第一條 医師以外の者で、あん摩(マツサージを含む。以下同じ。)、はり、きゆう又は柔道整復を業としようとする者は、夫々あん摩師免許、はり師免許、きゆう師免許又は柔道整復師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
第二條 免許は、公に認定された学校又は養成施設を卒業した者であつて、都道府縣知事の行う試驗に合格した者に対して、都道府縣知事が、これを與える。
前項の学校又は養成施設に入学し、又は入所することができる者は、学校教育法第四十七條に規定する者とする。
第一項の学校又は養成施設における教科目中には、解剖学、生理学、病理学及び衞生学を含むものとし、その修業年数は、あん摩については、二年以上、はり、きゆう及び柔道整復については、四年以上とする。
第三條 左の各号の一に該当する者に対しては、免許を與えない。
二 傳染性の疾病にかかつている者であつて、第一條に規定する業務を行うに適しない者
三 第一條に規定する業務に関し犯罪又は不正の行爲があつた者であつて、第一條に規定する業務を行うに適しない者
四 素行が著しく不良である者であつて、第一條に規定する業務を行うに適しない者
第四條 あん摩師、はり師、きゆう師又は柔道整復師(以下施術者という。)は、外科手術を行い、又は藥品を投與し、若しくはその指示をする等の行爲をしてはならない。
第五條 あん摩師及び柔道整復師は、医師の同意を得た場合の外、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。但し、柔道整復師が、應急の手当をする場合は、この限りでない。
第六條 はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。
第七條 あん摩業、はり業、きゆう業又は柔道整復業に関しては、何人も、その技能、施術方法又は経歴に関する廣告をしてはならない。
第八條 都道府縣知事は、衞生上害を生ずる虞があると認めるときは、施術者に対し、その業務に関して必要な指示をすることができる。
医師の團体は、前項の指示に関して、都道府縣知事に、意見を述べることができる。
第九條 施術者が、第三條各号の一に掲げる者に該当するときは、都道府縣知事は期間を定めてその業務を停止し、又はその免許を取り消す。
第十條 都道府縣知事は、施術者から必要な報告を提出させ、又は当該吏員にその施術所に臨檢し、その清潔保持若しくは規格に関して檢査をさせることができる。
前項の規定によつて臨檢檢査をする当該吏員は、その身分を示す証票を携帶しなければならない。
第十一條 この法律に規定するものの外、免許、試驗科目、受驗手続その他試驗に関する事項及び施術所の清潔保持又は規格に関して必要な事項は、省令でこれを定める。
都道府縣知事は、施術所が前項の規定に基く省令に違反し、又は衞生上有害であると認めるときは、その全部若しくは一部の使用を制限し、若しくは禁止し、又は修繕若しくは改造を命ずることができる。
第十二條 何人も、第一條に掲げるものを除く外、医業類似行爲を業としてはならない。
第十三條 厚生大臣又は都道府縣知事の諮問に應じて、第二條第一項に規定する学校若しくは養成施設の認定及び試驗、第八條第一項に規定する指示又は第十一條第二項に規定する処分に関する重要事項を調査審議させるために、厚生省及び都道府縣に、施術者、医師及び学識経驗のある者の中から命ぜられた者で組織されるあん摩、はり、きゆう、柔道整復営業諮問委員会を置く。
委員会は、厚生大臣又は都道府縣知事に協力しなければならない。
委員会は、会長一人及び委員十二人以内でこれを組織し、会長及び委員は、厚生大臣又は都道府縣知事によつて命ぜられ、且つ、無報酬とする。
前三項に定めるものの外、委員会に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
第十四條 左の各号の一に該当する者は、これを五千円以下の罰金に処する。
一 第一條の規定に違反して、あん摩、はり、きゆう又は柔道整復を業とした者
二 第五條乃至第七條若しくは第十二條の規定又は第八條第一項の規定による指示に違反した者
三 第九條の規定による業務停止中の施術者であつて、その業務をした者
四 第十條第一項の規定による報告を怠り、若しくは虚爲の報告をし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
五 第十一條第一項の規定に基いて発せられた免許若しくは施術所の清潔保持若しくは規格に関する省令又は同條第二項の規定による処分に違反した者