する。この場合において、行政機関個人情報保護法第十九条第一項中「第十三条第三項」とあるのは、「独立行政法人等個人情報保護法第十三条第三項」とする。
3 第一項の規定により事案が移送された場合において、移送を受けた行政機関の長が開示の実施をするときは、移送をした独立行政法人等は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第二十三条 開示請求に係る保有個人情報に国、独立行政法人等、地方公共団体及び開示請求者以外の者(以下この条、第四十三条及び第四十四条において「第三者」という。)に関する情報が含まれているときは、独立行政法人等は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、政令で定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容その他政令で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 独立行政法人等は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、政令で定めるところにより、開示請求に係る当該第三者に関する情報の内容その他政令で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
一 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を開示しようとする場合であって、当該第三者に関する情報が第十四条第二号ロ又は同条第三号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。
二 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第十六条の規定により開示しようとするとき。
3 独立行政法人等は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも二週間を置かなければならない。この場合において、独立行政法人等は、開示決定後直ちに、当該意見書(第四十二条及び第四十三条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(開示の実施)
第二十四条 保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して独立行政法人等が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による保有個人情報の開示にあっては、独立行政法人等は、当該保有個人情報が記録されている文書又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 独立行政法人等は、前項の規定に基づく電磁的記録についての開示の方法に関する定めを一般の閲覧に供しなければならない。
3 開示決定に基づき保有個人情報の開示を受ける者は、政令で定めるところにより、当該開示決定をした独立行政法人等に対し、その求める開示の実施の方法その他の政令で定める事項を申し出なければならない。
4 前項の規定による申出は、第十八条第一項に規定する通知があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
(他の法令による開示の実施との調整)
第二十五条 独立行政法人等は、他の法令の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る保有個人情報が前条第一項本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、同項本文の規定にかかわらず、当該保有個人情報については、当該同一の方法による開示を行わない。ただし、当該他の法令の規定に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでない。
2 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条第一項本文の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。
(手数料)
第二十六条 開示請求をする者は、独立行政法人等の定めるところにより、手数料を納めなければならない。
2 前項の手数料の額は、実費の範囲内において、かつ、行政機関個人情報保護法第二十六条第一項の手数料の額を参酌して、独立行政法人等が定める。
3 独立行政法人等は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。
第二節 訂正
(訂正請求権)
第二十七条 何人も、自己を本人とする保有個人情報(次に掲げるものに限る。第三十六条第一項において同じ。)の内容が事実でないと思料するときは、この法律の定めるところにより、当該保有個人情報を保有する独立行政法人等に対し、当該保有個人情報の訂正(追加又は削除を含む。以下同じ。)を請求することができる。ただし、当該保有個人情報の訂正に関して他の法律又はこれに基づく命令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。
一 開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報
二 第二十二条第一項の規定により事案が移送された場合において、行政機関個人情報保護法第二十一条第三項に規定する開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報
三 開示決定に係る保有個人情報であって、第二十五条第一項の他の法令の規定により開示を受けたもの
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、本人に代わって前項の規定による訂正の請求(以下「訂正請求」という。)をすることができる。
3 訂正請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。
(訂正請求の手続)
第二十八条 訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「訂正請求書」という。)を独立行政法人等に提出してしなければならない。
一 訂正請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 訂正請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項
三 訂正請求の趣旨及び理由
2 前項の場合において、訂正請求をする者は、政令で定めるところにより、訂正請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による訂正請求にあっては、訂正請求に係る保有個人情報の本人の法定代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 独立行政法人等は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者(以下「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
(保有個人情報の訂正義務)
第二十九条 独立行政法人等は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る保有個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内で、当該保有個人情報の訂正をしなければならない。
(訂正請求に対する措置)
第三十条 独立行政法人等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 独立行政法人等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(訂正決定等の期限)
第三十一条 前条各項の決定(以下「訂正決定等」という。)は、訂正請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第二十八条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、独立行政法人等は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、独立行政法人等は、訂正請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(訂正決定等の期限の特例)
第三十二条 独立行政法人等は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に訂正決定等をすれば足りる。この場合において、独立行政法人等は、同条第一項に規定する期間内に、訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 訂正決定等をする期限
(事案の移送)
第三十三条 独立行政法人等は、訂正請求に係る保有個人情報が第二十一条第三項の規定に基づく開示に係るものであるとき、その他他の独立行政法人等において訂正決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の独立行政法人等と協議の上、当該他の独立行政法人等に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした独立行政法人等は、訂正請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた独立行政法人等において、当該訂正請求についての訂正決定等をしなければならない。この場合において、移送をした独立行政法人等が移送前にした行為は、移送を受けた独立行政法人等がしたものとみなす。
3 前項の場合において、移送を受けた独立行政法人等が第三十条第一項の決定(以下「訂正決定」という。)をしたときは、移送をした独立行政法人等は、当該訂正決定に基づき訂正の実施をしなければならない。
(行政機関の長への事案の移送)
第三十四条 独立行政法人等は、訂正請求に係る保有個人情報が第二十七条第一項第二号に掲げるものであるとき、その他行政機関の長において行政機関個人情報保護法第三十一条第一項に規定する訂正決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該行政機関の長と協議の上、当該行政機関の長に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした独立行政法人等は、訂正請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、当該事案については、保有個人情報を移送を受けた行政機関が保有する行政機関個人情報保護法第二条第三項に規定する保有個人情報と、訂正請求を移送を受けた行政機関の長に対する行政機関個人情報保護法第二十七条第二項に規定する訂正請求とみなして、行政機関個人情報保護法の規定を適用する。この場合において、行政機関個人情報保護法第三十一条第一項中「第二十八条第三項」とあるのは、「独立行政法人等個人情報保護法第二十八条第三項」とする。
3 第一項の規定により事案が移送された場合において、移送を受けた行政機関の長が行政機関個人情報保護法第三十三条第三項に規定する訂正決定をしたときは、移送をした独立行政法人等は、当該訂正決定に基づき訂正の実施をしなければならない。
(保有個人情報の提供先への通知)
第三十五条 独立行政法人等は、訂正決定(前条第三項の訂正決定を含む。)に基づく保有個人情報の訂正の実施をした場合において、必要があると認めるときは、当該保有個人情報の提供先に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知するものとする。
第三節 利用停止
(利用停止請求権)
第三十六条 何人も、自己を本人とする保有個人情報が次の各号のいずれかに該当すると思料するときは、この法律の定めるところにより、当該保有個人情報を保有する独立行政法人等に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、当該保有個人情報の利用の停止、消去又は提供の停止(以下「利用停止」という。)に関して他の法律又はこれに基づく命令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。
一 第三条第二項の規定に違反して保有されているとき、第五条の規定に違反して取得されたものであるとき、又は第九条第一項及び第二項の規定に違反して利用されているとき 当該保有個人情報の利用の停止又は消去
二 第九条第一項及び第二項の規定に違反して提供されているとき 当該保有個人情報の提供の停止
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、本人に代わって前項の規定による利用停止の請求(以下「利用停止請求」という。)をすることができる。
3 利用停止請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。
(利用停止請求の手続)
第三十七条 利用停止請求は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「利用停止請求書」という。)を独立行政法人等に提出してしなければならない。
一 利用停止請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 利用停止請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項
三 利用停止請求の趣旨及び理由
2 前項の場合において、利用停止請求をする者は、政令で定めるところにより、利用停止請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による利用停止請求にあっては、利用停止請求に係る保有個人情報の本人の法定代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 独立行政法人等は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求をした者(以下「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
(保有個人情報の利用停止義務)
第三十八条 独立行政法人等は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、当該独立行政法人等における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければならない。ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、当該保有個人情報の利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(利用停止請求に対する措置)
第三十九条 独立行政法人等は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をするときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 独立行政法人等は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしないときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(利用停止決定等の期限)
第四十条 前条各項の決定(以下「利用停止決定等」という。)は、利用停止請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第三十七条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、独立行政法人等は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、独立行政法人等は、利用停止請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(利用停止決定等の期限の特例)
第四十一条 独立行政法人等は、利用停止決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に利用停止決定等をすれば足りる。この場合において、独立行政法人等は、同条第一項に規定する期間内に、利用停止請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 利用停止決定等をする期限
第四節 異議申立て
(異議申立て及び情報公開・個人情報保護審査会への諮問)
第四十二条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について不服がある者は、独立行政法人等に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立てをすることができる。
2 開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等について異議申立てがあったときは、独立行政法人等は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
一 異議申立てが不適法であり、却下するとき。
二 決定で、異議申立てに係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く。以下この号及び第四十四条において同じ。)を取り消し、又は変更し、当該異議申立てに係る保有個人情報の全部を開示することとするとき。ただし、当該開示決定等について反対意見書が提出されているときを除く。
三 決定で、異議申立てに係る訂正決定等(訂正請求の全部を容認して訂正をする旨の決定を除く。)を取り消し、又は変更し、当該異議申立てに係る訂正請求の全部を容認して訂正をすることとするとき。
四 決定で、異議申立てに係る利用停止決定等(利用停止請求の全部を容認して利用停止をする旨の決定を除く。)を取り消し、又は変更し、当該異議申立てに係る利用停止請求の全部を容認して利用停止をすることとするとき。
(諮問をした旨の通知)
第四十三条 前条第二項の規定により諮問をした独立行政法人等は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
一 異議申立人及び参加人
二 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が異議申立人又は参加人である場合を除く。)
三 当該異議申立てに係る開示決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が異議申立人又は参加人である場合を除く。)
(第三者からの異議申立てを棄却する場合等における手続)
第四十四条 第二十三条第三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する決定をする場合について準用する。
一 開示決定に対する第三者からの異議申立てを却下し、又は棄却する決定
二 異議申立てに係る開示決定等を変更し、当該開示決定等に係る保有個人情報を開示する旨の決定(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
第五章 雑則
(保有個人情報の保有に関する特例)
第四十五条 保有個人情報(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第五条に規定する不開示情報を専ら記録する法人文書に記録されているものに限る。)のうち、まだ分類その他の整理が行われていないもので、同一の利用目的に係るものが著しく大量にあるためその中から特定の保有個人情報を検索することが著しく困難であるものは、前章(第四節を除く。)の規定の適用については、独立行政法人等に保有されていないものとみなす。
(開示請求等をしようとする者に対する情報の提供等)
第四十六条 独立行政法人等は、開示請求、訂正請求又は利用停止請求(以下この項において「開示請求等」という。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、当該独立行政法人等が保有する保有個人情報の特定に資する情報の提供その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
2 総務大臣は、この法律の円滑な運用を確保するため、総合的な案内所を整備するものとする。
(苦情処理)
第四十七条 独立行政法人等は、独立行政法人等における個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
(施行の状況の公表)
第四十八条 総務大臣は、独立行政法人等に対し、この法律の施行の状況について報告を求めることができる。
2 総務大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
(政令への委任)
第四十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第五十条 次に掲げる者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された第二条第四項第一号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 独立行政法人等の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者
二 第七条第二項の受託業務に従事している者又は従事していた者
第五十一条 前条各号に掲げる者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十二条 独立行政法人等の役員又は職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十三条 前三条の規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。
第五十四条 偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
この法律は、行政機関個人情報保護法の施行の日から施行する。
別表(第二条関係)
名称
根拠法
奄美群島振興開発基金
奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)
沖縄振興開発金融公庫
沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)
核燃料サイクル開発機構
核燃料サイクル開発機構法(昭和四十二年法律第七十三号)
公営企業金融公庫
公営企業金融公庫法(昭和三十二年法律第八十三号)
国際協力銀行
国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)
国民生活金融公庫
国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)
住宅金融公庫
住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)
首都高速道路公団
首都高速道路公団法(昭和三十四年法律第百三十三号)
商工組合中央金庫
商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)
総合研究開発機構
総合研究開発機構法(昭和四十八年法律第五十一号)
地方競馬全国協会
競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)
中小企業金融公庫
中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)
日本銀行
日本銀行法(平成九年法律第八十九号)
日本原子力研究所
日本原子力研究所法(昭和三十一年法律第九十二号)
日本小型自動車振興会
小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)
日本自転車振興会
自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)
日本私立学校振興・共済事業団
日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)
日本政策投資銀行
日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)
日本船舶振興会
モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)
日本中央競馬会
日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号)
日本道路公団
日本道路公団法(昭和三十一年法律第六号)
日本郵政公社
日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)
年金資金運用基金
年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号)
農水産業協同組合貯金保険機構
農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)
農林漁業金融公庫
農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)
阪神高速道路公団
阪神高速道路公団法(昭和三十七年法律第四十三号)
放送大学学園
放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)
本州四国連絡橋公団
本州四国連絡橋公団法(昭和四十五年法律第八十一号)
預金保険機構
預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)
総務大臣 片山虎之助
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫