電源開発促進税法
法令番号: 法律第79号
公布年月日: 昭和49年6月6日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

最近の電力需給の逼迫状況を踏まえ、発電所等の周辺地域住民の福祉向上を図り、発電用施設の設置を積極的に進めるための施策費用に充てることを目的として、新たに一般電気事業者の販売電気に対して電源開発促進税を課税することとした。一般電気事業者を納税義務者とし、供給および自家使用の電気を課税物件とする。税率は販売電気千キロワット時につき85円とし、毎月の販売電気の電力量に対する税額を翌月末日までに申告・納付する。税収は全額を新設の電源開発促進対策特別会計に繰り入れることとする。

参照した発言:
第72回国会 衆議院 本会議 第25号

審議経過

第72回国会

衆議院
(昭和49年4月11日)
(昭和49年4月24日)
(昭和49年4月26日)
(昭和49年5月15日)
(昭和49年5月17日)
(昭和49年5月21日)
(昭和49年5月22日)
(昭和49年5月24日)
(昭和49年5月24日)
参議院
(昭和49年5月28日)
(昭和49年5月30日)
(昭和49年5月31日)
(昭和49年6月3日)
(昭和49年6月18日)
電源開発促進税法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年六月六日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第七十九号
電源開発促進税法
目次
第一章
総則(第一条―第四条)
第二章
課税標準及び税率(第五条・第六条)
第三章
申告及び納付(第七条・第八条)
第四章
雑則(第九条―第十二条)
第五章
罰則(第十三条―第十五条)
附則
第一章 総則
(課税目的及び課税物件)
第一条 原子力発電施設、火力発電施設、水力発電施設等の設置を促進する等のための財政上の措置に要する費用に充てるため、一般電気事業者の販売電気には、この法律により、電源開発促進税を課する。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 一般電気事業又は一般電気事業者 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項又は第二項(定義)に規定する一般電気事業又は一般電気事業者をいう。
二 販売電気 次に掲げる電気をいう。
イ 一般電気事業者が他からの需要に応じ供給した電気(他の一般電気事業者に当該他の一般電気事業者が一般電気事業の用に供するための電気として供給したもの及び電気事業法第二十五条第一項(振替供給)の許可に係る契約により供給したものを除く。)
ロ 一般電気事業者が自ら使用した電気(発電のために直接使用したものを除く。第七条第一項第二号において同じ。)
(納税義務者)
第三条 一般電気事業者は、その販売電気につき、電源開発促進税を納める義務がある。
(納税地)
第四条 電源開発促進税の納税地は、当該一般電気事業者の住所地とする。
第二章 課税標準及び税率
(課税標準)
第五条 電源開発促進税の課税標準は、一般電気事業者の販売電気の電力量とする。
2 一般電気事業者の販売電気で電気事業法第十九条第一項(供給規程)に規定する供給規程においてその料金が定額をもつて定められているものについての前項の販売電気の電力量の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
(税率)
第六条 電源開発促進税の税率は、販売電気千キロワット時につき、八十五円とする。
第三章 申告及び納付
(課税標準及び税額の申告)
第七条 一般電気事業者は、毎月、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、翌月末日までに、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
一 その月中において料金の支払を受ける権利が確定した販売電気の電力量
二 その月中において一般電気事業者が自ら使用した電気の電力量
三 前二号に掲げる電力量の合計電力量(次号において「課税標準数量」という。)
四 課税標準数量に対する電源開発促進税額(以下「納付すべき税額」という。)
五 その他参考となるべき事項
2 前項第二号に掲げる電力量は、当該電力量として政令で定めるところにより計量した電力量に相当する電力量とする。
(電源開発促進税の期限内申告による納付)
第八条 前条第一項の規定による申告書を提出した一般電気事業者は、当該申告書の提出期限内に、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する電源開発促進税を、国に納付しなければならない。
第四章 雑則
(一般電気事業の開廃等の届出)
第九条 一般電気事業を開始し、廃止し、若しくは休止しようとする者又は当該一般電気事業の許可を取り消された者は、政令で定めるところにより、その旨を納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。
2 電気事業法第十一条第一項(承継)の規定により一般電気事業者についてその地位の承継があつた場合(一般電気事業の全部の譲渡しによりその地位の承継があつた場合を除く。第十一条において同じ。)においては、当該地位を承継した者は、政令で定めるところにより、当該地位を承継した日から一月以内に、その旨を書面により、納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。この場合において、当該期間内にその届出がされたときは、当該地位を承継した日において、前項の規定による届出があつたものとみなす。
(記帳義務)
第十条 一般電気事業者は、政令で定めるところにより、その販売電気の電力量、納付すべき税額その他これらに関する事項を帳簿に記載しなければならない。
(申告義務等の承継)
第十一条 電気事業法第十一条第一項(承継)の規定により一般電気事業者についてその地位の承継があつた場合においては、当該地位を承継した者は、当該一般電気事業者の次に掲げる義務を承継する。
一 第七条第一項の規定による申告の義務
二 前条の規定による記帳の義務
(当該職員の質問検査権)
第十二条 国税庁の当該職員又は一般電気事業者の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、電源開発促進税に関する調査について必要があるときは、一般電気事業者に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 国税庁の当該職員又は一般電気事業者の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、電源開発促進税に関する調査について必要があるときは、一般電気事業者に対し電気を供給したと認められる者その他自己の事業に関し一般電気事業者と取引があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
3 前二項の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に営業所、事務所その他の事業場又は電気事業法第二条第七項(定義)に規定する電気工作物を有する一般電気事業者に対する質問又は検査について準用する。
4 前三項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第五章 罰則
第十三条 偽りその他不正の行為により電源開発促進税を免れ、又は免れようとした者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の犯罪に係る販売電気に対する電源開発促進税に相当する金額が百万円を超える場合には、情状により、同項の罰金は、百万円を超え当該電源開発促進税に相当する金額以下とすることができる。
第十四条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。
一 第七条第一項の規定による申告書の提出を怠つた者
二 第十条の規定による帳簿の記載を怠り、若しくは偽り、又はその帳簿を隠匿した者
三 第十二条第一項又は第二項(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、昭和四十九年十月一日から施行し、同年十一月一日以後に料金の支払を受ける権利が確定される販売電気及び同日以後に第七条第二項の計量がされる同条第一項第二号に規定する電気に対する電源開発促進税について適用する。
(国税通則法の一部改正)
2 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。
第十五条第二項中「第十三号」を「第十四号」に改め、第十五号を第十六号とし、第八号から第十四号までを一号ずつ繰り下げ、第七号の次に次の一号を加える。
八 電源開発促進税 販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時
第二十一条第二項、第三十条第二項、第三十三条第二項及び第四十三条第二項中「又は贈与税」を「、贈与税又は電源開発促進税」に改める。
第四十六条第一項第一号イ中「航空機燃料税」の下に「、電源開発促進税」を加える。
第八十五条第一項及び第八十六条第一項中「又は贈与税」を「、贈与税又は電源開発促進税」に改める。
大蔵大臣 福田赳夫
内閣総理大臣 田中角榮
電源開発促進税法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年六月六日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第七十九号
電源開発促進税法
目次
第一章
総則(第一条―第四条)
第二章
課税標準及び税率(第五条・第六条)
第三章
申告及び納付(第七条・第八条)
第四章
雑則(第九条―第十二条)
第五章
罰則(第十三条―第十五条)
附則
第一章 総則
(課税目的及び課税物件)
第一条 原子力発電施設、火力発電施設、水力発電施設等の設置を促進する等のための財政上の措置に要する費用に充てるため、一般電気事業者の販売電気には、この法律により、電源開発促進税を課する。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 一般電気事業又は一般電気事業者 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項又は第二項(定義)に規定する一般電気事業又は一般電気事業者をいう。
二 販売電気 次に掲げる電気をいう。
イ 一般電気事業者が他からの需要に応じ供給した電気(他の一般電気事業者に当該他の一般電気事業者が一般電気事業の用に供するための電気として供給したもの及び電気事業法第二十五条第一項(振替供給)の許可に係る契約により供給したものを除く。)
ロ 一般電気事業者が自ら使用した電気(発電のために直接使用したものを除く。第七条第一項第二号において同じ。)
(納税義務者)
第三条 一般電気事業者は、その販売電気につき、電源開発促進税を納める義務がある。
(納税地)
第四条 電源開発促進税の納税地は、当該一般電気事業者の住所地とする。
第二章 課税標準及び税率
(課税標準)
第五条 電源開発促進税の課税標準は、一般電気事業者の販売電気の電力量とする。
2 一般電気事業者の販売電気で電気事業法第十九条第一項(供給規程)に規定する供給規程においてその料金が定額をもつて定められているものについての前項の販売電気の電力量の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
(税率)
第六条 電源開発促進税の税率は、販売電気千キロワット時につき、八十五円とする。
第三章 申告及び納付
(課税標準及び税額の申告)
第七条 一般電気事業者は、毎月、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、翌月末日までに、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
一 その月中において料金の支払を受ける権利が確定した販売電気の電力量
二 その月中において一般電気事業者が自ら使用した電気の電力量
三 前二号に掲げる電力量の合計電力量(次号において「課税標準数量」という。)
四 課税標準数量に対する電源開発促進税額(以下「納付すべき税額」という。)
五 その他参考となるべき事項
2 前項第二号に掲げる電力量は、当該電力量として政令で定めるところにより計量した電力量に相当する電力量とする。
(電源開発促進税の期限内申告による納付)
第八条 前条第一項の規定による申告書を提出した一般電気事業者は、当該申告書の提出期限内に、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する電源開発促進税を、国に納付しなければならない。
第四章 雑則
(一般電気事業の開廃等の届出)
第九条 一般電気事業を開始し、廃止し、若しくは休止しようとする者又は当該一般電気事業の許可を取り消された者は、政令で定めるところにより、その旨を納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。
2 電気事業法第十一条第一項(承継)の規定により一般電気事業者についてその地位の承継があつた場合(一般電気事業の全部の譲渡しによりその地位の承継があつた場合を除く。第十一条において同じ。)においては、当該地位を承継した者は、政令で定めるところにより、当該地位を承継した日から一月以内に、その旨を書面により、納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。この場合において、当該期間内にその届出がされたときは、当該地位を承継した日において、前項の規定による届出があつたものとみなす。
(記帳義務)
第十条 一般電気事業者は、政令で定めるところにより、その販売電気の電力量、納付すべき税額その他これらに関する事項を帳簿に記載しなければならない。
(申告義務等の承継)
第十一条 電気事業法第十一条第一項(承継)の規定により一般電気事業者についてその地位の承継があつた場合においては、当該地位を承継した者は、当該一般電気事業者の次に掲げる義務を承継する。
一 第七条第一項の規定による申告の義務
二 前条の規定による記帳の義務
(当該職員の質問検査権)
第十二条 国税庁の当該職員又は一般電気事業者の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、電源開発促進税に関する調査について必要があるときは、一般電気事業者に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 国税庁の当該職員又は一般電気事業者の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、電源開発促進税に関する調査について必要があるときは、一般電気事業者に対し電気を供給したと認められる者その他自己の事業に関し一般電気事業者と取引があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
3 前二項の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に営業所、事務所その他の事業場又は電気事業法第二条第七項(定義)に規定する電気工作物を有する一般電気事業者に対する質問又は検査について準用する。
4 前三項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第五章 罰則
第十三条 偽りその他不正の行為により電源開発促進税を免れ、又は免れようとした者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の犯罪に係る販売電気に対する電源開発促進税に相当する金額が百万円を超える場合には、情状により、同項の罰金は、百万円を超え当該電源開発促進税に相当する金額以下とすることができる。
第十四条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。
一 第七条第一項の規定による申告書の提出を怠つた者
二 第十条の規定による帳簿の記載を怠り、若しくは偽り、又はその帳簿を隠匿した者
三 第十二条第一項又は第二項(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、昭和四十九年十月一日から施行し、同年十一月一日以後に料金の支払を受ける権利が確定される販売電気及び同日以後に第七条第二項の計量がされる同条第一項第二号に規定する電気に対する電源開発促進税について適用する。
(国税通則法の一部改正)
2 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。
第十五条第二項中「第十三号」を「第十四号」に改め、第十五号を第十六号とし、第八号から第十四号までを一号ずつ繰り下げ、第七号の次に次の一号を加える。
八 電源開発促進税 販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時
第二十一条第二項、第三十条第二項、第三十三条第二項及び第四十三条第二項中「又は贈与税」を「、贈与税又は電源開発促進税」に改める。
第四十六条第一項第一号イ中「航空機燃料税」の下に「、電源開発促進税」を加える。
第八十五条第一項及び第八十六条第一項中「又は贈与税」を「、贈与税又は電源開発促進税」に改める。
大蔵大臣 福田赳夫
内閣総理大臣 田中角栄