運輸通信省官制
法令番号: 勅令第八百二十九號
公布年月日: 昭和18年11月1日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ運輸通信省官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月一日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
海軍大臣 嶋田繁太郞
鐵道大臣兼遞信大臣 八田嘉明
勅令第八百二十九號
運輸通信省官制
第一條 運輸通信大臣ハ陸運(自動車製造事業ヲ除ク)、水運、港灣、倉庫營業、航空(航空機製造事業ヲ除ク)及氣象ニ關スル事務ヲ管理ス
運輸通信大臣ハ通信院ヲ管理ス
第二條 大臣官房ニ於テハ通則ニ揭グルモノノ外所管行政ノ考査一般、所管防衞業務ノ總括及氣象(海運總局ノ主管ニ屬スルモノヲ除ク)ニ關スル事務ヲ掌ル
第三條 運輸通信省ニ左ノ二總局及四局ヲ置ク
企畫局
鐵道總局
海運總局
自動車局
港灣局
航空局
鐵道總局ニ長官官房竝ニ總務局、業務局、施設局及資材局ヲ置ク
海運總局ニ長官官房竝ニ總務局、海運局、船舶局及船員局ヲ置ク
自動車局ニ運輸通信大臣ノ定ムル所ニ依リ部又ハ部及課ヲ置クコトヲ得
航空局ニ監理部及乘員部ヲ置ク其ノ分掌事務ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第四條 企畫局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 運輸ニ關スル綜合計畫ノ設定其ノ他重要政策ノ綜合調整ニ關スル事項
二 內地ニ於ケル運輸ト內地以外ノ地域ニ於ケル運輸トノ連絡ニ關スル事項
第五條 鐵道總局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 國有鐵道及其ノ附帶事業ニ關スル事項
二 國有鐵道ニ關聯スル國營船舶ノ業務ニ關スル事項
三 地方鐵道、專用鐵道及軌道ニ關スル事項
四 國有鐵道其ノ他ノ陸運及國有鐵道ニ關聯スル國營船舶ノ要員ニ關スル事項
五 帝國鐵道會計ノ經費及諸收入ノ豫算、決算竝ニ會計及其ノ監査ニ關スル事項
六 帝國鐵道會計ノ國有財產及物品竝ニ所要電力ニ關スル事項
七 鐵道及軌道ノ用ニ供スル車輛其ノ他ノ機械器具ニ關スル事項
八 倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ關スル事項
第六條 海運總局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路標識其ノ他ノ水運ニ關スル事項
二 港灣ノ運營ニ關スル事項
三 航路標識附屬ノ設備ニ依ル氣象觀測ニ關スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫營業ニ關スル事項
第七條 自動車局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 國有鐵道ニ關聯スル國營自動車及其ノ附帶事業ニ關スル事項
二 自動車交通事業、小運送業其ノ他ノ陸運(鐵道及軌道ヲ除ク)ノ事業ニ關スル事項
三 自動車其ノ他ノ陸運(鐵道及軌道ヲ除ク)ノ用ニ供スル機械器具ニ關スル事項
第八條 港灣局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 港灣ノ建設、保存及管理ニ關スル事項
二 港灣內ノ公有水面ニ關スル事項
第九條 航空局ニ於テハ航空ニ關スル事務ヲ掌ル
第十條 運輸通信省ニ海運總局參與十五人以內ヲ置キ海運總局ノ局務ニ參與セシム
海運總局參與ハ運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ關係各廳勅任官及學識經驗アル者ノ中ヨリ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
學識經驗アル者ノ中ヨリ命ゼラレタル海運總局參與ノ任期ハ二年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
海運總局參與ハ勅任官ノ待遇トス但シ本官ヲ有スル者ニ付テハ本官ノ受クル待遇ニ依ル
第十一條 運輸通信省ニ航空ニ關スル特別ノ事項ヲ調査セシムル爲航空局委員ヲ置クコトヲ得
航空局委員ハ運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ關係各廳高等官及學識經驗アル者ノ中ヨリ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
航空局委員ハ當該特別ノ事項ニ關スル調査終了シタルトキハ退任ス
第十二條 運輸通信大臣ハ施設ノ建設、改良又ハ保存ニ關スル事務ヲ取扱ハシムル爲必要アリト認ムルトキハ地方官署ヲ置クコトヲ得
第十三條 海運總局ニ橫濱出張所ヲ置キ航路標識用品ノ試驗、製造、修繕、調達及配給ニ關スル事項ヲ掌ラシム
橫濱出張所長ハ理事官又ハ技師ヲ以テ之ニ充ツ
第十四條 航空局ニ航空試驗所ヲ置キ航空機、航空機用器材及航空用設備ノ檢査及試驗ニ關スル事務ヲ掌ラシム
運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ航空試驗所ノ出張所ヲ設ケ航空試驗所ノ事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ航空局ノ支局ヲ置キ航空機ノ運航ノ監督、航空保安施設ノ運用及飛行場ニ關スル事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
航空試驗所長、航空試驗所出張所長及航空局支局長ハ航空官ヲ以テ之ニ充ツ
第十五條 地方ニ左ノ九鐵道局ヲ置ク
東京鐵道局
名古屋鐵道局
大阪鐵道局
廣島鐵道局
門司鐵道局
新潟鐵道局
仙臺鐵道局
札幌鐵道局
樺太鐵道局
鐵道局ノ位置及管轄區域ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第十六條 鐵道局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 國有鐵道ノ現業事務、國有鐵道ニ關聯スル國營自動車及國營船舶ノ現業事務竝ニ其ノ附帶事業ノ現業事務ニ關スル事項
二 運輸通信大臣ノ指定スル施設ノ建設又ハ改良ニ關スル事項
三 地方鐵道、軌道、自動車交通事業、小運送業其ノ他ノ陸運ノ業務ノ監督ニ關スル事項
四 倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ノ監督ニ關スル事項
第十七條 運輸通信大臣ハ鐵道局ノ事務ヲ取扱ハシムル爲地方官署ヲ置クコトヲ得
第十八條 運輸通信省ニ鐵道監專任二十六人ヲ置ク
鐵道監ハ勅任トス上官ノ命ヲ承ケ陸運、國有鐵道ニ關聯スル國營船舶及倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ關スル廳務ヲ掌理ス
第十九條 鐵道總局ノ各局長、自動車局長及自動車局ノ各部長ハ鐵道監ノ中ヨリ之ヲ補ス
第二十條 各鐵道局ニ局長一人ヲ置キ鐵道監(樺太鐵道局ニ在リテハ鐵道官)ノ中ヨリ之ヲ補ス運輸通信大臣ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス
第二十一條 運輸通信省ニ航空局監理部長及航空局乘員部長ヲ置ク
各部長ハ勅任トス
第二十二條 運輸通信書記官ハ專任二十一人ヲ以テ定員トス
第二十三條 運輸通信省ニ事務官專任十七人及理事官專任六人ヲ置ク
事務官及理事官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第二十四條 運輸通信省ニ鐵道官專任千九十九人ヲ置ク
鐵道官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ陸運、國有鐵道ニ關聯スル國營船舶及倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ關スル廳務ヲ掌ル
鐵道官ニシテ文官任用令第五條ノ規定ニ依リ任用スル者以外ノモノノ員數ハ鐵道官ノ定員ノ十分ノ九ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二十五條 運輸通信省ニ海務官專任五人ヲ置ク
海務官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ海運、造船又ハ船員ノ敎育、養成若ハ勞務管理ニ關スル事務ヲ掌ル
第二十六條 運輸通信省ニ航空官專任三十八人ヲ置ク
航空官ハ奏任トス但シ內一人ヲ勅任ト爲スコトヲ得
航空官ハ上官ノ命ヲ承ケ航空ニ關スル技術又ハ事務ヲ掌ル
第二十七條 運輸通信省ニ調査官專任二人ヲ置ク
調査官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ調査ヲ掌ル
第二十八條 運輸通信省ニ技師專任十三人ヲ置ク
技師ハ奏任トス但シ內一人ヲ勅任ト爲スコトヲ得
技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第二十九條 運輸通信省ニ標識技師專任三人ヲ置ク
標識技師ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ航路標識ノ保守及運用竝ニ航路標識附屬ノ設備ニ依ル氣象觀測ヲ掌ル
第三十條 運輸通信屬ハ專任二百二十九人ヲ以テ定員トス
第三十一條 運輸通信省ニ鐵道官補專任四萬二千二百三十九人ヲ置ク
鐵道官補ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ陸運、國有鐵道ニ關聯スル國營船舶及倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ關スル廳務ニ從事ス
第三十二條 運輸通信省ニ技手專任百六人ヲ置ク
技手ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第三十三條 運輸通信省ニ標識技手專任五百人ヲ置ク
標識技手ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ航路標識ノ保守及運用竝ニ航路標識附屬ノ設備ニ依ル氣象觀測ニ從事ス
第一項ニ規定スルモノノ外運輸通信大臣必要アリト認ムルトキハ標識技手俸給豫算定額內ニ於テ豫備員トシテ標識技手二十人以內ヲ置クコトヲ得
前項ノ標識技手ハ海運總局ノ事務ニ臨時從事セシムルコトヲ得
第三十四條 運輸通信省ニ鐵道手ヲ置ク其ノ定員ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
鐵道手ハ判任官ノ待遇トス上官ノ指揮ヲ承ケ陸運、國有鐵道ニ關聯スル國營船舶及倉庫營業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ關スル廳務ニ從事ス
第三十五條 第十八條乃至前條ノ職員ノ外海運總局又ハ航空局ノ事務ヲ掌ラシムル爲運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ關係各廳高等官ノ中ヨリ內閣ニ於テ海運總局事務官又ハ航空局事務官ヲ命ズルコトヲ得
第三十六條 航路標識ノ種別、名稱及位置ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第三十七條 海運總局長官ハ船員ノ敎育及養成ニシテ海軍豫備員候補者トシテ必要ナル事項竝ニ船舶保護法ノ施行ニ關スル事項ニ關シテハ海軍大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第三十八條 航空局長ハ航空機職員及航空ニ伴フ施設ニ關スル事項中軍事ニ關係アルモノニ關シテハ陸軍大臣及海軍大臣ノ指揮監督ヲモ承ク
第三十九條 運輸通信大臣ハ航空ニ關スル事務ニ關シ必要ニ應ジ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ對シ其ノ管理ニ屬スル人馬、艦船、航空機、器材等ノ使用ヲ請求スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
遞信省官制、海務院官制、航空局官制及鐵道省官制ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ海務院、航空局又ハ鐵道省ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ鐵道監ハ鐵道監ニ、海務院書記官及航空局書記官ハ運輸通信書記官ニ、鐵道官ハ鐵道官ニ、海務院海務官ハ運輸通信省海務官ニ、航空局航空官ハ運輸通信省航空官ニ、海務院事務官及航空局事務官ハ運輸通信理事官ニ、海務院技師及航空局技師ハ運輸通信技師ニ、海務院標識技師ハ運輸通信省標識技師ニ、海務院屬及航空局屬ハ運輸通信屬ニ、鐵道官補ハ鐵道官補ニ、海務院技手及航空局技手ハ運輸通信技手ニ、海務院標識技手ハ運輸通信省標識技手ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ鐵道省鐵道手タル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ運輸通信省鐵道手ニ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ海務院、航空局又ハ鐵道省ノ職員ニシテ休職中ノモノ別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ休職ノ儘第三項ノ例ニ依リ運輸通信省職員ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ運輸通信省官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月一日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
海軍大臣 嶋田繁太郎
鉄道大臣兼逓信大臣 八田嘉明
勅令第八百二十九号
運輸通信省官制
第一条 運輸通信大臣ハ陸運(自動車製造事業ヲ除ク)、水運、港湾、倉庫営業、航空(航空機製造事業ヲ除ク)及気象ニ関スル事務ヲ管理ス
運輸通信大臣ハ通信院ヲ管理ス
第二条 大臣官房ニ於テハ通則ニ掲グルモノノ外所管行政ノ考査一般、所管防衛業務ノ総括及気象(海運総局ノ主管ニ属スルモノヲ除ク)ニ関スル事務ヲ掌ル
第三条 運輸通信省ニ左ノ二総局及四局ヲ置ク
企画局
鉄道総局
海運総局
自動車局
港湾局
航空局
鉄道総局ニ長官官房並ニ総務局、業務局、施設局及資材局ヲ置ク
海運総局ニ長官官房並ニ総務局、海運局、船舶局及船員局ヲ置ク
自動車局ニ運輸通信大臣ノ定ムル所ニ依リ部又ハ部及課ヲ置クコトヲ得
航空局ニ監理部及乗員部ヲ置ク其ノ分掌事務ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第四条 企画局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 運輸ニ関スル綜合計画ノ設定其ノ他重要政策ノ綜合調整ニ関スル事項
二 内地ニ於ケル運輸ト内地以外ノ地域ニ於ケル運輸トノ連絡ニ関スル事項
第五条 鉄道総局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 国有鉄道及其ノ附帯事業ニ関スル事項
二 国有鉄道ニ関連スル国営船舶ノ業務ニ関スル事項
三 地方鉄道、専用鉄道及軌道ニ関スル事項
四 国有鉄道其ノ他ノ陸運及国有鉄道ニ関連スル国営船舶ノ要員ニ関スル事項
五 帝国鉄道会計ノ経費及諸収入ノ予算、決算並ニ会計及其ノ監査ニ関スル事項
六 帝国鉄道会計ノ国有財産及物品並ニ所要電力ニ関スル事項
七 鉄道及軌道ノ用ニ供スル車輛其ノ他ノ機械器具ニ関スル事項
八 倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ関スル事項
第六条 海運総局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路標識其ノ他ノ水運ニ関スル事項
二 港湾ノ運営ニ関スル事項
三 航路標識附属ノ設備ニ依ル気象観測ニ関スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫営業ニ関スル事項
第七条 自動車局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 国有鉄道ニ関連スル国営自動車及其ノ附帯事業ニ関スル事項
二 自動車交通事業、小運送業其ノ他ノ陸運(鉄道及軌道ヲ除ク)ノ事業ニ関スル事項
三 自動車其ノ他ノ陸運(鉄道及軌道ヲ除ク)ノ用ニ供スル機械器具ニ関スル事項
第八条 港湾局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 港湾ノ建設、保存及管理ニ関スル事項
二 港湾内ノ公有水面ニ関スル事項
第九条 航空局ニ於テハ航空ニ関スル事務ヲ掌ル
第十条 運輸通信省ニ海運総局参与十五人以内ヲ置キ海運総局ノ局務ニ参与セシム
海運総局参与ハ運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ関係各庁勅任官及学識経験アル者ノ中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
学識経験アル者ノ中ヨリ命ゼラレタル海運総局参与ノ任期ハ二年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
海運総局参与ハ勅任官ノ待遇トス但シ本官ヲ有スル者ニ付テハ本官ノ受クル待遇ニ依ル
第十一条 運輸通信省ニ航空ニ関スル特別ノ事項ヲ調査セシムル為航空局委員ヲ置クコトヲ得
航空局委員ハ運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ関係各庁高等官及学識経験アル者ノ中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
航空局委員ハ当該特別ノ事項ニ関スル調査終了シタルトキハ退任ス
第十二条 運輸通信大臣ハ施設ノ建設、改良又ハ保存ニ関スル事務ヲ取扱ハシムル為必要アリト認ムルトキハ地方官署ヲ置クコトヲ得
第十三条 海運総局ニ横浜出張所ヲ置キ航路標識用品ノ試験、製造、修繕、調達及配給ニ関スル事項ヲ掌ラシム
横浜出張所長ハ理事官又ハ技師ヲ以テ之ニ充ツ
第十四条 航空局ニ航空試験所ヲ置キ航空機、航空機用器材及航空用設備ノ検査及試験ニ関スル事務ヲ掌ラシム
運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ航空試験所ノ出張所ヲ設ケ航空試験所ノ事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ航空局ノ支局ヲ置キ航空機ノ運航ノ監督、航空保安施設ノ運用及飛行場ニ関スル事務ヲ分掌セシムルコトヲ得
航空試験所長、航空試験所出張所長及航空局支局長ハ航空官ヲ以テ之ニ充ツ
第十五条 地方ニ左ノ九鉄道局ヲ置ク
東京鉄道局
名古屋鉄道局
大阪鉄道局
広島鉄道局
門司鉄道局
新潟鉄道局
仙台鉄道局
札幌鉄道局
樺太鉄道局
鉄道局ノ位置及管轄区域ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第十六条 鉄道局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 国有鉄道ノ現業事務、国有鉄道ニ関連スル国営自動車及国営船舶ノ現業事務並ニ其ノ附帯事業ノ現業事務ニ関スル事項
二 運輸通信大臣ノ指定スル施設ノ建設又ハ改良ニ関スル事項
三 地方鉄道、軌道、自動車交通事業、小運送業其ノ他ノ陸運ノ業務ノ監督ニ関スル事項
四 倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ノ監督ニ関スル事項
第十七条 運輸通信大臣ハ鉄道局ノ事務ヲ取扱ハシムル為地方官署ヲ置クコトヲ得
第十八条 運輸通信省ニ鉄道監専任二十六人ヲ置ク
鉄道監ハ勅任トス上官ノ命ヲ承ケ陸運、国有鉄道ニ関連スル国営船舶及倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ関スル庁務ヲ掌理ス
第十九条 鉄道総局ノ各局長、自動車局長及自動車局ノ各部長ハ鉄道監ノ中ヨリ之ヲ補ス
第二十条 各鉄道局ニ局長一人ヲ置キ鉄道監(樺太鉄道局ニ在リテハ鉄道官)ノ中ヨリ之ヲ補ス運輸通信大臣ノ命ヲ承ケ局務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス
第二十一条 運輸通信省ニ航空局監理部長及航空局乗員部長ヲ置ク
各部長ハ勅任トス
第二十二条 運輸通信書記官ハ専任二十一人ヲ以テ定員トス
第二十三条 運輸通信省ニ事務官専任十七人及理事官専任六人ヲ置ク
事務官及理事官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第二十四条 運輸通信省ニ鉄道官専任千九十九人ヲ置ク
鉄道官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ陸運、国有鉄道ニ関連スル国営船舶及倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ関スル庁務ヲ掌ル
鉄道官ニシテ文官任用令第五条ノ規定ニ依リ任用スル者以外ノモノノ員数ハ鉄道官ノ定員ノ十分ノ九ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二十五条 運輸通信省ニ海務官専任五人ヲ置ク
海務官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ海運、造船又ハ船員ノ教育、養成若ハ労務管理ニ関スル事務ヲ掌ル
第二十六条 運輸通信省ニ航空官専任三十八人ヲ置ク
航空官ハ奏任トス但シ内一人ヲ勅任ト為スコトヲ得
航空官ハ上官ノ命ヲ承ケ航空ニ関スル技術又ハ事務ヲ掌ル
第二十七条 運輸通信省ニ調査官専任二人ヲ置ク
調査官ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ調査ヲ掌ル
第二十八条 運輸通信省ニ技師専任十三人ヲ置ク
技師ハ奏任トス但シ内一人ヲ勅任ト為スコトヲ得
技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第二十九条 運輸通信省ニ標識技師専任三人ヲ置ク
標識技師ハ奏任トス上官ノ命ヲ承ケ航路標識ノ保守及運用並ニ航路標識附属ノ設備ニ依ル気象観測ヲ掌ル
第三十条 運輸通信属ハ専任二百二十九人ヲ以テ定員トス
第三十一条 運輸通信省ニ鉄道官補専任四万二千二百三十九人ヲ置ク
鉄道官補ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ陸運、国有鉄道ニ関連スル国営船舶及倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ関スル庁務ニ従事ス
第三十二条 運輸通信省ニ技手専任百六人ヲ置ク
技手ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第三十三条 運輸通信省ニ標識技手専任五百人ヲ置ク
標識技手ハ判任トス上官ノ指揮ヲ承ケ航路標識ノ保守及運用並ニ航路標識附属ノ設備ニ依ル気象観測ニ従事ス
第一項ニ規定スルモノノ外運輸通信大臣必要アリト認ムルトキハ標識技手俸給予算定額内ニ於テ予備員トシテ標識技手二十人以内ヲ置クコトヲ得
前項ノ標識技手ハ海運総局ノ事務ニ臨時従事セシムルコトヲ得
第三十四条 運輸通信省ニ鉄道手ヲ置ク其ノ定員ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
鉄道手ハ判任官ノ待遇トス上官ノ指揮ヲ承ケ陸運、国有鉄道ニ関連スル国営船舶及倉庫営業(臨港倉庫ニ係ルモノヲ除ク)ニ関スル庁務ニ従事ス
第三十五条 第十八条乃至前条ノ職員ノ外海運総局又ハ航空局ノ事務ヲ掌ラシムル為運輸通信大臣ノ奏請ニ依リ関係各庁高等官ノ中ヨリ内閣ニ於テ海運総局事務官又ハ航空局事務官ヲ命ズルコトヲ得
第三十六条 航路標識ノ種別、名称及位置ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第三十七条 海運総局長官ハ船員ノ教育及養成ニシテ海軍予備員候補者トシテ必要ナル事項並ニ船舶保護法ノ施行ニ関スル事項ニ関シテハ海軍大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第三十八条 航空局長ハ航空機職員及航空ニ伴フ施設ニ関スル事項中軍事ニ関係アルモノニ関シテハ陸軍大臣及海軍大臣ノ指揮監督ヲモ承ク
第三十九条 運輸通信大臣ハ航空ニ関スル事務ニ関シ必要ニ応ジ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ対シ其ノ管理ニ属スル人馬、艦船、航空機、器材等ノ使用ヲ請求スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
逓信省官制、海務院官制、航空局官制及鉄道省官制ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ海務院、航空局又ハ鉄道省ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ鉄道監ハ鉄道監ニ、海務院書記官及航空局書記官ハ運輸通信書記官ニ、鉄道官ハ鉄道官ニ、海務院海務官ハ運輸通信省海務官ニ、航空局航空官ハ運輸通信省航空官ニ、海務院事務官及航空局事務官ハ運輸通信理事官ニ、海務院技師及航空局技師ハ運輸通信技師ニ、海務院標識技師ハ運輸通信省標識技師ニ、海務院属及航空局属ハ運輸通信属ニ、鉄道官補ハ鉄道官補ニ、海務院技手及航空局技手ハ運輸通信技手ニ、海務院標識技手ハ運輸通信省標識技手ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ鉄道省鉄道手タル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ運輸通信省鉄道手ニ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ海務院、航空局又ハ鉄道省ノ職員ニシテ休職中ノモノ別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ休職ノ儘第三項ノ例ニ依リ運輸通信省職員ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス