(目的)
第一条 この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「原子炉の運転等」とは、次の各号に掲げるもの及びこれらに附随してする核燃料物質の運搬、貯蔵又は廃棄をいう。
2 この法律において「原子力損害」とは、核燃料物質の原子核分裂の過程の作用又は核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)の放射線の作用若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより人体に中毒及びその続発症を及ぼすものをいう。)により生じた損害をいう。ただし、次条の規定により損害を賠償する責に任ずべき原子力事業者の受けた損害及び当該原子力事業者の従業員の業務上受けた損害を除く。
3 この法律において「原子力事業者」とは、次の各号に掲げる者(これらの者であつた者を含む。)をいう。
一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)第二十三条第一項の許可(承認を含む。次号及び第三号において同じ。)を受けた者(同法第三十九条第五項の規定により原子炉設置者とみなされた者を含む。)
4 この法律において「原子炉」とは、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第四号に規定する原子炉をいい、「核燃料物質」とは、同法同条第二号に規定する核燃料物質(規制法第二条第七項に規定する使用済燃料を含む。)をいい、「加工」とは、規制法第二条第六項に規定する加工をいい、「再処理」とは、規制法第二条第七項に規定する再処理をいい、「放射線」とは、原子力基本法第三条第五号に規定する放射線をいう。