日本勤労者住宅協会法
法令番号: 法律第133号
公布年月日: 昭和41年7月25日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

国民生活における住宅事情の立ち遅れに対応するため、政府は住宅建設計画法案を提案し、5カ年計画の策定を進めている。公営住宅や公団住宅の拡充に加え、民間住宅建設の促進が必要とされている。地方住宅供給公社法の制定により公的供給機関は整備されたが、住宅建設の大部分を占める民間住宅建設の機関は不十分な状況である。そこで、勤労者の自主的組織による良好な住宅供給を実現するため、日本勤労者住宅協会を設立することとした。本協会は、労働金庫や消費生活協同組合等の出資により、勤労者の資金を活用して住宅建設、賃貸、譲渡等の事業を行う。建設大臣の監督下で事業の公益性と経営の健全化を確保し、税制上の優遇措置も講じることとしている。

参照した発言:
第51回国会 衆議院 建設委員会 第32号

審議経過

第51回国会

衆議院
(昭和41年6月10日)
(昭和41年6月21日)
参議院
(昭和41年6月21日)
(昭和41年6月23日)
(昭和41年6月24日)
(昭和41年6月27日)
(昭和41年6月27日)
(昭和41年6月27日)
日本勤労者住宅協会法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十一年七月二十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百三十三号
日本勤労者住宅協会法
目次
第一章
総則(第一条―第十一条)
第二章
役員、評議員会及び職員(第十二条―第二十二条)
第三章
業務(第二十三条―第二十七条)
第四章
財務及び会計(第二十八条―第三十三条)
第五章
監督(第三十四条・第三十五条)
第六章
雑則(第三十六条―第四十一条)
第七章
罰則(第四十二条―第四十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 日本勤労者住宅協会は、勤労者の蓄積した資金をその他の資金とあわせて活用して、勤労者に居住環境の良好な住宅及び住宅の用に供する宅地を供給し、もつて勤労者の住生活の安定向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、「勤労者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。
(法人格)
第三条 日本勤労者住宅協会(以下「協会」という。)は、法人とする。
(事務所)
第四条 協会は、主たる事務所を東京都に置く。
2 協会は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(出資者)
第五条 協会に出資することができる者は、次に掲げる者とする。
一 労働金庫及び労働金庫連合会
二 消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会
三 前二号に掲げる者のほか、勤労者のための福利共済活動その他勤労者の経済的地位の向上を目的とする団体
(持分の払いもどし等の禁止)
第六条 協会は、出資者に対し、その持分を払いもどすことができない。
2 協会は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
(持分の譲渡し等)
第七条 出資者は、その持分を譲り渡すことができる。
2 第五条各号に掲げる者でなければ、出資者の持分の譲渡しを受けることができない。
3 出資者の持分の移転は、取得者の名称及び住所を出資者原簿に記載した後でなければ、協会その他の第三者に対抗することができない。
(定款)
第八条 協会は、定款をもつて次の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 出資及び資産に関する事項
五 役員に関する事項
六 評議員会に関する事項
七 業務及びその執行に関する事項
八 財務及び会計に関する事項
九 公告に関する事項
十 定款の変更に関する事項
2 定款の変更は、建設大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第九条 協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第十条 協会でない者は、日本勤労者住宅協会という名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、協会について準用する。
第二章 役員、評議員会及び職員
(役員)
第十二条 協会に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事七人以内及び監事三人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第十三条 理事長は、協会を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、定款で定めるところにより、協会を代表し、理事長を補佐して協会の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。
3 理事は、定款で定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して協会の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行なう。
4 監事は、協会の業務を監査する。
(役員の選任等)
第十四条 理事長及び監事は、評議員会において選任する。
2 副理事長及び理事は、評議員会の同意を得て、理事長が任命する。
3 役員の選任又は任命は、建設大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員の任期)
第十五条 理事長、副理事長及び理事の任期は、三年とし、監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十六条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて協会と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 前項の規定は、同項第一号に掲げる事業者たる法人又は同項第二号に掲げる団体が第五条各号に掲げる者に該当するものである場合においては、適用しない。
(役員の解任)
第十七条 評議員会又は理事長は、それぞれその選任又は任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 評議員会は、理事長若しくは監事が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は理事長若しくは監事に職務上の義務違反その他理事長若しくは監事たるに適しない非行があると認めるときは、これを解任することができる。
3 理事長は、副理事長若しくは理事が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は副理事長若しくは理事に職務上の義務違反その他副理事長若しくは理事たるに適しない非行があると認めるときは、評議員会の同意を得て、これを解任することができる。
4 第十四条第三項の規定は、前二項の規定による役員の解任について準用する。
(代表権の制限)
第十八条 協会と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、理事長又は副理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が協会を代表する。
(代理人の選任)
第十九条 理事長及び副理事長は、理事又は協会の職員のうちから、協会の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(評議員会)
第二十条 協会に、評議員会を置く。
2 評議員会は、評議員四十人以内で組織する。
3 評議員は、出資者が推薦する者及び建設大臣が推薦する協会の業務に関し学識経験を有する者のうちから、理事長が委嘱する。ただし、出資者が推薦する者のうちから委嘱する評議員の数は、評議員の総数の三分の二以上を占めることとなつてはならない。
4 評議員の任期は、二年とする。
5 第十五条第一項ただし書及び第二項の規定は、評議員について準用する。
(評議員会の権限)
第二十一条 次の事項は、評議員会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 業務方法書の作成及び変更
三 事業計画及び資金計画の作成及び変更
四 その他定款で定める事項
2 評議員会は、前項に規定するもののほか、理事長の諮問に応じ、協会の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。
(職員の任命)
第二十二条 協会の職員は、理事長が任命する。
第三章 業務
(業務)
第二十三条 協会は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。
一 勤労者のための住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
二 勤労者のための住宅の用に供する宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
三 勤労者のための住宅の用に供する宅地の造成とあわせて学校、病院、商店等の用に供する宅地の造成を行なうことが適当である場合において、それらの用に供する宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
四 協会が賃貸し、又は譲渡する住宅及び協会が賃貸し、又は譲渡する宅地に建設される住宅の居住者の利便に供する施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行なうこと。
六 前各号に掲げる業務の遂行に支障のない範囲内で、委託により、住宅の建設及び賃貸その他の管理、宅地の造成及び賃貸その他の管理並びに集団住宅の存する団地の居住者の利便に供する施設の建設及び賃貸その他の管理を行なうこと。
第二十四条 協会は、住宅の建設又は宅地の造成に関する業務を行なうには、勤労者が健康で文化的な生活を営むに足りる良好な環境の住宅又は宅地が確保されるように努め、住宅又は宅地の賃貸その他の管理及び譲渡に関する業務を行なうには、住宅を必要とする勤労者の適正な利用が確保され、かつ、賃貸料又は譲渡価格が適正なものとなるように努めなければならない。
(住宅の建設等の基準)
第二十五条 協会は、住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡、宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡並びに第二十三条第四号の施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうときは、他の法令により特に定められた基準がある場合においてその基準に従うほか、建設省令で定める基準に従つて行なわなければならない。
(業務の委託)
第二十六条 協会は、政令で定めるところにより、その業務の一部を消費生活協同組合等の勤労者のための福利共済活動を行なうことを目的とする団体で政令で定めるものに委託することができる。
2 前項の政令で定める者は、他の法律の規定にかかわらず、同項の規定による委託を受けて、当該業務を行なうことができる。
(業務方法書)
第二十七条 協会は、業務の開始の際、業務方法書を作成し、建設大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、建設省令で定める。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十八条 協定の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画及び資金計画)
第二十九条 協会は、毎事業年度、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、建設大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表及び業務報告書)
第三十条 協会は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、建設大臣に提出しなければならない。
2 協会は、前項の規定により財務諸表を提出するときは、これに、建設省令で定める事項を記載した当該事業年度の業務報告書を添附し、並びに財務諸表及び業務報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
(利益及び損失の処理)
第三十一条 協会は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 協会は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(余裕金の運用)
第三十二条 協会は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債、地方債その他建設大臣の指定する有価証券の取得
二 建設大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
(建設省令への委任)
第三十三条 この法律に規定するもののほか、協会の財務及び会計に関し必要な事項は、建設省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十四条 協会は、建設大臣が監督する。
2 建設大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十五条 建設大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会若しくは第二十六条第一項の規定による委託を受けた者(以下「受託者」という。)に対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に協会若しくは受託者の事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六章 雑則
(出資者原簿)
第三十六条 協会は、出資者原簿を備えて置かなければならない。
2 出資者原簿には、各出資者について次の事項を記載しなければならない。
一 名称及び住所
二 出資の引受け及び払込みの年月日
三 出資額
3 出資者は、出資者原簿の閲覧を求めることができる。
(解散)
第三十七条 協会は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額に応じて分配しなければならない。
2 前項の規定により各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。
3 前二項に規定するもののほか、協会の解散については、別に法律で定める。
(住宅金融公庫等の融資)
第三十八条 住宅金融公庫及び年金福祉事業団は、法令及びその事業計画の範囲内において、協会による住宅及び住宅の用に供する宅地の供給が円滑に行なわれるよう、必要な資金の貸付けについて配慮しなければならない。
(労働金庫等の業務の特例)
第三十九条 労働金庫及び労働金庫連合会は、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第五十八条に規定する業務のほか、協会に対する資金の貸付けの業務を行なうことができる。この場合において、同法第百一条第一号中「この法律の規定」とあるのは、「この法律の規定及び日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)第三十九条前段の規定」とする。
(宅地建物取引業法の適用の特例)
第四十条 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第三条から第六条まで及び第十二条並びに第二十条中免許の取消しに係る部分の規定は、協会には、適用しない。
2 協会については、前項に掲げる規定を除き、宅地建物取引業法第三条第一項の建設大臣の免許を受けた同法第二条第三号に規定する宅地建物取引業者とみなして同法の規定を適用する。
(協議)
第四十一条 建設大臣は、第二十九条の認可をしようとするときは、あらかじめ厚生大臣及び労働大臣に協議しなければならない。
第七章 罰則
(罰則)
第四十二条 第三十五条第一項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした協会の役員若しくは職員又は受託者の役員若しくは職員は、三万円以下の罰金に処する。
第四十三条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした協会の役員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により建設大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。
二 第九条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第二十三条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。
四 第三十条の規定に違反して、財務諸表又は業務報告書を提出することを怠り、又はそれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしてこれを提出したとき。
五 第三十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
六 第三十四条第二項の規定による命令に違反したとき。
七 第三十六条第一項の規定に違反して出資者原簿を備えて置かず、同条第二項の規定に違反して出資者原簿に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに出資者原簿の閲覧を拒んだとき。
第四十四条 第十条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(協会の設立)
第二条 建設大臣は、設立委員を命じて、協会の設立に関する事務を処理させる。
第三条 設立委員は、協会の理事長又は監事となるべき者を指名し、建設大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の理事長又は監事となるべき者は、協会の成立の時において、この法律の規定によりそれぞれ理事長又は監事に選任されたものとみなす。
第四条 設立委員は、定款を作成して、建設大臣の認可を受けなければならない。
2 設立委員は、前項の認可を受けたときは、第五条各号に掲げる者に対し、協会に対する出資を募集しなければならない。
3 設立委員は、前項の募集が終わつたときは、建設大臣に対し、設立の認可を申請しなければならない。
4 設立委員は、前項の認可を受けたときは、出資の募集に応じた者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
5 設立委員は、出資金の払込みがあつた日において、その事務を前条第一項の理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第五条 附則第三条第一項の理事長となるべき者は、前条第五項の事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第六条 協会は、前条の規定による設立の登記をすることによつて成立する。
(成立当初の出資の総額)
第七条 協会の成立当初における出資の総額は、五千万円を下るものであつてはならない。
(財団法人日本労働者住宅協会からの引継ぎ)
第八条 昭和三十三年六月九日に設立された財団法人日本労働者住宅協会(以下「財団法人日本労働者住宅協会」という。)は、寄附行為で定めるところにより、設立委員に対して、協会においてその一切の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることができる。
2 設立委員は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、建設大臣の認可を申請しなければならない。
3 前項の認可があつたときは、財団法人日本労働者住宅協会の一切の権利及び義務は、協会の成立の時において協会に承継されるものとし、財団法人日本労働者住宅協会は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算について定める規定は、適用しない。
4 前項の規定により財団法人日本労働者住宅協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第九条 財団法人日本労働者住宅協会の一切の権利及び義務が前条第三項の規定により協会に承継された場合において、当該承継に伴い、協会が受ける権利の取得の登記又は登録及び協会が債務を承継したことによる担保権の変更の登記又は登録については、登録税を課さない。
第十条 都道府県は、協会が附則第八条第三項の規定により財団法人日本労働者住宅協会から不動産を取得した場合においては、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
(経過規定)
第十一条 この法律の施行の際現に日本勤労者住宅協会という名称を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその名称を変更しなければならない。
2 第十条の規定は、前項に規定する期間内は、同項に規定する者には、適用しない。
第十二条 附則第三条第二項の規定により理事長又は監事に選任されたものとみなされた理事長又は監事の任期は、第十五条第一項の規定にかかわらず、理事長にあつては一年六月とし、監事にあつては一年とする。
第十三条 協会の最初の事業年度は、第二十八条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十二年三月三十一日に終わるものとする。
第十四条 協会の最初の事業年度の事業計画及び資金計画については、第二十九条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「協会の成立後遅滞なく」とする。
(登録税法の一部改正)
第十五条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「地方住宅供給公社」の下に「、日本勤労者住宅協会」を、「地方住宅供給公社法」の下に「、日本勤労者住宅協会法」を加え、同条第十一号ノ四中「地方公共団体」の下に「、日本勤労者住宅協会」を加える。
(印紙税法の一部改正)
第十六条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ三ノ七の次に次の一号を加える。
六ノ三ノ八 日本勤労者住宅協会ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の一部改正)
第十七条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中日本学校給食会の項の次に次のように加える。
日本勤労者住宅協会
日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)
(法人税法の一部改正)
第十八条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表中日本学校給食会の項の次に次のように加える。
日本勤労者住宅協会
日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)
(地方税法の一部改正)
第十九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「及び農業機械化研究所」を「、農業機械化研究所及び日本勤労者住宅協会」に改める。
(建設省設置法の一部改正)
第二十条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十三号の六の次に次の一号を加える。
二十三の七 日本勤労者住宅協会の業務の監督その他日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)の施行に関する事務を管理すること。
第四条第三項中「新住宅市街地開発事業に係るものに関するもの」の下に「、同条第二十三号の七に規定する事務のうち日本勤労者住宅協会の業務で宅地の造成、管理及び処分に係るものに関するもの」を加え、同条第七項中「第二十三号の五及び第二十三号の六」を「第二十三号の五から第二十三号の七まで」に改める。
第四条の二第二項中「並びに同条第二十三号の六」を「、同条第二十三号の六」に改め、「新住宅市街地開発事業に係るものに関するもの」の下に「並びに同条第二十三号の七に規定する事務のうち日本勤労者住宅協会の業務で宅地の造成、管理及び処分に係るものに関するもの」を加える。
法務大臣 石井光次郎
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 鈴木善幸
労働大臣 小平久雄
建設大臣 瀬戸山三男
自治大臣 永山忠則
内閣総理大臣 佐藤栄作