第七條 車馬又は軌道車の操縱者は、無謀な操縱をしてはならない。
前項において無謀な操縱とは、左の各号の一に該当する行爲をいう。
一 構造及び裝置における重大な故障その他の事由により安全に操縱できない車馬を操縱すること。
二 法令に定められた運轉の資格を持たないで諸車又は軌道車を運轉すること。
三 前号の外、酒に醉いその他正常な運轉ができない虞があるにかかわらず、諸車又は軌道車を運轉すること。
四 たずな、ハンドルその他の裝置による安全な操縱に必要な操作を怠つて車馬又は軌道車を操縱すること。
五 法令に定められた最高速度の制限を超え又は他の交通に対し不当に迷惑を及ぼすような方法で、諸車又は軌道車を運轉すること。
警察官吏は、前項第一号乃至第三号に該当する行爲のあつた場合において、危險防止のため特に必要があると認めるときは、一時その車馬又は軌道車の操縱を停止することができる。
第八條 車馬又は軌道車の操縱者は、法令に定められた速度の範囲内で、道路、交通及び積載の状況に應じ公衆に危害を及ぼさないような速度と方法で、操縱しなければならない。
前項の外、車馬の操縱者の操縱上遵守すべき事項については、命令でこれを定める。
第九條 自動車は、都道府縣知事の運轉免許を受け、且つ、運轉免許証を携帶している者でなければ、これを運轉してはならない。
都道府縣知事は、定期又は臨時に運轉免許証についての檢査を行うことができる。
都道府縣知事は、運轉免許を受けた者が不具廃疾者となり、又は故意過失により交通事故を起したときその他特別の事由の生じたときは、運轉免許を取り消し若しくは停止し、又は必要な処分をすることができる。
第一項の規定による運轉免許及び前項の規定による運轉免許の取消又は停止の効力は、全都道府縣に及ぶ。
運轉免許を受けた者は、重ねて同種の運轉免許を受けることができない。
第一項の規定による運轉免許に関して必要な事項は、命令でこれを定める。
都道府縣知事は、道路、区域又は時間を限り、前項の規定による命令に定める最高速度の範囲内で、最高速度の制限を定めることができる。
都道府縣知事は、消防自動車、救急自動車その他主務大臣の定める自動車(以下緊急自動車という。)について、第一項の規定による命令の定める最高速度を超えて、最高速度の制限を定めることができる。
都道府縣知事は、自動車道で運轉する自動車について、第一項乃至前項の規定にかかわらず、最高速度の制限を定めることができる。
第十一條 道路を通行する車馬には、命令の定めるところにより、燈火をつけなければならない。
第十二條 車馬は、他の交通を妨害する虞のある場合においては、併進し又は後退し若しくは轉回してはならない。
第十三條 道路における車馬の追從又は追越について必要な事項は、命令でこれを定める。
第十四條 車馬は、左折しようとするときは、道路の左側によつて徐行しなければならない。
車馬は、右折しようとするときは、交さ点の中心の外側を回つて徐行しなければならない。
第十五條 車馬は、鉄道又は軌道の踏切を通過しようとするときは、安全かどうかを確認するため、一時停車しなければならない。但し、信号機の表示、警察官又は信号人の指示その他の事由により安全であることを確認したときは、この限りでない。
第十六條 車馬及び軌道車相互の間の通行についての順位は、左の各号の順序とする。
車馬又は軌道車は、前項に定める先順位の自動車又は軌道車に進路を讓らなければならない。
緊急自動車の塗色、警音器、燈火等について必要な事項は、命令でこれを定める。
第十七條 順位の同じ車馬又は軌道車が、交通整理の行われていない交さ点に異なつた方向から同時に入ろうとする場合においては、右方のものは、左方のものに進路を讓らなければならない。
第十八條 車馬又は軌道車は、狹い道路から廣い道路に入ろうとするときは、前二條の規定にかかわらず、一時停車するか又は徐行して、廣い道路に在る車馬又は軌道車に進路を讓らなければならない。
前項の規定は、緊急自動車については、これを適用しない。
第十九條 交さ点の附近において、緊急自動車が接近して來たときは、軌道車は、交さ点を避けて一時停車し、又、車馬(緊急自動車を除く。)は、交さ点を避け左側によつて一時停車し、これに進路を讓らなければならない。
緊急自動車は、停止の表示のある交さ点においても、特に緊急を要する場合に限り、交通の安全に注意して徐行して通過することができる。
第二十條 車馬又は軌道車の徐行すべき場合について必要な事項は、命令でこれを定める。
第二十一條 停車又は駐車を禁止する場所その他停車又は駐車の方法について必要な事項は、命令でこれを定める。
都道府縣知事は、駐車の時間又は場所について必要な制限を定めることができる。
第二十二條 車馬の操縱者は、発進、左折、右折、徐行、停止若しくは後退をしようとするとき、又は後方の車馬に追い越させようとするときは、手、方向指示器その他の方法で合図をしなければならない。
前項の合図について必要な事項は、命令でこれを定める。
第二十三條 諸車の乘車、積載又はけん引の制限について必要な事項は、命令でこれを定める。
警察官吏は、諸車の乘車、積載又はけん引について危險防止のため特に必要があると認めるときは、一時その運轉を停止することができる。