(建設大臣への事件の送致)
第三十八条の二 収用委員会が第二十条第四項に規定する期間内に裁決をしない場合において、起業者から行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第七条の規定による異議申立てがあつたときは、収用委員会は、同法第五十条第二項の規定にかかわらず、土地収用法第四十一条の規定による申請に係る事件を建設大臣に送らなければならない。
2 前項の規定は、収用委員会が異議申立てがあつた日から一月以内において裁決を行なうべき期日を定め、これを起業者に通知した場合においては、収用委員会において当該事件について引き続き審理し、裁決をすることを妨げるものではない。
3 収用委員会は、第一項の規定により事件を建設大臣に送るときは、建設省令で定める書類を建設大臣に送付しなければならない。
4 収用委員会は、第一項の規定により事件を建設大臣に送つたときは、起業者、土地所有者及び関係人にその旨を通知するとともに、建設省令で定めるところにより公告しなければならない。
(裁決の代行)
第三十八条の三 建設大臣は、前条第一項の規定により事件が送られたときは、収用委員会に代わつて、みずから当該事件に係る裁決を行なうものとする。
2 前項の規定により建設大臣が裁決を行なう場合においては、公共用地審議会の議を経なければならない。
(代行裁決の審理手続等)
第三十八条の四 建設大臣は、前条第一項の規定により行なう裁決(以下「代行裁決」という。)の審理又は調査に関する事務の一部をその指名する職員(以下「指名職員」という。)に行なわせることができる。
2 土地収用法第六十二条から第六十五条までの規定並びに同法第六十五条の規定に係る同法第百四十一条及び第百四十四条から第百四十六条までの規定は、代行裁決の審理又は調査について準用する。この場合において、同法第六十二条から第六十五条までの規定中「収用委員会」とあるのは「建設大臣」と、同法第六十四条中「会長又は指名委員」とあるのは「建設大臣又は指名職員」と、同法第六十五条第三項中「第六十条の二」とあるのは「公共用地の取得に関する特別措置法第三十八条の四第一項」と読み替えるものとする。
3 代行裁決は、文書によつて行なう。裁決書には、その理由及び成立の日を附記しなければならない。
4 裁決書の正本は、これを起業者、土地所有者及び関係人に送達しなければならない。
(収用委員会への事件の送致等)
第三十八条の五 建設大臣は、第三十八条の三第一項の規定により緊急裁決をしたときは、当該事件を収用委員会に送らなければならない。
2 建設大臣は、前項の規定により事件を収用委員会に送るときは、建設省令で定める書類を収用委員会に送付しなければならない。
3 第三十八条の二第四項の規定は、第一項の規定により建設大臣が事件を収用委員会に送つた場合に準用する。
4 建設大臣は、代行裁決をしたときは、第一項に規定する場合を除き、その裁決に係る事項を収用委員会に通知しなければならない。
(規定の読替之適用等)
第三十八条の六 建設大臣が代行裁決を行なう場合における第二十一条、第二十三条から第二十六条まで及び第二十九条の規定並びに土地収用法第六章第一節、第九十五条及び第百条の規定の適用については、これらの規定中「収用委員会」とあるのは、「建設大臣」とする。
2 建設大臣が代行裁決を行なう場合においては、起業者、土地所有者又は関係人がこの法律又は土地収用法の規定により当該事件に関して収用委員会に対してした手続その他の行為は、建設大臣に対してしたものとみなす。
3 前条第一項の規定により送られた事件につき、収用委員会が第三十条の規定により補償裁決を行なう場合においては、起業者、土地所有者又は関係人がこの法律又は土地収用法の規定により当該事件に関して建設大臣に対してした手続その他の行為は、収用委員会に対してしたものとみなす。