(事業年度)
第五十六条 機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(予算等の認可)
第五十七条 機構は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(財務諸表等)
第五十八条 機構は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他主務省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表を主務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による主務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、主務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
4 機構は、負担金について、原子力事業者ごとに計数を管理しなければならない。
(利益及び損失の処理)
第五十九条 機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失を埋め、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 機構は、予算をもって定める額に限り、第一項の規定による積立金を第三十五条第二号及び第三号に掲げる業務に要する費用に充てることができる。
4 機構は、特別資金援助に係る資金交付を行った場合には、毎事業年度、第一項に規定する残余があるときは、当該資金交付を行うために既に第四十九条第二項の規定により国債の償還を受けた額の合計額からこの項の規定により既に国庫に納付した額を控除した額までを限り、国庫に納付しなければならない。この場合において、第一項中「なお残余があるとき」とあるのは、「なお残余がある場合において、第四項の規定により国庫に納付しなければならない額を控除してなお残余があるとき」とする。
5 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(借入金及び原子力損害賠償支援機構債)
第六十条 機構は、主務大臣の認可を受けて、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は原子力損害賠償支援機構債(以下「機構債」という。)の発行(機構債の借換えのための発行を含む。)をすることができる。この場合において、機構は、機構債の債券を発行することができる。
2 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
3 第一項の規定による借入金の現在額及び同項の規定により発行する機構債の元本に係る債務の現在額の合計額は、政令で定める額を超えることとなってはならない。
4 第一項の規定による機構債の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 機構は、主務大臣の認可を受けて、機構債の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第一項、第二項及び第四項から前項までに定めるもののほか、機構債に関し必要な事項は、政令で定める。
(政府保証)
第六十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の前条第一項の借入れ又は機構債に係る債務の保証をすることができる。
(余裕金の運用)
第六十二条 機構は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
(省令への委任)
第六十三条 この法律に定めるもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。