(目的)
第一条 この法律は、首都圏の建設とその秩序ある発展に寄与するため、市街地開発区域内における宅地の造成その他市街地開発区域の整備に関し必要な事項を定め、市街地開発区域を工業都市又は住居都市として発展させることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「市街地開発区域」とは、首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号。以下「法」という。)第二十四条第一項の規定により指定された区域をいう。
(市街地開発区域の都市計画)
第三条 建設大臣は、都市計画法(大正八年法律第三十六号)第二条第二項の規定により市街地開発区域により都市計画区域を決定しようとするときは、同項の規定にかかわらず、関係市町村の意見をきくことを要しない。
2 建設大臣は、法第二十二条第三項の規定により市街地開発区域の整備に関する事項についての整備計画(法第二十一条第三項の整備計画をいう。以下同じ。)の送付を受けたときは、すみやかに当該整備計画に従つて都市計画法の規定による都市計画を決定するように努めるものとする。
(国の援助)
第四条 国は、事業計画(法第二十一条第四項の事業計画をいう。以下同じ。)に基いて市街地開発区域の整備のための土地区画整理事業、工業用水道の布設その他の事業を実施する地方公共団体に対し、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。
(宅地の造成等についての配慮)
第五条 地方公共団体又は日本住宅公団が事業計画に基いて市街地開発区域内において一団地の宅地を造成する場合においては、関係行政機関の長は、その宅地の造成が円滑に遂行されるように配慮するものとする。
第六条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)に基く財政再建団体である地方公共団体(以下この条において「財政再建団体」という。)が事業計画に基いて市街地開発区域の整備のための事業を実施するために財政再建計画に変更を加えようとする場合においては、自治庁長官は、その財政の再建が合理的に達成できると認める限り、同法第三条第四項において準用する同条第一項の規定による当該財政再建計画の変更の承認に当つて、これらの事業の実施が確保されるように配慮するものとする。
2 前項の規定は、事業計画に基いて市街地開発区域の整備のための事業を実施する地方公共団体で財政再建団体以外のものが地方財政再建促進特別措置法第二十二条第二項の規定により財政の再建を行う場合においては、当該地方公共団体について準用する。
(国有財産の売払代金等の特約)
第七条 各省各庁の長(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下この条において同じ。)は、工業都市として発展させることを適当とする市街地開発区域内において政令で定める製造業(物品の加工修理業を含む。)又は電気供給業若しくはガス供給業を営む者に対し、その事業に必要な工場又は政令で定めるその他の施設の用に供するため普通財産である国有財産を譲渡する場合において、当該市街地開発区域の整備に関する事項についての整備計画に照らして適当であると認められるときは、その売払代金又は交換差金について、確実な担保を徴し、かつ、利息を附して、十年以内の延納の特約をすることができる。
2 各省各庁の長は、前項の規定により延納の特約をしようとするときは、延納期限、担保及び利率について、大蔵大臣に協議しなければならない。
3 各省各庁の長は、第一項の規定により延納の特約をした場合において、当該財産の譲渡を受けた者のする管理が適当でないと認めるときは、ただちにその特約を解除しなければならない。
(鉄道又は軌道の敷設等のための資金のあつせん)
第八条 首都圏整備委員会は、一般公衆の利用に供する鉄道又は軌道で市街地開発区域を育成発展させるため必要であると認められるものを敷設する者に対し、必要な資金のあつせんに努めるものとする。
2 首都圏整備委員会は、市街地開発区域内における工場その他の施設の新設又は増設で当該市街地開発区域の整備に関する事項についての整備計画に照らして適当であると認められるものをする者に対し、必要な資金のあつせんに努めるものとする。