(報告及び検査)
第二十二条 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、排出水を排出する者に対し、特定施設の状況、汚水等の処理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その者の特定事業場に立ち入り、特定施設その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(適用除外等)
第二十三条 この法律の規定は、放射性物質による公共用水域の水質の汚濁及びその防止については、適用しない。
2 鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第八条第一項に規定する建設物、工作物その他の施設である特定施設を設置する同法第二条第二項本文に規定する鉱山から排出水を排出する者に関しては当該鉱山について、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第七項に規定する電気工作物又は海洋汚染防止法(昭和四十五年法律第百三十六号)第三条第九号に規定する廃油処理施設である特定施設を設置する工場又は事業場から排出水を排出する者に関しては当該特定施設について、第五条から第十一条まで及び第十三条第一項の規定を適用せず、鉱山保安法、電気事業法又は海洋汚染防止法の相当規定の定めるところによる。
3 前項に規定する法律に基づく権限を有する国の行政機関の長(以下この条において単に「行政機関の長」という。)は、第五条、第七条、第十条又は第十一条第三項の規定に相当する鉱山保安法又は電気事業法の規定による前項に規定する特定施設に係る許可若しくは認可の申請又は届出があつたときは、その許可若しくは認可の申請又は届出に係る事項のうちこれらの規定による届出事項に該当する事項を当該特定施設を設置する工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事に通知するものとする。
4 都道府県知事は、第二項に規定する特定施設に係る排出水に起因する公共用水域の水質の汚濁により人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあると認めるときは、行政機関の長に対し、当該特定施設について、第八条又は第十三条第一項の規定に相当する鉱山保安法又は電気事業法の規定(海洋汚染防止法にあつては、第八条の規定に相当する同法の規定)による指置をとるべきことを要請することができる。
5 行政機関の長は、前項の規定による要請があつた場合において講じた措置を当該都道府県知事に通知するものとする。
(資料の提出の要求等)
第二十四条 経済企画庁長官は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2 都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の送付その他の協力を求め、又は公共用水域の水質の汚濁の防止に関し意見を述べることができる。
3 河川管理者(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第七条に規定する河川管理者をいう。)、港湾管理者(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第一項に規定する港湾管理者をいう。)その他公共用水域の管理を行なう者で政令で定めるものは、この法律の施行に関して当該公共用水域の管理上必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該公共用水域の水質の汚濁の防止に関して意見を述べることができる。
(国の援助)
第二十五条 国は、公共用水域の水質の汚濁の防止に資するため、特定事業場における汚水等の処理施設の設置又は改善につき必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。
2 前項の措置を講ずるにあたつては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。
(研究の推進等)
第二十六条 国は、汚水等の処理に関する技術の研究、汚水等が人の健康又は生活環境に及ぼす影響の研究その他公共用水域の水質の汚濁の防止に関する研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。
(経過措置)
第二十七条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(事務の委任)
第二十八条 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務(第十六条第一項に規定する事務を除く。)は、政令で定めるところにより、政令で定める市の長に委任することができる。
(条例との関係)
第二十九条 この法律の規定は、地方公共団体が、排出水について、第二条第二項第二号に規定する項目によつて示される水の汚染状態以外の水の汚染状態(有害物質によるものを除く。)に関し、並びに特定事業場以外の工場又は事業場から公共用水域に排出される水について、有害物質及び同号に規定する項目によつて示される水の汚染状態に関し、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。