朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル蠶絲業法改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十二月二十一日
內閣總理大臣 男爵 幣原喜重郞
農林大臣 松村謙三
大藏大臣 子爵 澁澤敬三
商工大臣 小笠原三九郞
法律第五十七號
蠶絲業法
第一條 本法ニ於テ蠶絲トハ蠶種、繭、生絲其ノ他命令ヲ以テ定ムル蠶絲類ヲ謂フ
第二條 蠶種製造業ヲ營マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第三條 原原蠶種タル蠶種ノ品種ハ主務大臣之ヲ定ム
第四條 原原蠶種ハ政府又ハ當該原原蠶種ノ品種ノ選出育成者ニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
原原蠶種ノ品種ノ選出育成者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受ケ他ノ者ヲシテ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ原原蠶種ノ製造ヲ行ハシムルコトヲ得
第五條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蠶種ノ品種ノ選出育成者ヲシテ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ蠶種ヲ提出セシメ當該品種ノ原原蠶種ヲ製造シ之ヲ配付スルコトヲ得
第六條 蠶種ノ品種ノ選出育成者ハ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ原原蠶種ニ付蠶種製造業者ヨリ其ノ買受ノ申込アリタルトキハ正當ノ事由アルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第七條 原蠶種ハ都道府縣又ハ命令ヲ以テ定ムル蠶種製造業者ニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
原蠶種ハ原原蠶種ヨリ產出シタル繭ヲ用フルニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
第八條 普通蠶種ノ製造ハ主務大臣ノ定ムル交配形式ニ依ルベシ
普通蠶種ハ原原蠶種又ハ原蠶種ヨリ產出シタル繭ヲ用フルニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
第九條 蠶種製造業者ハ自己ノ製造スル蠶種ニ關シ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府縣若ハ其ノ者ノ所屬スル團體ノ檢査ヲ受ケ又ハ自ラ檢査ヲ行フベシ
前項ノ規定ニ依リ蠶種製造業者ガ其ノ者ノ所屬スル團體ノ檢査ヲ受ケ又ハ自ラ檢査ヲ行ヒタル場合ニ於テ監督上必要アリト認ムルトキハ都道府縣ハ更ニ檢査ヲ行フコトヲ得
第一項ノ檢査(前項ノ檢査アリタル場合ニ於テハ其ノ檢査)ニ合格シタル蠶種及其ノ蠶兒ニ非ザレバ之ヲ讓渡シ又ハ飼育スルコトヲ得ズ
第十條 行政官廳ハ蠶兒ノ飼育又ハ生繭ノ取扱ヲ爲ス者ニ對シ蠶病ノ驅除又ハ豫防ニ關シ必要ナル施設ヲ命ジ其ノ他取締上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十一條 學術硏究ノ爲ニ蠶種ノ製造又ハ蠶兒ノ飼育ヲ爲ス場合ニ於テ行政官廳第三條、第四條又ハ第六條乃至第九條ノ規定ヲ適用スル必要ナシト認ムルトキハ命令ヲ以テ其ノ適用ヲ除外スルコトヲ得
第十二條 都道府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蠶種ニ關スル檢査其ノ他蠶病ノ驅除又ハ豫防ノ爲必要ナル吏員ヲ置クベシ
第十三條 蠶種ノ輸出又ハ輸入ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第十四條 行政官廳ハ桑苗ノ檢査又ハ桑苗若ハ野蠶ノ病蟲害ノ驅除若ハ豫防ニ關シ取締上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十五條 繭ハ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府縣ノ行フ檢定ニ依ル品位ニ依ルニ非ザレバ其ノ賣買取引ヲ爲スコトヲ得ズ
第十六條 生絲ハ命令ノ定ムル所ニ依リ國ノ生絲檢査所ノ檢査ヲ受ケタルモノニ非ザレバ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
生絲ハ前項ノ檢査又ハ命令ヲ以テ定ムル檢査ニ依ル正量及品位ニ依ルニ非ザレバ其ノ賣買取引ヲ爲スコトヲ得ズ
第十七條 主務大臣前二條ノ規定ヲ適用スル必要ナシト認ムルトキハ命令ヲ以テ其ノ適用ヲ除外スルコトヲ得
第十八條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ蠶絲業ヲ營マントスル者ニ對シ行政官廳ノ許可ヲ受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十九條 行政官廳ハ第二條又ハ前條ノ許可ヲ受ケタル者ノ行爲ガ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ業務ヲ制限シ若ハ停止スルコトヲ得
第二十條 主務大臣ハ蠶絲ノ需給ノ調整、價格ノ安定又ハ輸出ノ振興上特ニ必要アリト認ムルトキハ蠶絲ノ生產、加工、輸出、輸入又ハ取扱ヲ業トスル者(以下蠶絲業者ト稱ス)ニ對シ勅令ノ定ムル所ニ依リ蠶絲ノ生產、配給、消費、使用、價格、輸出又ハ輸入ノ統制ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第二十一條 蠶絲業者ハ其ノ蠶絲業ノ改良發達ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲ス目的ヲ以テ蠶絲協同組合ヲ設立スルコトヲ得
蠶絲協同組合ハ法人トス
第二十二條 蠶絲協同組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ生產又ハ取扱ニ係ル蠶絲ノ加工又ハ販賣
二 組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ共同購入及共同設備ノ設置
三 組合員ノ生產シタル蠶絲ノ檢査
四 前各號ニ揭グルモノノ外蠶絲協同組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
第二十三條 蠶絲協同組合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ名稱中ニ蠶絲協同組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フベシ
蠶絲協同組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ蠶絲協同組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十四條 蠶絲協同組合ヲ設立セントスルトキハ蠶絲業者七人以上設立者ト爲リ定款ヲ作成シ出資第一囘ノ拂込ヲ爲サシメタル後二週間以內ニ勅令ノ定ムル所ニ依リ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
蠶絲協同組合ハ前項ノ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第二十五條 蠶絲協同組合ノ組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
蠶絲協同組合ノ組合員ノ責任ハ其ノ出資額ヲ限度トス
第二十六條 蠶絲協同組合ニ總會ヲ置ク
總會ハ總組合員ヲ以テ之ヲ組織ス
蠶絲協同組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコトヲ得
第二十七條 組合員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ二ヲ超エザル範圍內ニ於テ出資口數ニ應ジ二個以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第二十八條 蠶絲協同組合ニ理事及監事ヲ置ク
理事及監事ハ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事及監事ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムベシ
特別ノ事由アルトキハ理事及監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第二十九條 蠶絲業者又ハ其ノ團體(農業團體ヲ含ム)ハ蠶絲業ノ改良發達及統制ヲ圖ル目的ヲ以テ蠶絲業會ヲ設立スルコトヲ得
蠶絲業ニ密接ナル關係アル事業ヲ營ム者又ハ其ノ團體ハ蠶絲業會ノ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ト爲ルコトヲ得
蠶絲業會ハ法人トス
第三十條 蠶絲業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 蠶絲業ノ指導奬勵ニ關スル施設
二 蠶絲業ノ聯絡及統制ニ關スル施設
三 蠶絲業ニ關スル調査及硏究
四 前各號ニ揭グルモノノ外蠶絲業會ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
蠶絲業會ハ前項各號ニ揭グル事業ノ外第二十二條第一號乃至第三號ニ揭グル事業ヲ行フコトヲ得
第三十一條 蠶絲業會ヲ設立セントスルトキハ蠶絲業者十人以上設立者ト爲リ地區內ノ會員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ議決スベシ
全國ヲ地區トスル蠶絲業會ヲ設立セントスル場合ニ於テ特別ノ事由ニ因リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ蠶絲業者二十五人以上設立者ト爲リ設立ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲スコトヲ得
第二十四條ノ規定ハ蠶絲業會ノ設立ニ之ヲ準用ス
第三十二條 蠶絲業會ハ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賦課スルコトヲ得
蠶絲業會其ノ事業ヲ行フ爲必要アルトキハ會員ヲシテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ會員ヲシテ出資ヲ爲サシムル蠶絲業會ノ會員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第二項ノ規定ニ依リ會員ヲシテ出資ヲ爲サシムル蠶絲業會ノ會員ノ責任ハ第一項ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十三條 蠶絲業會ハ定款ノ定ムル所ニ依リ會員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十四條 蠶絲業會ニ總會及評議員會ヲ置ク
總會ハ議員及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
評議員會ハ評議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第三十五條 議員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ會員ノ中ヨリ會員之ヲ選擧ス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
特別議員ハ蠶絲業ニ關シ學識經驗アル者ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス
評議員ハ議員及特別議員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス
第三十六條 議員及特別議員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス
第三十七條 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蠶絲業會ノ申請ニ因リ其ノ會員タル資格ヲ有スル者ニ對シ當該蠶絲業會ニ加入スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三十八條 全國ヲ地區トスル蠶絲業會ニシテ命令ヲ以テ定ムル者ヲ會員トスルモノハ繭及生絲ノ價格ノ安定ヲ圖ル爲命令ノ定ムル所ニ依リ繭絲價格安定資金ヲ設定スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ繭絲價格安定資金ニ繰入レタル金額ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ特別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セザルコトヲ得
第三十九條 第二十三條及第二十八條ノ規定ハ蠶絲業會ニ之ヲ準用ス
第四十條 蠶絲協同組合又ハ蠶絲業會ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第四十一條 行政官廳ハ蠶絲協同組合又ハ蠶絲業會フ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ其ノ決議ヲ取消シ、役員ノ改選ヲ命ジ、業務ヲ停止シ又ハ解散ヲ命ズルコトヲ得
第四十二條 本法ニ規定スルモノノ外蠶絲協同組合又ハ蠶絲業會ノ設立、管理、解散、淸算其ノ他蠶絲協同組合又ハ蠶絲業會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三條 蠶絲協同組合及蠶絲業會ニハ所得稅、法人稅及營業稅ヲ課セズ
第四十四條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ蠶絲業者、蠶絲協同組合、蠶絲業會其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第四十五條 第二條、第四條第一項、第七條、第八條、第九條第三項、第十三條、第十五條若ハ第十六條ノ規定又ハ第十八條、第二十條若ハ第三十七條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス第四條第二項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケズシテ原原蠶種ノ製造ヲ行ハシメタル者亦同ジ
第四十六條 第九條第二項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十七條 第六條ノ規定又ハ第十條若ハ第十四條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第四十四條ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第四十四條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第四十九條 人又ハ法人ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ人又ハ法人ノ業務ニ關シ第四十五條、第四十七條又ハ前條第一號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ人又ハ法人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十五條、第四十七條又ハ前條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五十條 蠶絲協同組合又ハ蠶絲業會本法中蠶絲協同組合若ハ蠶絲業會ニ關スル規定若ハ之ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ理事、監事又ハ淸算人ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第五十一條 第二十三條第二項(第三十九條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
原蠶種管理法、輸出生絲取引法及蠶絲業統制法ハ之ヲ廢止ス
從前ノ蠶絲業法、原蠶種管理法又ハ蠶絲業統制法ニ基キテ爲シタル處分、申請、檢査其ノ他ノ行爲ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ本法ノ相當規定ニ基キテ爲シタルモノト看做ス
從前ノ蠶絲業法ニ依リ設立ノ登記ヲ爲シタル蠶絲共同施設組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ之ヲ本法ニ依リ設立シタル蠶絲協同組合ト看做ス
前項ノ蠶絲共同施設組合無限責任又ハ保證責任ノ組合ナルトキハ其ノ組織ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
前項ノ組合ハ從前ノ例ニ依リ其ノ組織ヲ變更シ有限責任ノ組合ト爲ルコトヲ得
日本蠶絲統制株式會社ハ主務大臣ノ指定スル日ニ於テ解散ス
蠶絲業統制法第四條、第七條乃至第十一條、第二十二條乃至第四十三條及第五十條乃至第五十四條ノ規定ハ前項ノ日迄仍其ノ效力ヲ有ス
日本蠶絲統制株式會社解散シタルトキハ蠶絲業統制法第四十二條第一項ノ規定ニ依リ積立テタル繭絲價格安定資金ヲ第三十八條ニ規定スル蠶絲業會ニシテ主務大臣ノ指定スルモノニ引渡スベシ
前項ノ規定ニ依リ日本蠶絲統制株式會社ガ引渡スベキ繭絲價格安定資金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ法人稅法ニ依ル淸算所得及營業稅法ニ依ル淸算純益ノ計算上之ヲ益金ニ算入セザルコトヲ得
前二項ニ規定スルモノノ外日本蠶絲統制株式會社ノ淸算ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九項ニ規定スル蠶絲業會ガ同項ノ規定ニ依リ日本蠶絲統制株式會社ヨリ承繼シタル財產ニ付テハ特別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
蠶絲業組合法中左ノ通改正ス
第三章ヲ削ル
日本中央蠶絲會ハ主務大臣ノ指定スル日ニ於テ解散ス
蠶絲業組合法第三章ノ規定ハ日本中央蠶絲會ノ淸算ノ結了ニ至ル迄仍其ノ效力ヲ有ス
印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十二號中「中央水產業會、」ノ下ニ「蠶絲協同組合、蠶絲業會、」ヲ加フ
登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「蠶絲共同施設組合」ヲ「蠶絲協同組合、蠶絲業會」ニ改ム
特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條第六號ヲ左ノ如ク改ム
六 蠶絲協同組合及蠶絲業會(所屬ノ會員ヲシテ出資ヲ爲サシメザルモノヲ除ク)
本法施行前(附則第八項ノ場合ニ於テハ第七項ノ日前)ニ爲シタル行爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
本法ニ規定スルモノノ外本法ノ施行ニ關シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル蚕糸業法改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十二月二十一日
内閣総理大臣 男爵 幣原喜重郎
農林大臣 松村謙三
大蔵大臣 子爵 渋沢敬三
商工大臣 小笠原三九郎
法律第五十七号
蚕糸業法
第一条 本法ニ於テ蚕糸トハ蚕種、繭、生糸其ノ他命令ヲ以テ定ムル蚕糸類ヲ謂フ
第二条 蚕種製造業ヲ営マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第三条 原原蚕種タル蚕種ノ品種ハ主務大臣之ヲ定ム
第四条 原原蚕種ハ政府又ハ当該原原蚕種ノ品種ノ選出育成者ニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
原原蚕種ノ品種ノ選出育成者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受ケ他ノ者ヲシテ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ原原蚕種ノ製造ヲ行ハシムルコトヲ得
第五条 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蚕種ノ品種ノ選出育成者ヲシテ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ蚕種ヲ提出セシメ当該品種ノ原原蚕種ヲ製造シ之ヲ配付スルコトヲ得
第六条 蚕種ノ品種ノ選出育成者ハ其ノ選出育成ニ係ル品種ノ原原蚕種ニ付蚕種製造業者ヨリ其ノ買受ノ申込アリタルトキハ正当ノ事由アルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第七条 原蚕種ハ都道府県又ハ命令ヲ以テ定ムル蚕種製造業者ニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
原蚕種ハ原原蚕種ヨリ産出シタル繭ヲ用フルニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
第八条 普通蚕種ノ製造ハ主務大臣ノ定ムル交配形式ニ依ルベシ
普通蚕種ハ原原蚕種又ハ原蚕種ヨリ産出シタル繭ヲ用フルニ非ザレバ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
第九条 蚕種製造業者ハ自己ノ製造スル蚕種ニ関シ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府県若ハ其ノ者ノ所属スル団体ノ検査ヲ受ケ又ハ自ラ検査ヲ行フベシ
前項ノ規定ニ依リ蚕種製造業者ガ其ノ者ノ所属スル団体ノ検査ヲ受ケ又ハ自ラ検査ヲ行ヒタル場合ニ於テ監督上必要アリト認ムルトキハ都道府県ハ更ニ検査ヲ行フコトヲ得
第一項ノ検査(前項ノ検査アリタル場合ニ於テハ其ノ検査)ニ合格シタル蚕種及其ノ蚕児ニ非ザレバ之ヲ譲渡シ又ハ飼育スルコトヲ得ズ
第十条 行政官庁ハ蚕児ノ飼育又ハ生繭ノ取扱ヲ為ス者ニ対シ蚕病ノ駆除又ハ予防ニ関シ必要ナル施設ヲ命ジ其ノ他取締上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十一条 学術研究ノ為ニ蚕種ノ製造又ハ蚕児ノ飼育ヲ為ス場合ニ於テ行政官庁第三条、第四条又ハ第六条乃至第九条ノ規定ヲ適用スル必要ナシト認ムルトキハ命令ヲ以テ其ノ適用ヲ除外スルコトヲ得
第十二条 都道府県ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蚕種ニ関スル検査其ノ他蚕病ノ駆除又ハ予防ノ為必要ナル吏員ヲ置クベシ
第十三条 蚕種ノ輸出又ハ輸入ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
第十四条 行政官庁ハ桑苗ノ検査又ハ桑苗若ハ野蚕ノ病虫害ノ駆除若ハ予防ニ関シ取締上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十五条 繭ハ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府県ノ行フ検定ニ依ル品位ニ依ルニ非ザレバ其ノ売買取引ヲ為スコトヲ得ズ
第十六条 生糸ハ命令ノ定ムル所ニ依リ国ノ生糸検査所ノ検査ヲ受ケタルモノニ非ザレバ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
生糸ハ前項ノ検査又ハ命令ヲ以テ定ムル検査ニ依ル正量及品位ニ依ルニ非ザレバ其ノ売買取引ヲ為スコトヲ得ズ
第十七条 主務大臣前二条ノ規定ヲ適用スル必要ナシト認ムルトキハ命令ヲ以テ其ノ適用ヲ除外スルコトヲ得
第十八条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ蚕糸業ヲ営マントスル者ニ対シ行政官庁ノ許可ヲ受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十九条 行政官庁ハ第二条又ハ前条ノ許可ヲ受ケタル者ノ行為ガ本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ業務ヲ制限シ若ハ停止スルコトヲ得
第二十条 主務大臣ハ蚕糸ノ需給ノ調整、価格ノ安定又ハ輸出ノ振興上特ニ必要アリト認ムルトキハ蚕糸ノ生産、加工、輸出、輸入又ハ取扱ヲ業トスル者(以下蚕糸業者ト称ス)ニ対シ勅令ノ定ムル所ニ依リ蚕糸ノ生産、配給、消費、使用、価格、輸出又ハ輸入ノ統制ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第二十一条 蚕糸業者ハ其ノ蚕糸業ノ改良発達ヲ図ル為共同ノ施設ヲ為ス目的ヲ以テ蚕糸協同組合ヲ設立スルコトヲ得
蚕糸協同組合ハ法人トス
第二十二条 蚕糸協同組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ生産又ハ取扱ニ係ル蚕糸ノ加工又ハ販売
二 組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ共同購入及共同設備ノ設置
三 組合員ノ生産シタル蚕糸ノ検査
四 前各号ニ掲グルモノノ外蚕糸協同組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
第二十三条 蚕糸協同組合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ名称中ニ蚕糸協同組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フベシ
蚕糸協同組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ蚕糸協同組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十四条 蚕糸協同組合ヲ設立セントスルトキハ蚕糸業者七人以上設立者ト為リ定款ヲ作成シ出資第一回ノ払込ヲ為サシメタル後二週間以内ニ勅令ノ定ムル所ニ依リ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ
蚕糸協同組合ハ前項ノ設立ノ登記ヲ為スニ因リテ成立ス
第二十五条 蚕糸協同組合ノ組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
蚕糸協同組合ノ組合員ノ責任ハ其ノ出資額ヲ限度トス
第二十六条 蚕糸協同組合ニ総会ヲ置ク
総会ハ総組合員ヲ以テ之ヲ組織ス
蚕糸協同組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ総会ニ代ルベキ総代会ヲ設クルコトヲ得
第二十七条 組合員ハ総会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決権総数ノ十分ノ二ヲ超エザル範囲内ニ於テ出資口数ニ応ジ二個以上ノ議決権ヲ有セシムルコトヲ得
第二十八条 蚕糸協同組合ニ理事及監事ヲ置ク
理事及監事ハ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事及監事ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムベシ
特別ノ事由アルトキハ理事及監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第二十九条 蚕糸業者又ハ其ノ団体(農業団体ヲ含ム)ハ蚕糸業ノ改良発達及統制ヲ図ル目的ヲ以テ蚕糸業会ヲ設立スルコトヲ得
蚕糸業ニ密接ナル関係アル事業ヲ営ム者又ハ其ノ団体ハ蚕糸業会ノ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員ト為ルコトヲ得
蚕糸業会ハ法人トス
第三十条 蚕糸業会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 蚕糸業ノ指導奨励ニ関スル施設
二 蚕糸業ノ連絡及統制ニ関スル施設
三 蚕糸業ニ関スル調査及研究
四 前各号ニ掲グルモノノ外蚕糸業会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
蚕糸業会ハ前項各号ニ掲グル事業ノ外第二十二条第一号乃至第三号ニ掲グル事業ヲ行フコトヲ得
第三十一条 蚕糸業会ヲ設立セントスルトキハ蚕糸業者十人以上設立者ト為リ地区内ノ会員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ議決スベシ
全国ヲ地区トスル蚕糸業会ヲ設立セントスル場合ニ於テ特別ノ事由ニ因リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ蚕糸業者二十五人以上設立者ト為リ設立ニ関スル一切ノ行為ヲ為スコトヲ得
第二十四条ノ規定ハ蚕糸業会ノ設立ニ之ヲ準用ス
第三十二条 蚕糸業会ハ其ノ会員ニ対シ経費ヲ賦課スルコトヲ得
蚕糸業会其ノ事業ヲ行フ為必要アルトキハ会員ヲシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ会員ヲシテ出資ヲ為サシムル蚕糸業会ノ会員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第二項ノ規定ニ依リ会員ヲシテ出資ヲ為サシムル蚕糸業会ノ会員ノ責任ハ第一項ノ規定ニ依ル費用負担ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十三条 蚕糸業会ハ定款ノ定ムル所ニ依リ会員ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十四条 蚕糸業会ニ総会及評議員会ヲ置ク
総会ハ議員及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
評議員会ハ評議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第三十五条 議員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ会員ノ中ヨリ会員之ヲ選挙ス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
特別議員ハ蚕糸業ニ関シ学識経験アル者ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス
評議員ハ議員及特別議員ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス
第三十六条 議員及特別議員ハ総会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス
第三十七条 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蚕糸業会ノ申請ニ因リ其ノ会員タル資格ヲ有スル者ニ対シ当該蚕糸業会ニ加入スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三十八条 全国ヲ地区トスル蚕糸業会ニシテ命令ヲ以テ定ムル者ヲ会員トスルモノハ繭及生糸ノ価格ノ安定ヲ図ル為命令ノ定ムル所ニ依リ繭糸価格安定資金ヲ設定スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ繭糸価格安定資金ニ繰入レタル金額ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ特別法人税法ニ依ル剰余金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セザルコトヲ得
第三十九条 第二十三条及第二十八条ノ規定ハ蚕糸業会ニ之ヲ準用ス
第四十条 蚕糸協同組合又ハ蚕糸業会ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第四十一条 行政官庁ハ蚕糸協同組合又ハ蚕糸業会フ決議又ハ役員ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ其ノ決議ヲ取消シ、役員ノ改選ヲ命ジ、業務ヲ停止シ又ハ解散ヲ命ズルコトヲ得
第四十二条 本法ニ規定スルモノノ外蚕糸協同組合又ハ蚕糸業会ノ設立、管理、解散、清算其ノ他蚕糸協同組合又ハ蚕糸業会ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三条 蚕糸協同組合及蚕糸業会ニハ所得税、法人税及営業税ヲ課セズ
第四十四条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ蚕糸業者、蚕糸協同組合、蚕糸業会其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為スコトヲ得
第四十五条 第二条、第四条第一項、第七条、第八条、第九条第三項、第十三条、第十五条若ハ第十六条ノ規定又ハ第十八条、第二十条若ハ第三十七条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス第四条第二項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケズシテ原原蚕種ノ製造ヲ行ハシメタル者亦同ジ
第四十六条 第九条第二項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第四十七条 第六条ノ規定又ハ第十条若ハ第十四条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第四十八条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第四十四条ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第四十四条ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第四十九条 人又ハ法人ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ人又ハ法人ノ業務ニ関シ第四十五条、第四十七条又ハ前条第一号ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ人又ハ法人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十五条、第四十七条又ハ前条第一号ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五十条 蚕糸協同組合又ハ蚕糸業会本法中蚕糸協同組合若ハ蚕糸業会ニ関スル規定若ハ之ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ理事、監事又ハ清算人ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス
第五十一条 第二十三条第二項(第三十九条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
原蚕種管理法、輸出生糸取引法及蚕糸業統制法ハ之ヲ廃止ス
従前ノ蚕糸業法、原蚕種管理法又ハ蚕糸業統制法ニ基キテ為シタル処分、申請、検査其ノ他ノ行為ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ本法ノ相当規定ニ基キテ為シタルモノト看做ス
従前ノ蚕糸業法ニ依リ設立ノ登記ヲ為シタル蚕糸共同施設組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ之ヲ本法ニ依リ設立シタル蚕糸協同組合ト看做ス
前項ノ蚕糸共同施設組合無限責任又ハ保証責任ノ組合ナルトキハ其ノ組織ニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル
前項ノ組合ハ従前ノ例ニ依リ其ノ組織ヲ変更シ有限責任ノ組合ト為ルコトヲ得
日本蚕糸統制株式会社ハ主務大臣ノ指定スル日ニ於テ解散ス
蚕糸業統制法第四条、第七条乃至第十一条、第二十二条乃至第四十三条及第五十条乃至第五十四条ノ規定ハ前項ノ日迄仍其ノ効力ヲ有ス
日本蚕糸統制株式会社解散シタルトキハ蚕糸業統制法第四十二条第一項ノ規定ニ依リ積立テタル繭糸価格安定資金ヲ第三十八条ニ規定スル蚕糸業会ニシテ主務大臣ノ指定スルモノニ引渡スベシ
前項ノ規定ニ依リ日本蚕糸統制株式会社ガ引渡スベキ繭糸価格安定資金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ法人税法ニ依ル清算所得及営業税法ニ依ル清算純益ノ計算上之ヲ益金ニ算入セザルコトヲ得
前二項ニ規定スルモノノ外日本蚕糸統制株式会社ノ清算ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九項ニ規定スル蚕糸業会ガ同項ノ規定ニ依リ日本蚕糸統制株式会社ヨリ承継シタル財産ニ付テハ特別法人税法ニ依ル剰余金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
蚕糸業組合法中左ノ通改正ス
第三章ヲ削ル
日本中央蚕糸会ハ主務大臣ノ指定スル日ニ於テ解散ス
蚕糸業組合法第三章ノ規定ハ日本中央蚕糸会ノ清算ノ結了ニ至ル迄仍其ノ効力ヲ有ス
印紙税法中左ノ通改正ス
第四条第一項第十二号中「中央水産業会、」ノ下ニ「蚕糸協同組合、蚕糸業会、」ヲ加フ
登録税法中左ノ通改正ス
第十九条第七号中「蚕糸共同施設組合」ヲ「蚕糸協同組合、蚕糸業会」ニ改ム
特別法人税法中左ノ通改正ス
第二条第六号ヲ左ノ如ク改ム
六 蚕糸協同組合及蚕糸業会(所属ノ会員ヲシテ出資ヲ為サシメザルモノヲ除ク)
本法施行前(附則第八項ノ場合ニ於テハ第七項ノ日前)ニ為シタル行為ニ関スル罰則ノ適用ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
本法ニ規定スルモノノ外本法ノ施行ニ関シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム