朕は、帝國議会の協賛を経た労働者災害補償保險特別会計法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月五日
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 河合良成
大藏大臣 石橋湛山
法律第五十一号
労働者災害補償保險特別会計法
第一條 労働者災害補償保險法による労働者災害補償保險事業を経営するため、特別会計を設置し、その歳入を以てその歳出に充てる。
第二條 この会計は、厚生大臣が、法令の定めるところに從い、これを管理する。
第三條 この会計においては、保險料、積立金から生ずる收入、借入金及び附属雜收入を以てその歳入とし、保險金、保險料の返還金、保險施設費、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、事業取扱費その他の諸費を以てその歳出とする。
第四條 この会計に属する経費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担で、借入金をなすことができる。
前項の規定により、借入金をなすことができる金額は、純保險料を以て保險金及び保險料の返還金を支弁するに不足する金額を限度とする。
第五條 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第六條 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に從つて、これを、款及び項に区分する。
第七條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 前前年度の損益計算書及び貸借対照表並びに前前年度末における積立金明細表
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
第八條 この会計において、支拂上現金に余裕があるときは、これを大藏省預金部に預け入れることができる。
第九條 この会計において、支拂上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をなすことができる。
前項の規定による一時借入金は、当該年度内に、これを償還しなければならない。
第十條 第四條に規定する借入金及び前條に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大藏大臣がこれを行う。
第十一條 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十二條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、國会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、歳入歳出計算書、当該年度の損益計算書、貸借対照表、当該年度末における積立金明細表及び債務に関する計算書を添附しなければならない。
第十三條 この会計において、決算上剩余金を生じたときは、これを積立金に組み入れなければならない。
この会計において、決算上不足を生じたときは、積立金から、これを補足する。
第十四條 この会計の積立金は、國債を以て保有し又は大藏省預金部に預け入れて、これを運用することができる。
第十五條 この会計において支拂義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三條の規定による大藏大臣の承認を要しない。
厚生大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大藏大臣及び会計檢査院に通知しなければならない。
第十六條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
この法律は、昭和二十二年七月一日から、これを施行する。
労働者災害扶助責任保險特別会計法は、昭和二十二年六月三十日限りこれを廃止する。
労働者災害扶助責任保險特別会計廃止の際これに属する積立金は、これをこの会計に帰属せしめる。
前項の規定により帰属せしめられた積立金は、第十三條第二項の規定にかかわらず、これを予算の定めるところに從い使用することができる。
前項の規定するものの外、労働者災害扶助責任保險特別会計廃止の際これに属する権利義務は、これをこの会計に帰属せしめる。
この法律施行前になした予備費の支出並びに労働者災害扶助責任保險特別会計の昭和二十年度、同二十一年度及び同二十二年度の決算に関しては、なお從前の例による。
朕は、帝国議会の協賛を経た労働者災害補償保険特別会計法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月五日
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 河合良成
大蔵大臣 石橋湛山
法律第五十一号
労働者災害補償保険特別会計法
第一条 労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険事業を経営するため、特別会計を設置し、その歳入を以てその歳出に充てる。
第二条 この会計は、厚生大臣が、法令の定めるところに従い、これを管理する。
第三条 この会計においては、保険料、積立金から生ずる収入、借入金及び附属雑収入を以てその歳入とし、保険金、保険料の返還金、保険施設費、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、事業取扱費その他の諸費を以てその歳出とする。
第四条 この会計に属する経費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担で、借入金をなすことができる。
前項の規定により、借入金をなすことができる金額は、純保険料を以て保険金及び保険料の返還金を支弁するに不足する金額を限度とする。
第五条 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第六条 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、これを、款及び項に区分する。
第七条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを国会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 前前年度の損益計算書及び貸借対照表並びに前前年度末における積立金明細表
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
第八条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、これを大蔵省預金部に預け入れることができる。
第九条 この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をなすことができる。
前項の規定による一時借入金は、当該年度内に、これを償還しなければならない。
第十条 第四条に規定する借入金及び前条に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣がこれを行う。
第十一条 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十二条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、歳入歳出計算書、当該年度の損益計算書、貸借対照表、当該年度末における積立金明細表及び債務に関する計算書を添附しなければならない。
第十三条 この会計において、決算上剰余金を生じたときは、これを積立金に組み入れなければならない。
この会計において、決算上不足を生じたときは、積立金から、これを補足する。
第十四条 この会計の積立金は、国債を以て保有し又は大蔵省預金部に預け入れて、これを運用することができる。
第十五条 この会計において支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三条の規定による大蔵大臣の承認を要しない。
厚生大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
第十六条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
この法律は、昭和二十二年七月一日から、これを施行する。
労働者災害扶助責任保険特別会計法は、昭和二十二年六月三十日限りこれを廃止する。
労働者災害扶助責任保険特別会計廃止の際これに属する積立金は、これをこの会計に帰属せしめる。
前項の規定により帰属せしめられた積立金は、第十三条第二項の規定にかかわらず、これを予算の定めるところに従い使用することができる。
前項の規定するものの外、労働者災害扶助責任保険特別会計廃止の際これに属する権利義務は、これをこの会計に帰属せしめる。
この法律施行前になした予備費の支出並びに労働者災害扶助責任保険特別会計の昭和二十年度、同二十一年度及び同二十二年度の決算に関しては、なお従前の例による。