地方住宅供給公社法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十年六月十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百二十四号
地方住宅供給公社法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
設立(第八条―第十条)
第三章
役員及び職員(第十一条―第二十条)
第四章
業務(第二十一条―第二十八条)
第五章
財務及び会計(第二十九条―第三十五条)
第六章
解散及び清算(第三十六条―第三十九条)
第七章
監督(第四十条―第四十二条)
第八章
雑則(第四十三条―第四十七条)
第九章
罰則(第四十八条―第五十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 地方住宅供給公社は、住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、これをその他の資金とあわせて活用して、これらの者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もつて住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。
(法人格)
第二条 地方住宅供給公社(以下「地方公社」という。)は、法人とする。
(名称)
第三条 地方公社は、その名称中に住宅供給公社という文字を用いなければならない。
2 地方公社でない者は、その名称中に住宅供給公社という文字を用いてはならない。
(出資)
第四条 地方公共団体でなければ、地方公社に出資することができない。
2 設立団体(地方公社を設立する地方公共団体をいう。以下同じ。)は、地方公社の基本財産の額の二分の一以上に相当する資金その他の財産を出資しなければならない。
3 地方公社に出資しようとする地方公共団体は、自治大臣の承認を受けなければならない。
(定款)
第五条 地方公社は、定款をもつて、次の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 設立団体たる地方公共団体
四 事務所の所在地
五 役員の定数、任期その他役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 基本財産の額その他資産及び会計に関する事項
八 公告の方法
2 定款の変更は、建設大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第六条 地方公社は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、地方公社に準用する。
第二章 設立
(設立)
第八条 地方公社は、都道府県又は政令で指定する人口五十万以上の市でなければ、設立することができない。
第九条 地方公社を設立するには、議会の議決を経、かつ、定款及び業務方法書を作成して、建設大臣の認可を受けなければならない。
(成立)
第十条 地方公社は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
第三章 役員及び職員
(役員)
第十一条 地方公社に、役員として、理事長、理事及び監事を置く。
(役員の職務及び権限)
第十二条 理事長は、地方公社を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、定款で定めるところにより、理事長を補佐して地方公社の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代埋し、理事長が欠けたときはその職務を行なう。
3 監事は、地方公社の業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は建設大臣若しくは都道府県知事(市が設立した地方公社にあつては市長とし、以下「都道府県知事等」という。)に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十三条 理事長及び監事は、設立団体の長が任命する。
2 理事は、理事長が任命する。
(役員の任期)
第十四条 役員の任期は、四年をこえることができない。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十五条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて地方公社と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十六条 設立団体の長又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 設立団体の長又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
(代表権の制限)
第十七条 地方公社と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が地方公社を代表する。
(代理人の選任)
第十八条 理事長は、理事又は地方公社の職員のうちから、地方公社の主たる事務所又は従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十九条 地方公社の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第二十条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四章 業務
(業務)
第二十一条 地方公社は、第一条の目的を達成するため、住宅の積立分譲及びこれに附帯する業務を行なう。
2 前項の住宅の積立分譲とは、一定の期間内において一定の金額に達するまで定期に金銭を受け入れ、その期間満了後、受入額をこえる一定額を代金の一部に充てて住宅及びその敷地を売り渡すことをいうものとし、その受入額をこえる一定額の算出方法については、建設省令で定める。
3 地方公社は、第一条の目的を達成するため、第一項の業務のほか、次の業務の全部又は一部を行なうことができる。
一 住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
二 住宅の用に供する宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
三 市街地において地方公社が行なう住宅の建設と一体として商店、事務所等の用に供する施設の建設を行なうことが適当である場合において、それらの用に供する施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
四 住宅の用に供する宅地の造成とあわせて学校、病院、商店等の用に供する宅地の造成を行なうことが適当である場合において、それらの用に供する宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
五 地方公社が賃貸し、又は譲渡する住宅及び地方公社が賃貸し、又は譲渡する宅地に建設される住宅の居住者の利便に供する施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
六 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行なうこと。
七 水面埋立事業を施行すること。
八 第一項の業務及び前各号に掲げる業務の遂行に支障のない範囲内で、委託により、住宅の建設及び賃貸その他の管理、宅地の造成及び賃貸その他の管理並びに市街地においてみずから又は委託により行なう住宅の建設と一体として建設することが適当である商店、事務所等の用に供する施設及び集団住宅の存する団地の居住者の利便に供する施設の建設及び賃貸その他の管理を行なうこと。
第二十二条 地方公社は、住宅の建設又は宅地の造成に関する業務を行なうには、勤労者が健康で文化的な生活を営むに足りる良好な環境の住宅又は宅地が確保されるように努め、住宅又は宅地の賃貸その他の管理及び譲渡に関する業務を行なうには、住宅を必要とする勤労者の適正な利用が確保され、かつ、賃貸料又は譲渡価格が適正なものとなるように努めなければならない。
(住宅の積立分譲に関する契約)
第二十三条 地方公社は、住宅の積立分譲に関する契約をするには、契約の相手方の資格及び選定方法並びに契約の内容に関し建設省令で定める基準に従つてしなければならない。
2 住宅の積立分譲に関する契約をした者は、その契約の解除により地方公社から受けるべき金額につき地方公社の総財産の上に先取特権を有する。
3 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(住宅の建設等の基準)
第二十四条 地方公社は、住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡、宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡並びに第二十一条第三項第三号及び第五号の施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうときは、他の法令により特に定められた基準がある場合においてその基準に従うほか、建設省令で定める基準に従つて行なわなければならない。
(業務の委託)
第二十五条 地方公社は、建設省令で定めるところにより、住宅の積立分譲に関する契約に基づく金銭の受入れに関する業務の一部を銀行その他の金融機関に委託するものとする。
(業務方法書)
第二十六条 地方公社の業務方法書に記載しなければならない事項は、建設省令で定める。
2 地方公社は、業務方法書を変更しようとするときは、建設大臣の認可を受けなければならない。
(事業計画及び資金計画)
第二十七条 地方公社は、毎事業年度、事業計画及び資金計画を作成し、事業年度開始前に、都道府県知事等の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 都道府県知事等は、前項の規定により事業計画及び資金計画を承認しようとするときは、それらの計画中住宅の積立分譲に係る部分につき建設大臣の認可を受けなければならない。
(地方公共団体の長の意見の聴取)
第二十八条 地方公社は、住宅の建設又は宅地の造成をしようとするときは、当該住宅の建設計画又は宅地の造成計画について、あらかじめ、当該住宅の建設又は宅地の造成をしようとする地域をその区域に含む地方公共団体の長の意見をきかなければならない。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十九条 地方公社の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。ただし、設立後最初の事業年度は、設立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わる。
(会計区分)
第三十条 地方公社は、住宅の積立分譲に関する契約に基づく受入金に係る会計を他の会計と区分して経理しなければならない。
2 住宅の積立分譲に関する契約に基づく受入金に係る会計においては、建設省令で定めるところにより、契約の解除による債務の支払に充てるために必要な引当金を保有しなければならない。
(決算)
第三十一条 地方公社は、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表及び業務報告書)
第三十二条 地方公社は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に都道府県知事等に提出しなければならない。
2 地方公社は、前項の規定により財務諸表を提出するときは、これに、建設省令で定める事項を記載した当該事業年度の業務報告書を添附し、並びに財務諸表及び業務報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
(利益及び損失の処理)
第三十三条 地方公社は、第三十条第一項の会計区分に従い、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、準備金として整理しなければならない。
2 地方公社は、第三十条第一項の会計区分に従い、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項の規定による準備金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(余裕金の運用)
第三十四条 地方公社は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債、地方債その他建設大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行への預金又は郵便貯金
(建設省令への委任)
第三十五条 この法律に規定するもののほか、地方公社の財務及び会計に関し必要な事項は、建設省令で定める。
第六章 解散及び清算
(解散事由)
第三十六条 地方公社は、次の事由によつて解散する。
一 破産
二 第九条の規定による認可の取消し
(清算人)
第三十七条 地方公社が解散したときは、破産による解散の場合を除き、理事長及び理事がその清算人となる。
2 理事長であつた清算人には第十二条第一項の規定を、理事であつた清算人には同条第二項の規定を準用する。
(清算事務)
第三十八条 清算人は、地方公社の債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを地方公社に出資した地方公共団体に、出資の額に応じて分配しなければならない。
(民法及び非訟事件手続法の準用)
第三十九条 民法第七十三条、第七十五条、第七十六条、第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条並びに第百三十八条の規定は、地方公社の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十五条中「前条」とあるのは、「地方住宅供給公社法第三十七条第一項」と読み替えるものとする。
第七章 監督
(報告及び検査)
第四十条 建設大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、地方公社に対して業務及び資産の状況に関し報告を求め、又はその職員をして地方公社の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(監督命令)
第四十一条 建設大臣又は都道府県知事等は、地方公社の業務の健全な運営を確保し、又は住宅の積立分譲に関する契約をした者を保護するため必要があると認めるときは、地方公社に対してその業務に関し監督上必要な命令をすることができる。ただし、建設大臣は、都道府県知事等が必要な命令をすることを怠つていると認めた場合に限り、その命令をすることができる。
(違法行為に対する措置)
第四十二条 建設大臣又は都道府県知事等は、第四十条第一項の規定により報告を求め、又は検査を行なつた場合において、地方公社の業務又は会計がこの法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく建設大臣、都道府県知事若しくは市長の処分又は定款、業務方法書、事業計画若しくは資金計画に違反すると認めるときは、その地方公社に対して、この法律の目的を達成するため必要な限度において、業務の全部又は一部の停止その他必要な措置を命ずることができる。この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。
2 建設大臣は、地方公社が前項の規定による命令に従わなかつた場合において、やむをえないと認めるときは、第九条の規定による認可を取り消すことができる。
3 建設大臣は、前項の規定による処分をしようとするときは、その地方公社に対し、処分をしようとする理由を通知し、かつ、弁明の機会を与えなければならない。
第八章 雑則
(共同設立)
第四十三条 次の各号の一に掲げる都道府県又は都道府県及び市は、共同して地方公社を設立することができる。
一 二以上の都道府県
二 二以上の都道府県及びそれらの区域内の第八条の市
三 一の都道府県及びその区域内の第八条の市
2 前項第一号の都道府県又は同項第二号の都道府県及び市が共同して設立した地方公社にあつては、第十二条第四項中「建設大臣若しくは都道府県知事(市が設立した地方公社にあつては市長とし、以下「都道府県知事等」という。)」とあり、第二十七条第一項若しくは第三十二条第一項中「都道府県知事等」とあり、又は第四十条第一項、第四十一条若しくは第四十二条第一項中「建設大臣又は都道府県知事等」とあるのは、「建設大臣」とし、第二十七条第二項、第四十一条ただし書及び第四十二条第一項後段の規定は、適用せず、前項第三号の都道府県及び市が共同して設立した地方公社にあつては、第十二条第四項中「都道府県知事(市が設立した地方公社にあつては市長とし、以下「都道府県知事等」という。)」とあり、又は第二十七条、第三十二条第一項、第四十条第一項、第四十一条若しくは第四十二条第一項中「都道府県知事等」とあるのは、「都道府県知事」とする。
3 前項の場合において、建設大臣又は都道府県知事が第二十七条第一項の規定により事業計画及び資金計画の承認の申請に係る処分をしようとするときは、それぞれ設立団体の長又は設立団体たる市の長の意見をきかなければならない。
(都道府県知事等の経由)
第四十四条 前条第一項第一号の都道府県又は同項第二号の都道府県及び市が共同して設立した地方公社を除き、地方公社がこの法律又はこの法律に基づく命令で定めるところにより建設大臣に提出する申請書その他の書類は、建設省令で定めるところにより、市のみが設立した地方公社にあつては市長を、その他の地方公社にあつては都道府県知事を経由しなければならない。
2 都道府県知事又は市長は、前項の書類を受け取つたときは、意見を附して、遅滞なく、これを建設大臣に提出しなければならない。
(住宅金融公庫の融資)
第四十五条 住宅金融公庫は、法令及びその事業計画の範囲内において、地方公社の住宅の積立分譲による住宅及びその敷地の供給が円滑に行なわれるよう、必要な資金の貸付けについて配慮しなければならない。
(非課税)
第四十六条 地方公社が、設立の際、直接その本来の業務の用に供する不動産を出資の目的として取得したときは、その取得については、不動産取得税を課することができない。
2 第二十一条第二項に規定する受入額をこえる一定額のうち、その超過金額については、所得税を課さない。
(他の法令の準用)
第四十七条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、地方公社を地方公共団体とみなして、これらの法令を準用する。
第九章 罰則
(罰則)
第四十八条 第四十条第一項の規定により報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした地方公社の役員、清算人又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
2 地方公社の役員、清算人又は職員がその地方公社の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その地方公社に対して同項の刑を科する。
第四十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした地方公社の役員又は清算人は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により建設大臣、都道府県知事又は市長の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第六条第一項の規定に違反して、登記することを怠つたとき
三 第二十一条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。
四 第三十条、第三十三条、第三十四条又は第三十八条の規定に違反したとき。
五 第三十二条の規定に違反して、財務諸表又は業務報告書を提出することを怠り、又はそれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしてこれを提出したとき。
六 第三十九条において準用する民法第七十九条第一項の規定に違反して、公告することを怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
七 第三十九条において準用する民法第七十九条第一項に規定する期間内に債権者に弁済したとき。
八 第三十九条において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求を怠つたとき。
九 第四十一条の規定による命令に違反したとき。
第五十条 第三条第二項の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第二十項中建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)第四条第三項及び第七項並びに第四条の二第二項の改正規定は、建設省設置法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第▲▲▲号)中建設省設置法第四条及び第四条の二の改正規定の施行の日(昭和四十年七月一日)から施行する。
(公益法人の地方公社への組織変更)
2 民法第三十四条の規定により設立され、都道府県又は第八条の市が基本財産たる財産の全部又は一部を拠出している法人で、第二十一条第三項の業務を行なうことを目的とするもの(以下「公益法人」という。)は、この法律の施行後二年内に限り、その組織を変更して地方公社となることができる。ただし、当該公益法人が社団法人であるときは、総社員の同意がある場合に限る。
3 前項の規定により公益法人がその組織を変更して地方公社となるには、設立団体となるべき地方公共団体の議会の議決を経、その公益法人の定款又は寄附行為で定めるところにより、組織変更のために必要な定款又は寄附行為の変更をし、建設大臣の認可を受けなければならない。
4 前項の組織変更は、政令で定めるところにより、地方公社の主たる事務所の所在地において登記をすることによつて効力を生ずる。
5 公益法人が附則第二項の規定により事業年度の中途において地方公社に組織変更した場合における法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定及び地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)中法人の事業税に関する規定の適用については、当該事業年度開始の日から組織変更の日までの期間及び組織変更の日の翌日から当該事業年度の末日までの期間をそれぞれ一事業年度とみなす。
6 公益法人が附則第二項の規定により地方公社に組織変更した場合において、当該組織変更に伴い、当該公益法人の名義に係る権利についてする登記名義人又は登録名義人の表示の変更の登記又は登録及び当該公益法人を債務者とする担保権についてする債務者の表示の変更の登記又は登録については、登録税を課さない。
7 第二十一条第三項各号の一に該当しない業務を行なうことを目的とする公益法人が附則第二項の規定により地方公社に組織変更した場合において、当該業務に係る不動産に関する権利で政令で定めるものについて、地方公共団体又は地方公共団体が設立した法人で、同項各号の一に該当しない業務を行なうものが受ける権利の取得の登記及び政令で定める債務を当該地方公共団体又は当該法人が引き受けたことによる担保権の変更の登記については、政令で定めるところにより、登録税を課さない。
(名称使用の制限に関する経過措置)
8 この法律の施行の際現にその名称中に住宅供給公社という文字を使用している者については、第三条第二項の規定は、この法律の施行後二年間は、適用しない。
(土地収用法の一部改正)
9 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第三十号中「又は日本住宅公団」を「、日本住宅公団又は地方住宅供給公社」に改める。
(新住宅市街地開発法の一部改正)
10 新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「又は日本住宅公団」を「、日本住宅公団又は地方住宅供給公社」に改める。
第三十一条及び第三十二条第一項第一号中「日本住宅公団」の下に「、地方住宅供給公社」を加える。
第四十条中「及び日本住宅公団」を「、日本住宅公団及び地方住宅供給公社」に改める。
(登録税法の一部改正)
11 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「住宅営団」の下に「、地方住宅供給公社」を、「住宅営団法」の下に「、地方住宅供給公社法」を加え、同条第十八号中「又は住宅営団」を「、住宅営団又ハ地方住宅供給公社」に改め、同条第十九号の次に次の一号を加える。
十九ノ二 地方住宅供給公社ガ地方住宅供給公社法第二十一条第一項又ハ第三項第一号乃至第七号ノ業務ニ関シ取得スル建物又ハ土地ニ関スル権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の一部改正)
12 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ三ノ六の次に次の一号を加える。
六ノ三ノ七 地方住宅供給公社ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の一部改正)
13 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中地方公務員の団体の項の次に次のように加える。
地方住宅供給公社
地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)
(法人税法の一部改正)
14 法人税法の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中地方公共団体の項の次に次のように加える。
地方住宅供給公社
地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)
15 附則第二項の規定による組織変更により地方公社となつた法人については、前項の規定による改正後の法人税法の規定は、当該組織変更の日後に終了する事業年度分の法人税について適用し、当該組織変更の日以前に終了する事業年度分の法人税については、なお従前の例による。
(租税特別措置法の一部改正)
16 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十四条及び第七十五条第二項中「日本住宅公団」の下に「、地方住宅供給公社」を加える。
(地方税法の一部改正)
17 地方税法の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第二号中「及び日本開発銀行」を「、日本開発銀行及び地方住宅供給公社」に改める。
第七十三条の二第二項中「日本住宅公団」の下に「、地方住宅供給公社」を加える。
第七十三条の四第一項第九号の次に次の一号を加える。
九の二 地方住宅供給公社が地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)第二十一条第一項又は第三項第二号に規定する業務の用に供する土地又は住宅の用に供する宅地とあわせて取得し、若しくは造成する国若しくは地方公共団体が公用若しくは公共の用に供するための土地
第七十三条の七第十二号の二中「日本住宅公団」の下に「又は地方住宅供給公社」を加える。
第七十三条の二十四第一項第二号中「日本住宅公団」の下に「、地方住宅供給公社」を加える。
第七十三条の二十八の二(見出しを含む。)中「日本住宅公団」の下に「又は地方住宅供給公社」を加え、同条第一項中「第九号」の下に「又は第九号の二」を加える。
附則に次の一項を加える。
57 道府県は、地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)附則第二項の規定による組織変更により地方住宅供給公社となつた法人が当該組織変更の日以前に取得した譲渡する住宅及び当該住宅の譲渡とあわせて譲渡する土地について、当該法人から当該組織変更の日後最初に譲渡が行なわれた場合における当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
18 附則第二項の規定による組織変更により地方公社となつた法人に関しては、前項の規定による改正後の地方税法中法人の事業税に関する規定は、当該組織変更の日後に終了する事業年度分の法人の事業税について適用し、当該組織変更の日以前に終了する事業年度分の法人の事業税については、なお従前の例による。
19 附則第二項の規定による組織変更により地方公社となつた法人に関しては、附則第十七項の規定による改正後の地方税法中不動産取得税に関する規定(同法附則第五十七項の規定を除く。)は、当該組織変更の日後に、当該法人が取得し、又は当該法人から譲り受ける不動産の不動産取得税について適用し、当該組織変更の日以前に、当該法人が取得し、又は当該法人から譲り受ける不動産の不動産取得税については、なお従前の例による。
(建設省設置法の一部改正)
20 建設省設置法の一部を次のように改正する。
第三条第二十三号の五の次に次の一号を加える。
二十三の六 地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)の施行に関する事務を管理すること。
第四条第三項中「工業団地造成事業に係るものに関するもの」の下に「、同条第二十三号の六に規定する事務のうち地方住宅供給公社の業務で宅地の造成、管理及び処分、水面埋立事業並びに新住宅市街地開発事業に係るものに関するもの」を加え、同条第七項中「同条第二十三号の五」の下に「及び第二十三号の六」を加える。
第四条の二第二項中「並びに第三条」を「、第三条」に改め、「工業団地造成事業に係るものに関するもの」の下に「並びに第二十三号の六に規定する事務のうち地方住宅供給公社の業務で宅地の造成、管理及び処分、水面埋立事業並びに新住宅市街地開発業事に係るものに関するもの」を加える。
21 昭和四十年六月三十日までの間は、前項の規定による改正後の建設省設置法第三条第二十三号の六に規定する事務のうち、地方住宅供給公社の業務で水面埋立事業に係るものに関するものは都市局において、その他のものは住宅局においてつかさどる。
法務大臣 石井光次郎
大蔵大臣 福田赳夫
建設大臣 瀬戸山三男
自治大臣 永山忠則
内閣総理大臣 佐藤栄作